アタックザック(サミットパック)とは?なぜ必要なのか
テント泊や山小屋泊の登山において、重いメインザックを背負ったまま山頂を目指すのは大変な重労働です。そんな時に活躍するのがアタックザック(サミットパック)です。
拠点となるテント場や山小屋にメインの荷物をデポ(一時保管)し、水・防寒着・貴重品など必要最低限の荷物だけを詰め替えて山頂へ向かうためのサブバッグを指します。使わない時はコンパクトに収納できるため、メインザックの隙間に入れて持ち運べるのが特徴です。
「たった数時間の往復のためにわざわざ別のバッグを持つ必要があるの?」と思うかもしれませんが、荷物が数キロ軽くなるだけで疲労度は劇的に変わります。登頂の成功率を高め、景色を楽しむ余裕を生むためにも、一つ持っておくと登山の質が大きく向上するアイテムです。
失敗しないアタックザックの選び方|3つのチェックポイント
① 重量と収納サイズ|メインザックに入れても邪魔にならないか
アタックザック選びで最も重要なのが携行性です。あくまで「サブ」のバッグであるため、メインザックに入れて持ち運ぶ際に負担にならないものを選びましょう。
一般的には重量200g以下で、手のひらサイズに収納できる「パッカブルタイプ」が主流です。卵サイズやポーチサイズに畳めるモデルなら、メインザックの雨蓋(トップリッド)ポケットに常備しておけるのが便利。一方で、岩場での擦れに強いモデルや雪山対応モデルは、あえて生地を厚くしているため、折り畳んで収納する「フラットタイプ」になります。フラットタイプは、メインザックの背面に差し込めば背中のクッション代わりにもなります。ご自身の山行スタイルに合わせて、軽さを取るか、丈夫さを取るかを選びましょう。
② 背負い心地|ショルダーハーネスの厚みとフィット感
軽量化を優先したアタックザックは、ショルダーハーネス(肩紐)がペラペラのテープ状になっているものも少なくありません。荷物が軽ければ問題ありませんが、水やカメラなどで荷物が重くなると肩に食い込んで痛みが出ることがあります。
快適性を重視するなら、ショルダーハーネスにクッション性や幅広のメッシュ素材が使われているモデルがおすすめです。また、チェストベルト(胸のベルト)があると、行動中にザックが揺れにくく安定します。
③ 容量と機能|必要な荷物が入るか、ボトルポケットはあるか
容量は15L〜20L程度が標準的です。これならレインウェア、防寒着(フリースやダウン)、水筒、行動食、ヘッドライト、救急セットが十分に入ります。
また、意外と見落としがちなのがサイドのボトルポケットです。軽量モデルでは省略されていることが多いですが、ザックを下ろさずに水分補給ができるポケットはあると非常に便利です。ない場合はハイドレーションを利用するか、休憩ごとにザックを下ろす必要があります。
アタックザックおすすめ7選|スペック比較表
今回厳選したおすすめ7モデルのスペック比較です。用途に合わせて最適なモデルを見つけてください。
| 製品名 | 特徴・評価 | 価格 | 重量 | 容量 | 収納タイプ | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
モンベル バーサライトパック 15
| 迷ったらコレの王道 ★★★★★ | 約6,200円 | 93g | 15L | パッカブル | コスパ最強・初心者向け |
| 驚異の72g超軽量 ★★★★★ | 約5,720円 | 72g | 20L | パッカブル | UL志向・卵サイズ収納 | |
| ボトルポケット付き実用性◎ ★★★★★ | 約7,700円 | 149g | 18L | パッカブル | 背負い心地・機能性 | |
| リップストップ・質実剛健 ★★★★☆ | 約5,390円 | 200g | 16L | パッカブル | 耐久性重視・引裂き強度 | |
| 防水透湿・高機能プレミアム ★★★★★ | 約14,300円 | 190g | 16L | パッカブル | 防水・シーム処理・デザイン性 | |
| 840D・岩場に強い実戦派 ★★★★☆ | 約13,640円 | 403g | 15L | フラット | クライミング・極厚生地 | |
| 本格サミットパック・雪山対応 ★★★★★ | 約20,240円 | 453g | 25L | フラット | 背面パッド・日帰りメイン兼用 |
※価格は2026年1月時点の参考価格です。重量・仕様は変更される場合があります。
各商品の詳細レビュー
モンベル バーサライトパック 15|迷ったらこれ、コスパ最強の王道モデル
「迷ったらこれ」と言える王道モデルです。重量はわずか93gで、使わない時は雨蓋部分にあるポケットに収納することで、手のひらサイズになります。
30デニールのバリスティックナイロンを使用しており、ペラペラに見えても強度は十分。ショルダーハーネスも薄手ですが幅が適切で、食い込みにくい設計になっています。約6,000円という手頃な価格も魅力で、初めてのアタックザックとして最適です。人気すぎて山で他人と被りやすい点が唯一のデメリットかもしれません。
モンベル バーサライトパック 15 公式ページ
Amazonや楽天での販売は公式サイトより高額で売られていることがほとんどです。公式サイト経由の購入をおすすめします。

筆者が最初に使っていたのもモンベルのアタックザックでした。個人的には、モンベルは登山におけるユニクロくらいの感覚ですね。手頃な値段で間違いがない。ただ気分が上がるかと言うと、そうでもないw それでも初めてのアタックザックなら、これで十分すぎるくらいです。
シートゥサミット ウルトラシル デイパック|驚異の72g、鍵束サイズになる超軽量

シートゥサミット ウルトラシル デイパック の価格を比較する
とにかく荷物を軽くしたいUL(ウルトラライト)志向の方にはこれ一択です。重量は驚異の72g。収納時は卵くらいのサイズになり、付属のカラビナでキーホルダーのように腰にぶら下げて持ち運ぶことさえ可能です。
生地にはシリコンコーティングされたコーデュラナイロンを使用しており、滑りが良く水も弾きます。ただし、ショルダーベルトも生地同様に非常に薄いため、重い荷物を入れると肩への負担は大きめ。「お守り」として常にザックに入れておくような使い方に適しています。
オスプレー ULスタッフパック|ボトルポケット付きで実用性抜群

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軽量なパッカブルザックの多くが「サイドポケットなし」である中、このモデルはストレッチメッシュのサイドポケットを装備しています。ザックを下ろさずに水筒や行動食を取り出せるため、実用性を重視するハイカーに強く支持されています。
ショルダーハーネスにはメッシュ素材が使われており、汗をかいてもベタつきにくく、クッション性も確保されています。軽さと快適性のバランスが非常に良い、失敗のない選択肢です。
ミレー デフィ 16|シンプル・イズ・ベスト、強靭ナイロンの定番

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登山用品の老舗ミレーが送る、質実剛健なサブリュックです。軽量なシルナイロン素材を格子状に編み込んだリップストップ構造を採用しており、岩角や枝での引き裂きに強いのが特徴です。
16Lという容量は、雨具・水・行動食を入れるのにジャストサイズ。中で荷物が暴れにくく、スムーズに行動できます。内ポケットに収納できるパッカブル仕様で、耐久性と携帯性を両立させたい方におすすめです。
マタドール フリーフライ16|防水透湿素材のハイテク・サブバッグ

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アタックザックの概念を変える、高機能モデルです。特筆すべきは防水透湿素材を使用し、縫い目までシーム処理されている点。完全防水に近い性能を誇り、急な雨でも中身を濡らす心配がありません。
デザインも非常にスタイリッシュで、街使いしても違和感がないほど。価格は1万円オーバーと高価ですが、機能美と所有欲を満たしてくれるプレミアムなサブバッグです。

今使っているのがこれです。大人になってちょっといいの買っちゃったパターンですねw まずカッコいいんですよ。雨に強い素材なんですが、基本雨のときはピーク狙わないのであんまり恩恵を受けたことはないです。ただ、両サイドに大きなメッシュポケットがあるのが地味に便利。行動食とか水筒をサッと出し入れできるのは、やっぱり快適ですね。
ブラックダイヤモンド ロックブリッツ15|岩場に強い、クライマー御用達の実戦派

ブラックダイヤモンド ロックブリッツ15 の価格を比較する
こちらは「丸めて小さくする」パッカブルタイプではなく、「薄く平らにして」メインザックの背面に入れるフラットタイプです。重量は403gと他モデルより重めですが、その理由は840デニールという極厚ナイロンを使用しているため。岩に擦っても破れない頑丈さが魅力です。フラットに収納できるため、メインザックの背面に差し込めば背中のクッション代わりや、休憩時の座布団としても使えます。
開口部は巾着のようにワンアクションで開閉できるトップローディング方式を採用。クライミング要素のある岩稜帯アタックや、ハーネスを着用しての登攀を想定しており、タフな環境で真価を発揮する実戦派モデルです。
ザ・ノース・フェイス ヴェルト 27|本格派サミットパック、雪山・クライミングにも対応

ザ・ノース・フェイス ヴェルト 27 の価格を比較する
もはやサブバッグの域を超えた、本気で登るためのサミットパックです。商品名は「ヴェルト27」ですが、公称容量は25L。それでもアタックザックとしては最大クラスで、防寒着がかさばる雪山や、ロープやガチャ類を持つクライミング山行にも対応します。
重量は約453gと他のモデルより重いですが、背面パッド入りのしっかりした作りで、背負い心地と安定感は段違い。アタックザックとしてだけでなく、軽量な日帰り用メインザックとしても使える2WAY仕様と考えれば、2万円台の価格も納得です。写真映えするデザインも魅力です。
タイプ別おすすめ|あなたに最適なアタックザックは?
-
とにかく軽くしたい・雨蓋のポケットに常備したい
👉 シートゥサミット ウルトラシル デイパック、モンベル バーサライトパック 15 - 背負い心地と使い勝手(ボトルポケット)重視
👉 オスプレー ULスタッフパック -
耐久性重視・ラフに使いたい
👉 ミレー デフィ 16、ブラックダイヤモンド ロックブリッツ15 - 雨対策・デザイン性重視
👉 マタドール フリーフライ16 - 雪山・クライミング・本格登山
👉 ザ・ノース・フェイス ヴェルト 27
よくある質問(FAQ)
アタックザックは何リットルが最適ですか?
一般的には15L〜20Lが最適です。レインウェア(上下)、フリースやダウンなどの防寒着、水筒(1L)、ヘッドライト、救急キット、行動食が入るサイズを選びましょう。雪山などで防寒着がかさばる場合は、25Lクラスが必要になることもあります。
防水機能は必要ですか?
必須ではありません。多くの軽量アタックザックは防水素材を使っていても、縫い目から浸水する可能性があります。基本的には、中の荷物を防水スタッフバッグやジップロックに入れて防水対策をするのが一般的です。防水性を重視するなら、シーム処理された「マタドール フリーフライ16」などがおすすめです。
トレイルザック(メインザック)で代用できますか?
代用は可能ですが、かなり不便です。トレイルザックは背面パッドやフレーム、ウエストベルトなどの構造があるため、コンパクトに畳むことができず、メインザックの中で嵩張ります。また、重量もアタックザック(100g前後)に比べて数倍重いモデルが多く、携行性に劣ります。アタックザック専用のパッカブルモデルを持つことで、登山の快適性が大きく向上します。
100均のナップサックでも代用できますか?
おすすめしません。100均のナップサックは紐が細く、長時間背負うと肩に食い込んで痛みが出ることが多いです。また、生地の強度が低く、登山中に破れるリスクもあります。安全と快適性のために、アウトドアメーカーの製品を選ぶことを強くおすすめします。
スタッフサック(荷物整理袋)との違いは?
スタッフサックは荷物を圧縮・整理するための袋で、背負うことを想定していません。一部のスタッフサックにショルダーベルトが付いたものもありますが、クッション性がなく、長時間の使用には向きません。アタックザックは「背負って移動する」ことを前提に設計されており、肩への負担が少なく、安定感が全く異なります。もし荷物整理用の袋を探している場合は、スタッフサック専用の製品をおすすめします。
まとめ|アタックザックで登山をもっと快適に
重い荷物をテント場に置いて、身軽な装備で山頂を目指す。その解放感と軽快さは、一度味わうと病みつきになります。アタックザックは、そんな「登山の美味しいところ」を最大限に楽しむための必須アイテムです。
今回紹介したモデルは、どれも実績のある信頼できるブランドのものばかりです。ご自身の山行スタイルや重視するポイント(軽さ、機能、耐久性)に合わせて、頼れる相棒を選んでみてください。






学生時代からアタックザックには馴染みがあるんですが、当時は早朝アタックが多くて、夜明けくらいにアタックザックを背負って出発するときの独特の雰囲気が大好きでしたね。テント場に重い荷物を置いて、身軽な装備だけで山頂を目指す。あの解放感は一度味わうと病みつきになりますよ。