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関東近郊|夏に涼しい沢沿い登山コース6選

七ツ釜五段の滝
夏の暑さをしのぎながら自然を満喫できるのが、沢沿いを歩く登山コースの魅力です。本記事では、関東近郊で初心者から中級者まで楽しめる沢沿いルートを厳選紹介。ひんやりと涼しい空気と澄んだ水の音を感じながら、時には水遊びもできるおすすめスポットをまとめました。都心からのアクセスも良く、日帰りで行けるコースばかりです。
目次
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奥多摩・川苔山|百尋ノ滝を目指す沢沿いルート(中級)

涼やかな沢音と緑に包まれた前半、展望と静寂に浸る後半。
奥多摩の名峰・川苔山(川乗山)を川乗橋から登り、鳩ノ巣駅へと下るこの縦走ルートは、変化に富んだ景観が魅力。ハイライトはやはり落差40mの名瀑「百尋ノ滝」。真夏でも滝壺付近はひんやりと涼しく、まさに“天然クーラー”の恩恵が味わえます。

※このマップは位置関係の参考用に、主な地点のみ表示しています。実際の登山ルートは必ず登山地図をご確認ください。

記号地点名主な特徴・補足
川乗橋(バス)スタート地点。奥多摩駅から西東京バスで約15分。トイレなし。
川苔山 登山口(細倉橋)沢沿いの登山道スタート地点。バイオマストイレあり。
百尋ノ滝(滝壺近くまで行ける絶景スポット)落差40mの名瀑。滝壺周辺は涼感たっぷり。避暑に最適。
川苔山(山頂)標高1,363m。奥多摩・雲取山・富士山の展望が広がる。
大根山ノ神林道との合流点。ここから舗装路へ。杉林を抜けてゆるやかな下山へ。
鳩ノ巣駅(JR青梅線)ゴール地点。トイレ・自販機あり。帰路アクセス良好。

ざっくり見どころ

道中に立ち寄れる見どころスポットを、写真でざっくりご紹介します。

出典:funq.jp
スタートは川乗橋バス停
出典:ohtama.or.jp
百尋ノ滝
出典:tozan-diary.com
川苔山の山頂
出典:tokyo-tozan.com
大根山ノ神
出典:yama-log.info
ゴールはJR鳩ノ巣駅

コース概要

項目内容
ルートタイプ沢沿い → 急登 → 稜線 → 下山の縦走コース(片道)
距離の目安約12.5km(川乗橋 → 川苔山 → 鳩ノ巣駅)
所要時間約5時間40分(登山計画書上の標準タイム)※休憩・写真タイム含めると6〜7時間を想定
累積標高差上り:約1,050m/下り:約1,000m
最高地点川苔山 山頂(標高1,363m)
難易度★★★★☆(中級:急登・読図・滑りやすい箇所あり)
路面状況・前半:沢沿いの山道+木橋多数・中盤:つづら折れ+急登の尾根道・後半:林道+舗装路あり
スタート地点川乗橋バス停(奥多摩駅からバス15分)
ゴール地点鳩ノ巣駅(JR青梅線)
主な見どころ百尋ノ滝/沢沿いの渓谷美/川苔山山頂の展望
水場横ヶ谷沢・舟井戸にあり(※枯れる可能性あり)
トイレ登山口(細倉橋)、鳩ノ巣駅にあり
アクセス情報●行き:奥多摩駅 → 川乗橋(西東京バス)●帰り:鳩ノ巣駅 → 青梅線で奥多摩方面 or 都心へ
ベストシーズン6月〜9月(滝&沢沿いが快適な夏向き)
おすすめ装備登山靴/トレッキングポール/水2L以上/虫除け/地図アプリ+紙地図(読図力あると◎)

Tips & 注意点

  • 百尋ノ滝までなら初心者でも十分対応可能(ピストンで折り返す人も多数)

  • 滝以降は斜度が急になる+分岐があるため、「中級者以上」または読図スキルがある人向け

  • 雨の翌日や増水時は滑りやすく危険なので注意

丹沢・ユーシン渓谷|神秘のエメラルドブルーを満喫(初心者)

「ユーシンブルー」と呼ばれる透明感あふれる青い沢を目指して、林道をゆったり歩く涼感ルート。
アップダウンはほとんどなく、道幅も広め。登山というより“のんびり長めのハイキング”といった感じで、夏の初心者デビューにもぴったりです。

途中には、ライト必須の真っ暗トンネルや、川の近くに寄れる小スポットもあり、自然の中のちょっとした冒険気分も味わえます。

※このマップは位置関係の参考用に、主な地点のみ表示しています。実際の登山ルートは必ず登山地図をご確認ください。

記号地点名主な特徴・補足
玄倉駐車場スタート地点。無料駐車場あり。トイレも設置されている
境隧道最初のトンネル。比較的短いがライトがあると安心
石崩隧道真っ暗で長めのS字型トンネル。ヘッドライト必携ポイント
玄倉ダムユーシンブルーの入り口的存在。静かな水面と渓谷が印象的
ユーシン渓谷清流と渓谷美が広がるエリア。一部に水辺へ近づける場所もあるが、足場には注意が必要
熊木ダム神秘の「ユーシンブルー」ベストビュー地点。橋の上からの眺めが絶景!

ざっくり見どころ

道中に立ち寄れる見どころスポットを、写真でざっくりご紹介します。

出典:runtrip.jp
スタートは玄倉駐車場、バス停も近い
出典:nobuhito.com
石崩隧道
出典:pref.kanagawa.jp
玄倉ダム
熊木ダム
出典:PhotoAC
熊木ダム
出典:yama-log.info
ゴールも玄倉駐車場

コース概要

項目内容
ルートタイプ林道メインのピストン(玄倉駐車場 ⇄ 熊木ダム)
距離の目安約12.3km〜14km(往復)
所要時間約4時間30分〜5時間(休憩・写真含めて5〜6時間を想定)
累積標高差約300〜350m(※YAMAP上は800m前後表示あり、実測では300m程度)
難易度★★☆☆☆(初心者OK。長めの行程だが危険箇所は少ない)
路面状況舗装・未舗装の林道が中心/落石箇所や水たまりあり/急登はなし
スタート地点玄倉駐車場・玄倉バス停(トイレあり)
ゴール地点熊木ダム(折り返しポイント)
見どころユーシンブルー/熊木ダム/長いトンネル/沢沿いの風景
トイレスタート地点(玄倉)にあり。道中・終点にはなし
アクセス情報●小田急・新松田駅 → 富士急湘南バスで約60分●バスは「西丹沢ビジターセンター」行き/「玄倉」バス停で下車
ベストシーズン6〜9月(晴天時が特におすすめ)※雨天後や曇天時はブルーが見えにくいことも
必要装備ヘッドライト or 懐中電灯(トンネル用)歩きやすい靴(登山靴でなくても可)飲料水1.5L以上/帽子・虫除け/念のためヒル対策も◎

Tips & 注意点

  • ヒル注意(特に6〜7月の雨後や沢際)

  • ダム放水・雨の影響でブルーが見えにくいことも(透明度は天気次第!)

  • 水場・自販機なし。飲み物は1.5L以上推奨

  • 「登山」というより“舗装のない長めのウォーキング”。軽装でOKだが距離はあるので油断は禁物

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秩父・武甲山|沢登り気分が味わえる清流コース(中級)

独特の石灰岩の山容が目を引く秩父・武甲山は、実は沢沿いの清流コースも楽しめる穴場的存在です。特に人気なのが、一の鳥居登山口から大持山を経由するルートで、前半は沢沿いをじっくり歩けるのが魅力。夏場はひんやりと冷たい沢の流れが常にそばにあり、途中の水場や小さな滝では足を浸してクールダウンもできます。

このルートは標高差約900m、全行程約10kmで、しっかりとした登山装備が必要な中級者向け。コース後半は急登が続き、武甲山の山頂からは秩父の街並みと山々の絶景が広がります。沢沿いは前半のみですが、夏の序盤で身体を冷やしながら歩けるので、暑さ対策としては最適。

特筆すべきは、沢の透明度の高さ。晴れた日は光が反射してきらきらと輝き、自然の美しさを肌で感じることができます。途中には水場が複数あり、補給も安心です。ただし、水遊びをする際は滑りやすい岩場があるので、シューズや服装には十分注意してください。筆者は川に入水してそのまま川の水を飲んだことがあります。その後ベテランの同行者に怒られたことは言うまでもありません

アクセスは西武秩父駅からバスで約20分+徒歩で登山口へ。秩父観光と組み合わせて、自然を満喫できる1日コースとしてもおすすめです。

武甲山はその名に恥じず無骨な外観である

山梨・西沢渓谷|日本屈指の滝と渓谷美を堪能(初心者)

「日本の滝百選」にも選ばれた七ツ釜五段の滝をはじめ、渓谷美で有名な山梨・西沢渓谷は、夏の涼スポットとして圧倒的な人気を誇ります。標高約1,100mの高地にあるため、真夏でも比較的涼しく、沢沿いをぐるりと一周するコースはまさに自然の冷房。滝や淵が連続する美しいルートで、常に水の音を聞きながら歩けるのが魅力です。

コースは約10km・所要時間は4時間半ほどで、アップダウンはあるものの、初心者向けとしても安心して歩ける整備された道が特徴。特におすすめは七ツ釜五段の滝展望台で、ここからの眺めは迫力満点!沢沿いの道には何カ所か水辺に降りられるポイントがあり、足を浸して涼むこともできます。

ルートは周回コースになっており、行きは沢沿い、帰りは森林浴を楽しめる遊歩道。夏場は新緑と水のコントラストが美しく、撮影スポットも豊富です。なお、滑りやすい箇所もあるので、トレッキングシューズは必須。また、ハイシーズンは混雑するため、朝早いスタートがおすすめです。

アクセスはJR山梨市駅からバスで約60分。日帰りで大満足できる、初心者に特におすすめの爽快コースです。

七ツ釜五段の滝
七ツ釜五段の滝は思わず歓声をあげたくなる美しさ

奥多摩・三頭山|ブナ林と沢が美しい周回コース(初心者)

東京都奥多摩のもう一つの名山、三頭山は、ブナ林と沢の美しさが光る夏のおすすめコースです。特に人気なのが、「都民の森」からスタートして歩く周回コース。標高約1,500mの高地にあり、夏でも爽やかな風が感じられ、沢沿いの小径が続くため、暑い時期でも快適に歩けます。

コース序盤の見どころは、三頭大滝。滝見橋から眺める約33メートルの滝は迫力満点で、ひんやりとした空気に包まれます。滝周辺には木道や階段が整備されており、沢のすぐ近くまで降りることができるポイントもあるので、水の音と涼感をたっぷり楽しめます。その後はゆるやかなブナ林の道を歩きながら山頂を目指すため、木陰が多く、直射日光を避けて歩けるのも嬉しいポイントです。

全体の距離は約7km、標高差は500mほどで、登山初心者でも安心。歩きごたえも適度で、奥多摩の自然を満喫できます。道中には無料の水場もあるので、熱中症対策としてもありがたいですね。

アクセスはJR武蔵五日市駅からバスで約75分。整備が行き届いていて安心感が高く、初心者の夏山デビューにもぴったりなコースです。

三頭大滝。滝はずっとみていても飽きない

番外編:静岡・天城山ループコース|苔と沢が織りなす幻想世界(中級)

関東近郊から少し足を延ばしたい方におすすめなのが、静岡・天城山のループコース(周回コース)。日本百名山にも選ばれている名峰で、夏は深い森と沢が織りなす幻想的な世界が広がります。標高は1,400~1,600mと高く、真夏でもひんやりとした空気が心地よいのが特徴です。

このコースは天城高原ゴルフ場登山口から入り、八丁池を経由してぐるりと一周する約10km・標高差約600mのループ。道中は苔むした樹林帯が続き、所々で小さな沢が流れるポイントがあり、マイナスイオンをたっぷり浴びながら歩けます。特に八丁池周辺は水辺の景色が美しく、池のほとりでひと休みするのもおすすめ。

コースは中級者向けで、滑りやすい箇所もあるためしっかりとした登山装備が必要です。夏でも天候が変わりやすいので、防水ウェアやシューズは必携。沢沿いの道では苔が密生する幻想的な景色が広がり、静けさの中でリフレッシュできること間違いなしです。

アクセスは伊豆急行・伊豆高原駅から登山口までバスで約35分。少し遠出して静岡の自然を満喫したい方にぴったりのコースです。

天城山の原生林倒木の苔
屋久島だけではない、ここにもコダマが住んでいる

まとめ|夏は沢沿い登山でひんやり自然満喫!

夏の登山は暑さとの戦いになりがちですが、沢沿いのコースなら涼しさを感じながら自然を満喫できます。今回は関東近郊でアクセスしやすく、初心者から中級者まで楽しめる6つのおすすめコースを紹介しました。それぞれ個性があり、滝や浅瀬での水遊び、澄んだ沢の音色、苔むした森の癒しなど、夏ならではの魅力がいっぱいです。

どのコースも熱中症や滑りやすさには注意が必要なので、装備は万全に、安全第一で楽しむことが大切。ぜひこの夏、ひんやりと心地よい沢沿いの登山でリフレッシュしてみてください!

FAQ|夏の沢沿い登山でよくある質問

Q1. 夏の沢沿い登山で必要な持ち物は?

通常の登山装備に加えて、速乾性のあるウェア、防水シューズまたは沢用サンダル、タオル、虫除けスプレーがあると安心です。滑りやすい場所があるので、ストックやスパッツもおすすめ。

基本的に足を浸す程度であれば楽しめる場所が多いですが、深い場所への入水や遊泳は禁止されていることが多いです。現地のルールを守って楽しみましょう。
水の中は足場がよく見えないだけでなく、水の流れ上と下で急にが変わっていたりして本当に危ないです。本来ならライフジャケットがあったほうが良いくらいですが、トレッキングには持っていかないと思うので…(実体験)

沢沿いは湿気が多く、夏場は午後に雷が発生しやすい傾向があります。なるべく午前中に下山する計画を立て、天気予報を事前に確認しましょう。

※このブログでは、コースの詳細や見どころをあえて控えめに紹介しています。
はじめてその景色を見たときの「わっ…!」という感動を、できるだけそのまま味わってもらいたいから。
ルートの存在だけ知って、「あとは自分の体験で完成させる」――そんな旅のきっかけになれば嬉しいです。