この記事でわかること|千葉を“縦に走る”という贅沢
「千葉って平坦な海沿いだけじゃないの?」
そんな印象を持っている方にこそ走ってほしいのが、この縦断ルートです。
スタートは海浜幕張の都市景観。
そこから五井の郊外へ抜け、久留里の名水と城下町に立ち寄り、やがて亀山湖〜濃溝の滝という内陸の自然美へ。
そして房総スカイラインのダウンヒルを経て、ゴールは海が広がる鴨川。
一日で「都市・里山・渓谷・海岸」のすべてを味わえる、変化に富んだサイクリングコース。
全体の距離は約90km。獲得標高もそこそこありますが、輪行や休憩をうまく取り入れれば、休日ライドの冒険としてじゅうぶん楽しめます。
実はこのルート、私自身も何度か走っていて、房総スカイラインを抜けて鴨川の海が見えてきた瞬間が本当に好きなんです。
その景色を思い出すたびに、また行きたくなるコースのひとつです。
こんな人におすすめ
都会の喧騒を抜け出して、景色の変化を楽しみたい
千葉の“内陸”や“山間”も走ってみたい
海も山も楽しめるルートを探している
次の休日に「小さな旅」をしたい
千葉縦断ルート詳細|都市・山・海をつなぐ90kmモデルコース
記号 | ポイント名 | 解説 |
---|---|---|
A | 海浜幕張駅 | スタート地点。駅前にコンビニ・トイレもあり、輪行アクセス抜群。 |
B | 千葉ポートアリーナ | 市街地ルートの中継ポイント。国道14号からの分岐にも便利。 |
C | 五井駅周辺(市原天然温泉 江戸遊) | 早めの休憩におすすめ。温泉や飲食店もある補給ポイント。 |
D | 上総牛久駅(小湊鉄道) | ローカル線の趣ある駅舎。補給も可能で雰囲気◎。 |
E | 久留里駅 | ちょうど中間地点。名水とローカルな城下町を楽しめる。 |
F | 久留里城跡 | 体力と時間に余裕があれば立ち寄りたいビュースポット。展望良好。 |
G | 亀山湖(亀山ダム) | 静かな湖畔ルート。春は桜、秋は紅葉も。湖沿いの道で癒される。 |
H | 濃溝の滝(亀岩の洞窟) | 千葉有数の絶景ポイント。水の透明度と苔むす風景が印象的。 |
I | 安房鴨川駅 | ゴール地点。海も駅もすぐそばで、輪行・グルメ・観光に最適。 |
特記事項
濃溝の滝から先は【県道24号 → 房総スカイライン → 鴨川有料道路経由】で下る構成になります。
房総スカイラインは、適度なアップダウンと車通りの少なさが魅力で、下り基調のまま鴨川方面へ抜けられます。ここの長い下りは本当に気持ちいい!
ざっくり見どころ
道中に立ち寄れる見どころスポットを、写真でざっくりご紹介します。






コース概要
距離の目安:約90km
獲得標高:約1,000〜1,200m(後半に集中)
所要時間:6〜8時間(観光・補給込み)
スタート:海浜幕張駅
ゴール:安房鴨川駅(輪行で帰宅可能)
通過スポット:千葉ポートアリーナ、五井、久留里、亀山湖、濃溝の滝、房総スカイライン
コースの特徴まとめ
前半は市街地走行。交通量がやや多い区間あり
久留里まではフラット基調、後半に登りと下りが集中
路面は舗装中心で、ロード・クロスバイクともに快適走行
補給は久留里・亀山湖周辺で確保しやすい(久留里~は補給ポイント少なめなので要注意)
ゴール地点の安房鴨川駅からは外房線で輪行帰宅OK
見どころガイド|都市・里山・渓谷・海をめぐる
90kmの長い道のりを飽きさせないのが、このルート最大の魅力。
風景の変化はもちろん、立ち寄りスポットや補給ポイントも充実しています。
ここでは、特におすすめしたい見どころを順に紹介します。
千葉ポートアリーナ付近|市街地を抜けるスタート区間

幕張から出発し、千葉市中心部を経由する序盤は、都市部ならではの風景が続きます。
千葉ポートアリーナ付近は広くて走りやすく、信号も多すぎないのでリズムよく抜けられます。
朝早く出れば、交通量も控えめで快適に走れます。
久留里の名水と城下町

中盤のハイライトは、名水の町・久留里。
駅前には無料で水を汲める名水スポットや、ローカルな商店街が並びます。
少し余裕があれば、標高150mほどの久留里城跡へ登ってみるのもおすすめ。
眺望と空気の良さに、心がリセットされます。
亀山湖|静けさに包まれた湖畔の道
千葉県最大のダム湖・亀山湖。
湖岸道路は交通量が少なく、水面を眺めながらゆるやかなアップダウンを楽しめます。
春は桜、秋は紅葉の名所としても知られ、季節によって表情が変わるポイントです。
濃溝の滝|幻想的な渓谷の絶景

インスタなどでも話題になった絶景スポット「濃溝の滝(亀岩の洞窟)」。
日差しが差し込む時間帯には、光と水が織りなす幻想的な風景が広がります。
駐輪場・トイレ・売店もあり、リフレッシュ休憩にぴったりです。
※初夏にはホタルがみられることも…
房総スカイライン|走りごたえ抜群の快走路
濃溝の滝を越えると、いよいよ房総スカイラインへ。
かつて有料道路だったこの道は、現在は無料で通行可能。
適度なアップダウンと森林の中を抜ける快走感が魅力です。
トンネルもあるので、ライトは必ず点灯を。
安房鴨川駅周辺|海と温泉で旅の締めくくり

ダウンヒルを終えて鴨川の市街地へ入ると、潮の香りがふわり。
そのまま安房鴨川駅で輪行帰宅もいいですが、時間に余裕があれば海沿いまで足を延ばしてみるのも◎。
グルメや日帰り温泉で、走りきったご褒美をどうぞ。
90kmを楽しく走るコツ|装備・補給・トラブル対策
距離は約90km、後半にアップダウンがあるこのコース。
完走の達成感を味わうためにも、装備や補給の準備はしっかりしておきましょう。
ここでは、快適に走るための実用的なポイントをまとめました。
自転車と装備|ロードまたはクロスバイクがおすすめ
全体的に舗装路で、道幅も広め。
ただし、後半の山間部や下りカーブではブレーキ性能や安定感のある車体が安心です。
ロードバイク:◎(軽快・登りが楽)
クロスバイク:◯(タイヤ太め推奨)
ミニベロ・ママチャリ:△(体力に自信があれば…)
必携装備:
・前後ライト(トンネル対策)
・輪行バッグ(帰路用)
・補給食・ボトル
・レインウェア(突然の山間部の雨に備えて)
補給と休憩|久留里〜濃溝の滝間は要注意
五井・久留里まではコンビニも多く安心ですが、亀山湖〜濃溝の滝〜房総スカイライン区間は補給ポイントが限られます。
自販機も見つかりにくくなるので、久留里での補給はしっかりと。
おすすめの休憩ポイント:
市原天然温泉 江戸遊(五井)
久留里駅前(名水・商店)
濃溝の滝(トイレ・売店あり)
安房鴨川駅前(輪行準備・グルメ)
交通と安全面|後半の車道&トンネルに注意
市街地〜中盤までは交通量がやや多く、車道左側通行をしっかり意識しておきたいところ。
後半の房総スカイライン〜鴨川有料道路は車通りが少ないものの、トンネルと下りカーブが連続するため、ライト点灯とスピードコントロールは必須です。
房総縦断サイクリングQ&A|走る前に知っておきたいこと
Q. このルート、初心者でも走れますか?
ある程度の距離(60〜100km)を走ったことがある方なら、無理のないペースで完走可能です。
後半の登りは押して歩ける程度の傾斜も多く、輪行バックがあれば途中リタイアも安心。
1日で走るのが不安な場合は、久留里や亀山湖でのショートカットや分割走行も検討してみてください。
Q. 濃溝の滝や亀山湖って、自転車のまま立ち寄れますか?
はい、どちらも駐輪スペースがあり、徒歩での散策も可能です。
濃溝の滝には観光客向けの売店・トイレもあり、15〜30分の休憩スポットとして最適。
貴重品管理と施錠だけはしっかりと。
Q. 房総スカイラインや鴨川有料道路は自転車で通って大丈夫?
どちらも現在は無料開放された県道24号線として整備されており、自転車も通行OKです。
ただし、トンネルや長い下り坂もあるため、ライト点灯とスピードコントロールには注意が必要です。
Q. 安房鴨川駅にサイクルラックや輪行スペースはありますか?
駅構内にサイクルラックはありませんが、駅前広場や歩道の端に輪行準備できるスペースがあります。
輪行バッグの使用とマナーを守って、スムーズに帰路につきましょう。
駅周辺には飲食店・コンビニ・温泉施設も充実しています。
まとめ|都市から海まで、千葉を走り抜ける一日を。
千葉を“縦に”走る――そんな非日常のサイクリング体験が、わずか1日で叶います。
都市の幕張から始まり、名水の里・久留里、渓谷の濃溝の滝、そして海の鴨川へ。
風景が目まぐるしく変わるこのルートは、単なる移動ではなく、旅そのものです。
走りごたえのある90kmですが、補給や輪行をうまく取り入れれば、ライト層にも十分挑戦できます。
そして何より、鴨川の海が見えた瞬間のあの達成感は、きっと忘れられないものになるはず。