武甲山ハイキングの魅力|生川の沢音と秩父の大展望
石灰岩のピラミッド型の山容で、秩父盆地のどこからでも見える武甲山(ぶこうさん/標高1,304m)は、日本二百名山にも数えられる秩父のシンボル。じつは一の鳥居から登る表参道の前半は、生川(うぶかわ)の沢沿いを歩くルートで、夏でもひんやりと涼しいのが魅力です。山頂からは秩父の街並みと山々を一望でき、下りは小持山・大持山の稜線歩きも楽しめます。この記事では、関東近郊|夏に涼しい沢沿い登山コース6選の中から武甲山を、周回モデルルート・見どころ・アクセス・注意点までまとめて紹介します。
沢沿いは前半だけですが、序盤で身体を冷やしながら登れるので、夏の登り出しには最適。後半は展望の効く稜線で、沢の涼しさと稜線の眺めを一度に味わえる欲張りな一日になります。
ルート概要|一の鳥居発着・約10kmの周回
| 距離 | 約10km(一の鳥居発着・周回) |
| 累積標高差 | 上り約1,000m |
| 最高地点 | 武甲山 山頂(標高1,304m) |
| 所要時間 | 約6〜7時間(休憩・展望を含む) |
| 難易度 | 中級(急登・岩稜・下りが長め。距離約10km) |
| スタート/ゴール | 一の鳥居(生川登山口)※周回 |
| アクセス | 西武秩父線・横瀬駅からタクシー約10分(要事前手配)または徒歩1.5〜2時間。車は一の鳥居周辺の駐車場(後述) |
| ベストシーズン | 初夏〜秋(前半の沢沿いが涼しい夏向き。春は稜線のアカヤシオ) |
⚠️ 通行止め区間に注意。武甲山では橋立コース(橋立鍾乳洞方面)と、シラジクボから浦山口駅へ抜ける縦走ルートが、登山道の崩落で通行止めになっています(本記事の本線=一の鳥居発着の周回はこれを含みません)。また近年クマの目撃が増えているエリアです。クマ鈴・複数人での行動を心がけ、出発前に横瀬町の観光サイト「歩楽~里よこぜ」などで最新の登山道情報を確認してください。
見どころガイド|一の鳥居から周回、番号順にめぐる
1一の鳥居(生川登山口)|ここから沢沿いへ


スタートは生川(うぶかわ)の一の鳥居。武甲山御嶽神社の鳥居が立つ登山口で、駐車場と水洗トイレがあります。ここから先はしばらく林道・沢沿いの道。道中とゴールにトイレはないので、ここで済ませておきましょう。鳥居をくぐって、生川に沿って登り始めます。
2生川の沢沿い・不動滝|前半のひんやり区間


表参道の前半は生川に寄り添う沢沿いの道。夏でも沢のそばはひんやりと涼しく、不動滝のそばには唯一の水場もあります(渇水期は要注意)。杉木立の中を進むと、丁目石(一丁目〜五十二丁目)が山頂まで導いてくれます。沢の音を聞きながら、涼しいうちに高度を上げていきましょう。
3武甲山(山頂)|秩父盆地を見下ろす大展望

丁目石をたどって登りきると、武甲山の山頂(標高1,304m)。山頂直下には武甲山御嶽神社が鎮座し、展望台からは秩父の街並みと周囲の山々の大パノラマが広がります。北側は石灰岩の採掘で削られた独特の姿。ここでゆっくり休憩し、後半の稜線へ向かいます。
4小持山・大持山|岩とアカヤシオの稜線


山頂からシラジクボへ下り、小持山(1,273m)・大持山(1,294m)の稜線へ。岩がちで展望の効くアップダウンの尾根道で、春(5月頃)にはアカヤシオのピンクの花が彩ります。武甲山を振り返れば、歩いてきた道のりが一望。稜線歩きが好きな人にはこの区間が一番のハイライトです。
5妻坂峠|稜線から一の鳥居へ下山

大持山から妻坂峠へ下り、峠から生川方面へ。ここまで来れば急な下りは一段落。沢の音がふたたび近づいてくると、まもなくスタートの一の鳥居に戻ります。長い周回、おつかれさまでした。
アクセス・駐車場
公共交通:西武秩父線・横瀬駅が最寄り。一の鳥居までタクシーで約10分ですが、横瀬駅にタクシーは常駐していないので事前予約が必要です。歩く場合は横瀬駅から1.5〜2時間ほど。
車:一の鳥居に登山者用駐車場(約30台)に加え、2024年に手前約200mへ新しい駐車場(約50台)が開設され、あわせて約80台に。いずれも無料で、水洗トイレがあります。人気の山で週末は満車になりやすいので、早着がおすすめです。
注意点|安全に楽しむために
- 橋立コース・浦山口方面への縦走は崩落で通行止めです(本記事の一の鳥居周回はこれを含みません)。該当方面へは進まないようにしましょう。
- クマの目撃が増えているエリアです。クマ鈴・複数人での行動、登山届の提出を。出発前に「歩楽~里よこぜ」で最新情報を確認しましょう。
- 後半の稜線は岩がちでアップダウンが多く、下りも長め。約10km・累積標高差約1,000mの中級コースです。膝の負担軽減にトレッキングポールがあると安心。
- 水場は不動滝付近のみ(渇水期は枯れることも)。飲み物は多めに持参を。トイレは一の鳥居と山頂(例年4月下旬〜11月末の開放)にあります。
- 武甲山は石灰岩の採掘が続く山。北面は立入禁止の採掘エリアなので、登山道と案内標識に従って歩きましょう。
武甲山ハイキングを快適にする装備
沢沿いの濡れた道と、後半の岩稜・長い下り。グリップの良い登山靴と、下りで膝を守るトレッキングポールがあると安心です。標高が上がると天気も変わりやすいので、レインウェアも忘れずに。歩き出す前に、こちらの装備ガイドもチェックしておきましょう。
まとめ|沢の涼と稜線の展望、武甲山を一日で
武甲山は、前半の生川沿いで涼をとり、山頂で秩父の大展望を楽しみ、後半は小持山・大持山の稜線を歩く、変化に富んだ周回コース。夏は沢沿いの涼しさ、春はアカヤシオ、秋は紅葉と、季節ごとの魅力があります。通行止め区間とクマに注意しつつ、秩父のシンボルへ登ってみてください。
他の沢沿い登山コースもあわせてチェックするなら、関東近郊|夏に涼しい沢沿い登山コース6選へ。川苔山・ユーシン渓谷など、涼しい沢沿いルートをまとめています。


