山小屋泊のザックを探していると、40Lなのか50Lなのか、そこで止まりますよね。
先に書いておくと、2泊3日までなら40L台で足ります。山小屋は寝具も食事も用意されているので、テント泊に必要なものがまるごと要らないんですよね。
そのうえで、この記事でいちばん伝えたいのは容量より背面長のほうが大事ということです。ここが合っていないと、何リットルを選んでも肩が痛くなります。
あと調べていて分かったのですが、この容量帯は通販のほうが安いです。テント泊用の大きいザックとは、値段のつき方が逆になっていました。そこも書きます。
山小屋泊に何リットル要るか
山小屋泊とテント泊で、いちばん違うのは持っていくものの量です。
| 山小屋泊 | テント泊 | |
|---|---|---|
| テント | 不要 | 約1.5kg |
| 寝袋 | 不要 | 約0.8kg |
| マット | 不要 | 約0.4kg |
| 調理道具・食料 | 行動食だけ | 3食分 |
| ザックの目安 | 40〜50L | 50〜60L |
この差がそのまま容量の差になります。山小屋泊で50Lを超えるものを買うと、たいてい余ります。
2泊3日でも40L台で足りる
「2泊3日ならもっと要るのでは」と思われるかもしれませんが、山小屋泊は日数が増えても荷物はあまり増えません。
増えるのは着替えと行動食くらいなんですよね。寝具も食事も現地にあるので。
実際、40+5Lや45+10Lというように後から広げられるモデルが多いのは、そのためかなと思います。ふだんは40Lで使って、荷物が多い日だけ広げる。
逆に、これ以下だと厳しい
30L台だと、山小屋泊はかなり詰め込むことになります。日帰りなら30Lで十分ですが、着替えと防寒着が入ると急に足りなくなるんですよね。
日帰り用のザックを持っている方も、小屋泊には別で1つと考えたほうがいいかなと思います。

容量より背面長が大事
ここが本題です。ザックは容量で選ぶものではなく、背面長で選ぶものだと思っています。
背面長とは何か
首の付け根から腰骨のあたりまでの長さです。ザックの「背中に当たる面の縦の長さ」がこれに合っていないと、荷物の重さが腰に乗りません。
重いザックは肩ではなく腰で背負います。腰のベルトで体に固定して、肩はバランスを取るだけ。これが合っていないと、全部肩に来るんですよね。
目安の数字
| 身長の目安 | 背面長の目安 |
|---|---|
| 約155cm以下 | 約40cm前後 |
| 約155〜170cm | 約45cm前後 |
| 約170cm以上 | 約50cm前後 |
ただしこれはあくまで目安です。同じ身長でも胴の長さは人によって違うので、最後は背負ってみるしかありません。
調整できるモデルを選ぶと安心
ありがたいことに、この価格帯のザックは背面長を調整できるものが多いです。
- 背面長調整つき…あとから合わせられる。迷ったらこちら
- サイズ展開あり…SM/MD、MD/LGのように分かれている。買うときに選ぶ
- SL(女性・小柄向け)…ドイターなどにある表記。肩幅も狭く作られています
私の考えとしては、初めての1つなら調整できるものが無難かなと。体格に合わなかったときに逃げ道がありますので。

この容量帯は通販のほうが安い
ここは調べていて意外だったところです。
40〜50Lのザックは、メーカー公式より通販のほうが安くなっていました。
| モデル | メーカー定価 | 通販 | 比 |
|---|---|---|---|
| ミレー サースフェー NX 40+5 | ¥29,700 | ¥22,717 | 0.76倍 |
| グレゴリー スタウト45 | ¥33,000 | ¥29,700 | 0.90倍 |
※2026年9月時点。定価は各メーカーの公式オンラインストア掲載価格(税込)です。
テント泊用の大型とは逆
おもしろいのがここで、50〜60Lのテント泊用は逆に通販のほうが高くなっています。グレゴリーのズール65は、定価4万6千200円に対して通販が8万6千円台でした。
理由は在庫の量かなと思っています。40〜50Lは売れ筋で数が出るぶん、値引きされる。大きいザックは数が少ないので、在庫が切れると高い出品が並ぶ。
なので「公式が安い」とも「通販が安い」とも言い切れません。容量帯によって逆になるので、その都度両方を見るしかないですね。
廃番モデルは一気に高くなる
もうひとつ気をつけてほしいのが、廃番になったモデルです。
グレゴリーのパラゴン48は、以前は山小屋泊の定番としてよく紹介されていました。ですが2026年9月の時点で、グレゴリー公式のページはもう表示されません。
一方で通販には残っていて、5万3千円から7万3千円で並んでいました。45L前後の現行モデルが2万円台から3万円台であることを考えると、これはかなり高いです。
紹介記事に載っているモデルが、今も現行とは限らないということですね。買う前にメーカー公式にそのモデルがあるかを見てもらえたらと思います。
選ぶときに見るところ
背面長のほかに、この価格帯で見ておくといいところをまとめます。
1. 自重は1.5kg前後まで
ザック本体の重さです。1.5kg前後なら軽いほう、2kgを超えると重めという感覚でいいかなと。
ただし軽いものは生地が薄いです。岩に擦れるような場所を歩くなら、多少重くても丈夫なほうが安心ですね。
2. 雨蓋で広げられるか
「40+5」「45+10」という表記のプラスの部分です。雨蓋を持ち上げると、そのぶん容量が増えます。
ふだんは40Lで使って、荷物が増えた日だけ広げられる。1つで2つ分の使い方ができるので、あると便利です。
3. 雨対策
ザックは防水ではありません。ここは勘違いしやすいところですね。生地に撥水加工はしてあっても、縫い目から水は入ります。
対策は2つです。
- レインカバー…付属しているモデルが多いです。なければ千円台で買えます
- 中で袋に分ける…ごみ袋でも大丈夫です。とくに着替えと寝るときの服は濡らしたくないので
正直、レインカバーだけだと背中側から濡れます。両方やっておくのが確実かなと思います。
4. 腰ベルトのポケット
小さい話ですが、歩きながら行動食やスマホを出せるかどうかは、けっこう体感が違います。
ザックを下ろさずに取り出せるところがあるか、見ておいてください。
通販で買える6つ
安い順に並べています。価格は2026年9月時点で、メーカー定価が確認できたものはスペック欄に入れました。
背面長の合うサイズがあるかを、リンク先で確かめてください。
| 製品名 | こんな人向け | 価格 | 容量 | 調整 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|---|
|
ドイター エアコンタクト ウルトラ 45+5 SL
|
最安 ★★★★☆ |
約17,700円〜 | 45+5L | 背面長調整 | いちばん安く40L台を揃えたい人 |
|
ミレー サースフェー NX 40+5
|
定番 ★★★★★ |
約22,700円〜 | 40+5L | 背面長調整 | 迷ったらこれ。日本向けの定番 |
|
カリマー クリーブ 40
|
軽量 ★★★★☆ |
約23,600円〜 | 40L | — | 40Lちょうどで軽くまとめたい人 |
|
ドイター エアコンタクト ライト 45+10 SL
|
拡張+10L ★★★★★ |
約25,800円〜 | 45+10L | — | 2泊3日まで見据えたい人 |
|
カリマー リッジ 40+
|
サイズ展開 ★★★★☆ |
約26,500円〜 | 40L+ | — | 背面長を体格で選びたい人 |
|
グレゴリー スタウト45
|
背負い心地 ★★★★★ |
約29,700円〜 | 45L | — | 背負い心地で選びたい人 |
1. ドイター エアコンタクト ウルトラ 45+5 SL|いちばん安い45L台

ドイター エアコンタクト ウルトラ 45+5 SLの価格を比較する
- 容量
- 45+5L
- 背面
- SL(小柄向け)
- 調整
- 背面長調整
- 価格帯
- 約17,700円〜
この記事でいちばん安い45L台です。1万7千円台で背面長の調整もできます。
「SL」は小柄な人向けの背面という意味で、肩幅も狭めに作られています。女性や身長が低めの方には、むしろこちらのほうが合うことが多いですね。
逆に170cmを超える方には短い可能性があります。背面長を確かめてから選んでください。
こんな人に:予算を抑えて45L台が欲しい人
気になる点:SLは小柄な人向けの背面です
2. ミレー サースフェー NX 40+5|迷ったらこれ

ミレー サースフェー NX 40+5の価格を比較する
- 容量
- 40+5L
- 設計
- 日本人向け
- 調整
- 背面長調整
- 定番
- あり
- メーカー定価
- ¥29,700
- 価格帯
- 約22,700円〜
山小屋泊のザックとしては、いちばんすすめやすい1つです。日本人の体型に合わせて作られていて、背面長も調整できます。
定価2万9千700円のところ、通販は2万2千717円でした。0.76倍なので、7千円ほど安く買えます。
「40+5」なので、雨蓋を持ち上げれば5L増やせます。ふだんは40Lで使って、荷物が多い日だけ広げる、という使い方ができますね。
こんな人に:日本人向けの定番が欲しい人
気になる点:定価より安いぶん、色は選びにくいです
3. カリマー クリーブ 40|40Lちょうど

カリマー クリーブ 40の価格を比較する
- 容量
- 40L
- ブランド
- 英国
- サイズ展開
- 体格別
- 価格帯
- 約23,600円〜
40Lちょうどのモデルです。拡張がないぶん、形がすっきりしていて背負いやすいです。
カリマーはイギリスのブランドですが、日本向けに体格別のサイズ展開をしているのが特徴ですね。
容量が固定なので、荷物を絞って軽く歩きたい人向けかなと思います。詰め込むタイプの方には、次の拡張つきのほうがいいです。
こんな人に:荷物を絞って軽く歩きたい人
気になる点:拡張しないので容量は固定です
4. ドイター エアコンタクト ライト 45+10 SL|2泊3日まで見据えるなら

ドイター エアコンタクト ライト 45+10 SLの価格を比較する
- 容量
- 45+10L
- 拡張
- +10L
- 背面
- SL(小柄向け)
- 価格帯
- 約25,800円〜
45Lに、雨蓋で10L足せます。この記事でいちばん拡張の幅が大きいモデルですね。
1泊なら45Lで、2泊3日で着替えが増える日は55Lで。1つで2つ分の使い方ができるのは、ザックを何個も買わずに済むという意味でもありがたいです。
ただ広げると背が高くなります。低い枝の下をくぐるようなところでは、引っかかりやすくなりますね。
こんな人に:荷物が増える日もある人
気になる点:広げると背が高くなります
5. カリマー リッジ 40+|背面長を体格で選べる

カリマー リッジ 40+の価格を比較する
- 容量
- 40L+
- 拡張
- あり
- サイズ展開
- 体格別3サイズ
- 価格帯
- 約26,500円〜
体格別に3サイズ展開されています。背面長を調整するのではなく、最初から合うサイズを選ぶ形ですね。
調整式より作りがしっかりするのが利点かなと思います。可動する部分が少ないので。
引き換えにサイズ選びを間違えると逃げ道が狭いです。買う前に背面長を測っておいてください。
こんな人に:体格に合わせて選びたい人
気になる点:サイズ選びを間違えると調整幅が狭いです
6. グレゴリー スタウト45|背負い心地で選ぶなら

グレゴリー スタウト45の価格を比較する
- 容量
- 45L
- 背面
- 調整可
- ブランド
- 定番
- メーカー定価
- ¥33,000
- 価格帯
- 約29,700円〜
背負い心地で選ぶならここです。グレゴリーは背面の作りに定評があるブランドで、長時間背負ったときの差が出ます。
定価3万3千円のところ、通販は2万9千700円でした。0.90倍ですね。
この記事ではいちばん高いですが、1日中背負うものなので、ここにお金をかけるのは筋が通っているかなと思います。
こんな人に:長時間背負う人
気になる点:この記事でいちばん高いです
よくある質問
山小屋泊のザックは何リットルがいいですか?
40〜50Lで足ります。山小屋は寝具と食事が用意されているので、テント・寝袋・マット・調理道具が丸ごと不要になるからですね。
この4つでだいたい3kg近く、容積にすると10L以上になります。そのぶんテント泊より小さくて済みます。
50Lを超えるものを買うと、山小屋泊では中が余ります。荷物が動いて背負いにくくなるので、大きすぎるのも困りものです。
2泊3日でも40Lで足りますか?
足ります。山小屋泊は日数が増えても、増えるのは着替えと行動食くらいなんですよね。寝具も食事も現地にあるので。
心配なら「40+5」「45+10」のように雨蓋で広げられるモデルを選んでください。ふだんは40Lで使って、荷物が多い日だけ広げられます。
背面長はどうやって測りますか?
首の付け根の出っ張った骨から、腰骨の上端までの長さです。ひとりでは測りにくいので、誰かに手伝ってもらうか、店で測ってもらってください。
目安としては身長155cm以下で約40cm、155〜170cmで約45cm、170cm以上で約50cm前後です。ただし同じ身長でも胴の長さは人によって違うので、最後は背負って確かめるのが確実です。
初めてなら背面長を調整できるモデルを選んでおくと、外したときの逃げ道があります。
ザックは公式と通販、どちらが安いですか?
容量帯によって逆になります。調べたところ、40〜50Lは通販のほうが安く、ミレーのサースフェーNX 40+5は定価2万9千700円に対して通販2万2千717円(0.76倍)でした。
一方でテント泊用の50〜60Lは通販のほうが高いことがあります。グレゴリーのズール65は定価4万6千200円に対して通販が8万6千円台でした。
売れ筋で数が出る容量帯は値引きされ、数の少ない大型は在庫が切れると高くなる、ということかなと。買う前に両方見てください。
おすすめ記事に出てくるモデルが公式サイトにありません
廃番になっている可能性が高いです。グレゴリーのパラゴン48は山小屋泊の定番としてよく紹介されていましたが、2026年9月時点でグレゴリー公式のページは表示されなくなっています。
それでも通販には在庫が残っていて、5万3千円から7万3千円で並んでいました。現行の45L前後が2万円台から3万円台であることを考えると、かなり割高です。
買う前に、メーカー公式にそのモデルがあるかを見てください。
ザックは防水ですか?
防水ではありません。生地に撥水加工がしてあっても、縫い目やジッパーから水は入ります。
対策はレインカバーと中で袋に分けることの2つです。レインカバーは付属しているモデルが多く、なければ千円台で買えます。
ただしレインカバーだけだと背中側から濡れます。着替えと寝るときの服は、袋に入れておいたほうが安心かなと思います。ごみ袋でも十分です。
まとめ
- 山小屋泊は40〜50Lで足ります。テント・寝袋・マット・調理道具が不要になるからです
- 2泊3日でも40L台で足ります。増えるのは着替えと行動食くらいです
- 容量より背面長。ここが合っていないと、重さが腰に乗らず全部肩に来ます
- 初めてなら背面長を調整できるモデルが無難かなと思います
- この容量帯は通販のほうが安いです。テント泊用の大型とは逆でした
- 廃番モデルは一気に高くなります。買う前にメーカー公式にそのモデルがあるか見てください
- ザックは防水ではありません。レインカバーと、中で袋に分けるのを両方やってください
値段の幅は1万7千円台から3万円台まででした。ただ、いくら出しても背面長が合っていなければ意味がありません。できれば一度、店で荷物を入れて背負ってみてください。



私は最初のザックを容量だけで選んで、見事に失敗しました。50Lで安いのがあったから、という理由だけで買ったんですよね。
歩き出して1時間で肩が痛くなって、これは荷物が重いからだと思っていました。でも後で店の人に見てもらったら、背面長がぜんぜん合っていなかっただけでした。腰に重さが乗っていなかったんです。
なので容量の前に背面長、というのは自分の失敗から言っています。数字はカタログに書いてあるので、買う前に見てください。