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関東の神秘的な巨木と歩く癒しのトレッキング旅【初心者〜上級者対応】

加蘇山の千本かつら
関東で出会える圧巻の巨木を、実際に歩いて訪ねるトレッキングルートを厳選紹介。東京都心から日帰りで行ける場所から、秘境感あふれる上級者向けルートまで、自然のパワーを感じる“癒しの森歩き”を提案します。
目次
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はじめに|巨木と歩く、関東の癒し旅

巨木トレッキングの魅力とは?

静かにそびえる一本の巨木。その前に立ったとき、時間がゆっくりと流れ始めるような感覚に包まれた経験はありませんか?
巨木トレッキングは、単なる登山やハイキングとは少し違います。目的は“山頂”ではなく、“一本の木”
その木に会いに行くために足を運び、風景を味わい、森と対話する。そんな癒しの体験ができるのが、巨木をめぐる旅の魅力です。

自然に囲まれた山道を歩くことで、心と体のリフレッシュにもつながり、日常のストレスを忘れることができます。
中には樹齢1000年を超えるものや、神話や伝説が息づくご神木もあり、その存在感とストーリーはまさに「生きるパワースポット」。
登山経験が浅い方でも楽しめるコースが多く、初心者から上級者まで対応できるのも魅力の一つです。

関東で巨木に出会える理由

「関東=都会」のイメージがあるかもしれませんが、実は山間部や里山、さらには都内にも、巨木は数多く存在しています。
たとえば秩父・奥多摩・丹沢などの山岳エリアには、自然林の中で何百年も生き続ける巨樹が点在しており、古くから人々に崇敬されてきました。

また、里山や神社の森に守られるように残された大木、関東大震災や戦火をくぐり抜けた記念樹など、巨木の背景にはそれぞれ歴史と文化が息づいています
そんなストーリー性も、巨木トレッキングの大きな魅力と言えるでしょう。

 

このあとご紹介するのは、関東各地の「巨木に出会えるトレッキングルート」。
初心者でも行きやすい森歩きから、本格派向けの秘境ルートまで、さまざまな巨木との出会い方をご提案します。

それでは、自然の神秘を感じる癒しの旅へ出かけましょう。

千葉県|海と森が育んだ風景の中で

関東で最も温暖な気候を持つ千葉県は、海沿いの町と低山地帯が織りなす風土の中で、クスノキやスダジイといった南方系の巨木が育まれてきました。
房総半島を中心に、神社の境内や渓谷沿いの道に静かに佇む巨木が点在しており、歴史や信仰と結びついた「地域に根ざした大樹」と出会えるのが特徴です。

都心から電車やバスで2〜3時間ほどとアクセスも良く、1〜3時間程度で歩ける初心者向けのトレッキングルートが充実しています。
歩きやすい遊歩道や短めの里山コースが多いため、初めて巨木トレッキングを体験したい人にもぴったりのエリアです。

千葉県のおすすめ巨木トレッキング

神奈川県|丹沢の奥に眠る千年の命

神奈川県西部に広がる丹沢山地は、首都圏からのアクセスが良好でありながらも、深い森と豊かな水源に恵まれた本格的な登山エリアです。
この地域ではスギやヒノキを中心とした針葉樹の巨木が数多く見られ、なかには樹齢1000年を超えるような圧倒的なスケールの大樹も存在しています。

登山道は3〜6時間以上の行程が一般的で、アップダウンのある山道が多いのが特徴です。そのぶん、人工物の少ない静かな環境の中で、まるで“森の神様”のような巨木と出会える体験ができます。
大山や丹沢三峰など、かつて修験道の行場としても知られた場所では、巨木と信仰が結びついた神聖な空気が漂います。

小田急線の本厚木・秦野・渋沢などからバスで登山口にアクセスでき、初心者向けの林道ルートも一部整備されています。とはいえ、全体としては中級者以上に適した山域であり、しっかりとした装備と登山計画が求められます。

神奈川県のおすすめ巨木トレッキング

埼玉県|秩父の山深くで出会う大樹たち

埼玉県の西部に広がる秩父地域は、奥秩父山塊に連なる深い山と豊かな森林が広がるエリア。関東平野から最も近い“山岳地帯”として、多くの登山者や自然愛好家に親しまれています。

この地域の巨木は、モミやカエデ、イヌブナ、ミズナラといった落葉広葉樹が中心で、杉や檜の人工林とは異なる自然のままの森の風景に出会えるのが特徴です。標高差のあるトレイルではありますが、整備された登山道や林道が多く、山慣れした初心者から中級者まで安心して歩けるコースが点在しています。

とくに晩秋の秩父では、紅葉と巨木が織りなす圧倒的な色彩のコントラストが見られ、撮影や自然観察を目的としたトレッキングにも最適です。また、山奥で出会う巨木には、かつての信仰や集落文化と結びついたものも多く、静かな感動と物語を感じさせてくれます

西武秩父駅・三峰口駅などからアクセス可能で、バス利用やマイカー登山との相性も良好。標高1000m超の山域もあるため、気温や天候には十分な注意が必要です。

埼玉県のおすすめ巨木トレッキング

東京都|都会と自然が交わる巨木との出会い

高層ビルが立ち並ぶ東京にも、静かに時を重ねてきた巨木たちが息づいています
都心部では公園や神社の境内に、郊外では奥多摩や檜原村などの山あいに、それぞれ異なる表情を持った巨木が点在しており、東京という都市の多様性を象徴する存在と言えるでしょう。

23区内では、樹齢数百年のケヤキやイチョウが今も人々の暮らしに寄り添っており、忙しい日常のなかでふと立ち止まりたくなるような癒しの空間を提供してくれます。都会の喧騒のすぐそばに、こうした自然が残されていることに、あらためて驚かされるはずです。

一方、東京都の西部に位置する奥多摩や高尾山、檜原村などでは、より本格的なトレッキングルートの先に巨木が待っています。
ミズナラやスギ、ブナなどが山の中腹や尾根沿いに立ち、静寂と荘厳さを感じさせる“山の巨木”に出会えるのが魅力。中には、かつて修験道の行場として祀られてきたような神秘的な巨木もあります。

都内の鉄道網とバスを活用すれば、アクセスもスムーズで、日帰りでも十分楽しめるルートが豊富です。自然と都市が交差する、東京ならではの巨木トレッキング体験が待っています。

東京都のおすすめ巨木トレッキング

北関東編|栃木・群馬の神秘ルートへ

関東北部に位置する栃木県と群馬県は、標高の高い山々と広大な原生林に恵まれた“山の国”です。いずれの地域も関東平野から一歩奥に足を踏み入れることで、他の地域とは一線を画すスケールの巨木や深い森に出会えるのが魅力です。

栃木県では、日光や那須を中心に、ミズナラやカエデ、ブナなどの落葉広葉樹の巨木が点在。遊歩道や木道が整備されたエリアも多く、季節ごとの表情を楽しみながら森歩きができます。特に日光周辺は、世界遺産エリアから少し足を延ばすだけで静かな巨木トレイルに入れるのも魅力です。

一方、群馬県では赤城山や榛名山、妙義山の周辺などに巨木が点在し、地元の神社や歴史文化と密接に結びついています。特に神社の参道沿いや境内に立つケヤキやスギの大木は、その土地の信仰や伝説を背負ってきた“語る巨木”たち。アクセスしやすい低山もあれば、標高差のある本格ルートもあり、バリエーション豊富です。

どちらの県も、駅からバスを使ったアクセスが可能で、首都圏からの日帰りも一部可能。しっかりとした準備をすれば、癒しと神秘に満ちた“森の奥の巨木”との出会いが待っています。

栃木県・群馬県のおすすめ巨木トレッキング

【難易度高】本格派におすすめの巨木ルートも

巨木トレッキングの魅力に惹かれ、もっと深く自然と向き合いたいと感じたら、ぜひ挑戦してほしいのが**“一本の巨木に出会うためだけに歩く”本格ルート**です。
関東には、標高1000〜2000m級の山域に分け入ることでしか出会えない、圧倒的な存在感を放つ巨木がいくつも残されています。

たとえば、神奈川県・丹沢三峰の奥に佇む「塩水の弁天杉」、栃木県・加蘇山に眠る「千本カツラ」、東京都最西部・雲取山の尾根近くで静かに立つ「イチイの巨木」など、その道中は険しくもあり、同時に達成感と感動に満ちた時間となります。

これらのルートはいずれも6時間以上の行動時間を要する場合が多く、登山装備と事前準備が欠かせません。ルートによっては地図読みや体力、登山スキルが求められるため、中・上級者向けの“山の巨木旅”として位置づけられます

自然との距離を一気に縮めてくれる、静かで力強い存在。誰にも会わないような山奥で、たった一本の木と出会う。その体験は、街中の喧騒や観光スポットでは得られない、本物の癒しと没入感を与えてくれます。

難易度高(パーティー推奨)

行く前に知っておきたい!巨木トレッキングQ&A

Q. 巨木トレッキングは初心者でも楽しめますか?

はい。紹介しているコースの多くは、遊歩道や整備された登山道が中心で、1〜3時間程度の短いルートが豊富です。特に千葉・東京郊外・埼玉などのルートは初めての方でも安心して歩けます。
ただし、樹齢のある木は山奥に生えていることも多いため、事前のコース確認や最低限の装備は用意しましょう。

Q. どの季節に行くのがベストですか?

春〜秋が歩きやすくおすすめです。新緑や紅葉の時期は巨木と森の色彩が際立ち、美しい風景が楽しめます。
特に秋は落葉広葉樹の彩りと巨木の組み合わせが映え、カメラを持って出かけたくなる季節です。
ただし、標高の高い山は気温が低くなるため、季節に応じた服装・装備で臨んでください。

Q. 特別な装備は必要ですか?

初心者向けルートであれば、スニーカーや軽装でも歩ける場合もありますが、基本はトレッキングシューズと雨具、飲み物、スマホ用の予備バッテリーなどがあると安心です。
中・上級者向けルートでは、登山用の靴・ウェア・ヘッドライト・地図など、登山装備が必須になります。

Q. 巨木に触ってもいいの?

基本的に触れること自体は禁止されていない場合が多いですが、巨木はデリケートな生き物です。苔や樹皮を傷つけないよう注意し、むやみに登ったり枝を引っ張ったりするのは避けましょう。
神社境内のご神木などはロープで囲まれていることもあるため、現地の案内表示に従って行動するのがマナーです。

Q. 写真撮影のコツを教えてください

巨木はとても背が高いため、根元から全体を撮るには広角レンズやスマホの超広角モードが役立ちます。
また、木の全体像を収めるだけでなく、幹の質感や根元の広がり、木漏れ日とのコントラストなど、部分的に切り取ることで巨木の迫力がより伝わりやすくなります。

まとめ|一本の木に出会う旅の魅力

関東には、ただ歩くだけでは出会えない、深い森の奥で静かに時を重ねてきた巨木たちが数多く残されています。
本記事では、都心からアクセスしやすい初心者向けのコースから、登山スキルが求められる本格派ルートまで、各地の特色ある巨木スポットを紹介してきました。

巨木を訪ねるトレッキングの魅力は、自然との距離がぐっと縮まり、心が静かになる時間を持てることにあります。
木の前に立ったときの空気の重み、根元に広がる苔の匂い、幹に刻まれた時間の跡――それらすべてが、日常とは違う感覚を与えてくれる特別な体験です。

これから巨木トレッキングに挑戦する方は、まずは身近な場所から、自分のペースで歩き出してみてください。
そして、次第に森の奥へと足を延ばしながら、“一本の木に会いに行く旅”の奥深さを感じていただけたら嬉しいです。

心と体を整えたいとき、静かな自然に身を委ねたいとき――
巨木はいつでも、変わらぬ姿でそこに立ち、あなたを待ってくれています。