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自転車のブレーキ調整の仕方|レバーの遊び・片効き・シューの当たりを自分で直す手順とねじの名前

更新日: 2026年10月7日

クロスバイクのハンドルで、ブレーキレバーに指をかけている手元
記事概要

自転車のブレーキを自分で調整する手順をご紹介します。レバーが深くなったときのケーブルの張り、片効き、シューの当たりと交換、ディスクブレーキのパッドまで。すき間や締める強さの数字は、シマノの整備マニュアルに沿ってまとめました。

ブレーキレバーが、前より深く握れるようになった。片側だけシューがこすれる。キーキー鳴る。そんなとき、どのねじを回せば直るのか、気になりますよね。

自転車のブレーキは、レバー・ケーブル・ブレーキ本体の3つでできていて、調整するねじもそれぞれに付いています。仕組みさえ分かれば、レバーの引きしろ、片効き、シューの当たりは、自分で直せます。

ここでは、Vブレーキを中心に、キャリパーブレーキ、ディスクブレーキ、シティサイクルまで、自分で調整する手順をご紹介します。すき間や締める強さの数字は、シマノの整備マニュアルのものです。

笑い猫

笑い猫

ブレーキって、少しずつ効きが変わっていくので、毎日乗っていると気づきにくいんですよね。

調整そのものは、仕組みが分かれば、そこまでむずかしくないと私は思っています。レバーの付け根のねじを少し回すだけで直ることも多いので。

ただ、ブレーキだけは「直ったつもり」がいちばんこわいです。終わったら、走り出す前に何度もレバーを握って確かめる。そこまでが調整かなと思います。

ブレーキの仕組み

自転車のブレーキは、どの種類でも流れは同じです。

  1. ブレーキレバーを握る
  2. ブレーキケーブル(ワイヤー)が引かれる
  3. ブレーキ本体が動いて、ブレーキシューというゴムが、車輪の縁(リム)を両側から挟む
ブレーキが効く仕組み。レバーを握ると、ケーブルが引かれて、シューがリムを挟む。ディスクブレーキは、パッドがローターを挟む
レバーの力を、ケーブルがブレーキ本体まで伝えます

ディスクブレーキは、挟む場所が違います。車輪の中心に付いた金属の円盤(ローター)を、パッドで挟みます。油圧式は、ケーブルのかわりにオイルで力を伝える仕組みです。

種類 挟むところ 力を伝えるもの よく付いている自転車
Vブレーキ リムを、シューで ケーブル クロスバイク、マウンテンバイク
キャリパーブレーキ リムを、シューで ケーブル ロードバイク、シティサイクルの前輪
機械式ディスクブレーキ ローターを、パッドで ケーブル クロスバイクなど
油圧式ディスクブレーキ ローターを、パッドで オイル ロードバイク、マウンテンバイクなど

で、ブレーキの調子が悪くなる理由も、この流れのどこかにあります。ケーブルがゆるんだ、シューやパッドが減った、挟む面に油や汚れが付いた、のどれかであることが多いんですよね。

調整に使うねじの名前と役目

「このねじは何だろう」となりやすいところを、シマノのマニュアルでの呼び名でまとめました。

付いている場所 名前 役目
ブレーキレバーの付け根 ケーブル調整ボルト、ケーブル調整ナット ケーブルのたるみを取るねじ。ボルトを反時計回りに回すとたるみが取れて、最後にナットを手で締めて留めます
Vブレーキのアームの上 ケーブル取付けボルト ケーブルをブレーキ本体に留めるボルト(5mmの六角レンチ)
Vブレーキのシューの根元 シュー固定ナット シューの位置と向きを留めるナット(5mmの六角レンチ)
Vブレーキのアームの根元 スプリング調整ボルト 左右のバランスを合わせる小さなねじ(プラスドライバー)
キャリパーブレーキ センタリング調整ボルト、ケーブル調整ナット 左右のすき間をそろえるボルト(3mmの六角レンチ)と、すき間を微調整するナット
機械式ディスクブレーキ パッド調整ねじ、ケーブル調整ボルト パッドとローターのすき間を、車輪側と車体の外側の両方で合わせます

※名前と工具は、シマノのディーラーマニュアル(基本作業書 DM-GN0001、メカニカルディスクブレーキ DM-BR0007)のもの。ほかのメーカーのブレーキでは、呼び名や工具のサイズが違うことがあります

名前が分かると、説明書やお店の人の話も、ぐっと分かりやすくなりますよね。

症状別|どこを直すか

症状から、直すところの見当をつけてみてください。

症状 考えられること 直すところ
レバーが深く握れる ケーブルがゆるんだ/シューやパッドが減った 溝と厚みを見てから、ケーブルの張りを直す
片側だけ当たる、こすれる 車輪がまっすぐ入っていない/左右のバランスがずれた 車輪を付け直してから、左右のバランスを直す
シューがタイヤに当たる、リムからはみ出す シューの位置がずれた シューの当たりを直す
キーキー鳴る シューやパッドが減った/挟む面に油や汚れが付いた 減っていれば交換。油が付いたシューやパッドも交換
握っても効きが弱い シューやパッドの摩耗/油/ケーブルのサビやほつれ 乗らずに、原因を1つずつ見る。ケーブルが傷んでいたら交換
レバーがスカスカする、オイルがにじむ(油圧式) 空気が入った/オイル漏れ 油圧式の章へ。漏れているなら、使わずにお店へ
Vブレーキで自分で直すところは3つ。レバーが深いときはケーブル調整ボルト、片側だけ当たるときはスプリング調整ボルト、当たる位置がずれたときはシュー固定ナット。終わったら、レバーを10回握って確かめる
Vブレーキで自分で直すところは、この3つです

多いのは、いちばん上の「レバーが深く握れる」なんですよね。ここから順にご紹介します。

調整の前に|道具と、守ること

使う道具は、そんなに多くないんですよね。

  • 5mmの六角レンチ…Vブレーキの、シューとケーブルを留めているところ
  • プラスドライバー…Vブレーキの、左右のバランス
  • 4mmと3mmの六角レンチ…ロードバイクのキャリパーブレーキ

締める強さは、シューやケーブルを留めるところで6〜8N·m(キャリパーブレーキのシューは5〜7N·m)と決められています。トルクレンチがあれば確実かなと思います。

それと、先に知っておいてほしいことがあります。シマノは、使う人向けのマニュアルでは、調整や交換は販売店に相談するよう案内しています。手順が載っているのは、整備士向けのマニュアルのほうです。なので、ここから先は自分の責任でやる作業になります。

守ることは3つです。

  1. シュー、パッド、リム、ローターに油を付けない。油が付いたまま走ると、ブレーキが効かなくなります
  2. ゆるめたねじは、決められた強さでしっかり締める。ゆるんだまま走るのが、いちばん危ないです
  3. 終わったら、ブレーキレバーをグリップに付くまで約10回握って確かめる。そのあと、人のいない平らな場所で、ゆっくり走って止まれるかを見ます

やってみて不安が残るときは、そのまま乗らずに、お店で見てもらってくださいね。

レバーが深くなったとき|ケーブルの張りの直し方

いちばん多いのが、これです。ブレーキは、使ううちにシューやパッドが減って、ケーブルも少しずつ伸びていきます。

1. 先に見るところ|シューの溝とパッドの厚み

減っているのにケーブルだけ張ると、交換の時期を見落としてしまいます。シューは溝が残っているか、ディスクブレーキのパッドは厚みが0.5mmより多く残っているかを、先に見てください。

2. レバーの付け根のケーブル調整ボルト

ブレーキレバーの付け根、ケーブルが出てくるところに、指で回せるねじがあります。これがケーブル調整ボルトです。

  1. 外側のケーブル調整ナットを、少しゆるめる
  2. ケーブル調整ボルトを反時計回りに回す。ケーブルのたるみが取れて、レバーが浅いところで効くようになります
  3. 少し回しては、レバーを握って確かめる
  4. ちょうどいいところで、ケーブル調整ナットを手で締めて留める

どのくらいで効けばいいかは、シマノのVブレーキのマニュアルに数字がありません。目安になるのは、ブリヂストンサイクルの点検の基準で、「ブレーキレバーを握って隙間が1/2〜1/3になるまでによくきくこと」。レバーとグリップのすき間が、半分から3分の1くらい残るところで、しっかり効く。これを目指します。

ただ、ボルトを出しすぎると、ねじのかかりが浅くなります。回しても足りないときは、次の「ケーブルの留め直し」に進んでください。

3. 足りないときは、ブレーキ本体でケーブルの留め直し

ここはVブレーキの場合です。少し手間ですが、やることは「ゆるめて、引いて、締める」だけなんですよね。

  1. レバーのケーブル調整ボルトを、時計回りにいっぱいまで戻しておく(あとで微調整する余裕ができます)
  2. ブレーキ本体のケーブル取付けボルトを、5mmの六角レンチでゆるめる
  3. 左右のシューとリムのすき間が、合わせて2mmになるようにケーブルを引いて、ケーブル取付けボルトを締める(6〜8N·m)
  4. ブレーキレバーをグリップに付くまで約10回握って、ケーブルが抜けてこないか、すき間が変わっていないかを確かめる

ケーブルの端がほつれていたり、サビていたりしたら、張り直しではなく交換です。サビ、ほつれ、ひび割れのあるケーブルは使わない、とマニュアルにもあります。

片側だけ当たるとき|左右のバランスの直し方

先に、車輪がまっすぐ入っているかを見てください。車輪が斜めに付いていると、ブレーキを直しても片側だけ当たります。意外と見落としやすいんですよね。

車輪がまっすぐなのに片側が当たるなら、Vブレーキのアームの根元にあるスプリング調整ボルトで直します。左右に1つずつあって、プラスドライバーで回します。

  • ねじを締める(時計回り)と、その側のシューがリムから離れる
  • ねじをゆるめる(反時計回り)と、その側のシューがリムに近づく

リムに近いほうのねじを少し締めるか、遠いほうを少しゆるめて、左右のすき間が1mmずつになるように合わせます。少し回しては、レバーを握って放す。これを繰り返すと、動きが落ち着いてくるんですよね。

ロードバイクのキャリパーブレーキは、ブレーキ本体のセンタリング調整ボルト(3mmの六角レンチ)で、左右のすき間が同じになるように合わせます。

シューの当たりの直し方

シューがリムからはみ出してタイヤに当たっていたり、下にずれていたりするときは、シューの位置を直します。タイヤに当たったまま走ると、タイヤが削れてしまいます。

  1. シュー固定ナットを、5mmの六角レンチで少しゆるめる(外しません)
  2. ブレーキレバーを握って、シューをリムに押し当てる
  3. その状態で、シューの上の端がリムの上の縁から1mm下にくるように、位置と向きを合わせる
  4. シューをリムに押し当てたまま、シュー固定ナットを締める(6〜8N·m)
  5. 左右とも直したら、すき間(左右合わせて2mm)とバランスを見直す

ナットを締めるときに、シューがいっしょに回ってしまいやすいんですよね。片手でシューを押さえながら締めると、ずれにくくなります。

ちなみに、ロードバイクのキャリパーブレーキは、数字が少し違います。

  • シュー取付けボルトは4mmの六角レンチで、5〜7N·m
  • シューは、リムの上の縁から1mm以上下
  • シューの前側が先にリムに当たるように、後ろ側に0.5mmのすき間をつける(トーイン)
  • シューとリムのすき間は、片側1.5〜2mmで、左右同じ

シューの交換

シューは、溝が無くなるまで減ったら交換です。油が付いてしまったシューも、拭いて使わずに交換します。

シューには、2つの形があります。

  • カートリッジ式…金属のホルダーに、ゴムのシューだけを差し替える形
  • 一体式…ゴムとねじが一体になっていて、まるごと取り替える形

カートリッジ式の交換(Vブレーキ)

  1. シュー固定ピンを抜いて、古いシューをホルダーの溝に沿って抜き取る
  2. シューとホルダーには、左用と右用があります。向きとピンの穴の位置を確かめて、新しいシューを溝に沿って入れる
  3. シュー固定ピンを挿す。このピンが、シューを正しい位置に留めています

キャリパーブレーキのカートリッジ式は、ピンのかわりに小さな固定ボルト(2mmの六角レンチ・1〜1.5N·m)で留まっています。

一体式の交換

シュー固定ナットを外して、シューをまるごと取り替えます。ワッシャーの並び順が決まっているので、外す前にスマホで写真を撮っておくと安心です。付けたあとは、上の「シューの当たりの直し方」の手順で位置を合わせます。

あとは、買うときの注意です。シューは、ブレーキの型によって合うものが違います。買う前に、いま付いているシューの型番を確かめてくださいね。

機械式ディスクブレーキの調整

シマノの機械式ディスクブレーキ(BR-TX805 など)は、パッドの位置を決めるねじが2つあります。車輪側はパッド調整ねじ、車体の外側はケーブル調整ボルトです。ねじが2つあるのが、Vブレーキとの違いなんですよね。

パッドが減ってレバーが深くなったとき

パッドとローターのすき間を、車輪側と車体の外側の両方で、0.2〜0.5mmにそろえます。

  • 車輪側…パッド調整ねじを回す。時計回りで、パッドがローターに近づきます
  • 車体の外側…キャリパーとブレーキレバーのケーブル調整ボルトを回す

ここで大事なのが、片側だけで調整しないことです。レバー側のねじだけで張り続けると、左右のすき間が不ぞろいになって、パッドが使用限界の0.5mmまで減る前に、ブレーキが効かなくなる。マニュアルには、そう書かれています。

ローターがこすれるとき

  1. キャリパーを留めている取付けボルトを、キャリパーが動く程度にゆるめる
  2. ブレーキレバーを握り込んで、パッドでローターをしっかり挟む
  3. 握ったまま、取付けボルトを交互に少しずつ締める(6〜8N·m)
  4. パッド調整ねじを、反時計回りに1〜2クリックゆるめる。これで、車輪側にもすき間ができます
  5. ブレーキレバーをグリップに付くまで約10回握って、車輪を回し、こすれないかを確かめる

パッドの交換

パッドの厚みが0.5mmまで減ったら、交換です。

  1. 車輪を外して、割ピンを抜き、古いパッドを取り出す
  2. パッド調整ねじを、反時計回りに止まるまでゆるめる。ブレーキレバーのケーブル調整ボルトは、時計回りに戻しておく
  3. 新しいパッドを入れて、割ピンを差し込み、先を折り曲げる
  4. 車輪を付けて、パッドとローターのすき間を、車輪側と車体の外側で同じにそろえる
  5. パッドとローターが触れていないこと、レバーを握って異常がないことを確かめる

割ピンの先を曲げ忘れると、パッドが抜けてしまうおそれがあります。そこだけは気をつけたいですよね。

あとは、ケーブルを留め直したときの注意です。ケーブルの端の余りは、20mm以内にしておきます。長いと、ローターに巻き込まれるおそれがあるためです。

油圧式ディスクブレーキで自分でできること

油圧式は、パッドが減ると、そのぶんピストンが出てきて、すき間を自動で合わせてくれます。なので、ふだんの引きしろの調整は要らないんですよね。自分でやるのは、パッドの厚みを見ることと、パッドの交換です。

パッドの交換

  1. 車輪を外して、パッドを留めているボルト(または割ピン)を抜き、古いパッドを取り出す
  2. ピストンとそのまわりを、きれいにする(石けん水か、空拭きで)
  3. 板のような平らな工具で、ピストンをまっすぐ奥まで押し戻す。とがった工具は、ピストンを傷めるので使いません
  4. 新しいパッドを入れて、ボルトを締める(2〜4N·m)。スナップリングも忘れずに付けます。割ピンの型は、差し込んでから先を曲げます
  5. パッドスペーサーを挟んで、ブレーキレバーを数回握る。レバーの手ごたえが堅くなるのを確かめる
  6. パッドスペーサーを外して車輪を付け、ローターがこすれないかを見る

こすれるときは、キャリパーの取付けボルトをゆるめて、こすれない位置に合わせ直します。

車輪を外しているあいだは、パッドスペーサーなしでレバーを握らないでください。ピストンが飛び出してしまいます。

パッドやローターを替えたあとの慣らし運転

ディスクブレーキは、パッドやローターを新しくしたあとに、慣らし運転をします。新しいうちは、まだ効きが弱いんですよね。油圧式のマニュアルにある手順は、こうです。

  1. 障害物のない、平たんで安全な場所で、ペダルをこげる程度にブレーキレバーを握る(片方のレバーだけで)
  2. レバーを握ったまま、20m走る
  3. これを、前ブレーキと後ろブレーキで、それぞれ最低10回ずつ

回数を重ねるにつれて、ブレーキの効きが上がっていきます。

ここはお店に頼みたいところ

レバーを握ってもスカスカする、オイルがにじんでいる。こういうときは、中に空気が入っているか、オイルが漏れています。オイルの入れ替えと空気抜きは、レバーの型ごとに使う道具とオイルが決まっていて、合わないオイルを使うとブレーキが効かなくなります。ここは、お店に頼むのがいいかなと思います。

ちなみに、自転車を逆さまにしたあとにレバーがスカスカになったら、ゆっくり数回握ってみてください。それで戻ることがあります。ディスクブレーキは、逆さまや横倒しにすることを考えて作られていないので、起こしたあとは、乗る前に必ずレバーを握って確かめます。

シティサイクル(ママチャリ)のブレーキ調整

シティサイクルは、前がキャリパーブレーキ、後ろはローラーブレーキのように、車輪の中心(ハブ)で止めるブレーキが付いていることが多いです。

レバーが深くなったときに回すのは、ここでもケーブル調整ボルトです。ブレーキレバーの付け根か、ブレーキ本体のケーブルの出口に付いています。

  1. ボルトを留めているナットを、少しゆるめる
  2. ケーブル調整ボルトを回して、レバーの引きしろを合わせる
  3. レバーを握って効きを確かめてから、ナットを締めて留める

目安は2つあります。

  • ブリヂストンサイクルの点検の基準…「ブレーキレバーを握って隙間が1/2〜1/3になるまでによくきくこと」
  • シマノのローラーブレーキ…レバーの遊びが15mm(レバーの型によっては11mm)。遊びというのは、レバーを引いていって、急に重くなるところまでの引きしろのことです

ただ、後ろのローラーブレーキは、中を自分で触れません。中に専用のグリスが入っていて、音が鳴る、急に強く効く、というときは、グリスが切れていることがあります。効きが弱すぎるときもふくめて、シマノは、こうなったらすぐに使うのをやめて、販売店で見てもらうよう案内しています。自分で油をさすのは、やめてくださいね。

自分でできる手入れもあります。ブレーキワイヤーとブレーキレバーの固定部のような注油するところには、1〜2か月に1回、自転車用の油をさす。これはブリヂストンサイクルの案内です。レバーの動きが渋くなってきたら、試してみてください。

車輪を外したあとに戻すところ

パンク修理や輪行で車輪を外すときは、ブレーキを一度開くことになります。戻し忘れたまま走り出すと、ブレーキが効きません。パンクを直してほっとしたあとほど、忘れやすいんですよね。

  • Vブレーキ…ケーブルの先の金具(インナーリード)を持って、本体を押しながら上に引き上げると外れます。車輪を付けたら、逆の手順で戻します
  • キャリパーブレーキ…ブレーキ本体のクイックレリーズレバーを「開」にして車輪を外し、付けたあとは必ず「閉」に戻します
  • 油圧式ディスクブレーキ…車輪を外しているあいだは、ブレーキレバーを握りません。パッドスペーサーを挟んでおくと安心です

どれも最後は同じで、車輪を付けたあと、ブレーキが正しく作動するかを確かめてから乗ること。車輪の外し方と戻し方は、ロードバイクのパンク修理(リムブレーキ車)にまとめてあります。

シュー・パッド・ローターの交換の目安

シマノのマニュアルに書いてある線は、次のとおりです。

部品 交換の線
ブレーキシュー(Vブレーキ、キャリパーブレーキ) 溝が無くなるまで摩耗したら
ブレーキパッド(ディスクブレーキ) 厚みが0.5mm以下になったら(新品は2mm。モデルによっては2.4mm)
ローター(ディスクブレーキ) 厚みが1.5mm以下/アルミ面が出てきた/割れや変形がある
ブレーキケーブル サビ、ほつれ、ひび割れがある
ブレーキの交換の目安。ブレーキシューは溝がなくなるまで、ディスクブレーキのパッドは厚み0.5mm以下で使わない、ローターは厚み1.5mm以下で使わない
シューは溝、パッドとローターは厚みで見ます

「3,000kmで交換」のような距離の目安は、シマノのマニュアルにはありません。雨の日に乗るか、坂が多いかで、減り方がまるで違ってくるからだと思います。距離ではなく、溝と厚みを目で見て決めるのがいいかなと思います。

乗る前に見る5つの点検

調整が終わったあとも、ふだんの点検が大事です。シマノが、使う人向けのマニュアルに載せている「乗車前の日常点検項目」は、Vブレーキとキャリパーブレーキなら次の5つです。

  1. 前後のブレーキは正しく作動するか
  2. ブレーキケーブルに、サビ、ほつれ、ひび割れがないか
  3. ブレーキシューが、溝まで摩耗していないか
  4. レバーに、クラック(ひび)や剥離がないか
  5. ふだんと異なる音がしないか
乗る前に見る5つ。前後のブレーキが効くか、ケーブルにサビやほつれがないか、シューの溝が残っているか、レバーにひびがないか、いつもと違う音がしないか。おかしいときは、直してから乗る
シマノのユーザーマニュアルにある、乗る前の点検(Vブレーキ・キャリパーブレーキ)

ディスクブレーキは、パッドの厚み(0.5mm以上あるか)、ローターの割れや変形、油圧式ならオイル漏れと、レバーがハンドルに付かないかも見ます。

毎回やるのは面倒ですよね。でも、走り出す前にその場でレバーを握って、前と後ろがそれぞれ効くかを見るだけなら、数秒で済みます。

自己流にしないほうがいいこと

自分で触るからこそ、ここだけは工夫しないほうがいい、というところをまとめました。

  • 音を止めようとして、油をささない。シュー、パッド、ローターに油が付くと、ブレーキが効かなくなります。チェーンに注油するときも、飛ばさないように
  • 油圧式ディスクブレーキに、市販のブレーキクリーナーや鳴き止め剤を使わない。シールなどを傷めるおそれがあります。洗うときは、石けん水か空拭きで
  • 乗ったあとすぐのローターやキャリパーに触らない。ブレーキで高温になっていて、やけどのおそれがあります。作業は、冷めてからにします
  • サビ、ほつれ、ひび割れのあるケーブルを、張り直して使わない。交換します
  • ブレーキ本体を分解しない。ローラーブレーキの中も同じです

乗り方の注意も、マニュアルにあります。前ブレーキを強くかけすぎると、前輪がロックして前に転ぶおそれがあること。雨の日は止まるまでの距離が長くなるので、スピードを控えて、早めにやさしくブレーキをかけること。調整と同じくらい、大事なところだと思います。

お店に頼むなら|工賃の目安

時間がないときや、やってみて自信が持てないときは、お店に頼む手もあります。サイクルベースあさひの工賃表では、こうなっています。

頼むこと シティサイクル スポーツ車
ブレーキ調整(前後) 1,100円 1,980円(ディスクブレーキなどは+1,100円)
シューの交換 1,210円(前後ともに各) 1,650円(片側。キャリパー、Vブレーキ)
ディスクブレーキのパッド交換 — 3,190円(片側。機械式も油圧式も同じ)
ブレーキケーブルの交換 2,090円(前後ともに各) 1,980円(インナーワイヤーのみ1本)

※2026年10月時点の、サイクルベースあさひ「自転車修理工賃」の基本工賃(税込)。部品代は別です。お店や自転車の作りによって変わります

調整だけなら、目安の作業時間は10分か15分ほど。一度お店でやってもらって、どこを触っているかを見せてもらうのも、いい勉強になるかなと思います。

よくある質問

自転車のブレーキ調整は、自分でできますか?

レバーの引きしろ、片効き、シューの当たりは、自分で直せます。使う道具は、5mmの六角レンチとプラスドライバーくらいなんですよね。
ただ、メーカーは使う人向けには「販売店に相談」と案内しているので、自分の責任でやる作業になります。終わったら、レバーをグリップに付くまで約10回握って、確かめてから走り出してくださいね。

ブレーキレバーの付け根のねじは何ですか?

ケーブル調整ボルトといって、ケーブルのたるみを取るためのねじです。反時計回りに回すとたるみが取れて、レバーが浅いところで効くようになります。最後に、ケーブル調整ナットを手で締めて留めます。
シューやパッドが減っているのに、このねじだけで張り直しを続けると、交換の時期を見落としてしまいます。回す前に、溝と厚みを見てくださいね。

ブレーキを強くする(締める)には、どうすればいいですか?

レバーの付け根のケーブル調整ボルトを、反時計回りに回します。ケーブルが張られて、レバーを少し握っただけで効くようになります。
それで足りないときは、ブレーキ本体のケーブル取付けボルト(5mmの六角レンチ)をゆるめて、ケーブルを引き直します。Vブレーキなら、シューとリムのすき間を、左右合わせて2mmにします。

ブレーキレバーの遊びは、どのくらいがいいですか?

シマノのVブレーキやディスクブレーキのマニュアルには、何mmという数字はありません。
ブリヂストンサイクルは、点検の基準として「ブレーキレバーを握って隙間が1/2〜1/3になるまでによくきくこと」を挙げています。シティサイクルに多いシマノのローラーブレーキは、レバーの遊びが15mm(レバーの型によっては11mm)です。

ブレーキシューの当たりは、どこに合わせますか?

Vブレーキは、シューの上の端が、リムの上の縁から1mm下にくる位置です。シューをリムに押し当てたまま、シュー固定ナットを締めます。
タイヤに当たっていないか、リムの下にはみ出していないかを、左右とも見てください。

ブレーキがキーキー鳴るのは故障ですか?

シューやパッドが減っているか、挟む面に油や汚れが付いていることが多いです。まず、シューの溝とパッドの厚みを見てみてください。
音を止めたくて油をさすのは、やってはいけないことです。ブレーキが効かなくなります。シティサイクルの後ろがローラーブレーキなら、販売店で専用のグリスを足してもらいます。

ブレーキシューは何kmで交換ですか?

シマノのマニュアルに、距離の目安はありません。溝が無くなるまで減ったら交換です。
ディスクブレーキのパッドは厚み0.5mm以下、ローターは厚み1.5mm以下で、使わない決まりになっています。

お店に頼むと、いくらかかりますか?

サイクルベースあさひの工賃表(2026年10月時点・税込)では、前後のブレーキ調整が、シティサイクルで1,100円、スポーツ車で1,980円です。作業時間の目安は10分か15分ほど。
部品を替えるときは、部品代が別にかかります。

まとめ

  • レバーが深くなったら、ケーブル調整ボルトを反時計回り。足りなければ、ケーブル取付けボルトで留め直す
  • Vブレーキのすき間は、左右合わせて2mm。片効きは、スプリング調整ボルトで1mmずつに
  • シューは、リムの上の縁から1mm下。溝が無くなったら交換
  • ディスクブレーキのパッドは0.5mm、ローターは1.5mmが交換の線
  • 終わったら、レバーを約10回握って確かめる。音が鳴っても、油はささない

はじめは、レバーの付け根のねじを回すところからで大丈夫です。少しずつ、触れるところを増やしてみてくださいね。

※手順と数字は、2026年10月時点のシマノのディーラーマニュアル(基本作業書、メカニカルディスクブレーキ、ローラーブレーキ)とユーザーマニュアルによります。ブレーキのメーカーや型によって違うことがあるので、お使いの自転車に付いてきた取扱説明書もあわせてご確認ください。作業は、ご自身の責任でお願いします。