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関東の紅葉登山、穴場は11月下旬の低山|歩ける道と歩けない道

関東で紅葉登山の穴場を探しているなら、まず時期です。11月下旬の低山は、まだ見頃なのに「もう終わった」と思われていて人が減ります。見頃は標高で決まり、日光の1,100m級は10月下旬、奥多摩は11月中旬、300m以下の低山は11月下旬から12月上旬。関東で最後に色づくのは千葉の養老渓谷です。ただし穴場として紹介されている場所には、遊歩道が通行止めのまま歩けないところもあります。5か所について、いまどこまで歩けるのかを公式情報で確かめました。
目次

「紅葉 穴場」で探している方に、先に結論を書きます。

いちばん簡単な穴場の作り方は、時期をずらすことです。11月下旬の低山は、まだ見頃なのに人がぐっと減ります。「紅葉はもう終わった」と思われているからなんですよね。

もうひとつ、あまり書かれていないことがあります。穴場として紹介されている場所の中には、遊歩道が通行止めのまま何年も経っているところがあります。空いているのではなく、歩けないんです。

この記事では、関東の5か所について「いま、どこまで歩けるのか」を公式の情報で確かめたうえで書いています。行ってから引き返す、を減らせたらと思います。

有名な山が混む時期は、はっきりしている

まず、避けたい側から見ていきます。

関東の紅葉登山でいちばん混むのは、やはり高尾山です。見頃は11月中旬から下旬で、ちょうどもみじまつりの時期と重なります。

このときのケーブルカーが、なかなかすごいことになるんですよね。11月中は40分から60分待ち、もみじまつりの土日は最大180分待ちという予想が出る年もあります。3時間です。

ただ、これは裏を返すと分かりやすい話でもあって、「有名な山の、見頃ど真ん中の土日」を外せば、それだけでかなり変わります。

ずらし方は3つある

  • 時期をずらす…見頃の少し後ろ、11月下旬以降に低い山へ
  • 山をずらす…同じエリアでも、観光地から少し離れた山へ
  • 時間をずらす…どうしても有名どころに行くなら、朝8時台に登り始める

このうちいちばん確実なのは時期をずらすことかなと思います。次の章がその話です。

見頃は標高で決まる

紅葉は「10月から11月」と大きく言われがちですが、実際は標高でかなりはっきり分かれます。

関東の場合、だいたいこうです。

標高 場所の例 見頃の目安
1,100m級 日光・鳴虫山 10月下旬
600〜900m 奥多摩 11月中旬
300m以下 丹沢の低山・房総 11月下旬〜12月上旬

関東でいちばん遅いのは千葉

意外に思われるかもしれませんが、関東で最後に色づくのは千葉の養老渓谷です。見頃は11月下旬から12月上旬。

山の紅葉としては標高がほぼないうえ、房総は海に囲まれていて冷え込みが遅いので、こうなるんですよね。

つまり12月に入ってからでも、関東にはまだ紅葉が残っています。このころには「紅葉の話」自体が終わっている空気なので、人はかなり減ります。

逆に、10月に行くなら日光

10月下旬に紅葉登山をしたいなら、標高1,000mを超える山を選びます。関東だと日光ですね。

ただし日光は観光地でもあるので、いろは坂と中禅寺湖は激しく混みます。同じ日光でも、駅から歩いて登れる山のほうは驚くほど静かです。あとで書く鳴虫山がそれです。

紅葉の見頃は標高で決まる。1100m級の日光は10月下旬、600〜900mの奥多摩は11月中旬、300m以下の低山は11月下旬から12月上旬
低い山ほど、遅く色づきます

「穴場」が空いている理由は、3つある

ここが今回いちばん書きたかったところです。

穴場として紹介されている場所を実際に調べていくと、空いている理由が3つに分かれます。

  1. 時期がずれている…まだ見頃なのに、もう秋が終わったと思われている
  2. 歩けない…遊歩道が通行止めのまま
  3. 駅から遠い…車かタクシーでしか行けない

1番なら、行けば得をします。3番も、車があるなら問題ありません。問題は2番なんですよね。

養老渓谷の遊歩道は、まだ大部分が歩けない

養老渓谷は「紅葉ハイキングの名所」としてよく出てきますが、令和5年の台風13号で遊歩道が壊れて、2026年8月時点でもまだ規制中です。大多喜町の公式ページに区間ごとの状況が出ています。

遊歩道 いま歩ける範囲(2026年8月18日更新)
中瀬遊歩道 共栄橋側から400m先の飛び石手前まで。弘文洞跡は見学できません。観音橋側は不可
滝めぐり遊歩道 粟又の滝の周りだけ。上流側は100m地点で折り返し、下流(小沢又)側は立入禁止
面白峡遊歩道 岩井原側は歩けます(往復約2km)。小沢又側は不可

3年経ってもこの状態です。「養老渓谷を歩く」つもりで行くと、たぶん拍子抜けします。行くなら面白峡の岩井原側、と決めていったほうがいいかなと。

奥多摩の海沢三滝も、一部が通行止めのまま

奥多摩の海沢渓谷(海沢三滝)も、静かな紅葉スポットとしてよく紹介されます。ただ、こちらは2022年4月24日から一部通行止めです。土砂の流入と崩落によるもので、奥多摩ビジターセンターの登山道情報に載っています。

4年以上そのままなんですよね。行く前に必ず最新の区間を確かめてください。

調べるなら、この2か所

  • 奥多摩…奥多摩ビジターセンターの「登山道・道路状況一覧」
  • 養老渓谷…大多喜町の「養老渓谷遊歩道通行規制のお知らせ」

どちらも更新日が書いてあるので、そこを見ます。まとめサイトの「穴場」情報は、更新日が入っていないことが多いです。ここだけは一次情報を見にいったほうが早いかなと思います。

紅葉の穴場が空いている理由は3つ。時期がずれている、通行止めで歩けない、駅から遠い
空いている理由は同じではありません
笑い猫

笑い猫

私が紅葉登山で失敗したのは、いつも「調べ方」のほうでした。

きれいな写真が並んだページを見て、行った気になって出かける。着いてみたら道が閉まっていた、ということが何度かあります。写真は何年も前のものだった、というだけの話なんですよね。

それ以来、行き先を決めたら自治体かビジターセンターのページを一度だけ開くようにしています。更新日を見るだけなので30秒です。この30秒で、往復の移動時間が無駄にならずに済みます。

いま歩ける5か所

ここまでを踏まえて、5か所を「どこまで歩けるか」で並べます。

場所 見頃 歩行時間 アクセス いまの状態
弘法山〜吾妻山
(神奈川・秦野)
11月下旬
〜12月上旬
約2時間10分
7.4km
駅から駅 ふつうに歩けます
鳴虫山
(栃木・日光)
10月下旬
〜11月上旬
約4時間40分 駅から歩けます 歩けます(木の根が多い)
海沢渓谷
(東京・奥多摩)
11月中旬 2〜3時間 駅+バス 一部通行止め
大血川渓谷
(埼玉・秩父)
10月下旬
〜11月中旬
短時間 車・タクシー 歩くより見る場所
養老渓谷
(千葉・大多喜)
11月下旬
〜12月上旬
往復2km程度 車・電車+徒歩 大部分が通行止め

1. 弘法山〜吾妻山(神奈川・秦野)|迷ったらここ

5か所の中で、いちばんおすすめできるのがここです。

秦野駅から歩き始めて、浅間山・権現山・弘法山・吾妻山と小さなピークをつないで、鶴巻温泉駅に下ります。歩行時間は約2時間10分、距離は約7.4km(秦野市観光協会の公式コースガイド)。

いいところを並べると、こうです。

  • 駅から駅で歩けます。車がいらないので、帰りにお酒も飲めます
  • 権現山(244m)の展望台から富士山が見えます
  • 下山してすぐのところに弘法の里湯があります。駅まで徒歩3分
  • 見頃が11月下旬から12月上旬と遅いので、時期をずらす狙いにも合います

正直に言うと、ここは「知られていない山」ではありません。桜と富士山の名所として有名です。ただ紅葉の時期は、桜の季節ほど混みません。そこが狙い目かなと。

あと標高が低いので、寒さの心配もほぼありません。初めて登る方を連れていくなら、ここが安心だと思います。

弘法山〜吾妻山コースの区間タイム。秦野駅から浅間山41分、権現山12分、弘法山14分、吾妻山47分、鶴巻温泉駅16分で合計2時間10分
駅から駅で歩けるのが、いちばん楽です

2. 鳴虫山(栃木・日光)|日光なのに、静か

標高1,104m。日光で「登山」をするならここかなと思います。

おもしろいのは、東武日光駅から歩いて登山口まで行けることです。駅を出て東照宮の方へ向かい、御幸町の交差点を左へ。日光の観光客の流れから、すっと外れていきます。

コースタイムは登り約2時間30分、下り約1時間40分。休憩を入れて4時間40分ほどを見ておくといいです。5か所の中ではいちばんしっかり歩きます。

ただ、ひとつ注意があります。木の根が地面に張り出していて、けっこう歩きにくいんですよね。とくに落ち葉が積もると根が隠れるので、下りは慎重に。

山頂からは男体山と女峰山が見えます。下山して憾満ヶ淵(かんまんがふち)まで足を伸ばすと、麓の紅葉も見られます。

見頃は10月下旬から11月上旬。標高が高いぶん早いので、10月に紅葉登山をしたい方はここです。

3. 海沢渓谷(東京・奥多摩)|行く前に区間の確認を

三つの滝をめぐる道で、苔と紅葉の組み合わせがきれいなところです。ただ、2022年4月24日から一部通行止めが続いています。

土砂の流入と崩落が原因で、2026年8月時点でも解除されていません。奥多摩ビジターセンターの登山道情報で、その日の区間を確かめてから行ってください。

見頃は11月中旬。標高600〜900mの奥多摩は、ちょうどこのくらいです。

正直、ここは「歩き通す」計画を立てると外します。行ける範囲まで行って戻る、くらいの気持ちがちょうどいいかなと。

4. 大血川渓谷・金蔵落し(埼玉・秩父)|歩く場所ではなく、見る場所

秩父の大滝地区にある渓谷で、金蔵落しの渓流が有名です。モミジ、カエデ、ナナカマド、ブナが一気に色づきます。

ここは正直に書くと、登山ではありません。国道140号のわきにあって、短い遊歩道を歩く場所です。

ではなぜ空いているかというと、3番の理由(駅から遠い)です。西武秩父線の三峰口駅からタクシーで約25分。車がないと、ちょっと行きにくいんですよね。

見頃は10月下旬から11月中旬。秩父の他の紅葉スポットと組み合わせて、車で回る日に入れるのがいいかなと思います。

5. 養老渓谷(千葉・大多喜)|関東で最後に色づく

関東でいちばん遅い紅葉がここです。11月下旬から12月上旬。

ただ、さっき書いたとおり遊歩道の大部分が今も通行止めです。粟又の滝は見られますが、滝めぐり遊歩道は滝の周りだけ。中瀬遊歩道も共栄橋側から400mまでです。

それでも行く価値はあると思っていて、理由は2つあります。

  • 12月に入っても紅葉が見られる場所は、関東ではここくらいです
  • 面白峡遊歩道の岩井原側は歩けます(往復約2km)。ここなら「歩いた」感じになります

あと、この時期は老川十字路や粟又の滝あたりでライトアップもあります。歩くというより、ゆっくり見て回る日ですね。

雨の後は川が増水して全面通行止めになることがあるので、前日に雨が降ったら大多喜町観光協会に電話で確認したほうが確実です。

11月下旬の低山は、日が短い

時期をずらすと、ひとつだけ気をつけることが増えます。日没です。

関東の日の入りは、11月下旬でだいたい16時30分ごろ。夏の感覚のまま計画を立てると、下山中に暗くなります。

持っていくもの、3つだけ

  • ヘッドライト…低山でも入れておきます。「使わなかった」で終わるのが正解です
  • 薄い防寒着…歩いていると暑いのに、山頂で止まると急に冷えます。脱ぎ着できる1枚を
  • 滑りにくい靴…落ち葉の下は濡れています。ここがいちばん転びます

落ち葉は、思っているより滑る

紅葉の時期に増えるのが、落ち葉で滑って転ぶことなんですよね。

厄介なのは、落ち葉が下にあるものを隠すところです。濡れた石も、木の根も、段差も見えなくなります。鳴虫山のように根が張り出している山だと、なおさらですね。

スニーカーで歩ける低山でも、紅葉の時期だけはソールが硬めの靴にしておくと安心かなと思います。

行動時間の目安

11月下旬なら、遅くとも15時には下山し始めるくらいの組み方にしておくと余裕があります。

弘法山なら歩行2時間10分なので、10時に歩き始めても十分間に合います。鳴虫山は4時間40分なので、8時台には登り始めたいですね。

11月下旬の関東は日の入りが16時30分。15時には下山を始めるため、歩行2時間10分の山なら10時発、4時間40分の山なら8時発
夏の感覚のままだと、下山中に暗くなります

よくある質問

関東の紅葉登山で、本当に空いている場所はどこですか?

いちばん確実なのは、11月下旬以降の低山です。この時期は「紅葉はもう終わった」と思われているのに、標高300m以下の山はまだ見頃なんですよね。
場所でいうと神奈川の弘法山〜吾妻山がおすすめです。秦野駅から鶴巻温泉駅まで歩行約2時間10分・7.4kmで、駅から駅で歩けます。
ただ「穴場」と紹介されている場所には、遊歩道が通行止めで歩けないだけのところもあります。行く前に公式の情報を確かめてください。

紅葉の見頃はいつですか?

標高でかなりはっきり分かれます。関東だと、1,100m級の日光が10月下旬、600〜900mの奥多摩が11月中旬、300m以下の低山が11月下旬から12月上旬です。
意外かもしれませんが、関東で最後に色づくのは千葉の養老渓谷で、11月下旬から12月上旬。標高がほぼないうえ、房総は海に囲まれていて冷え込みが遅いからですね。
つまり12月に入っても、関東にはまだ紅葉が残っています。

高尾山の紅葉はどのくらい混みますか?

見頃は11月中旬から下旬で、もみじまつりと重なります。
このときのケーブルカーは11月中で40分から60分待ち、もみじまつりの土日は最大180分待ちという予想が出る年もあります。3時間ですね。
どうしても高尾山に行くなら、朝8時台に登り始めるのが現実的です。あるいは平日に。

養老渓谷は今、歩けますか?

大部分が通行止めのままです。令和5年の台風13号で遊歩道が壊れて、2026年8月時点でも規制が続いています。
大多喜町の公式情報によると、中瀬遊歩道は共栄橋側から400m先の飛び石手前まで(弘文洞跡は見学不可、観音橋側は不可)、滝めぐり遊歩道は粟又の滝の周りだけ、面白峡遊歩道は岩井原側のみ往復約2kmです。
歩くつもりで行くなら面白峡の岩井原側と決めていったほうがいいです。雨の後は増水で全面通行止めになることもあります。

海沢渓谷(海沢三滝)は行けますか?

2022年4月24日から一部通行止めが続いています。土砂の流入と崩落が原因で、2026年8月時点でも解除されていません。
行く前に奥多摩ビジターセンターの「登山道・道路状況一覧」で、その日の区間を確かめてください。更新日が書いてあります。
歩き通す計画ではなく、行ける範囲まで行って戻るつもりのほうがいいかなと思います。

11月の登山で、夏と変えるものはありますか?

日没が早いので、そこだけです。関東の11月下旬は、日の入りが16時30分ごろ。夏の感覚で計画を立てると下山中に暗くなります。
持ち物で増やすのは3つ。ヘッドライト(低山でも入れておきます)、脱ぎ着できる薄い防寒着(歩くと暑く、止まると冷えます)、滑りにくい靴です。
とくに落ち葉は下にあるものを隠します。濡れた石も木の根も見えなくなるので、紅葉の時期だけはソールが硬めの靴にしておくと安心です。

10月に紅葉登山をしたいのですが、どこがいいですか?

標高1,000mを超える山を選びます。関東だと日光ですね。
ただしいろは坂と中禅寺湖は激しく混みます。同じ日光でも、東武日光駅から歩いて登れる鳴虫山(1,104m)のほうは静かです。
登り約2時間30分、下り約1時間40分。休憩を入れて4時間40分ほど見ておいてください。木の根が張り出していて歩きにくいので、下りは慎重に。

まとめ

  • いちばん簡単な穴場の作り方は、時期をずらすこと。11月下旬の低山はまだ見頃なのに人が減ります
  • 見頃は標高で決まります。日光1,100m級は10月下旬、奥多摩は11月中旬、低山は11月下旬〜12月上旬
  • 関東で最後に色づくのは千葉の養老渓谷。12月に入っても見られます
  • 穴場が空いている理由は3つ。時期がずれている/歩けない/駅から遠い
  • 養老渓谷の遊歩道は大部分が通行止め(令和5年の台風から3年)。歩けるのは面白峡の岩井原側くらいです
  • 海沢三滝も2022年4月から一部通行止め。奥多摩ビジターセンターで確認を
  • 迷ったら弘法山〜吾妻山。駅から駅で約2時間10分、下山してすぐ温泉です
  • 11月下旬の日の入りは16時30分ごろ。ヘッドライトだけは入れておいてください

紅葉の時期は、どうしても情報が古いまま出回ります。とくに通行止めは、まとめ記事だとまず更新されないんですよね。行き先を決めたら、その自治体かビジターセンターの公式ページを一度だけ開く。これだけで、当日の「あれ、歩けない」がかなり減ると思います。

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