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ワカンとスノーシューの違い|アイゼンと使うならワカン、深い雪はスノーシュー、低山は軽アイゼンから

更新日: 2026年10月7日

雪の上に並べた、アルミのワカンと、デッキのあるスノーシュー
記事概要

ワカンとスノーシューの違いを、メーカーの説明と数字で比べました。アイゼンと一緒に使う山ならワカン、アイゼンを使わない深い雪の山ならスノーシュー。雪の少ない低山は、軽アイゼンで足りることも多いです。選び方とレンタルもご紹介します。

雪の山を歩いてみたいと思って調べると、「ワカン」と「スノーシュー」が出てきて、どっちを買えばいいのか迷いますよね。どちらも、雪に足が沈まないようにする道具です。

違いは、モンベルの分け方がいちばん分かりやすいと思います。アイゼンやピッケルを使う急な雪山はワカン、アイゼンを使わない雪の深い山はスノーシュー。

で、雪の少ない低山なら、じつはどちらも要らないことが多いんです。先にそこからご紹介しますね。

どんな山でどれを使う?

行く山の雪で分けると、こうなります。

  • 雪が少ない低山 → 軽アイゼンかチェーンスパイク。ワカンもスノーシューも、まだ要りません
  • 雪が深い山や、雪原 → スノーシュー
  • アイゼンやピッケルを使う、急な雪山 → ワカン
行く山の雪で決める。雪が少ない低山は軽アイゼン、雪が深い山や雪原はスノーシュー、アイゼンを使う急な山はワカン
モンベルの分け方をもとに、行き先で分けました

モンベルは、初めての雪山には低山のスノーハイクをすすめていて、「トレッキングポールと軽アイゼンで楽しめます」と案内しています。雪が深くてアイゼンでは歩きにくくなったら、スノーシューの出番、という順番です。

ワカンについては、こう書かれています。

「アイゼンでないと登れないような強い傾斜、ピッケルが必要になる危険度の高い斜面がルートにあるような雪山登山の場合、スノーシューよりも、アイゼンと併用できるワカンをおすすめします。」

ワカンのほうが安くて軽いので、つい入門用に見えるんですけど、使う山はワカンのほうが険しいんですよね。

笑い猫

笑い猫

ワカンかスノーシューかで迷うときは、道具より先に、行きたい山の雪の量を調べるのがいいかなと思います。

関東の低山だと、踏まれた道を歩くことがほとんどなので、足もとは軽アイゼンで足りることが多いんですよね。

私は、こういう「使うかどうか分からない道具」は、まず借りて試すのがいいと思っています。合わなければ、買わなくて済むので。

ワカンとスノーシューの違い|数字で比べる

メーカーの商品ページと選び方のページから、違いの出るところを並べました。

ワカン スノーシュー
作り 金属の枠と、足を留めるバンド 枠の内側にデッキ(生地や樹脂の板)を張って、雪に乗る面を広げる
大きさの例 18×47cm(モンベル) 20×56cm(モンベル アルパイン 56)
重さ(ペア) 770〜900g 1.6〜1.8kg
爪 枠の左右に爪 裏にクランポン(爪)
アイゼンと一緒に 使える型が多い モンベルは「アイゼンを使用しない雪山登山」向けと案内
急な登り アイゼンと合わせて登る ヒールリフト付きの型は、ふくらはぎの負担を減らせる
持ち運び 重ねて小さくなる ザックの背面に付ける
値段 10,800円〜2万円台 2万円前後〜

※2026年10月7日時点。数字は、このあとご紹介する4つのモデルのものです

いちばんの違いは、雪に乗る面の広さです。スノーシューはデッキがあるぶん、面が広くなります。モンベルも「スノーシューが長いほど、デッキの面積が大きくなり浮力も高まります」と説明しています。

そのかわり、スノーシューは大きくて重くなります。ワカンは小さくて軽いので、アイゼンに履き替えながら登る山でも、じゃまになりにくいんですよね。

ただ、「ワカンならどれでもアイゼンと使える」わけではありません。たとえばオクトスのアルミわかんは、アイゼンとの併用を想定していない、と案内されています。買う前に、商品ページで確かめてくださいね。

比べる4つのモデル

ワカンを2つ、スノーシューを2つ、値段の安い順に並べました。モンベルは公式オンラインストアと直営店で買うのが基本なので、リンクは公式の商品ページにしてあります。

製品名 こんな人向け 価格 種類 重さ おすすめ用途
モンベル クイックフィット ワカン
モンベル クイックフィット ワカン

ワカンの入り口
★★★★★
約10,800円〜 ワカン 900g(ペア) アイゼンと使う山
エキスパートオブジャパン HSスノーシューズ(アルミわかん)
エキスパートオブジャパン HSスノーシューズ(アルミわかん)

軽さで選ぶ
★★★★☆
約17,500円〜 ワカン 770g(M・両足) アイゼンと使う山
モンベル アルパイン スノーシュー 56
モンベル アルパイン スノーシュー 56

最初のスノーシュー
★★★★★
約19,800円〜 スノーシュー 1.80kg(ペア) 雪の深い山
雪原ハイクに
★★★★☆
約28,600円〜 スノーシュー 1640g(ペア) 登りの少ない雪原

1. モンベル クイックフィット ワカン|アイゼンを付けたまま履ける|1万円台のワカン

モンベル クイックフィット ワカン

※このモデルはAmazon・楽天ではほとんど流通しておらず、あっても公式より高値のことが多いため、公式オンラインショップか実店舗での購入がおすすめです。

種類
ワカン
大きさ
18×47cm
重さ
900g(ペア)
アイゼン
付けたまま取り付けできる
買える場所
モンベル公式・直営店
価格帯
約10,800円〜

1万円台で買える、モンベルのワカンです。ゴムのようなエラストマーのバンドで留める作りで、グローブをしたままでも着け外しがしやすい、と案内されています。
いちばんの特徴は、アイゼンを付けたまま、その上から取り付けられること。雪が深いところではワカンで沈み込みを抑えて、凍った斜面ではアイゼンの爪を使う、という歩き方ができます。
重さはペアで900g。2つを重ねて持ち運べるので、ザックの外に付けても、かさばりにくいんですよね。
(写真の出典:モンベル公式オンラインストア)

こんな人に:アイゼンを使う雪山へ進みたい人。まず1つ、安く持っておきたい人

気になる点:モンベルの表では、ワカンだけで使うときのグリップ力は「△」。凍った斜面では、アイゼンと合わせて使います

2. エキスパートオブジャパン HSスノーシューズ(アルミわかん)|両足で770gのアルミわかん|アイゼンと同時に使える

エキスパートオブジャパン HSスノーシューズ(アルミわかん)

エキスパートオブジャパン HSスノーシューズ(アルミわかん)の価格を比較する

種類
ワカン
大きさ
410×182mm(M)
重さ
770g(M・両足)
アイゼン
同時に使える
メーカーの価格
税抜19,900円(M・反り付き)
価格帯
約17,500円〜

両足で770gの、アルミのワカンです。メーカーでの呼び名は「スノーシューズ」ですが、形は昔ながらのワカン。フレームはアルミ、爪はステンレスで、メーカーは「雪山ラッセル用」と案内しています。
アイゼンと同時に使えて、どちらを先に付けてもいい、とされています。
フレームの前後が反っているタイプと、平らなタイプがあって、Amazon では1万7千円台から。モンベルより高くなりますが、軽さを取るならこちらかなと思います。

こんな人に:荷物を少しでも軽くしたい人。雪をかき分けて進む山に

気になる点:モンベルのワカンより7千円ほど高くなります。バックルは両足で8か所。バンドの折り返しまで、説明どおりに留めます

3. モンベル アルパイン スノーシュー 56|ヒールリフト付きの山岳用|2万円を切るスノーシュー

モンベル アルパイン スノーシュー 56

※このモデルはAmazon・楽天ではほとんど流通しておらず、あっても公式より高値のことが多いため、公式オンラインショップか実店舗での購入がおすすめです。

種類
スノーシュー
大きさ
56×20cm
重さ
1.80kg(ペア)
適合荷重
〜68kg
ヒールリフト
あり
価格帯
約19,800円〜

2万円を切る、モンベルの山岳用スノーシューです。フレームの内側にデッキを張って、雪に乗る面を広げてあります。かかとを持ち上げるヒールリフトが付いているので、急な登りでも、ふくらはぎが疲れにくい作りです。
モンベルは、この型を「ピッケルやアイゼンを使用しない雪山登山」に向くとしています。
適合荷重は、体重と荷物を合わせて68kgまで。超えるなら、ひとつ大きい「66」(21,000円・91kgまで)があります。雪の深い山を歩いてみたい人の、最初の1台になるかなと思います。
(写真の出典:モンベル公式オンラインストア)

こんな人に:雪の深い山や、登りのある雪山を歩きたい人

気になる点:ペアで1.80kgあります。体重と荷物を合わせて68kgを超えるなら、ひとつ大きい66を

4. MSR EVO|樹脂デッキの定番|登りの少ない雪原向き

MSR EVO

MSR EVOの価格を比較する

種類
スノーシュー
大きさ
21×56cm
重さ
1640g(ペア)
対応荷重
〜80kg
メーカー定価
31,900円
価格帯
約28,600円〜

樹脂のデッキを使った、MSRの定番です。日本の代理店のモチヅキは、「登りの少ないスノーシュートレッキングに適したモデル」と案内しています。
大きさは21×56cm、重さはペアで1640g。対応荷重は80kgまでです。別売りのテイルを足すと、深くて柔らかい雪にも対応できます。
メーカーの定価は31,900円で、Amazon では2万8千円台でした。平らな雪原や、ゆるやかな丘を歩くのが中心なら、この型で足ります。

こんな人に:平らな雪原や、ゆるやかな丘を歩くスノーシューハイクが中心の人

気になる点:MSRの案内は「登りの少ないスノーシュートレッキングに適したモデル」。急な登りのある山には、山岳用を選んでください

どちらも要らない山

雪の少ない低山を歩くなら、ワカンもスノーシューも要りません。先にそろえるのは、軽アイゼンかチェーンスパイクです。

  • モンベルの案内…「起伏が少なくゆったりと歩ける山であれば、軽アイゼンでもスノーハイクを楽しむことができます」
  • 警察庁の冬山情報(丹沢)…「北側斜面や日陰は、凍結して滑りやすくなっていますので注意してください。登山には軽アイゼンが必要です」

低山の冬で困るのは、深い雪より、踏まれて凍った道のほうが多いんですよね。そこで役に立つのは、沈まないための道具ではなく、滑らないための道具です。

チェーンスパイクと軽アイゼンのどちらを選ぶかは、チェーンスパイクと軽アイゼンの違いにまとめてあります。

ひとつだけ。軽アイゼンやチェーンスパイクは、簡易型のアイゼンです。モンベルは、森林限界を越える本格的な雪山では使わないよう案内しています。

買う前に試せるレンタル

ワカンもスノーシューも、年に何回使うかが読みにくい道具です。なので、最初はレンタルで試すのがいいかなと思います。

たとえばやまどうぐレンタル屋には、ワカンとスノーシューの両方があります。スノーシューで歩けるコースのある場所では、現地のビジターセンターなどで貸し出していることもあります。

借りて歩いてみると、自分の行く山に要るのかどうかが分かります。買うのは、それからでも遅くないんですよね。

スノーシューのサイズの選び方

スノーシューには、体重と荷物を合わせた重さの目安(適合荷重)が決められている型があります。

  • モンベル アルパイン スノーシュー…56は68kgまで、66は91kgまで
  • MSR EVO…80kgまで(別売りのテイルで、浮力を足せます)

体重だけでなく、着ている服とザックの重さも足して考えます。冬の装備は重くなるので、ぎりぎりなら大きいほうが安心かなと思います。

いっぽうで、モンベルは「サイズがコンパクトになるほど軽量で取り回しがよくなり」、急な登りや樹林のような変化の多い地形で歩きやすい、とも説明しています。大きければいい、というわけではないんですよね。

ワカンには、こうした荷重の表はありません。

雪の山で気をつけること

ワカンやスノーシューを履くと、夏は歩けないところまで入っていけます。そのぶん、気をつけることも増えます。メーカーと公的な資料の言い方のまま、載せておきますね。

  • 踏み跡をあてにしない…「先行者のトレースに安易に従うのではなく、地図とコンパスを使ってルートを確認しましょう」(モンベル)
  • 雪崩…「雪の斜面では常に雪崩を警戒しましょう。豊富な知識と経験があっても雪崩を完全に予測することは困難です」(山岳遭難対策中央協議会「冬山登山の警告文」)
  • 時間…雪が積もると、歩くのに思ったより時間がかかります。短いコースから、早めに引き返す計画で

はじめて履くときは、歩く練習をしてからにしてください。モンベルの取扱説明書にも、履いていないときに比べて、引っかけて転倒する可能性が高くなる、とあります。爪の裏についた雪のかたまりは、こまめに落とします。バランスをとるために、スノーバスケットを付けたトレッキングポールを使うのが、モンベルのおすすめです。

よくある質問

初心者は、ワカンとスノーシューのどちらですか?

雪原や、雪の深いゆるやかな山を歩くなら、スノーシューです。モンベルも、スノーシューを「誰でも気軽に、雪の世界を楽しむことができます」と紹介しています。
ワカンは、アイゼンやピッケルを使う急な雪山の道具です。雪の少ない低山なら、どちらよりも先に、軽アイゼンかチェーンスパイクをそろえてください。

3シーズンの登山靴でも使えますか?

スノーシューハイクについて、モンベルは「防水透湿性のある靴なら、夏用のトレッキングシューズでも対応できます」と案内しています。厚手の靴下で、保温を足します。
ワカンは、型によって違います。オクトスのアルミわかんのように「必ず、冬用登山靴でお使いください」と書かれているものもあるので、買う前に確かめてください。雪の山に3シーズンの靴で行けるかどうかは、雪の低山は3シーズン靴で行ける?にまとめてあります。

ワカンは、アイゼンと一緒に使えますか?

使える型が多いです。モンベルのクイックフィット ワカンは、アイゼンを付けたまま取り付けられます。エキスパートオブジャパンのワカンも、アイゼンと同時に使える、と案内されています。
ただ、オクトスのアルミわかんのように、アイゼンとの併用を想定していない型もあります。

スノーシューで急な山は登れますか?

ヒールリフトの付いた山岳用のスノーシューなら、急な登りにも対応します。
ただ、モンベルは、アイゼンでないと登れないような強い傾斜や、ピッケルが要るような斜面のある山には、スノーシューよりワカンをすすめています。行く山に合わせて選んでください。

ワカンとスノーシュー、値段はどのくらい違いますか?

この記事の4つだと、ワカンが10,800円と約17,500円、スノーシューが19,800円と約28,600円です。
ワカンのほうが安い、とは言い切れません。アルミのワカンには2万円台のものもあって、モンベルのスノーシューより高くなることがあります。

ポールは要りますか?

モンベルは、スノーシューを使うときは、バランスをとるためにトレッキングポールを使うことをすすめています。先に、雪用の大きな輪(スノーバスケット)を付けておきます。

まとめ

  • 雪の少ない低山は、ワカンもスノーシューも要らない。先に軽アイゼンかチェーンスパイク
  • 雪の深い山や雪原は、スノーシュー。体重と荷物の重さでサイズを選ぶ
  • アイゼンやピッケルを使う急な雪山は、ワカン。アイゼンと一緒に使えるかを確かめる
  • 使う回数が読めないうちは、まずレンタルで試す

行きたい山の雪を調べて、合うものを選んでみてくださいね。

※価格・仕様は2026年10月7日時点のものです。モンベルは公式オンラインストア、MSR は代理店(モチヅキ)の定価と Amazon の表示、エキスパートオブジャパンはメーカーの価格表(税抜)と Amazon の表示によります。