冬の低山の手袋でいちばん多い失敗は、厚い手袋を1つだけ持っていくことかなと思います。
登りで汗をかいて手袋の中が湿り、山頂で止まった瞬間に冷たくなる。厚いぶん指も動かないので、ザックのバックルも外せない。1枚で全部をこなそうとすると、どこかで困るんですよね。
そこでこの記事では「2枚持ち」を前提にします。そして外側には、作業用手袋のテムレスという、登山用品ではない手袋の話も書きます。3千円くらいで、冬の低山なら十分です。
冬の手袋は、2枚で考える
まず考え方からです。冬の手袋は役割の違う2枚を組み合わせます。
| 場面 | 着ける手袋 | 役割 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 登っているとき | インナーだけ | 汗を逃がす | 薄いので指が動く |
| 風が出てきた | インナー+外側 | 風と雪を止める | 重ねるだけ |
| 山頂で休む | インナー+外側 | 保温 | 濡れたらインナーだけ替える |
登りは、インナーだけで十分
冬でも、登っている間は体が温まります。厚い手袋をしていると手のひらに汗をかいて、それが後で冷えます。
登りは薄いインナー1枚で歩いて、寒くなったら外側を重ねる。これだけで、手袋の中が湿る問題はかなり減ります。
濡れたら、インナーだけ替える
2枚持ちのいちばんの良さはここです。湿るのはたいていインナーのほうなので、替えのインナーを1組持っておけば、山頂で乾いたものに替えられます。
厚い手袋1つだと、濡れたらそれで終わりです。インナーは安いので、2組持っても負担にならないんですよね。

外側は、作業用のテムレスでもいい
ここが今回いちばん書きたかったところです。
登山用品ではない手袋
テムレスは、作業用手袋のメーカーのショーワグローブが作っている防水手袋です。もともとは水産業や屋外作業のためのものなんですよね。
それが防水で、しかも蒸れにくく、3千円くらいということで、登山をする人のあいだで広まりました。冬用の02winterは防寒インナー付きの透湿防水とメーカーが表記しています。
冬の低山なら、これで足りる
雪や凍結のない、あるいは少し雪がある程度の冬の低山なら、テムレスを外側にして、中に薄いインナーを入れれば十分です。
見た目は正直、作業用そのものです。そこが気にならなければ、登山用の1万円の手袋と比べて、冬の低山で困る場面はあまりないかなと思います。
テムレスでは足りない場面
公平のために書いておきます。本格的な雪山や、長時間の強風になると、テムレスでは保温が足りなくなります。中綿の入った厚い手袋の出番です。
あとテムレスは手のひらのグリップが強いぶん、細かい作業はやや苦手です。スマホの操作や、ザックの小さなファスナーは、インナーだけの状態でやるほうが早いですね。
「最強」は、暖かさと指の動きの引き換え
「冬山 手袋 最強」で調べている方もいるので、ここを分けて書きます。
いちばん暖かいものは、指が動かない
手袋の暖かさは、ほぼ中綿の厚さで決まります。そして厚いほど、指が曲げにくくなります。
いちばん暖かい手袋をしたまま、ザックのバックルを外したり、行動食の袋を開けたりするのは、けっこう大変です。「最強」は、何かを手放した上での最強なんですよね。
だから、最強を1つ買うより2枚持ち
私の考えでは、最強の手袋を1つ買うより、インナーと外側の2枚に分けたほうが、実際には快適です。
厚い手袋は山頂で休むときだけ。歩いている間はインナーか、薄い外側。この切り替えができると、冬の手の冷えはかなり防げます。
指先がいちばん冷える人へ
それでも指先が冷えて困る、という方は、手袋より先に体幹を温めるほうが近道なことがあります。
体の中心が冷えると、体は手足への血を減らして、中心を守ろうとします。上半身にもう1枚着るだけで、指先が戻ってくることがあるんですよね。

インナーから順に5つ
ここからは、インナー1つと、外側4つを値段順に並べます。上から順に暖かく、厚くなっていきます。
組み合わせの目安は、インナー+テムレスで冬の低山は十分。雪山まで考えるなら、インナー+いちばん下の厚手、です。
値段は約2,300円から1万3,200円まで。すべて2026年9月に実際の価格と在庫を確認しています。
| 製品名 | こんな人向け | 価格 | 役割 | 防水 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|---|
|
プロモンテ メリノウールアンダーグローブ GI010U
|
インナー ★★★★★ |
約2,300円〜 | インナー | なし | 2枚持ちの内側に |
|
ショーワグローブ TEMRES 02winter
|
コスパ ★★★★★ |
約3,000円〜 | 外側 | 透湿防水 | 安く外側をそろえたい人 |
|
ファイントラック エバーブレスウィンタートレイルグローブ
|
操作性 ★★★★☆ |
約8,500円〜 | 外側 | 透湿防水 | 指先を細かく使う人 |
|
マムート アストロ ガイド ソフトシェル グローブ
|
行動中 ★★★★☆ |
約12,100円〜 | 行動中 | 撥水(防風) | 歩いている間ずっと着けたい人 |
|
ブラックダイヤモンド グリセードグローブ
|
最強 ★★★★★ |
約13,200円〜 | 外側(厚手) | 透湿防水 | いちばん暖かいものを |
1. プロモンテ メリノウールアンダーグローブ GI010U|2枚持ちの内側に

プロモンテ メリノウールアンダーグローブ GI010Uの価格を比較する
- 役割
- インナー
- 防水
- なし
- 素材
- メリノウール
- 操作性
- ◎
- 価格帯
- 約2,300円〜
メリノウールの薄いインナーです。2,300円くらいから。
メリノは濡れても保温が残るので、汗をかくインナーに向いています。登っている間はこれ1枚、寒くなったら上に外側を重ねる、という使い方ですね。
インナーは2組持っておくのがおすすめです。湿ったら山頂で乾いたものに替えられます。安いので負担になりません。
こんな人に:手のひらに汗をかく人
気になる点:これ単体では風に弱いです
2. ショーワグローブ TEMRES 02winter|作業用でも冬の低山は足りる

ショーワグローブ TEMRES 02winterの価格を比較する
- 役割
- 外側
- 防水
- 透湿防水
- 素材
- 作業用ポリウレタン
- 操作性
- ○
- 価格帯
- 約3,000円〜
この記事でいちばん伝えたかった手袋です。作業用手袋のメーカー、ショーワグローブのテムレス。
冬用の02winterは防寒インナー付きの透湿防水で、3千円くらい。冬の低山なら、外側はこれで足ります。登山用の1万円の手袋と比べて、困る場面はあまりないかなと思います。
正直に書くと、見た目は作業用そのものです。そこが気にならなければ、いちばん賢い買い物ですね。
こんな人に:外側を安くそろえたい人
気になる点:見た目は作業用そのものです
3. ファイントラック エバーブレスウィンタートレイルグローブ|指先を細かく使うなら

ファイントラック エバーブレスウィンタートレイルグローブの価格を比較する
- 役割
- 外側
- 防水
- 透湿防水
- 素材
- エバーブレス
- 操作性
- ◎
- 価格帯
- 約8,500円〜
指先を細かく使いたい人の防水グローブです。8,500円くらいから。
ファイントラックのエバーブレスは、薄手なのに防水で、指がよく動きます。写真を撮る、地図を見る、行動食の袋を開ける。こういう場面が多い方に向いています。
引き換えに厳冬期の保温は足りません。冬の低山か、インナーと組み合わせての使用が前提です。
こんな人に:写真や地図を触ることが多い人
気になる点:厳冬期の保温は足りません
4. マムート アストロ ガイド ソフトシェル グローブ|歩いている間ずっと

マムート アストロ ガイド ソフトシェル グローブの価格を比較する
- 役割
- 行動中
- 防水
- 撥水(防風)
- 素材
- ソフトシェル
- 操作性
- ◎
- 価格帯
- 約12,100円〜
歩いている間ずっと着けていられる手袋です。1万2千円くらいから。
ソフトシェルなので風を止めて、蒸れにくい。登りで外したくない、でもインナーだけでは寒い、という中間の場面にちょうどいいんですよね。
ただし防水ではありません。雪や雨が続く日は、上のテムレスかファイントラックのほうが安心です。
こんな人に:外さずに歩き続けたい人
気になる点:防水ではありません
5. ブラックダイヤモンド グリセードグローブ|いちばん暖かい

ブラックダイヤモンド グリセードグローブの価格を比較する
- 役割
- 外側(厚手)
- 防水
- 透湿防水
- 素材
- 中綿入り
- 操作性
- △
- 価格帯
- 約13,200円〜
この記事でいちばん暖かい手袋です。1万3,200円。中綿入りの透湿防水。
「冬山 手袋 最強」で探しているなら、ここまで来る意味があります。雪山や、強風の中で長く止まる日向けですね。
くり返しになりますが暖かいぶん指が動かしにくいです。歩いている間はインナーか薄い外側、山頂で休むときだけこれ、という使い分けがいちばん快適かなと思います。
こんな人に:雪山や強風の日に行く人
気になる点:指が動かしにくいです
よくある質問
冬の低山には、どんな手袋がいいですか?
インナーと外側の2枚持ちがいちばん快適です。登っているときはインナーだけ、風が出たり山頂で休んだりするときに外側を重ねます。
外側は、冬の低山なら作業用手袋のテムレス(3千円くらい)でも足ります。
テムレスは登山で使えますか?
冬の低山なら使えます。ショーワグローブの作業用手袋で、冬用の02winterは防寒インナー付きの透湿防水です。登山をする人のあいだで広く使われています。
ただし本格的な雪山や長時間の強風では保温が足りなくなるので、中綿の入った厚い手袋にしてください。
冬山の手袋で最強はどれですか?
この記事の中でいちばん暖かいのはブラックダイヤモンドのグリセードグローブ(中綿入り・透湿防水)です。
ただし暖かいほど指が動かなくなります。最強を1つ買うより、インナーと外側に分けて、厚い手袋は山頂で休むときだけにするほうが、実際には快適です。
インナーグローブは何を選べばいいですか?
薄くて、濡れても冷えにくいものがいいです。メリノウールは濡れても保温が残るので向いています。
インナーは2組持っておくのがおすすめです。湿るのはたいていインナーのほうなので、山頂で乾いたものに替えられます。スノーボードのインナーにも同じ考え方が使えます。
スマホを操作できる手袋はありますか?
スマホ対応をうたう手袋もありますが、厚い手袋ではどうしても操作しにくいです。
いちばん確実なのは、外側を外して、インナーだけの状態で操作することです。2枚持ちにしておくと、ここも楽になります。
指先だけ冷えるのはなぜですか?
体の中心が冷えると、体は手足への血を減らして中心を守ろうとします。手袋を厚くするより、上半身にもう1枚着るほうが指先が戻ることがあります。
あとは手袋がきつすぎて血の巡りが悪くなっていることもあるので、サイズも見直してみてください。
まとめ
- 冬の手袋は1枚で完結させない。インナーと外側の2枚持ちが基本です
- 登っているときはインナーだけ。風が出たり、山頂で休んだりするときに外側を重ねます
- 湿るのはたいていインナー。替えを1組持っておけば、山頂で乾いたものに替えられます
- 外側は、冬の低山なら作業用のテムレス(3千円くらい)でも足ります
- ただし本格的な雪山や長時間の強風には、中綿入りの厚手を
- 「最強」は暖かさと指の動きの引き換え。厚い手袋は山頂で休むときだけに
- 指先だけ冷えるなら、手袋より先に上半身を温めるほうが近道なことがあります
※価格と在庫は2026年9月に確認したものです。






私は最初、冬用の厚い登山グローブを1つだけ持って冬の低山に行きました。
登りで手のひらに汗をかいて、山頂で止まったら、中が冷たくなってどうにもならなかったんですよね。しかも厚いので、ザックのバックルも外せない。
いまは薄いインナーを2組と、外側にテムレスです。作業用手袋を山で使うのは最初ためらいましたが、使ってみたら困ることがありませんでした。1万円の手袋より、2枚の組み合わせのほうが冬の低山では快適です。