この記事でわかること/どんな人におすすめか
標高1,200m超の高原に広がる中禅寺湖。秋になると湖畔の森が色づき、赤や黄金のトンネルを走る贅沢なライド体験が楽しめます。10月中旬〜下旬の紅葉ピークには、湖面に映る景色と男体山の眺望が圧巻です。
コースは一周約20km。起伏のある林間ルートや静かな湖畔道が続き、クロスバイクでも快適に走れる舗装メインの設定。初心者にも無理なく楽しめる距離と自然のバランスが魅力です。
この記事では、筆者の実走体験をもとに、紅葉の見頃・おすすめビュースポット・走行ルートの特徴・アクセス方法・注意点までをまとめています。ライトなアウトドア派や「たまには自然の中をゆっくり走りたい」と思っている方にぴったりの内容です。
「いつか走ってみたい」が「次の休日に行ってみよう」に変わる、秋だけのご褒美ルートをご紹介します。
中禅寺湖一周コースの基本情報と紅葉シーズンの魅力

一周約20km、初めてでも走りやすい高原ルート
中禅寺湖の外周をぐるりと巡るこのルートは、全長約20km・高低差控えめの舗装路が中心。大きな峠越えはないものの、湖の西側には緩やかなアップダウンが連続し、適度に走りごたえがあります。
スタート・ゴールには中禅寺温泉街周辺が便利で、反時計回り(左回り)が定番。とくに後半に向けて景色が開けていくため、気持ちよくフィニッシュできます。
初心者ならクロスバイクやツーリングバイク、経験者ならロードバイクでもOK。湖西側(いろは坂方面)は車が少なく、自然の中を静かに走れる区間として人気があります。
見頃は10月中旬〜下旬、湖畔を彩る紅葉のトンネル
中禅寺湖エリアの紅葉は、標高が高いため関東平野よりも約1〜2週間早く見頃を迎えます。例年のピークは10月15日前後から月末まで。特に朝の時間帯は空気が澄み、湖面に映る紅葉と男体山のコントラストが鮮やかです。
湖畔にはミズナラ、カエデ、ブナ、カラマツなどが混在し、色とりどりの葉がグラデーションのように広がります。木々の間を縫うように続くサイクリングロードでは、“紅葉のトンネル”をくぐるような感覚が味わえます。
また、観光客が多い日光市街に比べて中禅寺湖周辺は比較的落ち着いており、混雑を避けつつ秋の自然美を堪能できる穴場的存在です。
高原の空気と静けさを味わえる、秋限定のご褒美コース
湖と森に囲まれた高原エリアのため、夏は涼しく、秋はひんやりと澄んだ空気が心地よいのも中禅寺湖一周の魅力です。特に朝方は風もなく、水面が鏡のように静まりかえっており、幻想的な景観に思わずペダルを止めたくなります。
騒がしい車道や喧騒とは無縁のこのコースは、“癒し”を求めるサイクリストにぴったり。途中で休憩しながら景色を眺めたり、写真を撮ったり、余裕のある走りを楽しめるのも魅力です。
ルート全体の走行イメージとおすすめビュースポット
スタート地点は「中禅寺温泉」エリアが便利
中禅寺湖一周の起点としておすすめなのが、中禅寺温泉バス停周辺。ここには観光案内所、カフェ、レンタサイクルもあり、出発準備に最適です。マイカー利用の場合は、近くの「歌ヶ浜駐車場(無料)」に駐車できます。
反時計回りに走り出すと、まず目の前に男体山と湖の雄大な景色が広がり、一気に気分が高まります。舗装は良好で、序盤は比較的フラット。ウォーミングアップにもぴったりです。
湖西側は静かな林道、紅葉のトンネルをくぐる
湖の西側に入ると、クルマの通行が減り、森の中を走るような静かな区間に突入します。ここは紅葉のピーク時には、まるで赤や黄色のトンネルの中を走っているかのような絶景ゾーン。
途中には小さな沢や橋もあり、自然の音だけが聞こえる贅沢な時間が流れます。写真を撮るならこの区間がベスト。サイクルスタンドはない場所が多いですが、路肩が広く停車もしやすいです。
アップダウンも適度にあり、クロスバイクやグラベルバイクならちょうどいい負荷感。スピードを出しすぎず、のんびりと景色を楽しみながら進むのがおすすめです。
ビュースポット①:イタリア大使館別荘記念公園周辺

湖の南東に位置する「イタリア大使館別荘記念公園」付近は、ビュースポットの定番。湖面越しに男体山が望め、朝日や夕陽が映り込むタイミングなら感動的な一枚が狙えます。
公園内は自転車を押しての散策になりますが、ベンチやデッキからの景色は絶品。トイレも整備されており、休憩スポットとしても使い勝手抜群です。
ビュースポット②:半月山展望台(番外編)

ルートから少し登りが必要ですが、時間と体力があれば**「半月山展望台」**まで足を延ばすのもおすすめ。中禅寺湖を俯瞰で眺められるこの展望台は、湖全体と男体山のシルエットが一望できる絶景ポイント。
登りはキツめ(斜度10%前後)なので、eバイクや脚力に自信がある方向けです。
サイクリストに優しい立ち寄りスポット
サイクルラックあり!「トンカツ浅井」

しっかり食事をとりたいなら、老舗の人気店「トンカツ浅井」がおすすめ。精肉店が経営するこのお店は、ボリュームたっぷりの定食が評判で、サイクリングで消費したカロリーを美味しく補給できます。
お昼どきは混雑必至なので、少し時間をずらして訪れるのが◎。
足湯でひと息「足湯あんよの湯」

走行後の疲れを癒したいなら、中禅寺温泉街にある無料の「足湯 あんよの湯」がおすすめ。源泉かけ流しの温泉を手軽に楽しめるうえ、湖を眺めながらのんびりリラックスできます。
サイクルウェアでも気軽に利用できる雰囲気で、タオルを持参すればOK。秋風を感じながらの足湯タイムは、まさにサイクリング旅のご褒美です。
アクセス・駐車場・輪行のコツ

電車+バスでのアクセスは「東武日光駅」経由が便利
公共交通機関を使う場合は、東武日光駅 or JR日光駅が最寄り。そこから中禅寺温泉行きのバス(東武バス日光)に乗って約50分〜1時間で湖畔に到着します。
輪行の場合は、朝の便で日光に入り、昼前には中禅寺湖でライドスタートできるスケジュールが組めます。バスは比較的大型ですが、混雑時は折りたたみ式輪行袋が必須です。紅葉シーズンは観光客も多いため、午前の早い時間帯を狙うのが◎。
マイカーなら「歌ヶ浜駐車場」または「県営中禅寺湖第1〜3駐車場」
車でのアクセスもスムーズ。いろは坂を登りきった先に複数の無料・有料駐車場が点在しています。
特におすすめなのが、湖の東端にある「歌ヶ浜駐車場(無料)」。トイレや案内所もあり、ライドの拠点として使い勝手抜群です。台数は限られているため、休日や紅葉シーズンは朝9時までの到着が安心。
なお、有料駐車場は1日300〜500円程度とリーズナブル。自転車の積み下ろしにも十分なスペースがあります。
秋のいろは坂は慎重に、安全運転で
中禅寺湖に向かういろは坂は急カーブが連続する山道で、紅葉シーズンは観光バスも多く走行します。特にマイカーで訪れる場合は、下り坂のスピード超過やブレーキの使いすぎに注意。
また、復路のいろは坂(下り専用)から日光市街地へは一方通行で抜けられる構造になっているため、迷わずスムーズに下山できます。
注意点とおすすめ装備(秋の高原サイクリング編)

気温差と急な冷え込みに備える
中禅寺湖エリアは標高約1,200m。秋の朝晩は5℃前後まで冷え込むこともあり、都心との気温差は10℃以上になる日も。日中との寒暖差に備えて、ウインドブレーカーや薄手のインナー、アームカバーなどを携帯しておくと安心です。
特に紅葉の見頃時期(10月中旬〜下旬)は、晴れていても木陰では一気に体温が奪われるため、休憩中の防寒対策を忘れずに。
熊鈴やホイッスルなど「音の出る装備」も有効
湖の西側は静かな林間ルートが続くため、人の気配が少なく、動物と出会う可能性もゼロではありません。念のため、熊鈴やホイッスルをハンドルやサドルバッグに付けておくと安心感が増します。
また、早朝や夕方の時間帯に走行する場合は、ライトの早め点灯や反射ベストの着用も安全性を高めるポイントです。
パンク修理キットと水分は必ず携行しよう
湖畔一周コースは自然豊かな環境のため、コンビニや自販機の数は限られています。最低限のツール(タイヤレバー、予備チューブ、ポンプなど)と水分、補給食は事前に準備しておきましょう。
また、スマホの電波が届きにくい区間も一部あるため、紙の地図やオフラインナビアプリの併用もおすすめです。気温が低いとバッテリーの減りも早くなるので、モバイルバッテリーを携行するのも忘れずに。
初めてでも安心!中禅寺湖ライドのQ&A
Q. 中禅寺湖一周は何時間くらいで走れますか?
コース全体は約20kmのため、写真を撮りながらゆっくり走っても2〜3時間程度が目安です。ペースを上げれば1時間台でも走破可能ですが、紅葉シーズンは絶景ポイントが多いので、のんびり楽しむスタイルがおすすめです。
Q. レンタサイクルは現地で利用できますか?
はい、中禅寺温泉エリアに数カ所のレンタサイクル店があります。クロスバイクやEバイクの取り扱いもあり、観光案内所で地図と一緒に案内してもらえます。ただし紅葉シーズンは混雑するため、事前予約が確実です。
Q. 紅葉の見頃はいつですか?
例年の見頃は10月15日〜10月末ごろ。標高が高いため平地より早く色づきます。特に朝の時間帯は空気が澄み、湖面に映る紅葉が美しいので、午前中のライドが狙い目です。
Q. サイクルトレインや輪行で行けますか?
はい、東武線(浅草〜東武日光)やJR日光線を使った輪行が可能です。東武バス日光の中禅寺温泉行きバスも輪行袋使用で乗車できます。混雑を避けたいなら平日朝の移動がおすすめです。
まとめ|紅葉の絶景と静けさを味わう、中禅寺湖一周ライド
奥日光・中禅寺湖をめぐる一周サイクリングは、秋の自然美を存分に味わえる“ご褒美ルート”。
紅葉、湖、男体山の雄大な景色に包まれながら、静かな湖畔道をマイペースで走る体験は、まさに非日常です。
初心者でも安心して走れる約20kmの舗装コースでありながら、適度なアップダウンや絶景ポイントが満載。立ち寄りスポットやアクセス面も整っており、クロスバイクやロードバイクで気軽に挑戦できます。
秋のサイクリング旅を考えているなら、ぜひ一度このルートを計画に加えてみてください。