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朝焼けを拝もう!関東のご来光トレッキングスポット7選

朝焼けは美しい
夜明け前の静かな山頂で、東の空が少しずつ朱色に染まっていく瞬間をご存知ですか?満天の星が消え、やがて黄金色の太陽が顔を出すご来光の光景は、日常では味わえない感動があり、とても贅沢な時間です。関東エリアには、日帰りトレッキングで美しい日の出が綺麗に見られる山が数多くあり、初心者でも気軽にチャレンジできます。早朝の澄んだ空気の中で体を動かせば健康にも良く、登山とともに雄大な朝焼けを楽しめるなんて一石二鳥ですよね。カメラ好きにとっても絶好のシャッターチャンスが広がることでしょう。 本記事では、関東日帰りトレッキングでご来光を堪能できるスポットを7つ厳選してご紹介します。どの山も初心者向けコースが整備されており、年間を通して日の出ハイキングが楽しめます。それぞれアクセス方法や歩行時間の目安、撮影におすすめのポイントや注意点も交えているので、ぜひ次の旅の参考にしてみてください。それでは、ランタン(ヘッドライト)片手に、夜明け前の登山へ出発しましょう!
目次

筑波山(茨城県) – 関東平野で最速のご来光を堪能

関東で初日の出といえば筑波山
関東で初日の出といえば筑波山

関東平野の東端にそびえる筑波山は、実は「関東で最も早く日の出を見ることができる山」として知られています​。標高は877mとそれほど高くありませんが、周囲に高い山が少ない独立峰のため、東の地平線から昇る朝日を真っ先に拝めるのです。暗いうちに登山を開始して山頂に着く頃、空は紺色から橙色へと移り変わり、やがて遠くの地平線から太陽が顔を出します。その瞬間、関東平野一帯が金色の光に包まれていく様子は感動的で、眠気も吹き飛ぶことでしょう。

筑波山は古くから山岳信仰の対象であり、中腹には筑波山神社があります。ご来光を拝んだ後、そのまま神社で朝のお参りをするのも素敵ですね​。初心者でも登りやすい山として人気で、山頂付近までロープウェイケーブルカーが整備されているため楽に登頂できます​。登山コースはいくつかありますが、ケーブルカー沿いの御幸ヶ原コース(男体山側)は距離約2km・標高差約610mで、徒歩約90分ほどで山頂に到達できます​。ロープウェイを使えばさらに短時間で女体山側の頂上近くまで行くことが可能です。

▶ アクセス: つくばエクスプレス線「つくば駅」からシャトルバスで筑波山神社入口まで行き、各登山口へ。車の場合は常磐道土浦北ICから筑波山方面へ約40分​。
▶ 歩行時間: 登山のみの場合は山頂まで約1.5時間~2時間(片道)。ケーブルカー・ロープウェイ利用で短縮可(徒歩15~30分程度で頂上)。​
▶ 撮影ポイント: 山頂の男女川(みなのがわ)最上流地点付近からの東の空の眺めが絶景。ご来光とともに関東平野のパノラマが広がり、運が良ければ遠く筑波山の影が雲海に映るシーンも撮れます。
▶ 注意点: ご来光を見るには夜間登山が必要です。足元は暗いのでヘッドライト必携。冬季は山頂付近が氷点下になることもあるため、防寒着も忘れずに。ロープウェイ・ケーブルカーは通常早朝運行していないため(元日の特別運行を除く)、日の出登山時は基本的に歩いて登ります。

榛名山(群馬県) – 湖面に映る朝日と富士山の絶景

榛名湖と榛名山
榛名湖と榛名山

群馬県にある榛名山は、榛名湖をはじめ複数の峰からなる山岳エリアです。その中でもひときわ美しい円錐形の山体を持つ「榛名富士」(標高1,390m)は、富士山に似た姿から名付けられた榛名山のシンボル的存在。山頂からはカルデラ湖の榛名湖や遠く富士山まで見渡せる絶景が広がり、日の出とともに湖面が朝日に染まる光景は息を呑む美しさです。運が良ければ逆さ富士ならぬ、湖面に映る赤く染まった榛名富士を見ることもできるでしょう。

榛名富士へは湖畔からロープウェイが通じており、わずか数分で山頂近くまで行けます。初心者や家族連れでも安心して訪れることができ、ハイキングコースも整備されています。もちろん徒歩でも登山可能で、登山道を使えば1時間程度で山頂に到着します。どのルートを選んでも往復約2時間ほどと手頃で、日帰りでサクッとご来光登山を楽しめるのが魅力です​。朝日を拝んだ後は、湖畔でキャンプをしたり近くの伊香保温泉に立ち寄ったりと、アウトドアと観光を一緒に楽しむこともできます。

▶ アクセス: JR「高崎駅」から群馬バス「榛名湖行き」で終点下車。車の場合は関越道渋川伊香保ICから国道17号経由で榛名湖方面へ(榛名山ロープウェイ山麓駅に駐車場あり)​。
▶ 歩行時間: ロープウェイ未使用の場合、麓の湖畔から山頂まで約1時間(標高差約300m、往復約2時間)​。ロープウェイ利用なら山頂駅から徒歩10分程度。
▶ 撮影ポイント: 山頂展望台からは360度の眺望。特に榛名湖越しに朝日が昇る方向を撮るのがおすすめ。夜明け直後、湖面が鏡のように空を映し出す様子や、条件が良ければ遠方に富士山のシルエットが浮かび上がる瞬間は絶好のシャッターチャンスです。
▶ 注意点: 山頂は開けていますが風が強いことがあります。防寒対策をしっかりと。ロープウェイは通常早朝は運行していないため、始発前に日の出を迎える場合は登山道を利用しましょう。冬季は路面凍結の恐れがあるので、車で行く場合はタイヤチェーンなども準備してください。

大山(神奈川県) – 東京湾から富士山まで一望できるご来光スポット

大山からの景色
大山からの景色

神奈川県伊勢原市にある大山(おおやま、標高1,252m)は、丹沢山塊の東端に位置するピラミッド型の山です。都心からも近くアクセスしやすいことから人気が高く、「一度は登ったことがある」という人も多いかもしれません​。そんな大山の山頂は関東平野を見渡す絶好のビューポイント。東方向には相模湾や東京湾が広がり、西方向には雄大な富士山まで望めます。山頂で迎えるご来光は格別で、運が良ければ昇る朝日と反対側にそびえる富士山が赤く染まる「赤富士」の競演を見ることができるでしょう。

深夜に登山を開始し樹林帯を抜けると、やがて視界が開けた山頂に到着します。空が白み始める頃には、眼下に関東の街明かりと遠くの海が広がり、空がオレンジ色に輝くにつれて街並みも朝焼けに染まってゆきます。日の出とともに周囲の景色が一斉に姿を現し、富士山や江の島まで見えるパノラマはまさに圧巻です。「東京湾から富士山まで」欲張りなくらい広い視界に、思わず歓声を上げてしまうことでしょう。

大山は丹沢の他の山に比べてコースタイムが短く、危険箇所も少ないため初心者でも登りやすい山です​。山麓から阿夫利神社下社(標高約700m)までは大山ケーブルカーが運行しており、これを利用すれば山頂までの徒歩時間は約2時間ほどに短縮されます。ケーブル駅から先の登山道も石段や道標が整備されていて迷う心配は少なく、早朝でも安心して歩けるでしょう。ただし傾斜はそれなりに急なので、ゆっくり自分のペースで登ってください。

 

▶ アクセス: 小田急線「伊勢原駅」から神奈中バス「大山ケーブル行き」で終点下車(約30分)、ケーブルカーを利用して阿夫利神社駅へ。車の場合は東名高速厚木ICまたは秦野中井ICから国道246号経由で大山ケーブル駅方面へ。​
▶ 歩行時間: ケーブルカー利用で山頂まで約2時間(片道)。全行程歩く場合は麓から約3~4時間(片道)かかります。下社(阿夫利神社)までケーブル利用し、そこから山頂までは通常1~1.5時間程度の登りです。
▶ 撮影ポイント: 山頂からは東西南北すべて見晴らし良好です。特におすすめは東側に広がる相模湾方面の眺め。ご来光とともに海上に光の道が現れ、晴れた日には三浦半島や房総半島まで見渡せます。反対の西側に目を向ければ、朝日に染まる富士山を撮影することも可能です。どちらも写真映えする壮観な景色です。
▶ 注意点: 真夜中~早朝に石段や山道を登るため、足元には十分注意しましょう(明るいライト必須)。特に下社から上は勾配が急で岩場も混じるので、登山靴を履き慎重に。冬は霜や氷で滑りやすい箇所があります。また、初日の出シーズンは非常に混雑するスポットでもあるため、余裕をもった計画を立てましょう​。

高尾山(東京都) – 都心近くで気軽に登れる世界一人気のご来光登山

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高尾山からは町並みが見える

新宿から電車で1時間足らずという都心近くにありながら、豊かな自然に恵まれた高尾山(たかおさん、標高599m)は、年間登山者数が世界一とも言われる大人気の山です。普段は観光やハイキングで賑わう高尾山ですが、実は初日の出スポットとしても有名で、毎年多くの登山者がご来光を目当てに早朝の山頂を訪れます。初心者向けコースが整備され、ケーブルカーやリフトも利用できるため、日の出ハイクデビューには最適な山の一つでしょう。

暗闇の中、木の根が張る登山道をヘッドライトで照らしながら一歩一歩登っていくと、途中で遠くの街の灯りが見えるポイントがあります。振り返れば東京都心の夜景が煌めき、やがて空が明るみ始めるとその灯りも次第に消えていきます。山頂に着く頃には東の空が赤みを増し、いよいよご来光の瞬間。眼下に広がる街並みに朝日が差し込み、東京が新しい一日を迎える様子を間近に感じることができます。条件が良ければ、反対方向の西の空に薄っすらと浮かぶ富士山が朝日に染まる姿を同時に見ることもでき、まさに絶景尽くしです。

高尾山には1号路から6号路、稲荷山コースなど複数の登山コースがありますが、初めてなら舗装路もある1号路が安心でしょう(歩行距離約3.8km、登り所要約90分)。ケーブルカー「高尾山駅」まで乗れば、そこから山頂までは徒歩30分ほどで到達できます。年末年始にはケーブルカー・リフトが終夜運転する年もあり、体力に不安がある方はこれらを活用すると良いでしょう​。初心者でも2時間あれば山頂で朝日を迎えられる手軽さが高尾山の魅力です。

 

▶ アクセス: 京王線「高尾山口駅」下車(新宿から直通電車で約50分)。またはJR中央線「高尾駅」乗り換え京王線で高尾山口駅へ​。駅から登山口までは徒歩5分ほど。麓の清滝駅からケーブルカー乗車可。
▶ 歩行時間: ふもとから山頂まで徒歩約1.5時間(ケーブルカー不使用の場合、コースによる)。ケーブルカー利用時は徒歩30~40分で山頂に到達。往復の所要は徒歩のみで約3時間、ケーブル利用なら約1.5~2時間程度。
▶ 撮影ポイント: 山頂の展望台(薬王院奥の広場)が定番。東方向に広がる関東平野と昇る朝日を一緒に収めることができます。また山頂から少し西側に進むと富士山ビューのスポットもあり、運が良ければ空が澄んだ冬の朝、赤く染まる富士山とご来光の両方を捉える贅沢な写真も狙えます。
▶ 注意点: 非常に人気のスポットのため、特に元日などは入山規制が行われるほど混雑します。余裕を持って行動し、譲り合って撮影・鑑賞しましょう。また、低山とはいえ冬季早朝は冷え込むので、防寒対策を忘れずに。暗い時間帯は道迷い防止のため、出来るだけメインの1号路を利用するのがおすすめです。

御岳山・日の出山(東京都) – ケーブルカーで行ける「東京一望」のご来光スポット​

日の出山山頂 朝日は登ってしまった
日の出山山頂 朝日は登ってしまった

都心から電車で約2時間の奥多摩エリアに位置する御岳山(みたけさん、929m)と日の出山(ひのでやま、902m)は、セットで日の出登山を楽しめる絶好のスポットです。御岳山まではケーブルカーで山頂付近(標高831m)まで一気に上がることができ、そこから徒歩約1時間で「日の出山」の山頂に到達します​。山名が示す通り「日の出を見るのにうってつけの山」であり、東側に遮るものがほとんどなく東京方面を一望できるため、古くからご来光スポットとして親しまれています​。

夜明け前、御岳山駅でケーブルカーを降りたらまず御岳神社方面へと進みます。静まり返った森の中、足元を照らしつつ緩やかな起伏の稜線道を歩いていくと、やがて開けた草地の日の出山山頂に着きます。そこには既に東の空が薄明るくなり始めた東京の夜景が広がっています。ビル群のシルエット越しに空が赤みを増し、いよいよ太陽が昇り始めると、遥か彼方のスカイツリーまではっきり確認できるほどの眺望が眼前に現れます。山頂で迎える朝は爽快そのもの。まるで東京全体が朝日に輝くジオラマのようで、感動的なスタートを切れるでしょう。

御岳山自体は信仰の山としても有名で、ケーブルカー終点近くには武蔵御嶽神社があります。ご来光後に参拝して清々しい朝の気をいただくのも良いでしょう。日の出山への登山道は緩やかですが、一部根っこが多い箇所もあるので足元注意。初心者でも問題なく歩ける反面、暗い中を約1時間進む必要があるため必ずヘッドライトを持参し、可能であれば経験者と一緒に行くと安心です​。ケーブルカーの始発が出る前の時間帯に登る場合は、麓の滝本駅から御岳山駅まで登るルート(約1時間強の急坂)を歩くことになりますが、無理せず計画しましょう。

 

▶ アクセス: JR青梅線「御嶽駅」から西東京バスで滝本(ケーブルカー下)駅へ​。ケーブルカーで御岳山駅まで6分。車の場合は圏央道青梅ICから国道411号経由で滝本駅駐車場へ。​
▶ 歩行時間: 御岳山駅(ケーブルカー終点)から日の出山山頂まで約1時間(片道)​。ケーブルカーを使わずふもとから登る場合、滝本駅~御岳山駅間は徒歩約1時間、さらに日の出山往復で2時間程度見ておきましょう。
▶ 撮影ポイント: 日の出山山頂からの眺望自体が最大の魅力です。東方向には東京都心の高層ビル群、南東方向にはスカイツリーまで見渡せるので、夜景と朝焼けのコントラストを写真に収めることができます。山頂にはベンチもあり三脚を立てやすいので、ゆっくり撮影を楽しめます。御岳山方面へ少し戻ると、新宿副都心のビル越しに昇る朝日を狙えるスポットもあり、カメラ好きにはたまりません。
▶ 注意点: 日の出山山頂は開けている分、冬場は冷たい風に晒されます。防寒とホッカイロは必携です。また、真っ暗な中を1時間歩くため単独行は避け、ライトの予備電池も用意してください。御岳山周辺はクマの生息地でもあるので、熊鈴を携行するなどの配慮もあると良いでしょう。ケーブルカーの運行時間外に登る場合、下山時に始発まで待つ必要がありますので時間配分に注意してください。

鋸山(千葉県) – スリル満点の「地獄のぞき」と海越しのご来光

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鋸山山頂から

房総半島にある鋸山(のこぎりやま、329m)は、その名の通り鋸の歯のような独特の岩肌を持つ低山です。標高は高くありませんが、山頂付近からは東京湾を挟んで富士山まで見渡せる360度のパノラマビューが魅力で、“関東の富士見100景”にも選定されています​。暗いうちに山を登りきり、「地獄のぞき」と呼ばれる絶壁の展望スポットに立てば、やがて東の太平洋上に朝日が昇るドラマチックな瞬間を迎えます。海原から顔を出す太陽と、それに染まる富士山(条件が良ければ!)を同時に楽しめる贅沢なご来光スポットです。

鋸山へは麓からロープウェイも出ていますが、夜明け前に登る場合は登山道を利用します。登山道といっても石段や遊歩道が整備されており、初心者でも約1時間ほどで山頂に到達可能です(ゆっくり歩いても1.5時間程度)。山中には日本寺の敷地が広がり、百尺観音や日本一大型の石仏・大仏など見どころも豊富。ご来光を拝んだ後に観光を兼ねてゆっくり散策するのも良いでしょう。特に「地獄のぞき」は絶壁の岩盤から身を乗り出すスリル満点の展望台で、足元に広がる断崖と眼前の大パノラマに思わず肝を冷やしつつも、その迫力に写真を撮らずにはいられません。

山頂エリアからは東京湾越しに三浦半島や伊豆大島まで見渡せ、天候が合えば朝日に照らされた富士山の姿も確認できます。「もしかすると赤富士が見れるかも?!」なんて期待しながら登るのも楽しいですね​。ゆるいハイキング感覚で登れる山ですが、早朝は足元が暗いので油断せず慎重に行動しましょう。

 

▶ アクセス: JR内房線「浜金谷駅」から徒歩約10分で鋸山ロープウェイ山麓駅へ​。登山道入口もロープウェイ駅付近にあります。館山自動車道「富津金谷IC」から国道127号経由で約5分。
▶ 歩行時間: 登山道を使い山頂展望台まで約50~60分(片道)。ロープウェイ利用の場合、山頂駅から展望台までは徒歩5分程度。日本寺境内を経由する周遊コースをゆっくり巡っても2~3時間で下山できます。
▶ 撮影ポイント: 一番のおすすめは何と言っても「地獄のぞき」岩盤上からの眺め。眼下の絶壁とともに昇る朝日をフレームに収めれば、スリルと絶景が一枚に収まります。また山頂展望台からは富士山方面の視界が開けており、朝焼けに浮かぶ富士山や東京湾の景色を撮影することができます。広角レンズがあると雄大なパノラマを余すことなく写せるでしょう。
▶ 注意点: 日本寺の境内エリアに立ち入る場合は拝観時間とルートに注意(早朝は境内外の展望台のみ利用可能)。足場の悪い石段もあるので、暗い時間帯は転倒に気をつけてください。海が近いため風が強いことも多く、特に「地獄のぞき」では強風時は無理をしないこと。帰りに金谷港から東京湾フェリーで久里浜へ渡るなど、小旅行的なプランに組み込むのも面白いですよ。

箱根駒ヶ岳(神奈川県) – ロープウェイで登る芦ノ湖と富士山の大パノラマ

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箱根駒ヶ岳

芦ノ湖畔にそびえる箱根駒ヶ岳(はこねこまがたけ、標高1,357m)は、箱根園からのロープウェイで気軽に山頂まで行ける人気の山です。その手軽さからは想像できないほど山頂の眺望は雄大で、富士山はもちろん遠く駿河湾まで見渡せる360度のパノラマが広がります​。ご来光の時間には、眼下の芦ノ湖が朝靄に煙る神秘的な光景や、太陽に照らされ赤く染まる富士山(赤富士)を望めることもあり、新年の初日の出スポットとしても毎年多くの人で賑わいます。

ロープウェイの始発が出る前に登頂したい場合は、登山道を使って夜中に登る必要がありますが、ルートを熟知した経験者向きです。一般的には日の出時刻に合わせて特別運行されるロープウェイを利用するか、前日から箱根園周辺に宿泊して早朝一番の便に乗るプランが現実的でしょう。山頂駅を出てすぐの広場が主な展望スポットで、東の空から昇る朝日とともに、眼下に広がる芦ノ湖とその向こうにそびえる富士山のシルエットという箱根ならではの風景を堪能できます。「縁起が良い」とされる朝焼けに染まった赤富士に出会えたら、その年は良いことが起こりそうですね​。

日の出を楽しんだ後は、下山してから箱根神社に初詣に行ったり、元箱根港付近で温泉に浸かったりと、箱根観光を絡めたプランもおすすめです。山頂は広くベンチもあるので、朝食のおにぎりや温かい飲み物を持って行って日の出を眺めながらのんびり過ごすのも贅沢でしょう。

 

▶ アクセス: 小田原駅から伊豆箱根バスで箱根園まで直通バスあり(約1時間20分)。または箱根湯本駅から伊豆箱根バスで箱根園へ。​車なら東名高速厚木ICから小田原厚木道路経由で箱根園まで約60km。箱根園から箱根駒ヶ岳ロープウェイ山麓駅へ。
▶ 歩行時間: ロープウェイで山頂駅まで約7分(運行時間外は登山道で約2時間の登り)。駅から山頂広場までは徒歩数分。周囲を散策する場合でも1時間あれば十分です。
▶ 撮影ポイント: 山頂の広場全体がビュースポットですが、とくに富士山と芦ノ湖を一望できる西側の斜面がおすすめ。日の出直後、湖面と富士山が朝日に染まる瞬間は絶好の被写体です。富士山が見える方向とは逆になりますが、東側に太陽が昇る瞬間は空と雲が刻一刻と色を変えていく様子を広角で撮影するとドラマチックな写真になります。
▶ 注意点: 山頂は標高が高く遮るものがないため、季節を問わず強風・寒さに注意が必要です。防寒と風対策はしっかりとしましょう。ロープウェイは天候によって運休する場合もあるので、事前に運行情報を確認してください。夜間登山する場合、箱根は硫黄ガスの出るエリアもあり危険な箇所がありますので十分な下調べと装備が必要です。また、人気スポットゆえ混雑時は譲り合って場所を確保するよう心がけてください。

まとめ:朝日のパワーで最高の一日をスタートしよう!

朝焼けは美しい
朝焼けは美しい

関東周辺のご来光トレッキングスポットを7つご紹介しました。いずれも日帰りで行ける初心者向けの山々ばかりですが、それぞれに特色があり、日の出の感動もまた格別です。早朝の登山は大変な面もありますが、頂上で拝む朝日は苦労を吹き飛ばして余りあるご褒美となるでしょう。「日の出が綺麗」な瞬間を体験すると、心も体もリフレッシュしてポジティブな気持ちで一日を始められるものです。

ご来光登山に挑戦する際は、ライトや防寒具、行動食などの準備を万全にし、安全第一で計画を立ててください。暗い時間帯の行動には十分注意が必要ですが、その分、山頂で迎える朝の爽快感は病みつきになるはずです。ぜひ機会があれば、今回紹介したスポットへ実際に足を運んでみてください。雄大な朝焼けとご来光の景色が、皆さんの心に残る最高の旅の思い出になることでしょう。

では、次の休日は早起きして、関東の日帰りトレッキングで素晴らしい朝日を拝みに出かけてみませんか?新鮮な空気と眩い太陽の光を浴びれば、体も健康になり、カメラ片手に絶景を収める楽しみも広がります。山頂からの朝日は、きっとあなたにとって特別な一日の幕開けとなるに違いありません。