Home トレッキング トレッキングコース 天城山ハイキングガイド|万二郎岳・万三郎岳をめぐる周回、苔とブナの原生林と伊豆最高峰へ【2026年版】

天城山ハイキングガイド|万二郎岳・万三郎岳をめぐる周回、苔とブナの原生林と伊豆最高峰へ【2026年版】

苔むした岩を流れる天城の渓流
伊豆最高峰・天城山(万三郎岳1,406m)を、天城縦走登山口から万二郎岳・万三郎岳をめぐる約8kmの周回コースで解説。苔むしたブナ・ヒメシャラの原生林と、初夏(5〜6月)に咲くアマギシャクナゲが魅力。標高1,400mの尾根は夏でも比較的涼しく、木々の下を歩く癒しの森歩きです。アクセス(伊東駅からバス/伊豆スカイライン)・駐車場・注意点つき。中級者向け。【2026年版】
目次

天城山ハイキングの魅力|苔とブナの原生林、涼しい尾根歩き

「天城越え」でも知られる天城山(あまぎさん)は、伊豆半島のほぼ中央にそびえる連山の総称。その最高峰が万三郎岳(ばんざぶろうだけ/標高1,406m)で、日本百名山にも数えられる伊豆のシンボルです。ブナやヒメシャラの原生林、苔むした森が広がり、標高1,400mの尾根は夏でも比較的涼しく、木々の緑に包まれて歩ける“癒しの森歩き”が楽しめます。この記事では、関東近郊|夏に涼しい沢沿い登山コース6選の番外編として、天城山の周回モデルルート・見どころ・アクセス・注意点をまとめて紹介します。

沢沿いというより「苔と原生林の涼」を味わうコースですが、真夏の低山歩きに疲れたら、少し足を延ばして標高のある森でクールダウン——そんな一日にぴったり。5月中旬〜6月上旬には固有種のアマギシャクナゲが咲き、新緑・紅葉と季節ごとの表情も豊かです。

ルート概要|天城縦走登山口発着・約8kmの周回

距離 約8km(天城縦走登山口発着・周回)
累積標高差 上り約650m
最高地点 万三郎岳(標高1,406m/伊豆最高峰)
所要時間 約4〜5時間(休憩・展望を含む)
難易度 中級(アップダウンと木の根・岩の道。下山路に荒れた区間あり)
スタート/ゴール 天城縦走登山口(天城高原ハイカー駐車場)※周回
アクセス JR伊東駅から東海バス「天城高原ゴルフ場」行 約55分・天城縦走登山口下車(本数が少ないので要時刻確認)。車は伊豆スカイライン天城高原ICから県道111号、ハイカー専用の無料駐車場(後述)
ベストシーズン 新緑〜初夏(5月中旬〜6月上旬アマギシャクナゲ)・秋の紅葉。夏も標高1,400mで比較的涼しい
天城山 シャクナゲコース周回(天城縦走登山口〜万二郎岳〜万三郎岳)のルート地図
0m750m1500m0km8.6km123
天城縦走登山口を起点にした周回コースの高低図。万二郎岳・万三郎岳を越え、石楠花コースの巻き道で戻ります(獲得標高約637m)。

⚠️ 足もと・気象に注意。万三郎岳から下るシャクナゲコース(巻き道)の一部は、大雨のあとに登山道が荒れたり、木の階段が崩れている箇所が報告されています。雨後はとくに滑りやすいので慎重に。伊豆の山は梅雨〜夏にヤマビルが出ることがあり、標高が上がると天気が変わりやすいので雨具は必携。出発前に伊豆市の観光情報やYAMAPなどで最新の登山道状況を確認してください。

見どころガイド|天城縦走登山口から周回、番号順にめぐる

1天城縦走登山口|苔の森へ、四辻から周回スタート

天城縦走路の入口(シャクナゲコース登山口)
スタートは天城縦走路の入口。ここからシャクナゲコースへ入り、反時計回りで周回します。

スタートは天城縦走登山口。天城高原のハイカー専用駐車場のそばに登山口があり、駐車場にトイレがあります(冬季閉鎖)。この先にトイレはないので、ここで済ませておきましょう。歩き出してすぐの四辻(よつつじ)が周回の分岐点。ここでは万二郎岳方面(左)へ進み、反時計回りで周回します。さっそく苔むしたブナの森が出迎えてくれます。

2万二郎岳・馬の背|最初のピークと展望

万二郎岳の山頂標識(標高1,299m)
最初のピーク・万二郎岳(標高1,299m)。ブナやヒメシャラに囲まれた静かな山頂です。
ヒメシャラの巨木(天城の原生林)
つるりとした赤い幹が美しいヒメシャラの巨木。天城の原生林を象徴する木です。

木の根の張った道を登ると、最初のピーク万二郎岳(標高1,299m)。ここから馬の背(うまのせ)と呼ばれる痩せ尾根に出ると、晴れた日には天城の山並みや相模灘、富士山が望めることも。ヒメシャラのつるりとした赤い幹と、足もとの苔のコントラストが美しい区間です。

3アセビのトンネル・石楠立|シャクナゲと原生林

アセビ(馬酔木)の花
春、頭上をアセビ(馬酔木)の白い花が覆う「アセビのトンネル」。しっとりした森の道が続きます。
天城のシャクナゲ
天城を代表するシャクナゲ。例年5月中旬〜6月上旬が見頃で、原生林をやわらかなピンクに染めます。

馬の背の先は、アセビ(馬酔木)が頭上を覆う「アセビのトンネル」。さらに進むと石楠立(はなたて)——その名のとおりアマギシャクナゲの群生地で、5月中旬〜6月上旬には淡いピンクの花が原生林を彩ります。天城山を代表する、しっとりと落ち着いた森の道です。

4万三郎岳|伊豆最高峰の山頂

万三郎岳の山頂標識(伊豆半島最高峰)
伊豆半島最高峰・万三郎岳の山頂標識。ここがコースの最高地点、登りの核心です。

ひと登りで、コース最高地点の万三郎岳(標高1,406m/伊豆半島最高峰)に到着。まわりを木々に囲まれた落ち着いた山頂で、木陰でゆっくり休憩できます。ここまでが登りの核心。ここからは巻き道で下山します。

5シャクナゲコース(巻き道)|苔の森を下って周回

苔むしたブナの原生林の登山道
苔むした根と新緑のブナ林。天城らしい、しっとりと落ち着いた森歩きが楽しめます。
登山口の「おつかれさまでした」の標柱
周回を終えて登山口へ。標柱の裏には「おつかれさまでした」の文字が迎えてくれます。

万三郎岳の少し先からシャクナゲコースの巻き道に入り、尾根の北側を巻きながら下ります。苔むした岩とブナの森が続く、天城らしいしっとりした下山路。前述のとおり雨後は荒れて滑りやすい区間があるので慎重に。四辻まで戻れば、ゴールの登山口はもうすぐです。

アクセス・駐車場

公共交通:JR伊東線・伊豆急「伊東駅」から東海バス「天城高原ゴルフ場」行に乗り、天城縦走登山口で下車(約55分)。本数が少ないので、往復とも時刻を必ず事前確認しましょう。
車:伊豆スカイライン天城高原ICから県道111号(遠笠山道路)を天城高原方面へ。ゴルフ場入口手前にハイカー専用の無料駐車場があり、トイレも併設(冬季は閉鎖)。人気コースで休日は満車になりやすく、その場合は少し手前の駐車スペースを利用します。

注意点|安全に楽しむために

  • 下山のシャクナゲコース(巻き道)は、雨後に荒れて滑りやすい区間・崩れた木階段が報告されています。時間に余裕をもって慎重に。
  • 梅雨〜夏はヤマビルに注意(伊豆の低〜中山域で発生)。塩・忌避剤やスパッツがあると安心です。
  • 標高1,400mの尾根は天気が変わりやすい。レインウェア・防寒着を用意し、ガスで展望がきかない日もあると心得ておきましょう。
  • 水場・売店はコース上にありません。飲み物・行動食は登山口までに準備を。トイレは駐車場のみ(冬季閉鎖)。
  • 周回は反時計回り(万二郎岳先行)が一般的。標識に従い、天城縦走路(縦走の長距離コース)へ入り込まないよう注意。

天城山ハイキングを快適にする装備

木の根や苔の道、雨後に荒れやすい下山路——グリップの良い登山靴と、下りで膝を守るトレッキングポールがあると安心です。標高が上がると天気も変わりやすいので、レインウェアも忘れずに。歩き出す前に、こちらの装備ガイドもチェックしておきましょう。

周辺の見どころ|下山後は「天城越え」の名所へ

天城山の登山口から車で谷へ下ると、文学と歌で知られる名所が点在します。いずれも登山ルート上ではなく、車での移動が必要ですが、下山後の寄り道にぴったりです。

浄蓮の滝

浄蓮の滝と「天城越え」の歌碑
日本の滝百選・浄蓮の滝(落差25m)。そばには「天城越え」の歌碑が立ちます。※登山ルートから離れた谷あいの名所です。

浄蓮の滝(じょうれんのたき)は、落差25m・幅7mの名瀑で「日本の滝百選」のひとつ。玄武岩の岩肌を流れ落ち、川端康成『伊豆の踊子』ゆかりの地としても知られます。滝のそばには石川さゆりの名曲「天城越え」の歌碑が立ち、周囲のわさび田とともに涼を誘います(駐車場から滝つぼへは約200段の階段)。

旧天城トンネル(天城山隧道)

旧天城トンネル(天城山隧道)の石造りの坑口
国の重要文化財・旧天城トンネル(全長445.5m)。苔むした総石造りの坑口が「天城越え」の世界を今に伝えます。

旧天城トンネル(天城山隧道)は、1905年(明治38年)に開通した全長445.5mの総切石造りの道路トンネル。現存する石造の道路トンネルとしては国内最長で、2001年に国の重要文化財に指定されました。苔むした坑口はまさに「天城越え」の世界。内部はひんやりと涼しく、文学散歩の締めくくりにおすすめです。

まとめ|苔と原生林の涼、伊豆最高峰へ

天城山は、苔むしたブナ・ヒメシャラの原生林と、6月のアマギシャクナゲが魅力の周回コース。沢歩きとはひと味違う“森の涼”を味わえる、夏にもうれしい一本です。足もとと天気に気をつけて、伊豆半島の最高峰へ登ってみてください。

ほかの涼しいコースもあわせてチェックするなら、関東近郊|夏に涼しい沢沿い登山コース6選へ。川苔山・ユーシン渓谷・武甲山など、涼を求める夏のルートをまとめています。

🚲️サイクリング装備

「自転車本体」「自転車旅行装備」「トレッキング装備」「キャンプ装備」は後日公開。