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【2026年版】登山のファーストエイドキットは自分で組む|日帰りで入れる8つと、袋・中身のおすすめ6点
更新日: 2026年10月25日

登山のファーストエイドキットは、市販のセットを買わなくても、家の救急箱から自分で組めます。スポーツ庁のリストなどを元に、日帰りで入れる8つと、すり傷・ねんざ・ハチの手当ての基本、袋と中身のおすすめ6点をご紹介します。
登山の持ち物のリストに「ファーストエイドキット」とあって、何を入れればいいのか、市販のセットを買えばいいのか、迷っていませんか?
日帰りの登山なら、家の救急箱から小分けして、自分で組めば十分なことが多いんですよね。使い慣れた薬を入れられて、要らない物を持たずに済みます。
ここでは、国や県が出している持ち物のリストを元に、日帰りで入れておきたい8つと、山でよくあるけがの手当ての基本、袋と中身のおすすめ6点をご紹介します。
先に結論|買う?組む?
| こんな人 | どうする | わけ |
|---|---|---|
| はじめての日帰り登山 | 家の救急箱から小分けして、ジップ袋に | 足りない物だけ買い足せばよい |
| 中身を探しやすくしたい | 専用の袋(パーゴワークス・モンベル) | 種類ごとに分けて、すぐ出せる |
| 市販の「◯点セット」を持っている | 中身を見直して使う | 要らない物を抜き、いつもの薬と保険証を足す |
市販のセットが悪いわけではありませんが、いちばん大事な「いつもの薬」は、セットには入っていません。どちらにしても、最後は自分で中身を合わせることになるんですよね。
日帰りの低山でも要る?
警察庁のまとめでは、2025年に山で遭難した人は3,623人で、そのうちけがをした人は1,480人でした。
遭難のきっかけでいちばん多いのは道迷いですが、次に多いのが転倒(19.2%)で、5年前より割合が増えています。転んでけがをすることは、だれにでも起こりうるんですよね。
出典:警察庁「令和7年における山岳遭難の概況等」(2026年6月18日)
持ち物のリストでも、ファーストエイドは低い山だから要らない、という扱いではありません。スポーツ庁が出している夏山の装備のリストでは「ファーストエイドキット」に「必ず持参」の印が付いていて、山梨県警察の装備のチェック表でも、「救急用品、常備薬、夏季は虫除けも」は、低い山・雪の無い時期でも「必ず携行」になっています。
転んですりむいた、靴ずれができた。こうした小さなけがなら、その場で手当てできれば、自分の足で下りてこられますよね。
日帰りで入れておきたい8つ

| 入れる物 | 何のため | どこに書いてあるか |
|---|---|---|
| 絆創膏(大・中・小) | すり傷・切り傷・靴ずれ | 高校の山岳部向けハンドブック |
| テーピングテープ(伸びる・幅広) | 靴ずれを防ぐ・ねんざの固定 | スポーツ庁のリスト・ハンドブック |
| ガーゼ・三角巾 | 血を押さえる・包む・腕をつる | 日本赤十字社 |
| 使い捨て手袋・ポリ袋 | 手当てのときに血に触れない・使ったガーゼを入れる | 日本赤十字社・ハンドブック |
| 小さいはさみ・毛抜き | テープを切る・とげやハチの針を抜く | ハンドブック・日本赤十字社 |
| エマージェンシーシート | 動けないときに体を冷やさない | スポーツ庁のリスト |
| いつもの薬 | 持病の薬・使い慣れた薬 | スポーツ庁・ハンドブック |
| 保険証(マイナ保険証か資格確認書) | 病院にかかるとき | スポーツ庁のリスト(「健康保険証」) |
※スポーツ庁「夏山登山の事故防止について(通知)」(2026年6月23日)の夏山装備チェックリスト、栃木県教育委員会ほか「高校生と指導者のためのハンドブック」の医薬品一覧、日本赤十字社の手当ての案内によります。従来の健康保険証は2025年12月1日で使えなくなっているので、いまは「マイナ保険証」か「資格確認書」を入れます(厚生労働省)。
薬は「いつもの薬」でいい
薬について、スポーツ庁は「常用している薬がある方は必ず持参してください」、高校の山岳部向けのハンドブックは「携行する医薬品は自分が使い慣れたものが一番です」と書いています。山だからといって特別な薬を買うより、ふだん飲んでいる薬を、1回分か2回分、小分けして入れておくのがいいかなと思います。
消毒液より、洗う水
すり傷の手当ては、日本創傷外科学会の一般向けの案内でも、水道水で砂や泥を洗い流してから、傷を覆う流れです。水で洗えれば、消毒液が無くても手当てはできますし、キズパワーパッドを使うなら、消毒液はいっしょに使いません。水道の無い山では、持っている飲み水で洗い流す形になるので、水を少し多めに持っておくと安心ですよね。
あわせて持っていきたい物
- 塩分やブドウ糖の食品:行動食といっしょに入れておけば足りますよね(登山の行動食の記事でご紹介しています)
- 夏は虫よけ:山梨県警察のチェック表の「夏季は虫除けも」
- 小さいナイフ:スポーツ庁のリストに入っています。はさみと別に、小さいものを1つ
市販のセットを買わなくていい場合
- 家に救急箱がある:絆創膏・ガーゼ・テープ・はさみがあれば、そこから小分けするだけで組めます。高校の山岳部向けのハンドブックも、医薬品はビニール袋などに入れて、防水しておく形を書いています。袋は、まずはジップ袋で十分かなと思います
- すでに「◯点セット」を持っている:中身を広げて、使い方の分かる物だけ残し、いつもの薬と保険証(マイナ保険証か資格確認書)を足せば、そのまま使えます
反対に、毎回中身がぐちゃぐちゃになって探せない、雨の日に中が湿ってしまう、という方は、専用の袋があると楽になるんですよね。
よくあるけがの手当ての基本
手当てのやり方は、公的な案内のとおりにしておくのがいちばん安心です。山で起きやすいものだけ、短くご紹介しますね。
すり傷・切り傷
水で砂や泥をよく洗い流してから、絆創膏やガーゼで覆います。血が出ているときは、ガーゼやハンカチで傷口を直接、強く押さえて止めます。このとき、使い捨て手袋やポリ袋で、血に直接触れないようにします。傷が大きい・深いときは、早めに病院(形成外科)へ。
ねんざ
痛めた所を動かさないように、テーピングなどで固定して、冷やせる物があれば15〜20分冷やし、軽く押さえるように巻いて、心臓より高くします(安静・冷却・圧迫・挙上の頭文字で RICE と呼ばれる手当て)。骨折と見分けがつかないときは骨折として扱い、できるだけ動かさずに救助を呼びます。
靴ずれ
水ぶくれができる前の、赤いうちに絆創膏やテーピングを貼ると、こすれが減ります。痛くなってから止まるより、「あれ?」と思った時点で止まって貼るほうが、ずっと楽なんですよね。靴ずれそのものを減らすには、靴と靴下の合わせ方も大事です(登山用の靴下の記事・登山靴の履き慣らしの記事)。
ハチ・マダニ・ヘビ
- ハチ:針が残っていたら、根元から毛抜きで抜くか、横に払って落とします(針をつまむと、毒が入ることがあります)。冷やして、医師にみてもらいます。ハチの毒に過敏な人は、1匹に刺されてもショック状態になることがあります(日本赤十字社)。息が苦しいなどのショックの症状が出たら、すぐに救助を呼びます
- マダニ:吸い付いていても、自分で無理に引き抜かず、皮膚科などで取ってもらいます(厚生労働省)
- ヘビ:動かずに安静にして、救助を呼んで医療機関へ運んでもらいます。傷口を口で吸い出すことはすすめられていません(日本赤十字社)
袋と中身のおすすめ6点
値段は、2026年10月25日時点の Amazon の値段と、モンベルの定価です。
| 製品名 | こんな人向け | 価格 | 種類 | 大きさ | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|---|
|
パーゴワークス マイファーストエイド(S・M)
|
袋・見やすさ ★★★★★ |
約3,700円〜 | 入れる袋 | S 150×110×40mm/M 190×135×40mm | 中身を見やすく |
| 袋・雨 ★★★★☆ |
約2,300円〜 | 入れる袋 | 16×18cm | 雨に強い袋 | |
| 寒さ ★★★★★ |
594円前後 | 防寒シート | 広げて213×132cm/たたんで6×8.4×3.5cm | 動けないときの寒さに | |
|
ニチバン バトルウィン テーピングテープ 伸縮タイプ 50mm(E50F)
|
テーピング ★★★★★ |
約700円〜 | テーピングテープ | 50mm×4m(伸ばしたとき) | 1本あると安心 |
|
バンドエイド キズパワーパッド 靴ずれ用(6枚)
|
靴ずれの傷 ★★★★☆ |
約800円〜 | 絆創膏(ハイドロコロイド) | 54×29mm | 靴ずれの傷に |
|
白十字 三角巾(1枚)
|
三角巾 ★★★★☆ |
約200円〜 | 三角巾 | 105×105×150cm | 包む・つる・固定する |
1. パーゴワークス マイファーストエイド(S・M)|本のようにめくって探せる袋

パーゴワークス マイファーストエイド(S・M)の価格を比較する
- 種類
- 入れる袋
- 大きさ
- S 150×110×40mm/M 190×135×40mm
- 重さ
- S 35g/M 45g
- 付属
- IDシート1枚・ジッパーバッグ4枚(薬や絆創膏は付かない)
- 防水
- 本体は防水ではない(中のジッパーバッグで分ける)
- 定価
- S 3,740円/M 4,070円
- 価格帯
- 約3,700円〜
中身の付いていない、ファーストエイド用の袋です。ベルクロで留めたジッパーバッグを、本のページのようにめくって探せる作りで、絆創膏・薬・テープを分けて入れられます。
S はポケットティッシュくらいの大きさで35g、M は三角巾やテーピングも入る大きさで45g。緊急の連絡先や血液型を書いておける IDシートも付いています。日帰りなら、S で足りる方が多いかなと思います。
こんな人に:中身を種類ごとに分けて、すぐ出したい人
気になる点:本体は防水ではありません。中のジッパーバッグで雨を防ぐ形です
2. モンベル アクアペル ファーストエイドバッグ 0.5L|50gの、雨に強い袋

※このモデルはAmazon・楽天ではほとんど流通しておらず、あっても公式より高値のことが多いため、公式オンラインショップか実店舗での購入がおすすめです。
- 種類
- 入れる袋
- 大きさ
- 16×18cm
- 重さ
- 50g
- 付属
- 小物袋(応急処置セットは付かない)
- 防水
- 防水性は高いが、完全防水ではない
- 定価
- 2,300円(モンベル)
- 価格帯
- 約2,300円〜
モンベルの、ファーストエイド用の防水性の高い袋です。50gと軽く、口を3回折り返してバックルで留める形。ハサミのようなとがった物を分けておく小物袋が付いています。
応急処置の中身は付いていないので、家の救急箱から小分けして入れる形なんですよね。(出典:モンベル公式)
こんな人に:袋は軽く、雨に強いものがいい人
気になる点:口を巻いて閉じる袋なので、中で物を分けて入れたいなら、小袋を足すことになります
3. モンベル エマージェンシーシート|50gの防寒シート

※このモデルはAmazon・楽天ではほとんど流通しておらず、あっても公式より高値のことが多いため、公式オンラインショップか実店舗での購入がおすすめです。
- 種類
- 防寒シート
- 大きさ
- 広げて213×132cm/たたんで6×8.4×3.5cm
- 重さ
- 50g
- 素材
- アルミを蒸着したポリエステルのフィルム
- 定価
- 594円(モンベル)
- 価格帯
- 594円前後
体から出る熱を反射して、体が冷えるのをやわらげるシートです。広げると213×132cmで、たたむと手のひらに乗る大きさの50g。
けがで動けなくなったときに、体にかけて冷えをやわらげるためのものです。(出典:モンベル公式)
こんな人に:すべての人(動けなくなったときの寒さに)
気になる点:1枚のシートで、体に巻いたりかけたりして使うものです。ふだんは袋に入れたまま持ち歩きます
4. ニチバン バトルウィン テーピングテープ 伸縮タイプ 50mm(E50F)|靴ずれにも、ねんざの固定にも

ニチバン バトルウィン テーピングテープ 伸縮タイプ 50mm(E50F)の価格を比較する
- 種類
- テーピングテープ
- 大きさ
- 50mm×4m(伸ばしたとき)
- 手で切れるか
- 切れない(はさみで切る)
- 使い道
- 靴ずれを防ぐ・ねんざの固定
- 価格帯
- 約700円〜
伸びるタイプの、幅50mmのテーピングテープです。かかとや小指の赤くなりかけた所に貼って靴ずれを防いだり、ねんざしたときに足首を固定したりと、1本で使い道が多いんですよね。
手では切れないテープなので、はさみといっしょに入れておきます。巻き方は、メーカーやスポーツ用品店の案内を見て、家で一度試しておくと安心です。
こんな人に:すべての人
気になる点:巻き方を知らないと、ねんざの固定はうまくできません。家で一度練習しておくと安心です
5. バンドエイド キズパワーパッド 靴ずれ用(6枚)|靴ずれで皮がむけてしまったら

バンドエイド キズパワーパッド 靴ずれ用(6枚)の価格を比較する
- 種類
- 絆創膏(ハイドロコロイド)
- 大きさ
- 54×29mm
- 入り数
- 6枚
- 防水
- 完全防水
- そのほか
- 滅菌済・管理医療機器
- 価格帯
- 約800円〜
靴ずれで皮がむけてしまった傷に貼る、ハイドロコロイドの絆創膏です。かかとにもつま先にも使えて、完全防水。6枚入りです。
赤いだけのうちは、ふつうの絆創膏かテーピングで十分。これは傷になってから使うもので、時間のたった傷には使えず、切って使うこともできません。貼る前に水で傷を洗って水気をふき取り、消毒液やクリームとは一緒に使いません(2歳以下には使えません)。
こんな人に:靴ずれで皮がむけてしまったときに
気になる点:予防に貼るものではありません。消毒液やクリームと一緒には使えず、時間のたった傷にも使えません
6. 白十字 三角巾(1枚)|1枚で、包む・つる・押さえる

白十字 三角巾(1枚)の価格を比較する
- 種類
- 三角巾
- 大きさ
- 105×105×150cm
- 入り数
- 1枚
- 価格帯
- 約200円〜
105×105×150cmの、大きめの三角巾です。傷にガーゼを当てて包んだり、腕をつったり、添え木を固定したりと、1枚でいろいろな使い方ができます。
軽くて場所を取らないので、1枚入れておいて損は無いかなと思います。
こんな人に:すべての人
気になる点:使い方を知らないと出番が少ない道具です。日本赤十字社の講習や案内で、一度見ておくと安心です
しまい方と、出かける前の点検
- ザックの取り出しやすい所に:けがをしたときに、荷物を全部出さずに取れる場所へ。雨ぶたや外のポケットがいいかなと思います
- 中身は防水の袋に:濡れた絆創膏やガーゼは、いざというときに使いにくくなります
- 使ったら、帰ってすぐ足す:使った分は足し忘れやすいので、片づけといっしょに
- 薬の期限を見る:季節の変わり目など、決まった時期に中身を見直すと忘れにくいですよね
よくある質問
消毒液は入れなくていいですか?
水で洗えれば、消毒液が無くても手当てはできます。すり傷は、水で砂や泥を洗い流してから覆うのが基本で、キズパワーパッドを使うなら消毒液はいっしょに使いません。ふだん使っている消毒薬があって、使い方に慣れているなら、入れてもかまいません。
ポイズンリムーバーは要りますか?
入れるかどうかは、好みでかまいません。公的な資料でも書き方が分かれていて、高校の山岳部向けのハンドブックや林野庁 東北森林管理局のページには「使う」とありますが、日本赤十字社のハチやヘビの手当てのページには出てきません。持っていても治療の代わりにはならないので、刺されたり咬まれたりしたら、手当ての基本と受診が先です。
薬は何を入れればいいですか?
ふだん飲んでいる薬と、使い慣れた薬です。スポーツ庁も「常用している薬がある方は必ず持参」としています。新しい薬を山で初めて飲むのは避けたほうが安心です。
市販の救急セットではだめですか?
だめではありません。中身を広げて、使い方の分かる物を残し、いつもの薬と保険証(マイナ保険証か資格確認書)を足せば使えます。セットに入っていない物を足すのが大事です。
マダニに咬まれたら、ピンセットで取っていいですか?
自分で無理に引き抜かず、皮膚科などで取ってもらうのが、厚生労働省の案内です。無理に引き抜くと、マダニの一部が皮膚に残ったりすることがあります。
日帰りでもエマージェンシーシートは要りますか?
入れておくと安心です。50gほどと軽く、けがで動けなくなったときに、体が冷えるのをやわらげてくれます。
まとめ
- 日帰りのファーストエイドは、家の救急箱から小分けして、自分で組めば十分
- 入れるのは、絆創膏・テーピング・ガーゼと三角巾・手袋とポリ袋・はさみと毛抜き・エマージェンシーシート・いつもの薬・保険証(マイナ保険証か資格確認書)
- 傷は水で洗って覆う。水で洗えれば、消毒液が無くても手当てはできる
- マダニは自分で抜かない。ハチで息苦しいなどの症状が出たら、すぐに救助を呼ぶ
- 使ったら、帰ってすぐ足す
※値段は2026年10月25日時点のものです。商品の大きさ・重さは、各メーカーの公式ページによります。手当ての内容は、日本赤十字社・日本創傷外科学会・日本スポーツ整形外科学会・厚生労働省の案内と、栃木県教育委員会ほか「高校生と指導者のためのハンドブック」、キズパワーパッドはメーカー(バンドエイド)の使い方によります。けががひどいときや判断に迷うときは、無理をせず救助を呼んでください。




私は学生時代に、スニーカーで富士山に登って、下りで足首をひねりかけたことがあります。けがは、疲れが出てくる下りで起きやすいと思っています。
ファーストエイドは、使わずに帰ってこられるのがいちばんですよね。そのうえで、テーピングを1本と、いつもの薬だけでも入れておけば、山での気持ちがずいぶん違うはずです。