初日の出を山から見たい、と思って調べ始めると、たいてい「どの山か」より「暗い中をどれだけ歩くのか」で不安になりますよね。
そこがいちばん大事なところなので、この記事では夜道の短い順に7座を並べました。片道45分で着く山から、山小屋に泊まって迎える山まであります。
ご来光は元日だけのものではないので、混雑を避けて別の時期に行く手もあります。そのあたりも書いておきます。
関東の初日の出・ご来光の山7座(夜道の短い順)

| 山 | 県 | 標高 | 片道の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 鋸山 | 千葉 | 329m | 約45分 | 海から昇る朝日。いちばん短い |
| 宝篋山 | 茨城 | 461m | 約60分 | 混みにくい。関東平野を一望 |
| 高尾山 | 東京 | 599m | 約90分 | 都心から近い。元日はとても混みます |
| 筑波山 | 茨城 | 877m | 約120分 | 稜線から昇る朝日が見どころ |
| 大山 | 神奈川 | 1,252m | 約150分 | 神社の境内から。相模湾も見えます |
| 三ツ峠山 | 山梨 | 1,785m | 約180分 | 富士山と朝日を一緒に |
| 雲取山 | 東京 | 2,017m | 約5時間(泊) | 山小屋かテント泊が前提 |
初めてなら、片道60分までの2座からにしてくださいね。暗い中を1時間歩くのは、思っているよりずっと長く感じます。
いちばん短い|鋸山(千葉・329m)
片道45分。海から昇る朝日が見られるのがここの特徴なんですよね。標高300m台とは思えない開けた展望があります。
暗い中を歩く時間がいちばん短いので、初めての1座に向いています。ただ石切場跡の階段が多く、凍っていると滑ります。足元は慎重に。
混雑を避けたい|宝篋山(茨城・461m)
片道60分。筑波山のとなりにある低山で、元日でも比較的すいています。関東平野が一望できます。
「穴場」を探しているなら、まずここかなと思います。登山道も整備されています。
都心から近い|高尾山(東京・599m)
片道90分。駅から登山口まで歩けるので、車がなくても行けるのが最大の利点です。
ただし元日はかなり混みます。山頂は場所取りが必要なほどで、静かに見たい人には向きません。混雑が苦手なら、元日を外して別の日に行くほうが気持ちよく見られます。
稜線から|筑波山(茨城・877m)
片道120分。男体山と女体山の2つの峰があり、女体山側からの眺めが開けています。
登山道に岩場が混じるので、暗い中を歩くならヘッドライトの明るさが要ります。
神社の境内から|大山(神奈川・1,252m)
片道150分。阿夫利神社の下社まで上がれば、そこからでも十分に見えます。相模湾まで見渡せるのがここの良さですね。
山頂まで行くなら、さらに1時間ほどかかります。標高が上がるぶん冷え込むので、防寒は多めに。
富士山と一緒に|三ツ峠山(山梨・1,785m)
片道180分。富士山と朝日を同じ画角で見られるのがここだけの魅力です。写真を撮りたい人に人気があります。
ただし樹林帯から岩場まで続く長い道で、夜間に登るなら経験が要ります。公共交通で行く場合、深夜のタクシーは事前手配が要ります。
泊まって迎える|雲取山(東京・2,017m)
東京都の最高峰。片道5時間なので、日帰りで初日の出を見るのは無理です。山小屋かテント泊が前提になります。
冬の2,000m級は、装備も経験も別物です。ここは「行ってみたい」で行く山ではありません。
暗い中を歩くための準備
ここがこの記事でいちばん大事なところなんですよね。日中の登山とは、必要なものが変わります。
ヘッドライトは必須。スマホのライトでは足りない
手が塞がるのが致命的なんですよね。転びかけたときに手が出せません。それに寒いとスマホの電池が急に落ちます。
- 200ルーメン以上のものを選んでください。足元だけでなく、少し先の道が見える明るさが要ります
- 予備の電池を必ず持つ。低温では電池の持ちが半分近くまで落ちます
- 家で一度点けてみる。買ったまま持っていって、現地で点かないのがいちばん困ります
昼に歩いた道でも分からなくなる
昼間に歩いたことがある道でも、暗いとまったく違って見えます。分岐の標識も、ライトを向けないと気づきません。
初めての山に夜から登るのは避けてください。できれば明るいうちに一度歩いておくと、当日がまったく違います。
止まると一気に冷える
日の出を待つ時間は、20分から1時間くらいあります。歩いて温まった体が、待っている間に急速に冷えます。
- 着替えの上着を1枚多く持つ:登っている間に汗をかくので、山頂で着替えると冷えません
- 手袋と帽子:末端から冷えます。薄手でも有無で大きく違います
- 温かい飲み物:待ち時間がまったく違うものになります
冬の低山でも、登山道は凍ります。とくに日陰の斜面と階段は、朝方がいちばん滑ります。
凍結が予想されるならチェーンスパイクを持っていってください。低山だからと油断すると、下りで転びます。
当日の組み立て方
逆算のしかた
山頂に着きたい時刻は、日の出の30分前ですね。空が明るくなり始めるところから見えますし、場所を選ぶ余裕もできます。
そこから「片道の所要時間 + 30分」を引いた時刻が出発の目安です。夜は昼より歩くのが遅くなるので、余裕をみておいてください。
関東の元日の日の出は、おおむね6時45分〜7時ごろです。山の東側に高い山があると、実際に太陽が見えるのはさらに遅くなります。
その年の正確な時刻は、国立天文台のこよみのページで場所ごとに調べられます。
ケーブルカーとロープウェイは、その年の発表次第
高尾山・筑波山・大山には乗り物がありますが、元日の臨時運行は毎年内容が変わります。深夜から動く年もあれば、通常運行の年もあります。
時刻を書いた記事は古くなっている可能性が高いので、必ずその年の公式発表を確認してください。12月中旬ごろに出ることが多いです。
元日を外すという手も
ご来光は元日だけのものではありません。混雑も駐車場の問題も、1月2日以降ならほとんどなくなります。
それに空気が澄んで遠くまで見えるのは、1月から2月なんですよね。景色だけを目的にするなら、元日にこだわらないほうがいい景色に会えることが多いですね。
下山までが登山
日の出を見たあと、どうしても気が緩みますよね。ただ下りのほうが転びます。暗いうちに登った道を、明るくなってから下るので、印象も変わります。
朝食は下山してからでも構いません。体が冷えきる前に動き始めるほうが安全です。
よくある質問
初日の出登山は、初心者でも大丈夫ですか?
山を選べば大丈夫です。片道60分までの山から始めてください。この記事なら鋸山と宝篋山ですね。
ただしヘッドライトだけは必ず用意してください。ここを省くと、初心者かどうかに関係なく危険です。
一人で行っても平気ですか?
おすすめはしません。暗い中でのけがや道迷いは、一人だと対処がむずかしくなります。
どうしても一人で行くなら、行き先と下山予定を家族に伝えて、登山届を出してください。人の多い高尾山のような山を選ぶのも手です。
駐車場は前日から停められますか?
山によります。24時間開いている駐車場でも、元日は早い時間に満車になります。
車で行くなら、日の出の3時間前には着いておくくらいの気持ちでいてください。公共交通で行ける山を選ぶほうが、当日は楽です。
どれくらい寒いですか?
関東の低山でも、夜明け前は氷点下になることがあります。標高が100m上がるごとに約0.6℃下がるので、1,000mの山なら平地より6℃低い計算です。
そこに風が加わると体感はさらに下がります。平地の真冬の服装より、もう1枚多く持っていってください。
曇っていたら見えませんか?
見えないこともあります。ただ雲海の上に出れば、下が曇りでも見えます。標高のある山ほどその可能性があります。
逆に低山だと、下界の雲がそのまま影響します。天気予報は「雲量」と「風」を見ておくと、当たりをつけやすいです。
まとめ
- 選ぶ基準は標高より「暗い中を何分歩くか」。初めてなら片道60分までです
- ヘッドライトは必須。200ルーメン以上と、予備の電池も
- 初めての山に夜から登らない。できれば明るいうちに下見してください
- 日の出待ちで一気に冷えます。上着を1枚多く、手袋と帽子も
- 元日のケーブルカーは毎年変わります。その年の公式発表を必ず確認してください
- 元日を外すのもあり。混雑がなくなって、空気が澄む1〜2月のほうがよく見えます
私だったら、最初の1回は鋸山か宝篋山にします。暗い中を歩く感覚が分かってから、長い山に行くほうが安心して楽しめる気がするので。



