冬の澄んだ空気と静寂な森を楽しむ低山ハイク。しかし、標高1000m程度の山でも、冬の手袋選びを間違えるとそこは「地獄」と化します。
よくある失敗が、秋山用の軍手や薄手のフリース手袋で雪山に入ってしまうこと。雪に触れた瞬間に水分が染み込み、冷たい風に吹かれることで指先の感覚があっという間に失われます。最悪の場合、凍傷のリスクさえあります。
特に問題になるのが、チェーンスパイク(軽アイゼン)の装着です。凍った地面で、冷たい金属チェーンや雪のついたゴムバンドを素手や薄手の手袋で扱うのは困難です。かといって、分厚すぎるスキー用グローブでは指先が動かず、うまく装着できません。
冬の低山ハイクに必要なのは、「雪に濡れない防水性」と「細かい作業ができる操作性」の絶妙なバランスなのです。
失敗しない手袋選び 3つのポイント
冬の低山(標高1000m〜1500m程度)で快適に過ごすために、以下の3つのポイントを必ずチェックしてください。
1. 「防水透湿」は必須条件
雪山では「濡れ」が大敵です。雪を掴んだり、転んで手をついたりしても水が染み込まない完全防水、または強力な撥水・防風素材を選びましょう。同時に、ハイク中の汗を逃がす「透湿性」がないと、手袋内部が汗で濡れて(汗冷え)、結局指先が凍えてしまいます。
2. 「操作性」を捨てない
厳冬期の高山用グローブは保温性が高い反面、モコモコして指が動かしにくいことがあります。低山ハイクでは、チェーンスパイクの着脱、バックルの操作、ジッパーの開閉など、細かい作業が頻繁に発生します。指先が動かしやすく、フィット感のあるものがベストです。
3. 「スマホ対応」はマスト
絶景を撮影したり、地図アプリを確認したりするたびに手袋を外すのはNGです。外した瞬間に体温が一気に奪われ、手がかじかんで再装着が困難になることもあります。タッチパネル対応モデルを選ぶことで、体温を逃さず快適に行動できます。
冬低山グローブ おすすめ7選 比較表
| 製品名 | 特徴・評価 | 価格 | 保温材 | 防水性能 | 操作性 | スマホ対応 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
モンベル サンダーパス グローブ
| コスパ最強の防水シェル ★★★★☆ | ¥4,400 | なし(インナー推奨) | 完全防水(ドライテック) | ◎ 軽量・フィット感良 | 非対応 |
|
ザ・ノースフェイス アースリーグローブ
| 王道の万能シェル ★★★★★ | ¥9,350 | なし(起毛裏地) | 防水透湿(HYVENT) | ○ バランス良好 | 非対応 |
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ファイントラック エバーブレスウィンタートレイル
| 操作性の神 ★★★★★ | ¥8,690 | 微保温(甲側薄手) | 防水透湿(エバーブレス) | ◎◎ 最高レベル | 非対応 |
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Seirus エキストリーム オールウェザー
| 薄手・素手感覚 ★★★★☆ | ¥8,580 | なし(薄手特化) | 完全防水(Dryhand) | ◎◎ カメラ操作◎ | 非対応 |
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ブラックダイヤモンド グリセード
| 鉄壁の防寒性能 ★★★★★ | ¥14,300 | ◎◎ シンサレート中綿 | 完全防水(BD.dry) | ○ やや厚手 | 非対応 |
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Mammut アストロ ガイド ソフトシェル
| 行動派の蒸れ対策 ★★★★☆ | ¥14,300 | なし(防風特化) | 防風・撥水(WINDSTOPPER) | ◎ 透湿性抜群 | ○ 親指・人差指のみ |
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ショーワグローブ TEMRES 02winter
| 最強コスパの予備 ★★★★☆ | 約¥4,000 | ◎ 裏起毛ボア | 完全防水・透湿 | △ 作業用寄り | 非対応 |
冬低山おすすめグローブ7選
ここからは、初心者から中級者におすすめの、防水性と操作性のバランスに優れたグローブを7つ紹介します。
1. 【コスパの基準】モンベル サンダーパス グローブ
「冬山用の手袋、何を買えばいいかわからない」という方は、まずはこれを買えば間違いありません。モンベル独自の防水透湿素材「ドライテック」を採用し、縫い目にもシームテープ処理を施した完全防水仕様です。
重要な注意点:保温材は入っていません。裏地はメッシュのみのため、単体での防寒性能は限定的です。気温が氷点下になる場合や手が冷えやすい方は、インナーグローブとの重ね着が必須です。その分、¥4,400(税込)という圧倒的コストパフォーマンスを実現しており、初めての冬低山用グローブとして最適です。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。
| 商品名 | サンダーパス グローブ |
|---|---|
| 型番 | #1118607(Men's) / #1118608(Women's) |
| 価格 | ¥4,400(税込)※2026年1月時点 |
| 保温材 | なし(インナーグローブ推奨) |
【購入時の注意】
モンベル製品は公式オンラインショップでの購入を推奨します。Amazon・楽天では転売価格で販売されていることがあり、定価¥4,400より高額になる場合があります。公式サイトなら確実に定価で購入でき、サイズ交換などのサポートも充実しています。
2. 【王道の万能選手】ザ・ノースフェイス アースリーグローブ

アースリーグローブ NN62334 の価格を比較する
ノースフェイスの「アースリーグローブ(NN62334)」は、冬の低山ハイクにおける王道モデルです。防水透湿素材「HYVENT」をインサートに使用しており、雪や雨をシャットアウトしながら、内部の蒸れを排出します。
裏地には起毛トリコットを使用し適度な暖かさがありますが、中綿(保温材)は入っていません。あくまで防水透湿シェルとしての機能に特化したモデルです。氷点下ではインナーグローブとの併用を推奨します。洗練されたデザインと街〜山の汎用性の高さが魅力。ウェアとブランドを合わせたい人や、失敗したくない人におすすめです。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。
| 商品名 | アースリーグローブ(Earthly Glove) |
|---|---|
| 型番 | NN62334 |
| 価格 | ¥9,350(税込)※2026年1月時点 |
| 保温材 | なし(裏地起毛トリコット) |
3. 【操作性の神】ファイントラック エバーブレスウィンタートレイルグローブ

エバーブレスウィンタートレイルグローブ FGM0101 の価格を比較する
「手袋をしていることを忘れる」ほどの操作性を求めるなら、これ一択です。独自素材「エバーブレス」を採用し、高い防水透湿性を持ちながら、指先の感覚が非常に鋭敏なのが特徴です。
甲側には薄手の保温材が入っており、微保温タイプとして分類されます。完全な防寒グローブではありませんが、行動中の手の冷えを防ぎつつ、チェーンスパイクのゴムバンド調整やザックのバックル操作が劇的に楽になります。「手袋を外さないと作業ができない」というストレスから解放されたい方へ。人気商品のため、在庫があるうちに確保しておくことを強くおすすめします。

写真を撮ったり、行動食食べたり、飲み物飲んだり、冬の低山と言えど、意外と手を使う作業って多いものです。分厚くて温かい手袋だと、そういう細々した作業のたびにグローブ外さないといけなくて面倒なんですよねー。その点このグローブはグローブしたままでも普通に色々な作業ができるので気に入ってます。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。
| 商品名 | エバーブレスウィンタートレイルグローブ |
|---|---|
| 型番 | FGM0101(Men's) / FGW0101(Women's) |
| 価格 | ¥8,690(税込)※2026年1月時点 |
| 保温材 | 微保温(甲側薄手中綿) |
4. 【指先のフィット感】Seirus エキストリーム オールウェザー

エキストリーム オールウェザー の価格を比較する
ごわつく厚手の手袋が苦手な方に。セイラスのこのグローブは、完全防水メンブレン「Dryhand」を挟み込んだ3層構造でありながら、驚くほど薄く、ピタッとした装着感を実現しています。
中綿は入っていませんが、薄手ゆえの高い操作性が最大の魅力。カメラのダイヤル操作や靴紐を結ぶといった細かい動作がスムーズに行えます。手のひら全体がグリップ素材になっているため、ストックや岩場もしっかり掴めます。写真撮影を楽しむ「カメラマンハイカー」にも愛用者が多い隠れた名品です。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。
| 商品名 | エキストリーム オールウェザー |
|---|---|
| 型番 | 15121(Men's) |
| 価格 | ¥8,580(税込)※2026年1月時点 |
| 保温材 | なし(薄手・操作性特化) |
5. 【鉄壁の守り】ブラックダイヤモンド グリセードグローブ

グリセードグローブ BD73082 の価格を比較する
寒がりな方や、手が冷えやすい女性には、ブラックダイヤモンドの「グリセード」が頼りになります。シンサレート中綿入りで、対応温度域は−20℃まで対応。吹雪いて気温が急低下しても指先を暖かく守ります。
独自の防水透湿素材「BD.dry」をインサートし、雪をガシガシ掴んでも濡れません。低山だけでなく、少し標高の高い山や、厳冬期のスノーシューハイクまで視野に入れている方にとって、最高の安心感を買えるグローブです。PFCフリー撥水加工で環境にも配慮されています。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。
| 商品名 | グリセードグローブ |
|---|---|
| 型番 | BD73082 |
| 価格 | ¥14,300(税込)※2026年1月時点 |
| 保温材 | あり(シンサレート中綿) |
6. 【行動派の選択】Mammut アストロ ガイド ソフトシェル グローブ

アストロ ガイド ソフトシェル グローブ の価格を比較する
ずっと歩き続けていて手が熱くなりやすい「暑がり」な方や、運動量が多い健脚ハイカーにはこちら。完全防水ではなく、防風・超撥水素材「GORE-TEX WINDSTOPPER」を採用したソフトシェルグローブです。
完全防水のグローブはどうしても蒸れやすいですが、このモデルは汗抜けが最高に良く、手袋内部がドライに保たれます。風は通さないので寒さは防ぎつつ、不快な蒸れだけを逃がしてくれる、行動派のための賢い選択です。親指と人差し指はタッチパネル対応で、スマホ操作もストレスフリーです。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。
| 商品名 | アストロ ガイド ソフトシェル グローブ |
|---|---|
| 型番 | 1190-00540 |
| 価格 | ¥14,300(税込)※2026年1月時点 |
| 保温材 | なし(防風・透湿特化) |
7. 【最強の予備】ショーワグローブ TEMRES 02winter

TEMRES 02winter の価格を比較する
最後に紹介するのは、メインではありません。「予備として全員ザックに入れておくべき」アイテムです。作業用手袋の技術を応用した「テムレス」は、完全防水でありながら透湿性があり、しかも裏起毛ボアで暖かいという、雪山最強の実用グローブです。
もしメインの手袋が濡れてしまった時の保険としてはもちろん、泥だらけの鎖場や、雪だるま作りなど、高価な手袋を汚したくないシーンで大活躍します。見た目の好みは分かれますが、機能性は本物。実勢価格¥4,000前後でこの性能は驚異的です。

ファイントラックだけだと寒い時は、オーバーグローブ的にテムレス02を使ってます。これは本当に便利ですね。とりあえず安かったので買って使い続けていますが、デザイン以外は文句無しですね笑
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。
| 商品名 | TEMRES 02winter |
|---|---|
| 型番 | 02winter |
| 価格 | 実勢約¥4,000前後(税込)※2026年1月時点 |
| 保温材 | あり(裏起毛ボア) |
まとめ:迷ったらこの組み合わせが正解
冬の低山ハイク用グローブ、どれにするか決まりましたか? 最後に、タイプ別のおすすめの組み合わせを整理します。
- 失敗したくないなら:
「ノースフェイス アースリーグローブ(保温材なし)」 + インナー + 予備「テムレス」 - 操作性重視なら:
「finetrack エバーブレス(微保温)」 + 予備「テムレス」 - コスパ重視なら:
「モンベル サンダーパス(保温材なし)」 + インナー + 予備「テムレス」 - 寒がりなら:
「ブラックダイヤモンド グリセード(中綿あり)」 + 予備「テムレス」
重要なのは、「おしゃれで高機能なメイン手袋」と「実用最強の予備テムレス」の2個持ちをすることです。これで、急な天候悪化や濡れのリスクにも完全に対応でき、安全で快適な冬山ハイクを楽しめます。
【インナーグローブの選び方】
保温材なしのシェル寄りグローブ(モンベル・ノースフェイス等)を使う場合、薄手のインナーグローブとの重ね着が快適です。メリノウール製のインナーグローブは保温性と速乾性に優れ、汗冷えしにくいのでおすすめです。スマートウールやアイスブレーカーなどのブランドが定番です。
【2026年版 重要ポイント】
今回紹介したグローブの中で、モンベル・ノースフェイス・Seirus・Mammutは保温材なしのシェル寄りです。氷点下の厳冬期では、薄手のインナーグローブとの重ね着をおすすめします。一方、ブラックダイヤモンドとテムレスは保温材入りなので、単体でも十分暖かく使えます。finetrackは微保温で、その中間に位置します。
よくある質問(FAQ)
冬低山に軍手やフリース手袋はダメですか?
おすすめしません。軍手や撥水性のないフリース手袋は、雪に触れるとすぐに水分を吸収し、濡れた状態で風に吹かれると指先が凍傷になるリスクがあります。必ず防水・防風機能のあるものを選びましょう。ちなみに筆者は、初めての冬山でフリース手袋&ペラペラのオーバーグローブで挑んで大失敗でした。
スマホ対応は本当に必要ですか?
強く推奨します。冬山では手袋を外すと一瞬で手が冷え、再び温めるのに時間がかかります。地図確認や写真撮影のたびに外さなくて済むよう、タッチパネル対応モデルが快適です。
グローブのサイズはどう選べばいいですか?
少し余裕がある程度が適正です。きつすぎると血流が悪くなり冷えやすくなります。逆に大きすぎると細かい作業がしにくくなります。薄手のインナーグローブを一枚重ねられるくらいの余裕があると温度調節がしやすいです。
完全防水と防風の違いは?
「完全防水」は水を通しませんが、多少蒸れやすい傾向があります。「防風(ソフトシェル等)」は風を防ぎ撥水性はありますが、長時間濡れると浸水する可能性があります。その分、通気性が良く蒸れにくいのがメリットです。低山ハイクではどちらも使えますが、初心者は完全防水の方が安心です。
テムレスだけではダメですか?
機能的には問題ありませんが、透湿性があるとはいえ登山専用品に比べると蒸れやすく、フィット感も作業用手袋寄りです。また、見た目を気にする方も多いため、メインには登山ブランドのグローブを使い、汚れ作業や荒天時の予備としてテムレスを持つのが最も賢い運用です。
防水グローブは洗濯しても大丈夫ですか?
洗濯は可能ですが、通常の洗剤ではなく防水透湿素材専用の洗剤(ニクワックスやグランジャーズ等)を使用することを強く推奨します。通常の洗剤は撥水加工を劣化させる可能性があります。洗濯後は撥水スプレーを再塗布すると、防水性能を長く維持できます。詳しい洗濯方法は各製品の公式サイトを確認してください。





手先が凍えると本当に辛いですねー。筆者も何度か辛い思いをして、手の冷えを自分の太ももバンバン叩いて凌いだりした経験があります。そんな筆者は今はグローブ2段構えがデフォです。ファイントラック エバーブレスウィンタートレイルを中にして、オーバーグローブ的にTEMRES 02winterを使っています。