伊豆半島一周“イズイチ”とは?|達成感MAXの絶景ロングライド
“イズイチ”とは?その魅力と全体像
“イズイチ”とは、伊豆半島をぐるっと一周する約220kmのロングライドコースのこと。東京湾一周(ワンイチ)や琵琶湖一周(ビワイチ)と並ぶ“一周系”の代表格です。
東京からアクセスしやすいながらも、海・山・温泉の絶景三拍子がそろう希少なルートとして人気です。
ルートは、東伊豆→南伊豆→西伊豆と海沿いに北上する「時計回り」が基本。
これは、海を左手に見ながら走れる&路肩が広くて安全という理由から推奨されています。
東伊豆は比較的平坦な海岸線が中心で、伊東や下田など温泉街を通る快走ルート。
一方、西伊豆は標高差のあるワインディングロードが続き、アップダウンが連続。
黄金崎・恋人岬などの海沿いの展望地から見渡す富士山と駿河湾は、“苦労の先の絶景”として語り継がれるほどの美しさです。
どんな人向け?どんな走り方がある?
イズイチは“誰でも気軽に”というよりは、しっかり準備して臨むチャレンジライド。
全行程を1日で走り切る猛者もいますが、1泊2日でじっくり楽しむ旅スタイルが今の主流です。
とはいえ、「まだ一周する自信がない…」という人も心配いりません。
伊豆は鉄道やバスが充実しており、熱海・伊東・下田・修善寺など複数のアクセス拠点から区間ライドも可能。
たとえば東伊豆だけを往復してみる、西伊豆の峠だけ挑戦する…というアプローチでも十分楽しめます。
「いつかやりたい」と思っていたイズイチが、「自分にもできるかも」に変わる。
そんなワクワク感と達成感を味わえる、魅力満載の一周ライドです。
まずは全体像を地図で確認しましょう。番号①〜⑨が主要スポット、矢印が進行方向(時計回り)です。熱海から東伊豆を南下し、最南端の石廊崎をまわって西伊豆を北上、沼津へ抜ける海岸線ルートです。
ℹ️ 距離とルートの目安:海岸線をなぞる一周で約220km。天城峠で半島を縦断して短縮すれば約200km、西伊豆の岬を忠実にたどると約260km超と、ルート取りで幅があります。獲得標高は約2,900m(本ルート・海沿い主体/北側に内陸の峠を含む静岡県公式モデルルートは約3,708m)の上級コースです。なお本記事の1泊2日モデルは沼津をゴールとしています。土肥から内陸の修善寺へ抜ければ距離を短縮でき、輪行で早めに帰路につくことも可能です。
🧭 回り方:時計回り(熱海→東伊豆→下田→西伊豆→沼津)が定番で、海を左手に見て走れ、交通量の多い国道135号を体力のある序盤にこなせます。一方反時計回りは西伊豆の激坂を脚が元気なうちに処理できる利点があります(ただし西伊豆は鉄道が無く、途中離脱しにくい点に注意)。
⚠️ 走行注意:東伊豆の国道135号は交通量が多く、西伊豆の国道136号は急カーブ・急勾配の連続が本コース最難関です。西伊豆〜南伊豆はコンビニ・自販機が少ないため補給は計画的に。トンネルが多いので前後ライト必須です。
主要スポット紹介|番号順に見どころを解説
地図の番号①〜⑨に沿って、ルート上の主要スポットを紹介します。写真は順次追加予定です。
1熱海(スタート)

温泉街として知られる熱海はイズイチの定番スタート地点。東京から新幹線で約40分とアクセス抜群で、早朝に出発すれば東伊豆の海岸線を気持ちよく走り出せます。
2伊東(東伊豆)

東伊豆を代表する温泉地。道の駅「伊東マリンタウン」は温泉・食事・売店がそろう絶好の補給拠点です。ここまでは比較的平坦で走りやすい区間が続きます。
3河津(河津桜)

2月中旬〜下旬には河津川沿いを彩る早咲きの「河津桜」で全国的に有名。桜のシーズンは多くの花見客でにぎわいます。河津七滝への寄り道もおすすめです。
4下田(南伊豆)

幕末開港の歴史が残る港町。ペリーロードの風情ある町並みや下田港の海鮮が魅力です。伊豆急下田駅があり、輪行での離脱・合流の要衝。1泊2日なら1日目の宿泊地に最適です。
5石廊崎(伊豆半島最南端)

伊豆半島の最南端。断崖に立つ石廊崎灯台と、荒々しい太平洋のパノラマが広がる絶景ポイントです。ここを回り込むと、いよいよ西伊豆の激坂区間が始まります。
6松崎(西伊豆)

「なまこ壁」の白と黒の格子模様が美しい、レトロな町並みが残る西伊豆の町。海と山に囲まれた風景の中でひと息つけます。
7堂ヶ島(西伊豆)

「伊豆の松島」とも呼ばれる景勝地。天然記念物の海食洞「天窓洞」や、干潮時に道が現れるトンボロ現象が見どころ。遊覧船も人気です。
8土肥(西伊豆)

西伊豆有数の温泉地。土肥金山や、大きな花時計のある松原公園などの見どころも。ここから戸田・大瀬崎方面へ、駿河湾越しの富士山を望みながら西浦海岸を北上します。
9沼津(ゴール)

西浦海岸を経てたどり着くゴール。大瀬崎や内浦からは駿河湾越しに雄大な富士山が望めます。沼津港の海鮮グルメで完走を祝いましょう。三島・沼津から輪行で帰路につけます。
モデルコース紹介|1泊2日で走るならこの順がおすすめ!
DAY1:熱海〜下田|海沿い快走ルートと温泉街を楽しむ
スタートは新幹線アクセスも便利な熱海駅。ここから伊東、稲取、河津を経て南伊豆の下田まで、約100kmを走る行程です。
東伊豆は比較的平坦な道が多く、太平洋を望む海岸線を快適に走れるのが魅力。道の駅・伊東マリンタウンや稲取の漁港グルメは補給スポットにもぴったりです。
とくに稲取〜河津の海沿い区間は、晴れていれば水平線が目の前に広がり、まるで海に吸い込まれていくような絶景体験が味わえます。
アップダウンはあるものの、1日目は無理なく走れる距離。下田には温泉宿も多く、金目鯛の煮付けと露天風呂で“ご褒美タイム”を楽しむのがおすすめです。
脚力やスケジュールに不安がある方は、伊東や稲取でのショートステイも検討してみましょう。
1日目を“走る+観光”のバランスにすれば、無理なく旅気分を満喫できます。
DAY2:下田〜沼津|最南端・石廊崎と西伊豆の絶景海岸
2日目は、いよいよ“イズイチ最大の山場”となる南伊豆〜西伊豆へ。
下田から半島最南端の石廊崎を回り込み、松崎・堂ヶ島・土肥・戸田と西伊豆の海岸線を北上して沼津へ抜ける、およそ120kmの行程です。
西伊豆の魅力は何といっても、黄金崎・恋人岬などの海沿いの展望地からの大パノラマ。駿河湾越しにそびえる富士山や、眼下に広がる海岸線の絶景はまさに圧巻です。
その分、斜度も長さもなかなかの手応え。無理をせず休憩をこまめにとりながら進みましょう。
土肥・戸田エリアは、休憩にちょうどいい温泉や海の幸が豊富な港町。特に「深海魚バーガー」など、ご当地ならではのB級グルメも話題です。
ゴールは海鮮グルメの沼津港で締めるのが定番。体力や時間に応じて、土肥から内陸の修善寺温泉へ抜けて輪行で帰る“短縮プラン”もおすすめです。
1泊2日で達成するイズイチは、“冒険と癒しが共存する旅”として記憶に残るはずです。
どんな装備が必要?|チャレンジ派向けの準備ガイド
ロングライドに最適なバイク&基本装備
イズイチのような220km級のロングライドでは、ロードバイクを基本に、軽量クロスバイクやグラベルバイクも選択肢になります。
舗装路がメインですが、路肩が荒れていたり、短い林道風の区間もあるため、太めのタイヤや振動吸収性の高いバイクセッティングが長時間の快適性を支えてくれます。
特に西伊豆の峠では、アップダウンとカーブが続くため、軽量なカーボン or アルミフレーム+低ギア比の組み合わせが理想的。
タイヤ幅は28〜35c前後がバランスよく、ロングライド向きです。
また、トンネルが多い伊豆では前後のライトは必須。昼間でも点灯が推奨される区間があるため、USB充電式の明るいライトを用意しておきましょう。
そのほか、パンク修理キット・携帯ポンプ・タイヤレバー・多機能ツール・補給食など、トラブル対応とエネルギー補給に必要な装備は忘れずに。
輪行袋もぜひ持っておきたいアイテム。思わぬ天候悪化や体調不良時に、電車での帰宅が可能になる保険として役立ちます。
宿泊ライド用の荷物とウエア選びのコツ
1泊2日でのライドを予定しているなら、リュックを避けた軽量パッキングが快適です。
サドルバッグやフレームバッグを活用し、バイク本体に荷物を積むスタイルが定番。荷重が分散されるため、長時間の走行でも疲れにくくなります。
最低限必要な荷物は、以下の通り:
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着替え(下着・靴下)
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薄手の防寒着(ウィンドブレーカーなど)
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スマホ充電器・モバイルバッテリー
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温泉用タオル・ビニール袋
ウェアは、昼夜の寒暖差をカバーできるレイヤリングがカギ。夏場でも西伊豆の海沿いの登りでは風が冷たく、肌寒さを感じることがあります。
半袖+アームカバー、レッグカバー+軽量ウィンドシェルといった柔軟な組み合わせが理想的です。
また、日差しの強いエリアではサングラスと日焼け止めもマストアイテム。
“走る”と“泊まる”を快適にこなすための準備が、旅そのものの満足度を左右します。
▼ 装備の詳しい選び方は、それぞれの特集記事でチェック
立ち寄りたいグルメ&温泉|旅の“ごほうび”スポット

東伊豆〜下田|海鮮グルメと温泉街の誘惑
東伊豆エリアは、海沿いの快走ルートと観光地らしい食と癒しのスポットが盛りだくさん。
熱海から伊東、稲取、下田にかけては立ち寄りスポットが豊富で、走っていても寄り道欲が止まりません。
【伊東】の道の駅「伊東マリンタウン」は、サイクリストの定番休憩スポット。
海鮮丼やしらすピザ、クラフトビールなどの軽食がそろっており、温泉施設も併設されています。
【稲取】では、港の朝市や食堂で食べられる金目鯛の煮付けや干物が有名。脂ののった金目鯛は疲れた身体に最高のご褒美です。
【下田】に入ると、雰囲気の良いカフェやベーカリーが点在するペリーロード周辺の散策もおすすめ。
温泉宿が多数あるため、日帰り入浴で脚を癒しつつ、しっかり休んで翌日に備えましょう。
西伊豆|海沿いに続く“癒し”と“絶景グルメ”
西伊豆に入ると、風景は一変。海沿いのアップダウンを越えるごとに、港町ならではの食と癒しが待っています。
【松崎】の小さな漁港には、地魚定食が食べられるローカル食堂が点在。静かな町並みに、ホッとひと息つける時間が流れています。
【土肥温泉】では、源泉かけ流しの温泉施設が複数あり、サイクリスト歓迎の立ち寄り湯も。
足湯だけでもOKな施設もあるので、脚の疲れをその場でリセットできます。
【戸田】では、名物の深海魚バーガーや地魚を使ったB級グルメが話題。ボリューム満点でエネルギー補給にもぴったりです。
西伊豆の【土肥温泉】や、内陸へ抜ける短縮プランで立ち寄れる【修善寺温泉】では、温泉と甘味を楽しみながら旅を締めくくれます。
サイクリング後の疲れを癒す、最高のフィナーレが味わえます。
“走るだけじゃない旅”を叶えてくれるのがイズイチの魅力。美味しいものと温泉をセットにすれば、チャレンジライドの満足度は倍増です。
アクセス&輪行情報|東京からの行き方&帰りの楽ちんプラン
スタート地点の選び方|熱海・沼津・伊東が王道
イズイチに挑戦する際、スタート地点としてもっとも人気が高いのは熱海駅。
東京から新幹線でわずか40〜50分という近さで、輪行派にとってもアクセス抜群です。
そのまま東伊豆を南下して下田を目指す流れが、最もオーソドックスな時計回りルートになります。
もう少し内陸からスタートしたい場合は、沼津駅や三島駅も選択肢。沼津イン→西伊豆→南伊豆→東伊豆と走れば、最後に熱海方面でゴールするルートも可能です。
ほかにも、伊豆高原駅や伊東駅から出発するルートなら、やや距離を短縮できるため、区間ライド派や初回トライアル組にもおすすめです。
どこからスタートしても絶景と達成感は変わりません。時間や体力、宿泊地の場所にあわせて柔軟に選びましょう。
輪行&帰路の工夫|いざという時の“逃げ道”も想定
イズイチは距離も高低差もあるため、「最後まで自走できないかも?」という前提でプランを立てるのが安心です。
そのためにも、輪行袋は最初から携帯しておくのがおすすめ。
ゴール地点として人気なのは、修善寺駅(伊豆箱根鉄道)や三島駅(新幹線接続)。
どちらも都内までスムーズに戻れる上、駅前には日帰り温泉やご飯処も多く、旅の締めくくりにぴったりの立地です。
また、途中離脱の可能性を考えるなら、伊豆急下田駅や伊東駅からの脱出ルートも把握しておくと安心。
主要スポットには駅やバス停があるため、体調や天候に合わせてプランを変更する柔軟性も大切です。
輪行初心者の方は、事前にパッキング手順や混雑時間帯の対策をチェックしておくとスムーズ。
関連記事:「初心者向け輪行マニュアル|電車移動×自転車の基本とマナー」なども参考にしてみてください。
行く前に知っておきたい!イズイチQ&A
どのくらいの脚力があれば完走できますか?
1日での完走は、ロングライド経験者やブルベ愛好者向けの上級チャレンジ。
とはいえ、1泊2日に分ければ、100km+120kmという構成で中級者でも十分可能です。
走力に不安がある場合は、東伊豆の平坦区間だけ走るなど、区間ライドから始めるのもおすすめです。
逆回り(反時計回り)でも大丈夫?
可能ですが、一般的には時計回り(熱海→下田→石廊崎→西伊豆→沼津)がおすすめです。
海側に道路がある区間が多く、景色を楽しみながら安全に走れるからです。
トンネルも海側のほうが照明が明るい場合があり、視界の確保もしやすくなります。
峠道は初心者でも走れますか?
西伊豆の黄金崎・恋人岬などの海沿いの展望地は、標高差・距離ともに本格派。
初心者が無理に走るのはリスクがあるため、時間に余裕を持って、押し歩きや休憩を織り交ぜる走り方を推奨します。
また、峠区間は天気が変わりやすいので、ウィンドブレーカーや防寒装備も必須です。
伊豆半島の道路は交通量が多くないですか?
一部区間(熱海〜伊東など)は観光シーズンにやや混雑しますが、全体としては走りやすい道路が多い印象です。
とはいえ、トンネルや道幅の狭い区間もあるため、リアライトの点灯や車間管理を徹底する意識が大切です。
まとめ|“挑戦してよかった”を実感する、特別な一周旅へ
伊豆半島をぐるっと巡る「イズイチ」は、ただのロングライドではありません。
絶景の海岸線、挑戦しがいのあるアップダウン、そしてグルメや温泉といったご褒美スポットが詰まった、“走る旅”そのものです。
距離は220kmと長めですが、1泊2日にすれば中級者でも十分完走可能。
輪行や区間ライドの工夫で、脚力やスケジュールに合わせた自由な楽しみ方ができるのも、イズイチの魅力です。
「いつか挑戦してみたい」と思っていた方は、ぜひこの記事をきっかけに計画を立ててみてください。
地図アプリでルートを引いてみるだけでも、気分はもう冒険モードです。


