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ミッドカット(ミドルカット)とは?ハイカット・ローカットとの違いと選び方

登山道の岩場に立つミッドカットの登山靴。足首のくるぶしまでの高さが分かる
ミッドカットとミドルカットは同じもので、メーカーによって呼び方が違うだけです。ハイカット・ローカットとの違いは足首の高さですが、よく言われる「高い靴ほど重い」は実物を並べると成立しません。モンベルの登山靴を同じ条件で比べると、ローカット329gに対してミドルカットは362g、その差はわずか33g。重さを決めているのはカットの高さではなくソールの硬さです。各メーカーが想定している山域と、試着で確かめる場所までまとめました。
目次

「ミッドカット」と検索してここに来た人は、たぶんハイカットやローカットと何が違うのかを知りたいんじゃないかと思います。

先に結論から書くと、違うのは足首の高さです。ただ「高い靴=重い靴」ではありません。ここを取り違えて選んでいる人がけっこう多いんですよね。

この記事では、メーカーが公表している実物の重さと、各社が想定している山を並べて、その違いを見ていきます。

ミッドカット(ミドルカット)とは

ローカット・ミッドカット・ハイカットの高さの違い
違うのは足首の高さ。重さの差はここでは決まりません

足首の中間、くるぶしのあたりまでの高さがある登山靴のことです。ローカットとハイカットのあいだ、と考えて問題ないです。

「ミドルカット」と「ミッドカット」は同じもの

検索していると両方の表記が出てきて迷いますが、同じものを指しています。メーカーによって呼び方が違うだけですね。

  • モンベル:ミドルカット
  • キャラバン:ミッドカット

どちらで検索しても、出てくる靴は同じです。

高さに決まった規定はない

「くるぶしから何cm以上ならミッドカット」といった基準はなくて、メーカーが自社の中で分けているだけです。

なので、A社のミッドカットとB社のミッドカットで、実際の高さが違うことは普通にあります。カットの名前だけで比べても、あまり意味がないんですよね。履いて確かめるしかない部分です。

ハイカット・ローカットとの違い

違い①|守っている場所

いちばん分かりやすい違いはここです。

  • ローカット:足首が完全に自由。曲げやすく、歩きが軽い
  • ミッドカット:くるぶしのあたりまで包む。横方向のぐらつきが減る
  • ハイカット:足首全体を包む。左右から支えて、ねじれにくくする

重い荷物を背負うほど、また足元が荒れているほど、支えのある高さが求められます。

違い②|重さを決めているのは「高さ」ではない

ここが本題です。よく「ミッドカットは中間だから重さも中くらい」と言われますが、実物を並べるとそうなっていません。

モンベルの登山靴を、同じ条件(メンズ・25.5cm・片足)で並べるとこうなります。

モデル カット 重さ
トレールハイカー ロー 329g
トレールハイカー MID ミドル 362g
マウンテンクルーザー 200 ミドル 360g
マウンテンクルーザー 400 ミドル 524g
マウンテンクルーザー 600 ミドル 545g
アルパインクルーザー 800 ハイ 574g
アルパインクルーザー 2500 ハイ 731g

気づくところが2つあります。

  • ローカット329g と ミドルカット362g の差は33g。10円玉7枚ぶんくらいです
  • ミドルカット545g と ハイカット574g はほとんど並んでいます

つまり重さを決めているのは、カットの高さではなくソールの硬さです。硬いソールほど中に厚い芯板が入っていて、そのぶん重くなります。カットの高さで増える重量は、ごくわずかなんですよね。

「重くなるのが嫌だからローカット」という選び方は、たぶん見るところが違います。同じシリーズならミドルカットにしても数十グラムしか変わりません。
本当に重さを左右するのは、その靴がどれくらい硬いソールを積んでいるかです。

違い③|メーカーが想定している山

各社が公表している使い分けを並べると、だいたい一致しています。

カット キャラバンの想定 モンベルの想定
ロー 起伏の少ない低山、2000m級の日帰り(高尾山・霧ヶ峰・尾瀬) ライトトレッキング、トレイルランニング
ミッド 整備された登山道のある高山、日帰りできる山(富士山・乗鞍岳・木曽駒ヶ岳) 荷物の少ない山小屋泊、日帰り登山
ハイ 3000m級の縦走やテント泊の重装備(穂高岳・槍ヶ岳・剱岳) 森林限界より高所の縦走、重い荷物のテント泊

ミッドカットを「低山向け」と紹介している記事をよく見かけますが、メーカーの想定はもっと上まで届いています。富士山も乗鞍も、道が整備されていて日帰りできる山ならミッドカットの範囲です。

結局どれを選べばいいか

行く山と荷物で決まります。順番に見てください。

高尾山・尾瀬のような整備された低山だけ → ローカット

足首が自由に動くぶん、歩いていていちばん楽ですよね。日帰りで荷物も軽いなら、これで困ることはないかなと思います。

日帰り〜山小屋1泊、富士山も視野に → ミッドカット

最初の1足として、いちばん外しにくいのがここです。行ける山の幅が広く、重さもローカットと大きく変わりません。

ただ同じミッドカットでも360gと545gがあります。柔らかくて軽いものは低山向け、硬くて重いものは高山向けと、中身がかなり違うので、店で曲げてみて確かめてください。

テント泊・森林限界より上の縦走 → ハイカット

荷物が15kgを超えてくると、足首を支えてくれる高さと硬さが必要になります。ここはミッドカットで代わりにするところではないかなと思います。

迷ったら、カットの高さより先にソールの硬さを見てください。店で靴のつま先とかかとを持って曲げてみて、ほとんど曲がらないものが高山向け、素直に曲がるものが低山向けです。
柔らかい靴でごつごつした岩場を歩くと足裏が痛くなり、硬い靴で平らな道を長く歩くと足が疲れます。

買う前に見るのは3か所

1. 足の形に合うか(これが最優先)

どれだけ高性能でも、足に合わない靴は下山で必ず痛くなります。性能より先に、ここです。

日本人には幅広・甲高の人が多いので、海外ブランドだと横がきついことがあるんですよね。キャラバンやシリオは日本人の足型を想定した設計、サロモンやメレルは比較的細め、モンベルはその中間、というのが大まかな傾向です。

ただ同じブランドでもモデルごとに違いますし、ワイドモデルが用意されていることも多いです。傾向は目安にとどめて、履いて決めてください。

2. 防水がいるかどうか

ゴアテックスなどの防水素材は、雨の日の浸水を防いでくれます。日本の山は雨が多いので、入っているモデルが主流ですね。

ただ防水の靴は中が蒸れます。夏の低山しか行かない、汗をかきやすい、という人は、あえて非防水を選ぶのもありです。

あと防水は永久ではありません。使っているうちに落ちてくるので、撥水スプレーで手入れする前提で考えておいてください。

3. ソールの硬さ(重さもここで決まる)

さっき書いたとおり、重さを決めているのはここです。行く山に合わせて選びます。

グリップはビブラムソールが定番ですね。なかでもメガグリップを使ったものは、濡れた岩でも滑りにくいとされています。ソールの溝が深いほど、土や落ち葉の道では有利です。

試着でやること

登山用品店で登山靴の靴紐を締めて試着しているところ
くるぶしの当たりは、しゃがんでみないと分かりません

行く時間と持ち物

  • 夕方に行く:足は一日でむくむので、朝に合わせた靴は登山中にきつくなります
  • 登山用の靴下を持っていく:普通の靴下とは厚みが違うので、サイズ感がずれます。忘れたら店で借りられるか聞いてください
  • 両足とも履く:左右でサイズが違う人はけっこういます

店で確かめる4つ

  1. つま先の余裕:紐を緩めてつま先を先端に詰めたとき、かかとに指1本(1〜1.5cm)入るか
  2. かかとの浮き:紐を締めて歩いたとき、かかとが浮かないか
  3. 幅の当たり:足のいちばん広いところが締めつけられていないか
  4. くるぶしの当たり:ミッドカットは、ここが当たると下山で痛くなります。しゃがんで足首を曲げて確かめてください

通販で買うなら、サイズ違いを返品・交換できるかを買う前に確認してください。幅とかかとの収まりは履かないと分かりません。
なおAmazonの「Prime Try Before You Buy(自宅で試着してから買えるサービス)」は2025年1月末で終了しています。これを前提にした情報は古いものです。

よくある質問

ミドルカットとミッドカット、どちらが正しいですか?

どちらも正しくて、同じものを指しています。モンベルは「ミドルカット」、キャラバンは「ミッドカット」と呼んでいます。
スニーカーの世界でも「ミドルカット」という言い方があって、そちらも足首の中間までの高さという意味です。考え方は同じですね。

ミッドカットにすると、どれくらい重くなりますか?

同じシリーズで比べるなら数十グラムです。モンベルのトレールハイカーはローカット329g、ミドルカット362gで、その差は33g(いずれも25.5cm・片足)。
重さが大きく変わるのはソールが硬くなったときで、カットの高さではありません。

ミッドカットなら捻挫しませんか?

そこまでは言えないです。メーカーは足首を横から支えて、ぐらつきを減らす設計としていますが、捻挫しなくなるわけではありません。
実際に足首を守っているのは、荷物の重さ・歩き方・その日の疲れのほうが大きいです。靴に頼りきらないでください。

ミッドカットで雪の山に行けますか?

行ける雪と、行けない雪があります。
行けるのは、樹林帯の低山で踏み固められた雪くらいまで。チェーンスパイクを合わせる前提です。
行けないのは、森林限界を越える冬山です。3シーズン用のミッドカットには靴の縁の出っ張り(コバ)が無いので、ワンタッチ式のアイゼンが装着できません。保温材も入っていないので、長時間だと足先が冷えます。

サイズは何cm大きめを選べばいいですか?

「普段より0.5〜1cm上げる」とよく言われますが、数字で決めないほうがいいです。ブランドによって同じ表記でも実寸が違います。
やることは1つで、登山用の靴下を履いて、かかとに指1本入るサイズを探す。それだけです。

スニーカーのミドルカットとは違うものですか?

高さの考え方は同じですが、中身がまったく違います。登山靴はソールに芯板が入っていて、ねじれないように作られています。
見た目が似ていても、岩や木の根の上ではスニーカーだと足裏が痛くなります。山で使うなら登山用を選んでください。

まとめ

  • ミドルカットとミッドカットは同じもの。メーカーで呼び方が違うだけです
  • 高さに決まった規定はないので、名前だけで比べても意味がないです
  • 重さを決めているのは高さではなくソールの硬さ。ローとミッドの差は数十グラムしかありません
  • ミッドカットの守備範囲は思ったより広く、メーカーの想定は富士山・乗鞍まで届いています
  • 最優先は足の形に合うこと。ミッドカットはくるぶしの当たりだけ、必ず確かめてください

私だったら、最初の1足はミッドカットで、ソールが柔らかめのものを選びます。行ける山の幅が広くて、歩いていて疲れにくいからです。硬い靴が必要になるのは、テント泊を始めてからでいい気がします。

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