春や秋のサイクリングは、景色が美しく最高のシーズンです。しかし、「朝は寒くて震え、昼は暑くて汗だく」という経験はありませんか? この時期特有の激しい寒暖差は、初心者にとって最大の悩みどころ。そこで重要になるのが、「レイヤリング(重ね着)」と「15℃帯ジャージ」の活用です。
本記事では、春秋の気温変化に対応する服装の基本と、今買うべきおすすめの長袖ジャージ7選をご紹介します。
春秋サイクリングの服装選び|気温別レイヤリング術
春秋のウェア選びで失敗しないコツは、単体の厚着で解決しようとせず、複数の薄いウェアを重ねてこまめに脱ぎ着することです。ここでは気温帯別の基本的な組み合わせ解説します。
気温15℃前後の基本レイヤリング
最も過ごしやすい15℃前後の気温では、「裏起毛なし〜薄手裏起毛の長袖ジャージ」+「夏用インナー」の組み合わせが基本です。
走り出しで少し肌寒さを感じる場合は、半袖ジャージにアームウォーマーを組み合わせるスタイルも有効です。暑くなったらアームウォーマーを下げるだけで体温調節ができるため、日中の気温上昇にも柔軟に対応できます。
気温10℃前後の対応
朝晩や曇りの日など、気温が10℃近くまで下がる場合は、15℃対応ジャージの上に「ウィンドブレーカー(ウィンドシェル)」や「ジレ(ベスト)」を羽織ります。
特に体幹を冷やさないことが重要なため、防風性のあるベストは非常に便利です。コンパクトに畳めるポケッタブルタイプを持っておけば、ダウンヒルや休憩時の汗冷え対策としても重宝します。
気温20℃前後(春・秋の日中)
日差しが強く20℃近くまで上がる日は、基本的に夏用ウェアでも対応可能です。ただし、日陰や夕方の冷え込みに備えて、薄手の長袖ジャージを選ぶか、ウィンドブレーカーをバックポケットに携帯することをおすすめします。

多摩川CR(二子玉川〜羽田空港往復)で2024年10月の朝晩ライドをよくやりますが、気温差が10℃以上あることも。出発時(AM6:30)は8℃でウィンドブレーカー必須、昼(PM12:00)は18℃で半袖でもいいくらい。パールイズミのポケッタブルウィンドブレーカー(2355、約210g)を常備しておくと、ダウンヒルや日陰区間でサッと羽織れて安心ですね。
おすすめ長袖ジャージ7選【15℃帯対応+α】
ここからは、春秋のメインウェアとして活躍する15℃帯対応のおすすめ長袖ジャージを紹介します。初心者でも使いやすい定番モデルから、コスパに優れたアイテムまで厳選しました。
1. パールイズミ サーモ ジャージ ベーシックフィット(3200-BL)|愛用中、3年間使用・最初の1枚に最適

パールイズミ サーモ ジャージ 3200-BL の価格を比較する
日本のサイクルウェアブランド、パールイズミの秋冬定番モデルです。素材には吸汗速乾性と保温性を兼ね備えた「サーモドレス®ネオ」を採用しており、汗をかいてもムレにくく快適な着心地が続きます。
フィット感はきつすぎず緩すぎない「ベーシックフィット」で、あらゆる体型のサイクリストにマッチします。価格は約15,950円(税込)※2025年12月時点。手首の隙間から冷気が入るのを防ぐ「2ウェイカフ」など、細部まで配慮された設計はさすが日本ブランドといった仕上がりです。
2. パールイズミ プリント ジャージ ベーシックフィット(3455-BL)|機能同等・視認性重視なら

パールイズミ プリント ジャージ 3455-BL の価格を比較する
機能性はそのままに、スポーティーで鮮やかなデザインを施したプリントモデルです。再現性と発色に優れたインクを使用しており、洗濯を繰り返しても色あせにくいのが特徴です。
素材はサーモジャージと同じく「サーモドレス®ネオ」を使用。高いストレッチ性があり、動きやすさは抜群です。価格は約16,500円(税込)。シンプルなウェアよりも個性を出したい方や、車からの視認性を高めたい方におすすめです。

プリントジャージは使ったことがないのですが、サイクリング仲間の1人が「夕方の視認性が全然違う」と言っていました。荒川CRで車道を横切る区間もあるので、派手めのデザインは安全面でもメリットがあるなと。機能はサーモジャージと同じらしいので、デザインの好みで選んで良さそうですね。
3. シマノ バーテックス プリント ロングスリーブ ジャージ|知人が使用・暑がりの方に

シマノ バーテックス プリント ロングスリーブ ジャージ の価格を比較する
コンポーネントでおなじみシマノのアパレルライン。バーテックスジャージは、リサイクルポリエステルを使用した軽量かつ通気性の高いモデルです。
保温性よりも速乾性と軽さを重視しており、暑がりの方や、運動強度の高いライドをする方に最適です。価格は約18,700円(税込)。寒さを感じる場合はベースレイヤーやジレで調整しやすく、秋口から春先までフルシーズン活躍します。

サイクリング仲間が使っているシマノのバーテックスは、軽量性が魅力らしいです。「パールイズミより薄手で、暑がりの自分には合ってる」と聞きました。筆者はパールイズミ派ですが、運動強度の高いライドをする方にはシマノの方が快適かもしれませんね。ベースレイヤーとの組み合わせ次第で秋口から春先まで使えるのも良いところ。
4. カペルミュール ライトウォームジャージ|街乗り・カフェライド向け

カペルミュール ライトウォームジャージ の価格を比較する
クラシカルでカジュアルなデザインが人気の日本ブランド、カペルミュール。このジャージは「ライトウォーム」の名の通り、薄手のマイクロ裏起毛素材を使用しており、10〜15℃の気候に最適です。
ガチガチのレースウェアっぽさがなく、カフェや街中にも溶け込むデザインが魅力。価格は約13,200〜14,300円(税込)とお手頃です。日本人体型に合わせたカッティングで、袖丈や着丈がしっくりくるのも嬉しいポイントです。

カペルミュールは使ったことないですが、デザインが良いので気になっています。知人が「カフェ寄りのライドで着ていても浮かない」と言っていました。パールイズミやシマノはいかにもサイクルウェアって感じですが、カペルミュールは普段着っぽい雰囲気があって街乗りに良さそうですね。10〜15℃対応なので、朝晩の冷え込みにも対応できそうです。
5. 【寒がりさん専用】パールイズミ ウィンドブレーク ジャケット(3500-BL)|寒がりな方・冬も走るなら

パールイズミ ウィンドブレーク ジャケット 3500-BL の価格を比較する
※ここはあえて「5℃帯」のジャケットを紹介します! 「15℃対応ジャージでは正直寒い!」という冷え性の方や、晩秋・初冬の朝晩メインで走る方には、この5℃対応ジャケットが選択肢に入ります。パールイズミの代名詞とも言える素材「ウィンドブレーク®」を使用し、冷風を完全に防ぎながら、透湿機能でムレを逃がします。
価格は約19,800円(税込)。ジャージというよりはアウタージャケットに近い性能ですが、中に着るインナーを薄手にすることで10℃前後のライドでも快適に使用できます。冬本番まで長く使えるコスパの高さも魅力です。

ウィンドブレークジャケット(3500-BL)は持っていないのですが、同じウィンドブレーク素材のパンツ(6500-3D)を使っています。防風性が本当に素晴らしくて、12月の荒川CR(朝8℃)でも全く寒さを感じませんでした。5℃対応ジャケットは春秋には暑すぎると思われがちですが、インナーを薄手にすれば10℃前後でも使えるので、寒がりな方や晩秋〜冬メインで走る方には良い選択肢だと思います。
6. Morethan サイクルジャージ カジュアル 長袖(LVP-012)|初心者デビュー向け

Morethan サイクルジャージ LVP-012 の価格を比較する
広島発の日本ブランドMorethan(モーゼン)は、圧倒的なコストパフォーマンスが魅力です。価格は約3,900〜4,300円(税込)と、有名ブランドの3分の1以下で購入可能です。
素材はポリエステル100%で、吸汗速乾やUVカット機能を備えています。高級ジャージに比べると保温性や耐久性は譲りますが、15〜20℃の短時間ライドなら快適です。ただし、強度を上げて汗をかくと乾きにくい場合があるため、インナーは高機能なものを合わせるのがおすすめです。「とりあえず長袖が1枚欲しい」という初心者のデビュー用として最適です。
7. Santic サイクルジャージ 長袖 春秋用|低予算・日焼け対策

Santic サイクルジャージ 長袖 春秋用 の価格を比較する
Amazonなどで人気の高い中国ブランドSantic(サンティック)。こちらも約3,700〜4,300円(税込)という低価格が魅力です。年々品質が向上しており、縫製や生地感もエントリーユーザーには十分なレベルです。
かなり薄手の作りになっているため、保温性よりも日焼け対策や少し肌寒い時の羽縮りとして活躍します。運動強度の高いライドで汗をかくと乾きにくい場合があるため、インナーは高機能なものを合わせると安心です。フィット感はややゆったりめなので、レース志向でないカジュアルライダーにおすすめです。

Santicは使ったことはありませんが、Amazonのレビューを見ると「値段の割には良い」という意見が多いですね。MorethanもSanticも低価格帯では人気ですが、やはり透湿性(ムレにくさ)は日本ブランドに劣るようです。夏用の吸汗速乾インナーを合わせると快適度が上がるとのことなので、低予算で始めたい方はインナーにも少し投資すると良さそうです。
商品比較表
| 製品名 | 特徴・評価 | 価格 | 対応気温 | 保温性 | 防風性 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
パールイズミ サーモ ジャージ ベーシックフィット(3200-BL)
| 愛用中、3年間使用 最初の1枚に最適 ★★★★★ | 約15,950円 | 15℃ | ◎ | △ | 春秋の定番 快適性重視 |
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パールイズミ プリント ジャージ ベーシックフィット(3455-BL)
| 機能同等 視認性重視なら ★★★★ | 約16,500円 | 15℃ | ◎ | △ | デザイン 視認性重視 |
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シマノ バーテックス プリント ロングスリーブ ジャージ
| 知人が使用 暑がりの方に ★★★★ | 約18,700円 | 全シーズン | ○ | △ | 運動強度が 高いライド |
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カペルミュール ライトウォームジャージ
| 街乗り・カフェ ライド向け ★★★★ | 約13,200円〜 | 10〜15℃ | ○ | △ | 街乗り カフェライド |
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パールイズミ ウィンドブレーク ジャケット(3500-BL)
| 寒がりな方 冬も走るなら ★★★★★ | 約19,800円 | 5℃ | ◎ | ◎ | 寒がりな方 冬も走る方 |
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Morethan サイクルジャージ カジュアル 長袖(LVP-012)
| 初心者デビュー向け 1年で劣化 ★★★ | 約4,000円 | 15〜20℃ | △ | × | コスパ 初心者デビュー |
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Santic サイクルジャージ 長袖 春秋用
| 低予算 日焼け対策 ★★★ | 約4,000円 | 15〜20℃ | △ | × | 低予算 日焼け対策 |
初心者向け|春秋ジャージ選びのポイント
初めて春秋用ジャージを購入する際は、以下のポイントをチェックすると失敗が少なくなります。
1. サイズ選びは「少しタイト」が正解
サイクルジャージは風の抵抗を減らすため、体にフィットするように作られています。普段着の感覚で大きめを選ぶと、走行中にバタついて疲労の原因になります。メーカーのサイズチャートを確認し、ジャストサイズか少しタイト目を選びましょう。
2. 「15℃帯」が最も汎用性が高い
10℃帯、15℃帯と種類がありますが、最初の一枚なら15℃対応の薄手裏起毛ジャージがおすすめです。インナーやウィンドブレーカーとの組み合わせで、秋口から初冬、春先まで長く使えます。
3. 予算と品質のバランス
長く快適に走りたいなら、やはり1万円以上のメーカー品(パールイズミやシマノなど)が耐久性・機能性ともに優れています。一方、頻繁に乗らない場合や、とりあえず試してみたい場合は、Morethanなどの高コスパブランドから始めるのも賢い選択です。

最初は「高いジャージは本当に必要?」と思っていましたが、パールイズミ サーモジャージ(3200-BL)を買ってから考えが変わりました。今まで推定100回以上洗濯しても裏起毛がヘタらず、伸びもほとんどない。一方、Morethan(LVP-012、約4,000円)は30回も選択すると生地が薄くなってきて「そろそろ買い替えかなー」という感じ。週1回以上乗るなら1万円台の日本ブランド、月1回とかならMorethanでも十分かなと思います。
よくある質問(FAQ)
春秋用ジャージは夏も使える?
15℃対応の裏起毛ジャージは、夏場には暑すぎて不向きです。ただし、MorethanやSanticなどの「裏起毛なし」の薄手長袖ジャージであれば、夏の日焼け対策として使用可能です。
裏起毛とは何ですか?
生地の裏側(肌に触れる面)の繊維を毛羽立たせた加工のことです。空気の層を作ることで保温性を高め、肌触りを柔らかくする効果があります。春秋用は「薄手裏起毛」、冬用は「厚手裏起毛」と使い分けられています。
サイズ選びで失敗しないコツは?
各メーカー公式サイトの「サイズ表(ヌード寸法)」を必ず確認し、自分の胸囲やウエストと照らし合わせましょう。特にパールイズミやシマノは日本人の体型に合いやすい設計になっています。
ジャージの下にインナーは必要?
はい、必要です。ジャージ単体でも着られますが、吸汗速乾インナー(ベースレイヤー)を着ることで「汗冷え」を防ぎ、保温性を安定させることができます。春秋は夏用インナーでも十分対応可能です。
まとめ
春秋のサイクリングは、気温の変化に対応できる装備が快適さを左右します。最後に、今回のポイントを振り返ります。
- 春秋の基本は「15℃帯対応の長袖ジャージ」
- 寒暖差にはウィンドブレーカーやジレの重ね着で対応する
- 品質重視ならパールイズミ、デザインならカペルミュール
- コスパ重視ならMorethanでデビューするのもアリ
自分に合ったジャージを見つけて、景色も気候も素晴らしい春秋のライドを存分に楽しんでください!

筆者も最初はウェア選びで何度も失敗して、寒すぎたり暑すぎたりを繰り返しました。でも、15℃対応のサーモジャージ(3200-BL)を軸にして、ウィンドブレーカーを持つようにしてから失敗が激減しました。結局、「完璧な1枚」を探すより、「調節できる組み合わせ」を持つことが春秋サイクリングの正解だなと。高いジャージも安いジャージも、使い方次第で活躍するので、自分のライドスタイルに合わせて選んでくださいね。







筆者も春秋の服装選びで何度も失敗しました。最初は「冬用ジャケットを薄手にすればいいでしょ」と思って裏起毛なしの長袖を買ったら、2023年10月の朝10℃の霞ヶ浦ライド(土浦スタート)で凍えました(笑)。その後、パールイズミのサーモジャージ(3200-BL、15℃対応)を買ってからは、インナー+ジャージ+ウィンドブレーカーの3層で10〜20℃を快適にカバーできるように。結局、「万能な1枚」より「組み合わせで調整」が正解だと気づきましたね。