登山アプリを調べると、だいたい5個も6個も並んだ記事が出てきます。でも実際に迷うのはYAMAPとヤマレコのどっちか、これだけかなと思います。
そこで今回は2つに絞って、2026年9月時点の公式の数字で並べます。先に結論を書くと、有料にするなら年5,000円前後でほぼ同じ。差が出るのは無料のほうです。
とくにYAMAPの無料プランは、地図が1ヶ月に1枚しかダウンロードできません。ここを知らずに「無料で使える」と思って入れると、2回目の山でつまずきます。
無料でどこまでできるか
まず、お金を払わない前提で見ていきます。ここがいちばん差の出るところです。
YAMAPの無料は、地図が月1枚
YAMAPは無料プランの中身を、プレミアムと並べた比較表で出しています。そこにあるのが「1ヶ月にダウンロードできる地図の数:1枚まで(登録後半年は2枚)」です。
登山アプリの地図は、電波の届かない山でも現在地を出すために、事前に落としておくものです。月1枚というのは、ひと月に行ける山が1つということなんですよね。
ほかにも無料だと、アプリに保存しておける地図が1枚、ルート探索が月5回まで、保存できる登山計画が2件まで、記録が残るのは直近1年分まで、という具合に上限が並びます。
誤解のないように書いておくと、これは「使えない」という話ではありません。月に1回だけ、決まった山に行く。そういう使い方ならまったく問題ないです。
ヤマレコの無料は、数字が出ていない
いっぽうヤマレコは、無料プランの上限を数字で公開していません。プレミアムの特典に「地図のダウンロード無制限」と書いてあるので、無料には何かしらの上限があるはずなのですが、いくつなのかは、探しても見当たりませんでした。
なのでここでは断言しません。「YAMAPは月1枚だとはっきり書いてある」「ヤマレコは書いていない」という差として受け取ってください。
私は正直、数字を出しているほうが好みです。あとから「そんな制限あったの」とならずに済むので。
2回以上山に行く月があるなら
ここまでをまとめると、判断の分かれ目はひとつです。
月に2回以上、違う山に行く予定があるか。あるなら、YAMAPは無料のままだと足りません。有料にするか、ヤマレコか、後で書く別のアプリを使うことになります。
無料のまま使うなら、3つだけ
無料で押し通すと決めたなら、これだけ守ると事故が減ります。
ひとつめは地図を落とすのは前日の夜、家のWi-Fiで。登山口で「今月はもう落とせません」と出ても、そこからではどうにもなりません。
ふたつめはその月に地図を落としたかどうかを覚えておくこと。枠は月初にリセットされるので、月末に1枚使うと翌月は使えます。ここを勘違いすると、行く直前に詰みます。
みっつめはみまもりの通知先をメールで登録しておくこと。LINE通知は有料ですが、メール通知は無料でも使えます。無料のまま置いていける保険なので、入れておいて損はないかなと。

有料にすると、値段はほぼ同じ
では払う場合はいくらか。ここは拍子抜けするくらい似ています。
| YAMAPプレミアム | ヤマレコプレミアム | |
|---|---|---|
| 年払い | 5,700円 | 4,900円(20GB) |
| 1ヶ月あたり | 475円 | 408円 |
| 月払い | 780円 | — |
| 上の容量 | — | 100GB 10,500円 / 300GB 21,000円 |
| 地図のダウンロード | 無制限 | 無制限 |
| 無料お試し | 初回1ヶ月 | — |
年で800円しか違いません。1ヶ月あたりだと67円です。これを差だと思うかどうか、というレベルかなと。
ひとつ注意したいのがYAMAPの月払いで、780円×12ヶ月=9,360円になります。年割の5,700円と比べると3,660円の差です。冬だけ、夏だけ、と割り切るなら月払いもありですが、通年で使うなら年割のほうが素直ですね。
ヤマレコの容量は写真をサーバーに置ける上限で、毎年増えるものではありません。ふつうに記録を残すぶんには20GBで足ります。

値段で選べないので、決め手は3つ
年800円しか違わないとなると、値段では決められません。実際に違うのはこのあたりです。
1. まわりが何を使っているか
身も蓋もないのですが、これがいちばん大きいです。
登山アプリは記録を見せ合ったり、人の軌跡をたどったりする道具でもあります。一緒に行く人がYAMAPなら、こちらもYAMAPのほうが話が早いんですよね。
ざっくりした傾向でいうと、YAMAPは活動日記を読み合うSNSの色が濃く、ヤマレコは記録を貯めて検索する道具の色が濃いです。ヤマレコのプレミアム特典に「詳細検索」が入っているあたりに、その性格が出ているかなと思います。
2. 帰りを待つ人がいるか
YAMAPのみまもり機能は、すれ違った登山者のスマホ経由で自分の位置を家族に飛ばす仕組みです。電波が届かない場所でも位置が伝わることがあります。
ここが少しややこしくて、LINEへの通知はプレミアム、メール通知は無料でも使えます。通知先の数も無料は1件、プレミアムは5件です。
家族が心配するタイプなら、この機能ひとつでYAMAP寄りになるかなと。
3. 登山届を出すか
逆にヤマレコ側の決め手はこれです。プレミアムだと作った山行計画からコンパス(登山届のシステム)へそのまま提出できます。
計画を作る、地図を落とす、届を出す。この流れが1本でつながるのは、行く山が増えてくるとありがたいところですね。
あと地味に大きいのが広告非表示で、これはヤマレコのプレミアム特典に明記されています。
行く山が決まっているなら、3つ目
ここまでYAMAPとヤマレコの話をしてきましたが、行く山が決まっている人には、もっと安い手があります。
山と高原地図は、1エリアの買い切り
紙の地図で有名な「山と高原地図」には、アプリ版があります。こちらは月額ではなく買い切りです。
アプリ本体は無料で、地図が1エリア650円。2026年版は1エリア800円になっています。全63点あって、百名山はすべて入っています。
つまり「丹沢にしか行かない」「奥多摩だけ」という方なら、800円で済みます。年5,700円と比べると、まったく別の話になりますよね。
ただし、翌年は買い直し
気をつけたいのがここです。買った年度の地図に使用期限はありませんが、翌年に更新された新年度版は、また買う必要があります。公式にそう書かれています。
毎年ちゃんと最新版に更新するなら、年800円が積み上がっていきます。それでも安いのですが、「買い切り=一生もの」ではないことは知っておいてください。
あとこのアプリは地図を見るための道具で、記録を人と見せ合う機能や、みまもり、登山届といったものはありません。記録したルートはメールで送り出せるので、ヤマレコなどに移して残すことはできます。
3つをどう使い分けるか
| こんな人 | 選ぶもの | 年間の目安 |
|---|---|---|
| 行く山が1〜2か所に決まっている | 山と高原地図 | 650〜800円/エリア |
| 月1回、いろいろな山へ行く | YAMAP無料 or ジオグラフィカ | 0円 |
| 月2回以上、記録も残したい | YAMAP or ヤマレコ | 4,900〜5,700円 |
| 現在地さえ分かればいい | ジオグラフィカ | 0円 |
私の考えでは、いきなり年会費を払う必要はありません。行く回数が増えてきて、無料の枠が窮屈になってから決めても遅くないかなと思います。
お金をかけずに済ませる手
ここまで有料の話をしてきましたが、払わずに済む道もいくつかあります。
学生は、YAMAPプレミアムが無料
これは知られていない気がします。学生はYAMAPプレミアムを無料で使えます。申込みの案内がちゃんと用意されています。
該当するなら、悩む必要がありません。先に申請してしまってください。
初回の1ヶ月は無料で試せる
YAMAPは初めての人にかぎり1ヶ月の無料体験があります。いつでも解約できるとも書かれています。
迷っているなら、行く予定のある月に当てるのがいいかなと。地図を無制限に落とせる状態で1ヶ月使ってみて、それが必要だったかどうかで決められます。
ふるさと納税でも手に入る
変わったところでは、福岡市へのふるさと納税の返礼としてYAMAPプレミアムが選べます。もともとふるさと納税をしている方なら、実質の負担はかなり小さくなりますね。
そもそも無料のアプリでいい場合
もうひとつ、ジオグラフィカという選択肢があります。こちらは無料で、国土地理院の地形図が使えます。
画面に表示した地図がそのままアプリ内に保存される作りなので、家で行くルートをなぞって表示させておけば、山では圏外でも地図が出ます。ダウンロード枚数という考え方がありません。
記録を人と見せ合う機能や、みまもり、登山届といったものは付いていません。「現在地が分かればいい」という使い方なら、これで足ります。
私の考えでは、最初はジオグラフィカで様子を見て、人と記録を共有したくなったらYAMAPかヤマレコ、という順番でも遅くないかなと思います。
どちらを選んでも、電池が切れたら終わり
最後にこれだけは。アプリを入れた時点でスマホが命綱になります。
地図アプリはGPSを使い続けるので、電池の減りが普段と違います。冬は気温でさらに落ちます。私は一度、下山の途中で残り数%になって、生きた心地がしませんでした。
紙の地図を持てとまでは言いませんが、モバイルバッテリーだけは入れておいてください。これは1,000円台のものでも役目を果たします。
あと機内モードにしておくと減り方がかなり変わります。圏外で電波を探し続けるのがいちばん電池を食うので、ここは覚えておいて損がないかなと。
よくある質問
YAMAPとヤマレコ、結局どっちがいいですか?
一緒に山に行く人が使っているほうを選ぶのがいちばん外しません。年会費は5,700円と4,900円で800円しか違わないので、値段では決まらないんですよね。
ひとりで行くことが多くて、家族が心配するタイプならYAMAP(みまもり機能)。記録を貯めて後から探したい、登山届も出したいならヤマレコかなと思います。
無料のままでも山に行けますか?
行けます。ただしYAMAPの無料は地図のダウンロードが1ヶ月に1枚(登録後半年は2枚)です。月に1つの山なら足りますが、2つ行くなら2つ目の地図が落とせません。
枚数の制限なしで無料がいいなら、ジオグラフィカという別のアプリがあります。国土地理院の地形図が無料で使えます。
ヤマレコの無料プランに地図の枚数制限はありますか?
公式には数字が出ていません。プレミアムの特典として「地図のダウンロード無制限」が挙がっているので、無料には何かしらの上限があるはずですが、いくつなのかは公開されていないので、ここでは書かないでおきます。
気になるなら、まず無料で入れて実際に落としてみるのが早いです。
月払いと年払い、どちらがいいですか?
YAMAPの場合、月払い780円×12ヶ月=9,360円、年割は5,700円で、差は3,660円です。通年で使うなら年割一択かなと。
逆に「雪のある時期だけ」「夏の縦走のときだけ」と決まっているなら、月払いで2〜3ヶ月だけ入るほうが安く済みます。
お金をかけずにプレミアムを使う方法はありますか?
3つあります。学生はYAMAPプレミアムが無料、初回は1ヶ月の無料体験、そして福岡市へのふるさと納税の返礼としても選べます。
とくに学生の方は申請するだけなので、先に済ませてしまってください。
有料にすると、具体的に何が変わりますか?
YAMAPだと地図が無制限に落とせるのに加えて、ルート外れ警告(道を間違えると教えてくれる)と到着時刻予測が付きます。この2つは道迷いと日没に直結するので、行く山が増えてきたら意味が出てきますね。
ヤマレコは広告が消えるのと、山行計画からコンパスへ登山届を出せるのが実用的なところかなと。
YAMAPとヤマレコ以外に選択肢はありますか?
2つあります。ひとつは「山と高原地図」アプリで、こちらは買い切り。1エリア650円(2026年版は800円)です。行く山が決まっているなら、これがいちばん安く済みます。ただし翌年の新年度版は買い直しになります。
もうひとつはジオグラフィカで、こちらは無料。国土地理院の地形図が枚数の制限なく使えます。
両方入れておくのはありですか?
ありです。どちらも無料で入れられるので、まず両方入れて、画面の見やすさや記録の取りやすさを1回ずつ試すのがいちばん確実かなと思います。
そのうえで、続けて使うほうだけ有料にする。両方に課金する必要はまずありません。
まとめ
- 迷うのはYAMAPとヤマレコの2つだけです。5個も比べる必要はありません
- YAMAPの無料は地図が月1枚(登録後半年は2枚)。月に2つの山に行くなら足りません
- ヤマレコは無料プランの上限を公開していないので、ここでは書きません
- 有料はYAMAP年5,700円/ヤマレコ年4,900円。差は年800円なので、値段では決まりません
- 決め手はまわりが使っているもの・みまもり・登山届の3つ
- 学生は無料、初回は1ヶ月の無料体験、ふるさと納税でも手に入ります
- 行く山が決まっているなら山と高原地図の買い切り(1エリア650円・2026年版は800円)がいちばん安いです
- 枚数を気にせず無料で使うならジオグラフィカ。国土地理院の地形図が使えます
- どれを選んでも電池が切れたら終わりです。モバイルバッテリーだけは持ってください
※料金と機能は2026年9月に各公式サイトで確認したものです。変わることがあるので、入る前に最新の案内を見てください。






私はしばらく、無料のYAMAPで足りると思っていました。実際、最初の月は足りたんですよね。
つまずいたのは翌月です。別の山に行こうとして地図を落とそうとしたら、今月はもう落とせませんと出ました。前の月に1枚使い切っていたのを、すっかり忘れていました。
前日の夜に気づいたのでまだよかったのですが、あれを登山口で知っていたらと思うと、ぞっとします。無料で使うつもりなら、その月に地図を落としたかどうかだけは覚えておいてください。