ユーシン渓谷ハイキングの魅力|神秘の“ユーシンブルー”を目指して
神奈川・丹沢の奥にひっそりと横たわるユーシン渓谷は、「丹沢の秘境」とも呼ばれる人気スポット。最大の見どころは、透き通った水がエメラルドブルーに輝く「ユーシンブルー」です。玄倉ゲートから玄倉林道(げんくらりんどう)を歩いて、ユーシンブルーが見られる玄倉ダムを目指す往復コースは、急登がなく初心者にもやさしい林道歩き。この記事では、関東近郊|夏に涼しい沢沿い登山コース6選の中からユーシン渓谷を、ルート・見どころ・アクセス・最新の通行状況の確認先までまとめて紹介します。
ただし、この林道は崩れやすく通行止めが頻発することでも知られ、真っ暗なトンネルを抜ける区間もあります。“ゆるハイク”でありながら準備は少し入念に、が正解のコースです。

ルート概要|玄倉ゲート発着・玄倉ダム往復 約12km
| 距離 | 往復 約12km(玄倉ゲート〜玄倉ダム) |
| 累積標高差 | 約300m(急登のない、ゆるやかな林道歩き) |
| 難易度 | 初心者向け(危険箇所は少ないが、往復約12kmと距離は長め) |
| 所要時間 | 往復 約4.5〜6時間(休憩・撮影を含む) |
| スタート/ゴール | 玄倉ゲート(ユーシン渓谷駐車場)※往復 |
| アクセス | 富士急モビリティ 新松田駅→玄倉 約60分・1,030円。林道は車両・自転車の通行不可(徒歩のみ) |
| ベストシーズン | 春〜秋(晴れた日ほどユーシンブルーが映える)。梅雨〜盛夏はヒルに注意 |
| 通行状況 | 崩れやすく通行止めが頻発。出発前に必ず最新情報を確認 |
⚠️ 行く前に必ず最新の通行状況を確認してください。玄倉林道は落石・倒木・崩落で予告なく通行止めになることが多い地域です。玄倉ダムのさらに奥(ユーシンロッジ〜熊木ダム方面)は、時期により歩行者も通行止めになっています(本記事の本線は玄倉ダム往復)。最新情報は神奈川県(管内林道の通行止め)・西丹沢ビジターセンターでご確認を。ゲートは安全管理のため予告なく閉鎖されることもあります。
見どころガイド|玄倉ゲートからユーシンブルーへ、番号順に
1玄倉ゲート(ユーシン渓谷駐車場)|ここから徒歩でスタート

スタートは玄倉(げんくら)の林道ゲート。無料駐車場があり、近くの丹沢湖ビジターセンターにトイレも。ここが実質的な起点です。この先は林道が続きますが、一般車両・自転車は通行できず、徒歩のみ。道中とゴールにトイレはないので、ここで済ませておきましょう。玄倉川のせせらぎを聞きながら、平坦な林道を歩き始めます。

2トンネル群|真っ暗な隧道はヘッドライト必携

玄倉林道の名物が、いくつも現れるトンネル(隧道)。境隧道・新青崩隧道・石崩隧道などが連続し、中には照明のない真っ暗なトンネルや、内部でカーブしていて出口が見えないものもあります。ヘッドライト(または懐中電灯)は必携。足元には水たまりや落石もあるので、明かりで確認しながらゆっくり進みましょう。ちょっとした探検気分が味わえる区間です。
3玄倉ダム|エメラルドに輝く“ユーシンブルー”

トンネルを抜けて進むと、いよいよ玄倉ダム。ダム湖の水が、光の加減で吸い込まれそうなエメラルドブルーに染まります。これが「ユーシンブルー」。晴れた日の日中が最も美しく、曇りや雨後・放水時は色がくすんで見えにくいこともあります。水辺は足場が悪い箇所もあるので、無理に近づかず、橋の上などから安全に眺めましょう。ここが本線の折り返し地点です。
4さらに奥へ(ユーシンロッジ〜熊木ダム)|最奥のベストビューは通行止めに注意
玄倉ダムのさらに奥、ユーシンロッジを経て熊木ダムまで足を延ばすと、より濃いユーシンブルーのベストビューが待っています。ただしユーシンロッジより先(熊木ダム方面)は、崩落などで歩行者も通行止めになっていることが多い区間です。行けるかどうかは時期により変わるので、最奥まで狙う場合は必ず事前に神奈川県・西丹沢ビジターセンターで最新の通行状況を確認してください。無理せず、玄倉ダムまでで十分にユーシンブルーは楽しめます。
アクセス|バスと車、そして“徒歩のみ”のルール
公共交通:小田急・新松田駅から富士急モビリティ(旧・富士急湘南バス)の西丹沢ビジターセンター行きで「玄倉」バス停下車(約60分・1,030円)。本数が少ないので、往復の時刻を必ず事前に確認しましょう。
車:東名・大井松田ICから玄倉方面へ。玄倉周辺に駐車場があります。
徒歩のみのルール:玄倉林道は一般車両も自転車も通行禁止で、ゲートから先は徒歩のみ。往復約12kmを歩く前提で計画してください。
注意点|安全に楽しむために
- 通行止めが頻発する地域です。落石・倒木・崩落・工事で予告なく通行止めになることが多く、出発前に神奈川県(管内林道の通行止め)・西丹沢ビジターセンターで最新情報を必ず確認しましょう。
- トンネルはヘッドライト(懐中電灯)必携。照明のない真っ暗な隧道があり、足元の水たまり・落石にも注意が必要です。予備電池もあると安心。
- ヒルに注意。丹沢は梅雨〜夏の雨後や沢際でヤマビルが出ます。塩・忌避スプレーや、足元の対策をしておくと安心です。
- 携帯電話が圏外のエリアが多く、道中・終点に水場・自販機はありません。飲み物は1.5L以上持参を。
- ユーシンブルーは天気次第。晴れた日中がベストで、雨後や放水時・曇天はブルーが見えにくいことがあります。
ユーシン渓谷歩きを快適にする装備
“ゆるハイク”ですが、真っ暗なトンネル・長い林道・変わりやすい天気に備えたい環境です。まずヘッドライトは必携(トンネル用)。加えて、濡れた路面でも滑りにくい登山靴、天候変化に備えるレインウェア、水分を無理なく運べる日帰りザックがあると安心です。走り出す…もとい歩き出す前に、こちらの装備ガイドもチェックしておきましょう。
まとめ|秘境のユーシンブルーへ、準備を整えて
ユーシン渓谷は、急登のない林道歩きで“丹沢の秘境”とユーシンブルーを味わえる、初心者にもうれしいコース。一方で、真っ暗なトンネルや通行止めの多さなど、事前準備がものをいう場所でもあります。ヘッドライトと最新の通行情報、そして水と時間に余裕を持って、神秘のブルーに会いに行きましょう。
他の沢沿い登山コースもあわせてチェックするなら、関東近郊|夏に涼しい沢沿い登山コース6選へ。川苔山・百尋ノ滝など、涼しい沢沿いルートをまとめています。



「ユーシン」って、なんだか不思議な響きですよね。じつは名前の由来には諸説あって、有力なのは「湧津(ゆうしん)」説。かつてこの谷の森林管理人が「谷深くして、水勢勇まし」——深い谷に水が勢いよく湧く様子から名づけた、と言われています。ほかにも、旧小田原藩士の「有信会」に由来するという説や、「友信(とものぶ)」という人の名にちなむ説も。あのエメラルドの水を眺めていると、個人的には“水が湧く”説がいちばんしっくりくる気がします。