ザック選び、20〜30Lは「ブランドの違い」で差が出る
登山用ザックを探していると、まず悩むのがサイズ選び。でも「日帰りメイン」「小屋泊でも荷物は軽め」という人なら、20〜30Lの中型ザックがいちばん使いやすく、応用も利くサイズです。
ただし、同じ20〜30Lでも、ブランドによって設計思想はけっこう違います。
背負い心地や通気性を徹底追求するブランド
軽さと使い勝手を両立するブランド
日本人の体格にフィットするブランド
デザインや収納ギミックにこだわるブランド など…
つまり、「容量」だけで選ぶと後悔するのがザック選びの難しいところ。
逆に言えば、自分に合ったブランドの“考え方”を知ることで、ザック選びは一気に楽になります。
この記事では、筆者が実際に使ったモデルを含め、20〜30Lクラスのザックに強い7ブランドを厳選して紹介。それぞれの特徴やおすすめシリーズをわかりやすく比較していきます。
「最初の1本」や「2本目のザック」を探している人は、ぜひ参考にしてみてください。
登山ザックに強いブランド7選【特徴&おすすめシリーズ】
同じ「20〜30L」でも、ブランドによって快適さや収納力、使い勝手にははっきりと差があります。ここでは、日帰り〜軽量1泊に向いた中型ザックに強いブランドを7つ厳選し、それぞれの特徴と代表モデルを紹介します。
ドイター(Deuter)|背負い心地と通気性なら鉄板

ザック専業のドイツブランド。とにかく「背負い心地が違う」と感じさせてくれるのがドイターです。
独自の背面構造「エアコンフォートシステム」は、ザックと背中の間に空間を作って蒸れを防ぐ仕組み。夏の低山や汗をかきやすい人にとって、これほど快適なザックはそう多くありません。
おすすめモデル(20〜30L)
FUTURA 23:通気性抜群、背負いやすさと収納力のバランスも◎
AC LITE 23:軽量志向ならこちら。シンプルかつ快適
FUTURA23は私も愛用しています!
ミレー(MILLET)|軽さとスマートさを両立したザック

フランス生まれのアルパインブランド。軽量かつスマートな作りが特徴で、日本でも夏山・縦走系ユーザーに人気があります。
スリムなシルエットと優れた通気性、無駄のない収納設計により、「とにかく軽快に歩きたい」人に向いています。
おすすめモデル(20〜30L)
クンブ マウンテン クルーズ 22:街〜山でも浮かないデザイン、背面メッシュも快適
サースフェー 28+5:軽量+容量調整可能。小屋泊にも◎
これも愛用品の1つ↓
カリマー(karrimor)|安定感&価格バランスで選ぶなら

英国ブランドながら、日本市場でも高い人気を誇るカリマー。定番のridgeシリーズは、トレッキング〜ライト縦走まで対応可能な安定感が魅力。
比較的価格も手頃で、機能も充実。「コスパも気にしたいけど、しっかりしたザックがほしい」という人にちょうどいい存在です。
おすすめモデル(20〜30L)
ridge 30+:大きすぎず小さすぎず、1泊小屋泊にも使える
sector 25:通勤・通学と兼用したい人にも◎
グレゴリー(GREGORY)|フィット感重視派の信頼ブランド
「背負ったときのフィット感が段違い」と登山者に評判のグレゴリー。特にショルダーやヒップベルトの設計が丁寧で、荷物が軽く感じるほど。
20〜30Lクラスでも体格別のサイズ展開があり、自分に合う1本を探しやすいのも魅力です。
おすすめモデル(20〜30L)
JADE 28(女性向け)/ZULU 30(男性向け):通気性の高い背面パネルと快適なフィット感が魅力
モンベル(mont-bell)|国内最強の高コスパブランド

言わずと知れた日本の総合アウトドアブランド。20〜30Lクラスのザックも多数展開しており、「価格と性能のバランス」では他の追随を許しません。
日本人の体格や登山スタイルに合った設計で、初めての1本としても安心です。
おすすめモデル(20〜30L)
チャチャパック 30:サイドジップで荷物の出し入れが快適
バーサライトパック 20/30:軽量志向のUL派にも対応
ノースフェイス(THE NORTH FACE)|街でも映えるデザイン性

機能とデザインを両立させた、アウトドア×タウンユースの王者。ノースフェイスの20〜30Lザックは、街にも溶け込むスタイリッシュな外観と、しっかりした登山性能のバランスが魅力。
登山だけでなく、普段使いでもガシガシ使いたい人におすすめです。
おすすめモデル(20〜30L)
テルス 25:高い汎用性と安定感。ファーストザックにも◎
FP 25:軽量・ミニマル設計でスピードハイクにも向く
テルス25は街使いにも最適!
パーゴワークス(PAAGO WORKS)|ギア感と機能美を楽しむなら

日本発の個性派ブランド。山岳ランナーやファストパッキング系のユーザーに人気で、「ギアとしての楽しさ」にあふれた作りが特徴。
サブポケットやアクセスの工夫が多く、使っていてワクワクするザックを探している人に◎。
おすすめモデル(20〜30L)
RUSH 28 XP:日帰り〜UL1泊に対応。収納ギミックが秀逸
TRAIL BANK(補助ポーチ):セット使いでさらに快適
【タイプ別】自分に合ったザックブランドの選び方
20〜30Lのザックは「日帰り登山にちょうどいい万能サイズ」ですが、ブランドごとに“どんな人に向いているか”は意外と違います。
ここでは、「使い方」や「重視したいポイント」によって、おすすめのブランドをタイプ別に紹介します。
タイプ・重視点 | 向いているブランド | 理由・特徴 |
---|---|---|
とにかく背負いやすく、疲れにくいザックがいい | ドイター、グレゴリー | 背面構造やフィット感に定評あり。長時間でも快適 |
夏でも涼しく、軽快に歩けるザックがいい | ミレー、モンベル | 軽量設計&通気性◎。体への負担が少ない |
1泊登山にも使える収納力と安定感がほしい | カリマー、モンベル | ridgeやチャチャパックは容量調整&安定感あり |
見た目も重視。街でも使えるザックがほしい | ノースフェイス、ミレー | タウンユースでもなじむデザインが豊富 |
ギア感や個性で選びたい。普通のザックじゃつまらない | パーゴワークス | 構造や使い勝手が独自で“遊び心”がある設計 |
どれも容量は20〜30L前後でも、「自分に合った相棒ザック」は人それぞれ。
ブランドの特徴を知れば、“なんとなく”選ぶよりも、登山の満足度がぐっと上がるはずです。
日帰り登山での使い方はこちらの記事でも紹介しているので、ぜひ見てみてください。
まとめ|ザック選びは、ちょっとだけ「ブランド目線」で
20〜30Lのザックは、登山スタイルや好みによって“ちょうどいい1本”が変わってきます。
容量や見た目だけで選ぶよりも、「このブランドはこういう使い方が得意なんだな」と知っておくだけで、失敗の確率はぐっと減ります。
もちろん、気に入ったデザインを選ぶのもアリ。
ただ、その背景にある設計思想や得意分野を少し知っておくと、ザックは**“ただの道具”から“相棒”**に変わってくれるかもしれません。
迷ったらまずは背負ってみること。
そして、しっくりくるブランドに出会えたら——その登山、きっといい旅になります。