茨城県は、霞ヶ浦・太平洋・筑波山のふもとと、坂の少ないフィールドがそろった県です。日本で2番目に大きい湖・霞ヶ浦をめぐる「カスイチ」、廃線跡を自転車道にした「つくばりんりんロード」、海沿いの大洗〜ひたちなかと、走りやすいコースがたくさんあるんですよね。
そのうえ、土日祝は自転車をそのまま電車に載せられる路線(常磐線の上野〜土浦・水郡線)や、乗り捨てのできるレンタサイクルもあります。ただ、どちらも予約や登録が要るので、決まりを先に知っておくと安心です。
ここでは、茨城のおすすめ5エリアを、距離・上りの量・行き方(輪行・レンタサイクル)・季節の見どころつきでご紹介します。まずは下の早見表で、気になるエリアを選んでみてください。
茨城サイクリングおすすめエリア早見表
5つのエリアの場所
5つのエリアの場所を、地図にまとめました。番号はご紹介する順番で、印を押すと、そのエリアの項目へ移ります。
霞ヶ浦|カスイチ(霞ヶ浦一周)の94kmと125km
霞ヶ浦の湖畔から見た対岸と筑波山
日本で2番目に大きい湖・霞ヶ浦をめぐる「カスイチ」は、茨城県のライドプランで、霞ヶ浦大橋でショートカットする約94kmと、西浦を一周する約125kmの2つがあります。坂はほとんどなく、湖を見ながら、ひたすら走る感じですね。
ただ、県の難易度は、94kmが★4、125kmが★5。きついのは、距離と、湖の上を渡ってくる風なんですよね。道は、自転車専用の道ではなく、車も通る湖岸の道が中心です。
行き方:東京駅から土浦駅まで、常磐線の特急で約50分です。土日祝は、常磐線のサイクルトレイン(上野〜土浦・予約制)で、自転車をそのまま載せて行くこともできます(下の「茨城サイクリングのコツ」)。
手ぶらで行くなら:土浦駅ビルのりんりんスクエア土浦に、広域レンタサイクルの窓口があります。クロスバイク1日2,500円・ロードバイク3,000円・Eバイク3,500円で、予約は利用日の3日前まで。シャワー(300円)とコインロッカーもあるので、走り終わってから着替えて帰れます。これはうれしいですよね。
詳細ルートガイド
カスイチの距離は94kmと125km|平坦なのに、県公式の難易度は星5つ
カスイチ(霞ヶ浦一周)の距離は回り方で3つあります。霞ヶ浦大橋でショートカットすれば94km、西浦を一周すると125km、北浦もまわると140km以上。茨城県のライドプランでは、ショートで星4つ、フルで星5つの難易度です。125kmで獲得標高269mしかないのにこの評価なのは、きつさが坂ではなく距離と風だから。公式の「走行時間5時間」は休憩ゼロの数字なので、実際は8〜9時間を見ておいてください。立ち寄れる場所と駐車場、レンタサイクルの乗り捨て料金までまとめました。
つくばりんりんロード|廃線跡の自転車道を、土浦から岩瀬へ
りんりんロードの終点(JR岩瀬駅のそば)
旧筑波鉄道の廃線跡を自転車道にした、土浦から岩瀬までの約40kmです。車道を走らずに済む区間が長く、正面に筑波山を眺めながら走れるのが気持ちいいんですよね。春は沿線の桜もきれいです。
途中には、県の休憩所がいくつもあります(地図の2〜7=虫掛・藤沢・小田・筑波・真壁・雨引)。小田休憩所は、小田城跡歴史ひろばにあります。北条のあたりから片道1kmほど寄り道すると、平沢官衙遺跡もありますよ。
行き方:土浦駅は常磐線、岩瀬駅はJR水戸線です。片道だけ走るなら、行きと帰りで駅が変わります。帰りは輪行袋に入れて電車に乗ります。岩瀬→土浦の向きだとゆるい下りなので、私は岩瀬から走り出すのがいいかなと思います。
手ぶらで行くなら:広域レンタサイクルを、沿線では土浦の3か所(りんりんスクエア土浦・土浦まちかど蔵「大徳」・りんりんポート土浦)、北条の筑波山ゲートパーク、岩瀬駅前の高砂旅館で借りられます。借りた所と別の所で返す乗り捨ては、1台1日500円。予約は利用日の3日前までです。思い立った当日には借りられないので、ここは気をつけたいところですよね。
詳細ルートガイド
つくばりんりんロード 土浦〜岩瀬40kmガイド【2026年版】|所要時間・休憩所・レンタサイクルの乗り捨て(地図付き)
旧筑波鉄道の廃線跡を走る、つくばりんりんロード(土浦駅〜岩瀬駅・約40km)のガイドです。休憩所の場所と設備、所要時間、広域レンタサイクルの予約と乗り捨て、帰りの電車まで、県の公式の情報をもとに地図つきでご紹介します。
大洗〜ひたちなか|海沿いを北へ、神磯の鳥居と市場めぐり
大洗の海に立つ神磯の鳥居
大洗駅から、海沿いを北へ走って勝田駅まで行く約23kmのコースです。大洗磯前神社の神磯の鳥居、那珂湊おさかな市場の海鮮丼、阿字ヶ浦の海、春のネモフィラと秋のコキアの国営ひたち海浜公園と、見どころがぎゅっと詰まっているんですよね。
ひたち海浜公園は有料(大人450円)で、自転車で走れるのは、園内の約13kmのサイクリングコースだけです。コースの外では自転車に乗れないので、地図の線は、公園の外の道で西口へ回るようにしています。ただ、公園に入るなら、園内はサイクリングコースだけを走る、と覚えておけば大丈夫です。
ひたち海浜公園:入園料は大人450円(ネモフィラ・コキアの見ごろは季節料金が足されて、2026年の秋は10月9日〜11月3日が800円)。火曜はお休み(祝日なら次の平日。春・夏・10月などは毎日開いています)。持ってきた自転車でもサイクリングコースを走れて、レンタサイクルもあります(大人600円・3時間)。
行き方:東京から水戸まで常磐線で約75分、水戸から大洗まで鹿島臨海鉄道で約15分です。帰りは、勝田から東京まで約90分。鹿島臨海鉄道には、自転車をそのまま載せられるサイクルトレインの案内が見当たらなかったので、輪行袋に入れて乗るつもりでいてくださいね。
手ぶらで行くなら:大洗駅のとなりのうみまちテラス(9:00〜17:30・無休)で、電動のシティサイクル(4時間1,000円・1日1,500円)やEバイクを借りられます。返せるのは、うみまちテラス・那珂湊駅・大洗シーサイドホテルの3か所で、勝田駅では返せません。借りるなら、那珂湊駅で返すか、茨城県の「大洗・ひたちなか満喫ライド」(約32km・うみまちテラスに戻る周回)のように走るのがいいかなと思います。
那珂湊おさかな市場は、店ごとに営業時間と定休日がちがいますが、土日祝は全店が開いています。
詳細ルートガイド
大洗〜ひたちなかサイクリング約23km【2026年版】|神磯の鳥居・海鮮丼・ひたち海浜公園と、レンタサイクルの返し方
大洗駅から勝田駅まで、海沿いの町をつなぐ約23kmのコースです。神磯の鳥居、那珂湊おさかな市場、ひたち海浜公園の見どころと、レンタサイクルを返せる場所(勝田駅では返せません)、帰りの電車まで、公式の情報をもとにご紹介します。
涸沼川ライド|汽水湖の涸沼を一周する県のコース
涸沼と、湖岸の道
茨城県のライドプラン「涸沼川ライド」は、大洗のうみまちテラスを出て、涸沼川沿いの自転車道で涸沼へ向かい、北岸から西の端・南岸を回って大洗へ戻る約31kmのコースです。
涸沼は、海水と淡水がまじる汽水湖で、ラムサール条約に登録された湿地です。水鳥やヨシ原を眺めながら、湖のまわりをぐるっと走れるんですよね。南岸の「いこいの村涸沼」は、県の案内では日帰り入浴もできる宿です(時間は施設で確かめてください)。
補給:コンビニは、大洗の町と、湖の西の端(茨城町海老沢)にあります(県のコースの地図の補給の印)。湖のまわりは店が少ないので、飲み物は大洗で多めに持っておくと安心かなと思います。
大洗磯前神社は、このコースには入っていません。走り終わってから寄るなら、上の「大洗〜ひたちなか」の地図の3番が神社です。
行き方:大洗駅まで、上の「大洗〜ひたちなか」と同じです。
手ぶらで行くなら:発着がうみまちテラスなので、うみまちテラスで電動のシティサイクルを借りて、そのまま一周できます(1日1,500円・返すのは17:30まで)。湖の北岸の涸沼自然公園では、茨城町のレンタサイクルも借りられます(11〜3月は月曜休み・公園の中では乗れません)。
※コースの線は、茨城県のライドプランの地図の「漫遊ライド2024」の線をなぞったものです(茨城県のライドプラン)。
竜神・袋田街道|竜神大吊橋と袋田の滝をめぐる上級ロング
紅葉の竜神大吊橋
走り込んだ人へのチャレンジが、茨城県のライドプラン「竜神・袋田街道」です。道の駅ひたちおおたを出て、ふたつの峠を越えて竜神大吊橋と袋田の滝へ。そこから久慈川沿いを下って戻る、約108km・獲得標高1,743mの上級コースです。
竜神大吊橋は、歩行者専用の吊橋としては日本最大級(長さ375m)で、湖面からの高さは100m。袋田の滝は、高さ120m・幅73mの、日本三名瀑のひとつです。秋の紅葉の時期は、とくにきれいですよ。
冬の袋田の滝
見学の時間と料金:竜神大吊橋は8:30〜17:00で、渡るのは大人320円。袋田の滝は、滝の前まで行く「袋田の滝トンネル」が大人500円で、時間は5〜10月が8:00〜18:00、11月が8:00〜17:00、12〜4月が9:00〜17:00です。
補給:大子の道の駅奥久慈だいごのあたり(約50km地点)を出ると、道の駅常陸大宮(約89km地点)まで、県のコースの地図にコンビニの印がありません(食事処が1つだけ)。大子で、飲み物と補給食を多めに用意しておいてください。このコースでは、ここがいちばんの注意どころな気がします。
行き方:車なら、道の駅ひたちおおたの無料駐車場から出発します。電車なら、水郡線の常陸太田駅から道の駅まで2〜3kmほどです。水郡線は、土日祝にサイクルトレイン(上菅谷から先の各駅・事前登録)があります。水戸〜上菅谷は対象外なので、水戸から乗るなら輪行袋に入れます。
手ぶらで行くなら:108kmを借りた自転車で走るのは、あまり現実的ではないかなと思います。道の駅奥久慈だいごの奥久慈サイクルステーションでEバイク(1日3,000円・4時間以内は半額・前日12時までに予約)を借りて、袋田の滝や大子のまわりだけを回る、という楽しみ方もありますよ。
はじめてでも安心!茨城サイクリングのコツ
茨城は坂の少ないコースが多い反面、湖畔や海沿いは風と日差しをさえぎるものがありません。レンタサイクルと電車の決まりを知っておくと、ぐっと走りやすくなるんですよね。
レンタサイクルは、3日前までに予約
土浦・つくば・霞ヶ浦のまわりの広域レンタサイクルは、茨城県と9つの市町が一緒にやっている仕組みで、貸し出しと返却の場所が12か所あります(りんりんロードの沿線のほか、霞ヶ浦・潮来・鹿嶋・つくば駅前など)。
- 予約は、ウェブで利用日の3日前まで
- 1台1日:クロスバイク2,500円・ロードバイク3,000円・Eバイク3,500円
- 借りた所と別の所で返す乗り捨ては、1台1日500円
- ヘルメットは無料で借りられます。身分証が要ります
大洗のうみまちテラスのレンタサイクルは、これとは別の仕組みです(上の「大洗〜ひたちなか」)。
サイクルトレインは「行きと帰りの足」
自転車をそのまま電車に載せられるサイクルトレインは、茨城では2つあります。どちらも、途中の駅でやめて帰るための電車ではないので、気をつけてくださいね。
- 常磐線(JR東日本):乗り降りできるのは上野駅と土浦駅だけ。土日祝だけで、事前予約(JRE MALL)。対象の列車は下り3本・上り3本で、1列車10台まで
- 水郡線(JR東日本):上菅谷から先の各駅(常陸大宮・袋田・常陸大子・常陸太田など)で、土日祝・事前登録。水戸〜上菅谷は対象外です
ちなみに、サイクルトレインのサービスそのものは無料で、運賃だけで乗れます。混んでいると、輪行袋に入れるよう言われることもあるので、輪行袋はいつも持っていくのが安心です。カスイチを途中でやめて帰るときも、湖のまわりの駅から輪行袋で帰ることになります。運行日と対象の列車は変わることがあるので、乗る前にJR東日本のページで確かめてください。
季節に合わせた装備を
春と秋は、湖や海の風が冷たく感じるんですよね。ウィンドブレーカーなど、羽織るものがあると安心です。夏は日差しと熱中症に気をつけて、水分・日焼け止め・サングラスを。ヘルメット・ライト(前後)・グローブなどの基本の装備も忘れずに。
よくある質問(FAQ)
茨城でサイクリング初心者に一番おすすめのコースは?
まずは大洗〜ひたちなかの海沿い(約23km)か、つくばりんりんロードが走りやすいと思います。りんりんロードは車道を走らずに済む区間が長く、片道だけ走って電車で帰ることもできます。距離に慣れてきたら、カスイチ(霞ヶ浦)に挑戦してみてください。
霞ヶ浦一周(カスイチ)は初心者でも走れますか?
坂はほとんどありませんが、県の難易度は94kmで★4、125kmで★5です。きついのは距離と、湖の上を渡ってくる風。はじめてなら94kmのほうから、輪行袋を持って、途中でやめて帰れるようにしておくと安心です。くわしくはカスイチの記事をどうぞ。
レンタサイクルはありますか?
あります。土浦・つくば・霞ヶ浦のまわりは広域レンタサイクル(予約は3日前まで・乗り捨ては1日500円)、大洗はうみまちテラス、大子は奥久慈サイクルステーションで借りられます。
自転車をそのまま電車に載せられますか?
土日祝に、常磐線のサイクルトレイン(上野駅と土浦駅だけ・予約制)と、水郡線のサイクルトレイン(上菅谷から先の各駅・事前登録)があります。それ以外の電車や駅では、輪行袋に入れて乗ります。
ひたち海浜公園の中は、自転車で走れますか?
入園料(大人450円・季節料金の時期は高くなります)を払えば、園内の約13kmのサイクリングコースを、持ってきた自転車でも走れます。コースの外では自転車に乗れません。火曜はお休みの日が多いので、行く前に公園のページで確かめてください。
ベストシーズンはいつですか?
春(桜・ネモフィラ)と秋(コキア・紅葉)が走りやすいです。夏は湖畔や海沿いの日差しが強いので、朝や夕方の涼しい時間がおすすめ。竜神大吊橋と袋田の滝は、秋の紅葉の時期がとくにきれいです。
まとめ|茨城は湖と海と、坂の少ない道
茨城のサイクリングは、霞ヶ浦・太平洋・筑波山のふもとと、坂の少ないフィールドがそろっているのが、いちばんの魅力かなと思います。
- 霞ヶ浦(カスイチ):94kmと125km。坂は無いけれど、県の難易度は★4・★5(距離と風)
- つくばりんりんロード:廃線跡の自転車道を約40km。乗り捨てのできるレンタサイクルも
- 大洗〜ひたちなか:海沿いの約23km。ひたち海浜公園の中はサイクリングコースだけ
- 涸沼川ライド:汽水湖の涸沼を一周する約31km(中級)
- 竜神・袋田街道:ふたつの峠を越える約108km(上級)
となりの県も走ってみたくなったら、千葉サイクリングおすすめ8コース、栃木サイクリングおすすめ5エリア、群馬サイクリングおすすめ5エリア、埼玉サイクリングおすすめ5エリア、関東全体の関東サイクリングおすすめ完全ガイドもどうぞ。
※料金・時間・電車の決まりは、2026年10月18日時点の各公式サイトの案内です(茨城県のサイクリングサイト・JR東日本・国営ひたち海浜公園・竜神大吊橋・大子町観光協会・那珂湊おさかな市場)。距離と上りの量は、ことわりの無いものは茨城県のライドプランの数字で、「地図の線で測った」は地図の線を国土地理院の標高で測ったものです。
茨城で最初の1本を選ぶなら、私は、りんりんロードか、大洗の海沿いがいいかなと思っています。りんりんロードは車道を走らずに済む区間が長くて、片道だけ走って電車で帰ることもできるので、気が楽なんですよね。
カスイチは坂がほとんど無いぶん、ずっとこぎ続けることになります。私もカスイチを走ったときは、お尻が痛くなりました。距離と湖の風があるので、はじめての方は、りんりんロードで慣れてからのほうが楽しめると思います。