美ヶ原高原|360度の絶景が広がる王ヶ頭ハイク
長野県・松本市と上田市の境に広がる美ヶ原高原(うつくしがはらこうげん)は、標高約2000mの台地状の高原で、夏でも涼しい風が吹き抜ける関東近郊の避暑トレッキングスポットとして人気です。アクセスは松本駅から車で約1時間半。公共交通の場合は夏季限定のバスもあります。
初心者でも安心して歩ける整備されたトレイルが特徴で、特におすすめなのが美ヶ原自然保護センター~王ヶ頭(おうがとう)までの往復コース。片道約3km・所要1時間程度で、標高2000m超の稜線散歩が手軽に楽しめます。途中の美しの塔は記念撮影スポットとしても定番で、雲海や北アルプスの大パノラマが広がることも。
また、王ヶ頭から王ヶ鼻(おうがはな)方面まで足を延ばすと、より展望豊かな縦走気分も味わえます。広大な草原には牛が放牧され、アルプスのような牧歌的な風景も魅力。夏にはレンゲツツジやヤナギランなどの高山植物が咲き、花好きのハイカーにもおすすめです。
気温は真夏でも20℃前後と涼しく、風が強い日は長袖が必要になるほど。日差し対策に加えて、ウィンドブレーカーや軽めの防寒着を持参しましょう。標高が高い分、天気の急変には注意が必要なので、事前に天気予報を確認してから出かけるのが安心です。
アクセスの良さと景観の素晴らしさ、そして手軽さを兼ね備えた美ヶ原高原は、夏に初めて高原トレッキングを体験したい人にぴったりのスポット。自然と涼しさを感じながら、ゆったりと歩けるコースを探している人に強くおすすめできます。

霧ヶ峰|花と風に包まれるビーナスラインの涼歩
霧ヶ峰(きりがみね)は、長野県・諏訪市にある標高約1600〜1900mのなだらかな高原地帯。名前の通り、夏でも涼しい霧や風が気持ちよく、爽やかな空気に包まれながら歩ける人気のトレッキングエリアです。東京都心からもアクセスしやすく、中央道・諏訪ICから車で約40分。公共交通なら茅野駅から夏季運行のバスを利用可能です。
おすすめは「車山肩〜車山〜蝶々深山〜八島ヶ原湿原へと抜ける縦走トレイル」。初心者にも歩きやすい緩やかな道が多く、全体で約8km・3〜4時間のコースとなっています。最初の車山(1925m)からは、南アルプスや八ヶ岳、富士山までも望む大展望が広がり、早朝なら雲海も期待できます。
コース中には、ニッコウキスゲやマツムシソウなど高原の花々が咲き誇り、花散歩気分で楽しめるのも霧ヶ峰の魅力。特に7月中旬〜8月上旬はニッコウキスゲの見頃で、多くのハイカーが訪れるシーズンです。木道や湿原、開けた丘など変化に富んだ風景も飽きさせません。
風が強い日が多く、体感気温は思った以上に低め。長袖と防風ジャケットは必携です。また、日差しも強いため、帽子とサングラスもあると快適に歩けます。
トレッキング後は、すぐ近くの霧の駅や白樺湖エリアで地元グルメや温泉も楽しめます。ビーナスライン沿いには展望スポットやカフェも多く、ドライブとの組み合わせも◎。
アクセスの良さ、歩きやすさ、そして何よりも風と花の美しさに癒される霧ヶ峰は、涼しさと自然を一度に楽しみたい初心者〜中級者にぴったりの高原トレイルです。

八ヶ岳・北横岳|ロープウェイで手軽に涼しい稜線へ
八ヶ岳連峰の一角にある「北横岳(きたよこだけ)」は、標高2480mという高地ながら、ロープウェイで標高2237mの山頂駅まで一気に上がれるため、初心者でも挑戦しやすい“お得感”のある高山トレッキングコースです。場所は長野県茅野市、アクセスは中央道・諏訪ICから車で約60分。公共交通では茅野駅からのバスとタクシーを利用します。
登山口となるのは「北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅」。ここから山頂までは往復約2時間の登山道が整備されており、ゆっくり歩いても半日あれば十分に楽しめます。登りはやや急な石段もありますが、道幅が広く歩きやすいのが特徴。途中には天然の苔に覆われた「坪庭」と呼ばれる溶岩台地が広がり、幻想的な景観と涼しげな森の空気が最高の癒しを与えてくれます。
山頂に到達すると、北アルプス、南八ヶ岳、蓼科山、浅間山までも望む大パノラマが登山者を迎えてくれます。夏でも涼しい風が吹き抜け、真夏でも気温は15〜20℃程度。登山というより高原ハイクの延長として楽しめる、まさに「涼」を求めるトレッカーにぴったりのスポットです。
また、時間と体力に余裕があれば、山頂から南側の三ツ岳や雨池山方面へと縦走してみるのもおすすめ。苔むす森や静かな山道が続き、北八ヶ岳の自然を深く堪能できます。
トレッキング後は、ロープウェイ山麓駅近くにある日帰り温泉「八ヶ岳山麓温泉」で疲れを癒すのも◎。食事処も併設されており、観光を含めた日帰り旅にも適しています。
標高の高い稜線歩きを気軽に楽しめる北横岳は、「本格的な登山はちょっと不安…」という人にも自信を持っておすすめできる一歩進んだ涼ハイクです。

谷川岳・天神平|標高1500mの爽快トレイル
群馬県・みなかみ町にある谷川岳(たにがわだけ)は、日本百名山のひとつとして知られながらも、ロープウェイを利用することで標高1500mの天神平まで一気にアクセスできる、手軽かつ絶景を味わえるトレッキングスポットです。関越道・水上ICから車で約25分、上毛高原駅や水上駅からもバスが出ており、関東圏から日帰り圏内なのも魅力です。
登山ビギナーにおすすめなのは、「天神平〜熊穴沢避難小屋までの往復コース」。往復で約3km・2時間ほどのトレイルですが、登山道は整備されており、涼やかなブナ林の中を進む森歩きが楽しめます。途中に谷川連峰の迫力ある岩稜が顔を出し、標高感と非日常感もたっぷり。標高1500mを超えるため、盛夏でも気温は20℃以下という日も多く、汗をかかずに涼しく歩けるのが大きなポイントです。
体力に余裕がある方や中級者には、谷川岳山頂(トマの耳・オキの耳)までの登頂コースもおすすめ。こちらは天神尾根を往復5〜6時間かけて登る本格ルートですが、岩場もあるのでトレッキング慣れした方に向いています。途中の稜線からは、苗場山や巻機山など越後の山々が広がる大展望が待っています。
下山後は、谷川岳ベースプラザ近くの水上温泉や谷川温泉でゆったりと体を休めるのも忘れずに。川沿いに佇む露天風呂は夏の火照りを心地よく冷ましてくれます。
谷川岳・天神平は、「涼しくて標高感のある山を歩きたい」人に最適な場所。アクセスの良さと絶景、清涼感の三拍子が揃った、まさに夏の高原トレッキングにふさわしい名所です。

那須岳(茶臼岳)|火山の風景と高山植物が魅力
那須岳(なすだけ)は、栃木県北部に位置する活火山で、主峰の茶臼岳(ちゃうすだけ)は標高1915m。那須ロープウェイを使えば山腹の標高1684m地点まで一気にアクセスでき、夏でもひんやりとした空気の中でダイナミックな火山景観を楽しめる、初心者にもおすすめの高原トレッキングスポットです。
ロープウェイ山頂駅から茶臼岳山頂までのコースは、片道約1時間の登り。岩の多い道ながら整備はされており、山頂からは360度の大パノラマが広がります。運がよければ雲海の上に出ることもあり、まるで天空の世界にいるような景色が待っています。
火山地帯らしく、山頂付近はゴツゴツとした岩と噴気が立ち上る荒涼とした風景。ですが、ルートの途中にはホソバノヤマハハコやコマクサなど、夏の高山植物が咲き誇るゾーンもあり、自然のコントラストが見事です。
もう少し歩きたい方には、茶臼岳から峰の茶屋跡を経て朝日岳方面へと続く縦走コースもおすすめ。ただしこちらはやや岩場もあるので、装備と体力に注意が必要です。初心者の方は無理せずロープウェイの往復+茶臼岳ピストンで充分満足できるでしょう。
アクセスは、東北道・那須ICから車で約50分。夏季は那須湯本からロープウェイまでのバスも運行しています。登山後は麓の那須湯本温泉や鹿の湯で汗を流すのも旅の楽しみの一つ。硫黄の香りと白濁湯が、山歩きの疲れをじんわり癒してくれます。
活火山ならではの景観と、標高の高さからくる涼しさ、さらにアクセスの良さを兼ね備えた那須岳は、「夏でも登山らしさを楽しみたい」初心者〜中級者にうってつけの1座です。

赤城山・黒檜山|湖と山をめぐる避暑トレッキング
群馬県前橋市の北部にそびえる赤城山(あかぎやま)は、複数の山々が集まった「山塊」で、特に最高峰である黒檜山(くろびさん/標高1828m)は、初心者〜中級者に人気の夏トレッキングスポットです。標高が高いため、真夏でもひんやりとした空気が漂い、関東から日帰り可能な“涼”を感じる高原ハイクが楽しめます。
登山の起点となるのは、山の中腹に広がる大沼(おの)というカルデラ湖の湖畔。湖畔には無料駐車場やバス停もあり、公共交通機関でもアクセスしやすいのが嬉しいポイントです。黒檜山登山口からスタートし、山頂までの片道は約1.5時間。岩がちな道ではあるものの、急登は短く、しっかりした靴と時間の余裕があれば初心者でも登頂可能です。
山頂からは、赤城山の火山地形を一望できる大パノラマが広がり、晴れていれば遠くに浅間山や谷川岳方面の峰々も見渡せます。復路は駒ヶ岳経由で下山する周回コースが定番で、変化に富んだ道のりと湖を見下ろす眺めが魅力。全体で3〜4時間ほどのコースタイムなので、ゆったり涼しさを味わいながら歩けます。
大沼周辺では、登山後に立ち寄れるカフェや観光施設も充実。湖畔ではSUP(サップ; スタンドアップパドルボード)や釣りなどのアクティビティも可能で、家族連れにも人気です。また、少し足を延ばせば、日帰り温泉施設も複数点在しており、トレッキング後のリラックスタイムにも事欠きません。
比較的標高が高く、登山と観光がバランスよく楽しめる赤城山は、「登山+αの避暑旅」を求める人にぴったり。関東圏からのアクセスも良好で、夏のレジャー候補にぜひ加えたい一座です。

乗鞍高原・一ノ瀬園地|涼風と滝の清流ハイク
長野県松本市に位置する乗鞍高原(のりくらこうげん)は、標高約1500〜1800mに広がる広大な高原地帯。特に一ノ瀬園地(いちのせえんち)は、夏でも爽やかな風が吹き抜け、初心者でも気軽に楽しめる涼しいトレッキングスポットとして人気です。
一ノ瀬園地は、広々とした草原と原生林が広がる自然公園。整備された散策路が張り巡らされており、約1〜2時間で回れる軽めのハイキングコースが豊富です。ルート上には、三本滝や善五郎の滝など、美しい滝が点在。特に「三本滝」は「日本の滝百選」にも選ばれた名瀑で、清らかな水しぶきと涼風をたっぷり浴びながら歩くことができます。
一ノ瀬園地内は標高が高いため、真夏でも20℃前後と快適。木陰も多く、熱中症リスクも低めなのが魅力です。歩くルートに応じて、広い草原をゆったり散策するもよし、滝巡りで涼感たっぷりのハイクを楽しむもよし。体力やスケジュールに合わせて自由にプランニングできるのも大きなポイントです。
アクセスは、松本ICから車で約1時間弱。公共交通では松本駅からアルピコ交通バスが運行しており、夏休み期間中は特に便利です。また、乗鞍高原一帯には温泉宿や日帰り温泉施設も多く、ハイク後に乳白色の温泉に浸かって疲れを癒す贅沢も堪能できます。
登山装備は不要なレベルのコースも多いですが、標高が高く天候が変わりやすいため、レインウェアや防寒着は携帯しておきましょう。スニーカーよりも軽登山靴を履くと、より安心して歩けます。
自然の癒し、滝の涼しさ、そして高原の開放感。乗鞍高原・一ノ瀬園地は、夏の避暑トレッキングデビューにも、自分のペースで自然を満喫したい人にもおすすめの場所です。

まとめ|標高高めの涼しいトレッキングで夏を快適に!
今回は、関東からアクセスしやすい高原エリアを中心に、夏でも涼しく快適に楽しめるトレッキングコースを7つご紹介しました。どのスポットも標高が高く、真夏でも20℃前後と過ごしやすい気候が魅力。涼しい風に吹かれながら、広がる絶景や高山植物を堪能できる、夏ならではの特別な体験が待っています。
初心者の方はロープウェイを活用できる北横岳や那須岳、霧ヶ峰からチャレンジしてみるのがおすすめ。中級者は谷川岳や赤城山で少し本格的な山歩きにも挑戦できます。どの場所も無理のないペースで歩けば、自然の美しさと涼しさに心も体もリフレッシュできること間違いなし。
また、標高が高い分、防寒着や雨具の準備、そして天候チェックは必須。安全に楽しく夏のトレッキングを楽しむためにも、装備をしっかり整えて出かけましょう!
この夏は、街の暑さを抜け出して、高原の涼風と絶景に包まれるトレッキング旅に出かけてみませんか?
よくある質問(FAQ)
Q1. 夏の高原トレッキングにはどんな服装がおすすめですか?
A.
標高が高い高原では、夏でも肌寒く感じることがあるので、長袖シャツ+軽量ウィンドブレーカーを基本にしましょう。汗をかくことも考えて、速乾性の高いインナーや着替え用のシャツも持っていくと安心です。紫外線が強いので、帽子やサングラスも必須アイテムです!
Q2. 夏の山歩きで気をつけるべきことは?
A.
涼しいとはいえ、日差しはかなり強いので、こまめな水分補給が大切です。また、標高が高いと急な天気の変化も起きやすいので、必ずレインウェアを持参しましょう。虫対策(特にアブやブヨ)も忘れずに。虫よけスプレーや、肌の露出を減らす服装がおすすめです。
Q3. 初心者でも登れるコースはどれですか?
A.
今回紹介した中では、美ヶ原高原、霧ヶ峰、乗鞍高原・一ノ瀬園地が特に初心者向きです。道がよく整備されていてアップダウンも少ないので、トレッキング初心者でも安心して楽しめます。ロープウェイが使える北横岳や那須岳も、登山デビューにぴったりです。
Q4. トレッキング後に温泉に入れるスポットはありますか?
A.
はい!どのエリアにも素敵な温泉があります。例えば、那須岳なら那須湯本温泉、谷川岳なら水上温泉、乗鞍高原なら乗鞍温泉郷がすぐ近くにあります。汗を流してさっぱりできるので、トレッキング+温泉の組み合わせは最高です!