東京23区にも、見上げるような大きな木が残っています。神社やお寺の境内、大名庭園、国民公園。どれも駅から歩いて行ける場所なんですよね。
ここでは、明治神宮・新宿御苑・浅草寺・小石川後楽園・芝東照宮の5か所を、どの木を見に行くのか、どこに立っているのかと、最寄り駅・開いている時間つきでご紹介します。山の装備は要りません。散歩のついでに、気軽に会いに行ってみてください。
| 場所 | 見に行く木 | 大きさ・樹齢の目安 | 最寄り駅 |
|---|---|---|---|
| 明治神宮(渋谷区) | 大椋(ムクノキ)・夫婦楠 | 大椋は幹まわり575cm・樹齢300年以上(推定) | 原宿駅 徒歩1分 |
| 新宿御苑(新宿区) | 3本のユリノキ | 高いもので約35m・樹齢は推定120年以上 | 新宿御苑前駅 徒歩5分 |
| 浅草寺(台東区) | 戦災公孫樹(イチョウ) | 樹齢八百余年ともいわれる | 浅草駅 徒歩5分 |
| 小石川後楽園(文京区) | 庭園の木立 | 江戸時代から続く大名庭園 | 飯田橋駅 C3出口 徒歩3分 |
| 芝東照宮(港区) | 大イチョウ | 三代将軍・家光が植えたと伝わる | 芝公園駅 A4出口すぐ |
※大きさと樹齢は、環境省の巨樹・巨木林データベースと、それぞれの公式の案内によるものです。開いている時間や料金は2026年10月時点のものなので、出かける前に公式の案内で確かめてくださいね。
明治神宮(渋谷区)|100年の森と、森より古い大椋

明治神宮は大正9年(1920年)の創建。あの深い森は、全国から献木された約10万本を植えてつくった人工の森なんですよね。なので、森の木の多くは「樹齢およそ100年」ということになります。
で、その中に、森ができる前から立っていたとみられる木があります。それが「明治神宮の大椋(おおむく)」。ムクノキで、幹まわり575cm・高さ25m・樹齢は300年以上(推定)。南門から至誠館へ向かう西側の道沿いにあります。片方の幹は枯れて、人が入れるほどの空洞になっているそうです。
本殿の前、左側に立っているのが夫婦楠(めおとくす)です。1本の木のように見えますが、実は2本のクスノキ(幹まわり366cmと317cm・高さ17m)。創建のときに献木された木で、樹齢は約100年です。お参りのときに、ぜひ見上げてみてください。
ちなみに、幹まわりがいちばん太いのは、本殿の北西側、芝生の広場のそばに立つクスノキ「タコ足」(幹まわり703cm)。タコを逆さにしたような形から、そう呼ばれています。
- 最寄り駅:JR山手線「原宿駅」から徒歩1分、小田急線「参宮橋駅」から徒歩3分。入口から本殿までは、歩いて10分ほどかかります
- 開いている時間:日の出と日の入りに合わせて、月ごとに変わります。10月は5時40分〜16時40分、11月は6時10分〜16時10分、12月は6時40分〜16時00分
新宿御苑(新宿区)|3本で1本に見えるユリノキ

新宿御苑でいちばん目立つ木が、風景式庭園の真ん中に立つユリノキです。遠くからは1本の大木に見えますが、近づくと3本が寄り添って立っているのが分かります。
1本の幹まわりは約5m、高いもので約35m。明治20〜30年代ごろに日本で初めて植えられたといわれていて、樹齢は推定120年以上です。都内の街路樹のユリノキは、この御苑の木の種から育てられたものなんだそうです。
5月の連休ごろには、チューリップのような形の黄緑色の花が咲きます。芝生に座って、ゆっくり見上げられるのがいいところかなと思います。
- 最寄り駅:新宿門へは、東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」出口1から徒歩5分、JR「新宿駅」南口から徒歩10分
- 開園時間:10月1日〜3月14日は9:00〜16:30(入園は16:00まで)。3月15日〜9月30日は9:00〜18:00(6月11日〜7月31日は19:00まで)
- 休園日:月曜日(休日の場合は翌平日)と、年末年始(12月29日〜1月3日)。桜の時期(3月25日〜4月24日)と菊花壇展(11月1日〜15日)は、月曜日も開いています
- 入園料:一般500円、65歳以上と学生(高校生以上)250円、中学生以下は無料
浅草寺(台東区)|空襲をくぐり抜けたイチョウ

浅草寺の本堂の南東に立つのが、「戦災公孫樹(せんさいいちょう)」です。樹齢は八百余年ともいわれ、源頼朝が参拝したときに挿した箸から芽が出た、という言い伝えが残っています。
昭和5年(1930年)に天然記念物に指定されたのですが、昭和20年3月10日の東京大空襲で被災して、指定は取り消されました。それでも枯れずに生き残り、浅草寺の案内では「東京大空襲をくぐり抜けた神木として、今も多くの人々に慕われている」と紹介されています。
場所を知らないと見落としてしまいやすいので、お参りのあとに、本堂の南東側をのぞいてみてください。
- 最寄り駅:東京メトロ銀座線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス「浅草駅」から徒歩5分、都営浅草線「浅草駅」A4出口から徒歩5分
- 本堂が開いている時間:6:00〜17:00(10月〜3月は6:30から)
小石川後楽園(文京区)|水戸徳川家の庭に残る木立

小石川後楽園は、寛永6年(1629年)に水戸徳川家の初代・頼房が屋敷の庭としてつくり始め、2代・光圀の代に完成した大名庭園です。国の特別史跡と特別名勝の両方に指定されています。
ここは「この1本」というより、庭全体の大きな木立を歩く場所って感じですね。マツ、カヤ、タブノキ、シイノキ、ケヤキ、ムクノキ、イロハモミジと、大きく育つ木がそろっています。東京ドームのすぐとなりに、こんな庭が残っているんですよね。
ただ、木の1本ごとに樹齢や大きさの案内があるわけではないので、「巨木を1本見たい」という日は、ほかの4か所のほうが向いているかなと思います。
- 最寄り駅:西門へは、都営大江戸線「飯田橋駅」C3出口から徒歩3分、JR総武線「飯田橋駅」東口から徒歩8分。東門へは、JR総武線「水道橋駅」西口から徒歩5分
- 開園時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)
- 休園日:年末年始(12月29日〜1月1日)
- 入園料:一般300円、65歳以上150円。小学生以下と、都内在住・在学の中学生は無料
芝東照宮(港区)|家光が植えたと伝わる大イチョウ

東京タワーのふもと、増上寺のすぐ近くにあるのが芝東照宮です。境内の大イチョウは、三代将軍・徳川家光が植えたと伝わる木で、芝東照宮の案内にも「大公孫樹(家光公御手植 天然記念物)」とあります。神木として大事にされている木なんですよね。
あとは、歩いて数分の増上寺にも寄ってみてください。境内には「グラント松」と呼ばれるヒマラヤ杉があります。明治12年(1879年)、アメリカの第18代大統領だったグラント将軍が、参拝の記念に植えた木です。本堂の向こうに東京タワーが見える、東京らしい景色も楽しめます。
- 芝東照宮の最寄り駅:都営三田線「芝公園駅」A4出口すぐ、「御成門駅」A1出口から徒歩2分、都営浅草線・大江戸線「大門駅」A6出口から徒歩5分
- 増上寺の最寄り駅:都営三田線「御成門駅」「芝公園駅」から徒歩3分、JR「浜松町駅」から徒歩10分。本堂にお参りできるのは6:00〜17:30
よくある質問
東京23区でいちばん古い木はどれですか?
この記事の5か所の中で、樹齢がいちばん長いと伝わるのは浅草寺の戦災公孫樹(八百余年ともいわれる)です。環境省の巨樹・巨木林データベースに数字が載っている木では、明治神宮の大椋が樹齢300年以上(推定)。23区のすべての木を比べたわけではないので、あくまでこの5か所の中での話として見てもらえたらと思います。
山の装備や体力がなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。5か所とも駅から歩いて行けて、道は舗装路か、整った園路です。歩きやすいスニーカーとふだんの服で十分かなと思います。明治神宮は入口から本殿まで10分ほど歩くので、そこだけ頭に入れておいてくださいね。
木の場所はすぐ分かりますか?
新宿御苑のユリノキと明治神宮の夫婦楠は、目立つ場所にあるのですぐ分かります。浅草寺の戦災公孫樹(本堂の南東)と、明治神宮の大椋(南門から至誠館への道沿い)は、場所を知らないと通り過ぎてしまいやすいです。先に地図で位置を見ておくと安心です。
写真は撮ってもいいですか?
境内や園内の景色は、ふつうに撮って楽しめます。ただ、お参りしている方の邪魔にならないように。あとは、木の根元に踏み込まない・枝や幹にさわらないことだけ、気をつけてもらえたらと思います。根のまわりの土が踏み固められると、木が弱ってしまうので。
いつ行くのがおすすめですか?
木そのものは一年中見られます。イチョウ(浅草寺・芝東照宮)は秋の黄葉、ユリノキ(新宿御苑)は5月の連休ごろの花が見どころです。人の少なさでいえば、平日の午前中がゆっくり見られるかなと思います。
23区の次は、郊外の森へ
23区の5か所は、スニーカーとふだんの服でそのまま歩けます。持っていくなら、飲みものと、秋冬は1枚はおれるものくらいで十分です。
で、大きな木がもっと見たくなったら、次は郊外の森へ。奥多摩や高尾のほうへ行くと、道は土になって、歩く時間も長くなります。そのときは、滑りにくい靴と、小さなザックがあると安心です。
まとめ
- 明治神宮…森より古い大椋(樹齢300年以上・推定)と、本殿前の夫婦楠
- 新宿御苑…3本が寄り添うユリノキ。高いもので約35m
- 浅草寺…空襲をくぐり抜けた戦災公孫樹。本堂の南東
- 小石川後楽園…大名庭園の木立をゆっくり歩く
- 芝東照宮…家光が植えたと伝わる大イチョウ。増上寺のグラント松もすぐ近く
どこも、駅から歩いて行ける場所です。買い物や用事のついでに、30分だけ寄り道してみる。それくらいの気軽さで、会いに行ってみてくださいね。
※開いている時間・料金などは2026年10月時点のものです。出かける前に、各施設の公式サイトで確かめてください。





山に登らなくても、大きな木の前に立つと、ちょっと背すじが伸びる気がするんですよね。
東京23区にも、森ができる前から立っている木や、空襲をくぐり抜けた木が残っています。スニーカーで、駅から歩いて会いに行けるので、巨木めぐりは山に行けない日の、いちばん手軽なアウトドアかなと私は思っています。