ルート概要
千葉県・養老渓谷で、個性豊かな3つの名瀑を効率よく巡る贅沢なトレッキングコース。粟又の滝、千代の滝、金神の滝を約3.6kmで制覇し、最後は温泉でリフレッシュできる初心者にも優しいルートです。
| 距離 | 約3.6km |
| 累積標高差(登り) | 約110m |
| 累積標高差(下り) | 約130m |
| 所要時間 | 2.0〜2.5時間 |
| 路面状況 | 舗装路、遊歩道(一部飛び石あり)、土のトレイル |
| 難易度 | 初級(スニーカー推奨) |
| 推奨シーズン | 新緑(5月)、紅葉(11月下旬)、夏(涼を求めて) |
| スタート/ゴール | 粟又の滝(バス停)〜ごりやくの湯 |
※所要時間は休憩を含みません。初心者の方は余裕を持って計画してください。
※掲載情報は2025年11月時点のものです。天候や道路状況により変更される場合がありますので、出発前に最新情報をご確認ください。
📍 ルートマップ
ルート上のポイント一覧
| 記号 | ポイント名 | 解説 |
|---|---|---|
| A | 粟又の滝(バス停) | 旅の起点。観光案内所やトイレあり |
| B | 粟又の滝(滝壺) | 房総一の名瀑。幅広の岩盤を滑り落ちる姿は圧巻 |
| C | 千代の滝 | 静寂な分岐瀑。神秘的な雰囲気が魅力 |
| D | 粟又の滝〜県道復帰(=A) | 来た道を戻り、急坂を登って県道へ |
| E | ごりやくの湯(中継点) | 大きな駐車場と温泉施設。金神の滝への入口 |
| F | 金神の滝 | 落差35mの秘境の滝。知る人ぞ知るパワースポット |
| G | ごりやくの湯(=E) | ゴール地点。露天風呂で汗を流して旅の締めくくり |
ルート詳細
※各スポットの実写画像はPhotoACから選定するため、この生成時点では配置していません。
⚠️ 出発前の重要確認事項
- 遊歩道の通行状況:養老渓谷の滝めぐり遊歩道は、崩落等により頻繁に一部通行止めになります。必ず最新情報を大多喜町観光協会公式サイト等で確認してください。
- バスの時刻表:小湊鐵道バスは1日数本のみです。行き・帰り両方の時刻を事前に確認し、余裕のある計画を立ててください。
A: 粟又の滝(バス停)- スタート地点
スタート地点となる粟又の滝バス停周辺には、観光案内所やトイレ、売店が整備されており、旅の準備を整えるのに最適です。ここから「滝めぐり遊歩道」への看板に従って坂を下ります。バス停そばには自販機もあるため、飲み物の補給も可能です。粟又の滝までは約0.3kmの下り坂で、標高差は約40m下がります。ここから千代の滝まで約0.8km、最終的にごりやくの湯まで3.6kmの行程が始まります。
B: 粟又の滝 - スタート地点から約0.3km地点
房総一の名瀑として名高い粟又の滝は、幅約30mの岩盤を滑り落ちる水流が圧巻の美しさを誇ります。滝壺周辺は記念撮影スポットとして人気で、特に紅葉シーズンには多くの観光客で賑わいます。川沿いには休憩施設はありませんが、岩場に腰かけて休憩することができます。ここから下流の千代の滝まで約0.5km、遊歩道を進みます。水量が多い時期は水しぶきで足元が滑りやすくなるため注意が必要です。
C: 千代の滝 - スタート地点から約0.8km地点
賑やかな粟又の滝から約500m下流にある静寂な分岐瀑で、遊歩道から少し奥まった場所に位置しています。粟又の滝とは対照的な神秘的な雰囲気が魅力で、訪れる人も比較的少なく、静かに自然を楽しめるスポットです。ここで渓谷沿いの遊歩道は終点となり、来た道を戻ります。標高差はほぼなく平坦な道のりですが、飛び石や木製の橋があるため、雨天時や増水時は特に足元に注意してください。粟又の滝まで戻るのに約0.5kmです。
D: 粟又の滝〜県道復帰 - スタート地点から約1.6km地点
千代の滝から粟又の滝まで戻り、今度は来た道を登って県道へ復帰する区間です。約0.8kmの登り返しで標高差は約40m上がるため、この区間が最も体力を使います。舗装された道ですが、かなりの急勾配で息が切れます。無理をせず、ゆっくりペース配分を心がけてください。県道に出たら、上流にある「ごりやくの湯」まで約1.0kmの道路歩きとなります。交通量はそれほど多くありませんが、歩道が狭い箇所もあるため、車の通行には注意が必要です。
E: ごりやくの湯(中継点)- スタート地点から約2.6km地点
大きな駐車場と温泉施設があるエリアで、ルートの中継地点として重要な役割を果たします。ここでトイレを借り、自販機で水分補給ができるほか、レストランも併設されています。施設の敷地奥にある「金神の滝」への遊歩道入口があり、ここから最後の見どころへ向かいます。金神の滝まで約0.5km、標高差は約15m上がる緩やかな登りです。帰りはここがゴール地点となるため、温泉の営業時間を事前に確認しておくことをおすすめします。
F: 金神の滝 - スタート地点から約3.1km地点
施設の裏手、森の中を進んだ先にある落差35mの滝で、粟又の滝とは対照的な「縦に落ちる」力強い滝です。知る人ぞ知るパワースポットとして地元の人々に愛されており、観光客も比較的少なく静寂に包まれています。遊歩道は整備されていますが、森の中の土のトレイルとなるため、雨上がりは滑りやすく注意が必要です。金神の滝は基本的にはごりやくの湯の敷地を通りますが、散策は可能です(見学の際はフロントに一言声をかけると安心)。ここから最終目的地のごりやくの湯まで約0.5km、同じ道を戻ります。滝の迫力を十分に味わったら、温泉でのリラックスタイムが待っています。
G: ごりやくの湯 - ゴール地点(スタート地点から約3.6km地点)
トレッキング終了の最終地点です!約2時間の行程を終えて、露天風呂で汗を流し、房総の山の幸を楽しむ食事も可能です。施設内には休憩スペースもあり、疲れた体をゆっくりと癒すことができます。
【重要】帰りのバスについて:小湊鐵道の路線バスは「ごりやくの湯」の目の前には停まりません。バス停「粟又の滝」まで徒歩約15〜20分(約1.2km)戻る必要があります。湯冷めしないよう、時間に余裕を持って行動してください。タクシーを呼ぶ場合は、温泉施設のフロントで手配をお願いできます。
見どころ・魅力
このルートの最大の魅力は、個性の異なる3つの滝を一度に楽しめることです。粟又の滝は幅広の岩盤を滑り落ちる「横の美しさ」、千代の滝は分岐した水流が織りなす「静寂の美」、金神の滝は35mの落差を誇る「縦の迫力」と、それぞれが全く異なる表情を見せてくれます。
養老渓谷の渓谷美も見逃せません。清流に沿って歩く遊歩道では、川のせせらぎを聞きながら森林浴を楽しめます。特に紅葉シーズン(11月下旬)は、モミジやカエデが鮮やかに色づき、滝と紅葉のコラボレーションは息をのむ美しさです。新緑の季節(5月)も、鮮やかな緑が渓谷を彩り、清涼感あふれる風景を堪能できます。
そして何より、ゴールが温泉施設という点が初心者には嬉しいポイントです。トレッキングで汗をかいた後、すぐに露天風呂でリフレッシュできるため、「歩いた後の楽しみ」があることで最後まで頑張れます。温泉からの景色も素晴らしく、一日の疲れを癒すのに最適です。
季節ごとの楽しみ方
新緑の季節(5月)は、養老渓谷が最も爽やかな表情を見せる時期です。鮮やかな緑に包まれた渓谷では、川のせせらぎと鳥のさえずりが心地よく、森林浴効果を最大限に感じられます。気温も穏やかで歩きやすく、初心者には最もおすすめのシーズンです。
夏の涼(6月〜8月)を求める時期には、渓谷の天然クーラー効果を体感できます。都心部より5〜7度も気温が低く、滝のマイナスイオンで暑さを忘れられます。ただし、湿度が高く汗をかきやすいため、こまめな水分補給と着替えの準備が必要です。
紅葉シーズン(11月下旬)は、養老渓谷が一年で最も美しく輝く時期です。モミジ、カエデ、イチョウなどが鮮やかに色づき、滝と紅葉の絶景を楽しめます。この時期は観光客が最も多くなるため、早朝出発がおすすめです。朝の光に照らされた紅葉は格別の美しさです。
休憩・トイレ情報
🚻 【最重要】トイレのタイミング
このルートにおけるトイレの鉄則は「スタート地点で必ず済ませること」です。渓谷に降りると、約2時間後のゴール地点までトイレは一箇所もありません。
粟又の滝バス停(スタート地点・0km地点)
ここが最後の砦です。観光案内所横に公衆トイレがあります(水洗、清掃されていますが念のためトイレットペーパー持参推奨)。これより先、渓谷に降りると、ごりやくの湯(ゴール地点)まで約2時間、トイレは一箇所もありません。自販機と売店もここで利用可能です。
遊歩道・滝壺エリア(0.3〜0.8km地点)
観光客が多いエリアですが、トイレは一切ありません。景観保護のため、施設は設置されていません。「粟又の滝は観光地だからトイレがあるだろう」と誤解しやすいポイントですが、滝壺周辺にはトイレも自販機もないため、必ずスタート地点で準備を完了させてください。休憩は岩場で可能ですが、増水時は近づかないよう注意してください。
県道復帰〜ごりやくの湯への道路区間(1.6〜2.6km地点)
粟又の滝から県道へ登り返す急坂(標高差約40m)は息が切れる区間です。ゆっくりペースで休憩しながら登りましょう。この区間もトイレはありません。県道歩きは交通量が少ないですが、歩道が狭い箇所もあるため車に注意してください。
ごりやくの湯(ゴール地点・2.6〜3.6km地点)
温泉施設内に清潔なトイレ(ウォシュレット完備)があります。基本的には入館者向けですが、フロントに一声かければ利用可能です。ハイキングの汚れを落としてから利用しましょう。館内にはレストラン、自販機、休憩スペースも完備されており、ルート中で最も充実した休憩施設です。
アクセス情報
【行き】小湊鐵道「養老渓谷駅」からバス「粟又の滝」行きで約15分、終点下車。バスは1日数本の運行のため、事前に時刻表の確認が必須です。養老渓谷駅までは、JR内房線「五井駅」で小湊鐵道に乗り換え、約1時間の乗車となります。のどかな田園風景を楽しみながらの電車旅も魅力の一つです。
【帰り】小湊鐵道の路線バス「養老渓谷駅」行きは、「粟又の滝」バス停から発車します。「ごりやくの湯」の目の前にはバス停がないため、「粟又の滝」バス停まで徒歩約15〜20分(約1.2km)戻る必要があります。本数が少ないため、到着時に必ず時刻表を確認してください。最終バスの時刻も要チェックです。バスが合わない場合は、温泉施設のフロントでタクシーを手配してもらえます(料金は約2,000〜3,000円程度)。
【車でのアクセス】スタート地点の粟又の滝周辺とゴール地点のごりやくの湯の両方に駐車場があります。おすすめは「粟又の滝」に駐車してスタートし、ゴール後に「粟又の滝」バス停まで戻ってくるルートです(バス停まで戻る必要があるため、車の回収も兼ねられます)。もしくは、ゴール地点のごりやくの湯に停めてタクシーでスタート地点へ向かう方法もあります。駐車料金は施設により異なるため、事前に確認することをおすすめします。
装備・持ち物
必須装備
- トレッキングシューズ(滑りにくいソールのもの推奨)
- バックパック(15-20L程度)
- 飲料水(1L程度)
- 行動食(おにぎり、パンなど)
- レインウェア(上下セパレート)
- 地図・スマートフォン(GPS機能)
- 救急セット(絆創膏、消毒液など)
推奨装備
- トレッキングポール(膝への負担軽減)
- タオル・手ぬぐい
- 予備の着替え(温泉利用時)
- 日焼け止め・帽子
- 虫除けスプレー(春〜秋、特にヤマビル対策)
- カメラ(防水性能があると安心)
- トイレットペーパー(公衆トイレ用)
🩸 ヤマビル対策(重要)
5月〜10月頃、特に雨上がりは、養老渓谷の湿った遊歩道や千代の滝周辺でヤマビルが出ることがあります。足元の肌を出さない服装(長ズボン、靴下を履く)で、市販の忌避剤(ディート入り)があると安心です。靴下の上からスプレーしておくと効果的です。
季節別の服装アドバイス
| 季節 | 推奨服装 | 注意点 |
|---|---|---|
| 春(3-5月) | 長袖シャツ、薄手のフリース | 朝晩は冷え込むため防寒着必須 |
| 夏(6-8月) | 速乾性Tシャツ、薄手の長袖 | 虫除け対策と水分多めに |
| 秋(9-11月) | 長袖シャツ、中厚手のフリース | 気温変化が大きいため重ね着推奨 |
| 冬(12-2月) | ベースレイヤー、厚手のフリース | 日没が早いため早めの出発を |
注意事項・安全対策
危険箇所・注意ポイント
- B→C区間の遊歩道:渓谷沿いの遊歩道は増水時に滑りやすくなります。雨天時や雨の翌日は特に注意が必要です。
- 飛び石箇所:川を渡る飛び石は濡れると非常に滑りやすいため、慎重に足を運んでください。
- 急坂区間(D地点):県道への登り返しは約40mの標高差があり、体力的にきつい箇所です。無理をせずペース配分を。
天候による注意点
⚠️ 重要な注意事項
- 雨天時:路面が滑りやすくなります。特に岩場・遊歩道は要注意。
- 増水時:川沿いの遊歩道が通行できなくなる場合があります。
- 台風接近時:通行止めになる可能性。自治体HPで事前確認を。
- 積雪時:冬季は凍結の危険があるため、十分な装備が必要です。
緊急連絡先
| 警察(事故・遭難) | 110 |
| 消防・救急 | 119 |
| 大多喜町役場 | 0470-82-2111 |
| 夷隅警察署 | 0470-62-0110 |
よくある質問(FAQ)
Q: 初心者でも歩けますか?
A: はい、初心者の方でも十分歩けるコースです。総距離3.6km、所要時間2-2.5時間と比較的短く、特別な登山技術は不要です。ただし、滑りやすい箇所があるため、トレッキングシューズの着用を強くおすすめします。靴選びに迷ったら「ローカット登山靴の選び方」や「ミッドカット登山靴の選び方」を参考にしてください。
Q: トイレはどこにありますか?
A: スタート地点(粟又の滝バス停)とゴール地点(ごりやくの湯)にあります。渓谷沿いの遊歩道(B→C区間)にはトイレがないため、事前の利用が重要です。
Q: 温泉の営業時間は?
A: ごりやくの湯の営業時間は10:00〜20:00(最終受付19:30)です。定休日や営業時間の変更がある場合があるため、事前に公式サイトで確認することをおすすめします。
Q: 紅葉の見頃はいつですか?
A: 養老渓谷の紅葉は11月下旬〜12月上旬が見頃です。特に11月20日〜30日頃が最も美しく色づく時期とされています。この時期は観光客が多いため、早朝の出発がおすすめです。
Q: 雨天時でも歩けますか?
A: 小雨程度なら歩行可能ですが、本格的な雨の場合は中止をおすすめします。渓谷沿いの遊歩道は滑りやすく、増水の危険もあります。天気予報を事前に確認し、無理な行動は避けてください。
Q: 所要時間にはどんな内容が含まれますか?
A: 表示されている2.0-2.5時間は純粋な歩行時間です。各滝での休憩・撮影時間、温泉入浴時間は含まれていません。余裕を持って半日程度の時間を見込んでおくことをおすすめします。
まとめ
養老渓谷の3滝めぐりコースは、初心者から中級者まで楽しめる、バランスの取れたトレッキングルートです。総距離3.6km、累積標高差110mという手頃な規模でありながら、粟又の滝、千代の滝、金神の滝という個性豊かな3つの名瀑を一度に楽しめる贅沢なコースとなっています。
特におすすめしたいのは、ゴールが温泉施設という点です。トレッキングで心地よい疲労感を味わった後、すぐに露天風呂でリフレッシュできるため、「歩く楽しみ」と「癒しの時間」の両方を満喫できます。これにより、体力に不安のある方や温泉好きの方にも強くおすすめできるルートです。
季節ごとの魅力も見逃せません。新緑の5月、涼を求める夏、紅葉が美しい11月下旬と、一年を通じて異なる表情を楽しめます。アクセスも良好で、小湊鐵道での電車旅も含めて一日のレジャーとして計画できるのが魅力です。
ただし、渓谷沿いの遊歩道は増水時に滑りやすくなるため、天候の確認は必須です。また、バスの本数が限られているため、時刻表の事前確認と余裕のある行程計画を心がけてください。適切な準備と安全への配慮があれば、房総半島の自然の恵みを存分に味わえる、素晴らしいトレッキング体験となるでしょう。