はじめに|“初心者卒業”のあなたへ、次に選ぶ登山靴とは?
中級者になると、登山靴に求めるものが変わる

登山を始めたばかりの頃は、軽くて歩きやすい靴を選べば十分でした。
整備された低山や日帰りルートが中心なら、ソールが柔らかめのミッドカットでも特に問題なかったはずです。
ですが経験を積むにつれ、「もっと高い山に登りたい」「長時間歩いても疲れにくい靴が欲しい」と思うようになってきませんか?
そんな“登山中級者”のステージに差し掛かったタイミングこそ、登山靴の見直しどきです。
あなたはそろそろ登山中級者?

「自分はまだ初心者かな…」と思っていても、次のような特徴が当てはまるなら、もう中級者の入り口に立っています。
月1〜2回のペースで登山を続けている
2000〜3000m級の山に登る機会が増えてきた
山小屋泊やテント泊にも興味が出てきた
岩場や急登など“登山らしい地形”への対応力を求めている
この段階になると、登山靴に「軽さと安定感のバランス」「滑りにくさ」「足首の保護性」など、初心者向けモデルでは補えない性能が求められてきます。
この先の登山を快適にする“次の一足”を

登山靴は、装備の中でもとくに重要な存在です。
合っていない靴を履き続けると、疲労や足トラブルの原因になるだけでなく、山行の選択肢そのものを狭めてしまうこともあります。
そこで本記事では、登山中級者にぴったりな登山靴の選び方と、おすすめモデル3選を紹介します。
実際に私自身が使ってきた靴も含めて、「ミッドカットで軽快に歩きたい人」「縦走に挑戦したい人」など、スタイル別に最適な選択肢を提示していきます。
次の登山がもっと楽しくなるように、自分に合った“次の一足”を一緒に見つけましょう。
中級者の登山に求められる登山靴の条件とは?
「軽さ」だけじゃ足りない、その一歩先へ

初心者向けの登山靴は、軽くて履きやすいことが大前提。
舗装された登山道や緩やかな坂道を歩くには、それで充分でした。
しかし中級者になると、歩く時間の長さやルートの難易度が上がります。
ザレ場や岩場、ぬかるんだ斜面など、不安定な地形にも対応できる安定感が求められます。
そこで重要になるのが、「ソールの剛性」と「足首のサポート力」。
とくに足首をしっかり守ってくれるミッド〜ハイカットの靴は、ケガ防止にも直結します。
中級者が注目すべき3つのチェックポイント

登山靴を選ぶうえで、中級者が重視すべき要素は以下の3つです。
1. グリップ力(滑りにくさ)
ビブラムソールやContagripなど、優れたアウトソールを搭載したモデルは、濡れた岩や泥道でも安心して歩けます。
2. フィット感とホールド力
下り坂や長時間の歩行で足が靴の中でズレないよう、かかとや土踏まずがしっかりホールドされる設計が理想です。
3. 防水性と通気性のバランス
GORE-TEXなどの防水透湿素材が使われている靴は、天候の変化にも強く、足蒸れを防ぎます。
行く山・登山スタイルに合わせて選ぶ

中級者と一口にいっても、登る山やスタイルは人それぞれ。
日帰り中心の軽快な登山なら、ミッドカット+軽量モデルが快適です。
一方で、テント泊や縦走を視野に入れるなら、ハイカット+剛性高めのモデルを選ぶことで安心感がグッと増します。
このあと紹介する3つのモデルは、そうした「中級者の多様なスタイル」にフィットするものばかり。
それぞれの特徴を比較しながら、あなたに合った一足を見つけてください。
実体験で選ぶ|中級者におすすめの登山靴3選
登山靴は登山スタイルを大きく左右する存在。登山の中でも1番大事な装備といっても良いんじゃないかと思ってます。
特に中級者になると、選ぶ靴によって「行ける山」「快適に歩ける距離」が変わってくると実感します。
ここでは、実際に私が使用しているモデルを中心に、中級者が次の一足として検討すべき登山靴を3足ピックアップしました。
キャラバン C1_02S|登山初級〜中級をつなぐ“信頼の相棒”
私が登山を始めた頃から、今でも活躍しているのがこのC1_02Sです。
履いた瞬間から「あ、これなら長く歩けそう」と思えるくらい、足当たりが柔らかくて快適。
特に印象的なのは、長時間歩いても疲れにくいクッション性と、初心者〜中級手前までをカバーする万能さ。
低山から樹林帯の2000m級までなら、いまだにこの靴を選ぶことがありますし、富士山くらい整備された山であれば全然この靴で問題ありません。
ソールは柔らかめなので、岩稜やザレ場では慎重になりますが、その分足全体が動かしやすく、日帰り登山との相性は抜群。
正直、これを履いて登っている人は今でもかなり多いと感じますし、それだけ定番として支持されている証拠でもあると思います。
SALOMON X ULTRA 5 MID GORE-TEX|軽さ・ホールド・防水、全部ちょうどいい
最近購入したこのモデル、正直かなり気に入っています。
最初に足を入れたときに「軽い!」と驚きました。けれど、実際に歩いてみると足首まわりのホールド感がしっかりしていて、まさに“軽さと安定感のバランスが取れた中級者向けモデル”という印象です。
GORE-TEXで防水性は申し分なし。
そして注目なのが、SALOMON独自のContagripソール。濡れた木道や岩場でもグリップが効くので、下山時に感じる不安が激減しました。
ミッドカットで足首の自由度も高く、日帰り〜1泊程度の山行なら間違いなく快適。
「もっと長く、もっと軽快に歩きたい」と思ったタイミングでこの靴に出会えて本当に良かったと思っています。
キャラバン GK85|縦走に応えるハイカット×レザーの頼もしさ
八ヶ岳縦走で使ったこのGK85は、これまでの登山靴とは明らかに“格”が違いました。
見た目は重厚感のあるオールレザーで、第一印象から「これは山で映えるな」と感じた一足。実際、山小屋で「いい靴ですね」と声をかけられたこともあります。
履いてみると、足首のサポート力が抜群。岩場や段差のある下りでも、ブレずに足を運べる安定感があります。
ソールもしっかりしていて、ザレ場や急登でも「足でしっかり踏めてる」と実感できるのが魅力です。
確かに重さはあります。でもその分、テント泊や縦走で重い荷物を背負っても安心して歩ける信頼感は他のモデルとは比べものになりません。
正直、最初に履いたときは「ちょっとゴツいかな?」と思いましたが、慣れるとむしろその重厚感が頼もしく感じるようになりました。
個人的には、「これから本格的に山に挑戦するぞ」という気持ちを後押ししてくれるような靴だと思っています。
- GK85

登山靴選びでよくある疑問(FAQ)
Q. ミッドカットとハイカット、どっちを選べばいい?
これは「どんな山に行くか」「どれくらいの荷物を背負うか」で変わってきます。
私自身、日帰り〜1泊程度の中級登山ではミッドカット(最近はSALOMON)をよく使っています。軽くて歩きやすく、岩場もそこそこ対応できます。
ただし、テント泊や縦走でザックが重くなる場合は、ハイカット(GK85)の安心感が段違い。足首のサポート力が高いと、下りや不安定な道でも足がブレにくく、疲労感も違います。ハイカットはスネから下あたりで、足と登山靴が一体化してる感じがします。慣れないと歩きにくいかも。
Q. 登山靴の試着で失敗しないために見るべきポイントは?
一番大事なのは、「つま先の余裕」と「かかとのフィット感」です。
登山では下りで足が前にズレるので、つま先が当たらないことは絶対条件。例えば足の爪が伸びた状態で、下りでつま先が登山靴にあたり続けるのは地獄です。また、かかとが浮いてしまうと靴擦れの原因になります。
可能であれば、店頭で傾斜のある台を歩かせてもらいましょう。私もGK85を購入する際、実際にこれで確認しました。
Q. テント泊や縦走にミッドカットでも大丈夫?
荷物をしっかり軽量化できていれば、ミッドカットでも十分にこなせます。私も軽装備であればキャラバンかSALOMONを使って小屋泊登山をしています。
とはいえ、足元に不安がある場合や、長時間歩くことに慣れていない人はハイカットを選んだほうが安心。とくに縦走初挑戦の場面では、GK85のような本格モデルが強い味方になってくれます。
まとめ|次の一足が、登山の幅を広げてくれる
登山に慣れてくると、歩く距離や荷物の重さ、登る山の地形が少しずつ変わってきます。
そんな“中級者の入り口”に差し掛かったときこそ、登山靴を見直すタイミングです。
今回紹介した3足は、いずれも私自身が使ってきた実力派モデル。
使い分けることで、登山の楽しみ方や行ける山の幅がぐっと広がると実感しています。
あなたに合った一足はどれ?
軽快に歩きたい人: キャラバン C1_02S
バランスの良さを求める人: SALOMON X ULTRA 5 MID GORE-TEX
縦走やテント泊に挑戦したい人: キャラバン GK85
登山靴は「山と自分をつなぐ最も大事な装備」。
合った靴を選ぶことで、疲れにくくなり、転倒のリスクも減り、より快適に登山を楽しめるようになります。
次の山をもっと快適に、もっと遠くへ。
その第一歩は、あなたにぴったりの一足を選ぶことから始まります。