はじめに
気温10℃〜20℃前後の春秋シーズンは、サイクリストにとって最も快適な季節の一つです。しかし、朝晩の冷え込みや風の影響で、手指の冷えが気になる方も多いのではないでしょうか。夏用グローブでは手が冷えすぎ、冬用グローブでは蒸れてしまう——そんな悩みを解決してくれるのが、春秋専用のサイクリンググローブです。
本記事では、薄手でありながら防風性に優れ、操作性を損なわない春秋用サイクリンググローブの選び方を詳しく解説し、2025年におすすめの厳選5モデルをご紹介します。対応温度、パッド、スマホ対応機能など、購入前に知っておくべきポイントを踏まえて、あなたのライドスタイルに最適な一品を見つけていきましょう。
春秋用サイクリンググローブの重要性
出典:サイクルショップEIRIN
気温10℃〜20℃での手指の冷え対策
春秋シーズンの気温10℃〜20℃では、体は暖かくても手指だけが冷えてしまうことが頻繁にあります。特に時速20km以上で走行する際の風冷効果により、体感温度は実際の気温より3〜5℃低くなります。手指が冷えると握力が低下し、ブレーキやシフト操作の精度に影響を及ぼす可能性があります。
また、長時間の冷えは手指の感覚を鈍らせ、細かな操作が困難になることも。春秋用グローブは、このような手指の冷え対策と操作性の維持を両立する重要なアイテムです。薄手でありながら適度な保温性を持ち、風の侵入を防ぐことで、快適なサイクリングをサポートします。
夏用・冬用との違い
夏用グローブは、主にメッシュ素材や薄手のライクラを使用し、通気性と速乾性を重視しています。一方、冬用グローブは厚手のフリースやウインドストッパー素材を採用し、-5℃〜10℃程度の気温に対応する保温性を持っています。
春秋用グローブは、この中間に位置し、薄手でありながら防風性を備えているのが特徴です。裏起毛素材やストレッチ素材を使用することで、10℃〜20℃の気温帯で最適な快適性を提供します。また、多くのモデルがタッチパネル対応機能を搭載しており、グローブを着けたままスマートフォンの操作が可能です。
春秋用グローブの選び方|5つのポイント
出典:THE BASE
①対応温度帯を確認する
春秋用グローブを選ぶ際の最も重要なポイントは、対応温度帯の確認です。一般的に春秋用は8℃〜18℃程度をカバーしますが、メーカーによって幅があります。早朝の気温が10℃前後、日中が15℃〜18℃程度の条件でサイクリングすることが多い場合は、10℃〜15℃対応のモデルを選ぶと良いでしょう。
また、住んでいる地域の気候も考慮が必要です。北海道や東北地方では8℃〜12℃対応、関東以南では12℃〜18℃対応のグローブがおすすめです。使用頻度の高い気温帯をしっかり把握して、最適なモデルを選択しましょう。
②防風性と通気性のバランス
春秋用グローブでは、防風性と通気性のバランスが快適性を左右します。完全防風のグローブは風の侵入を防ぎますが、運動強度が上がると蒸れやすくなります。一方、通気性を重視しすぎると、風が強い日や下り坂で手が冷えてしまう可能性があります。
理想的なのは、手の甲部分に防風素材を使用し、手のひらや指先に通気性のある素材を配置したモデルです。また、部分的にベンチレーション機能を設けているグローブなら、温度調節がしやすく、様々な条件に対応できます。
③パッドの有無と厚み
手のひらのパッドは、長距離ライドでの振動吸収と快適性向上に大きく貢献します。50km以上のロングライドが多い方には、ジェルパッドや低反発パッド入りのモデルがおすすめです。一方、短距離や操作性重視の方は、パッドなしまたは薄手のパッドモデルを選ぶと良いでしょう。
パッドの厚みは2mm〜6mm程度が一般的で、厚すぎるとハンドルの感覚が鈍くなり、薄すぎると効果が実感できません。4mm程度の適度な厚みがあるパッドが、多くのサイクリストにとって最適なバランスと言えます。
④タッチパネル対応機能
現代のサイクリングでは、ナビゲーションアプリやサイクルコンピューターの操作が不可欠です。タッチパネル対応機能があるグローブなら、わざわざ脱がずにスマートフォンやタブレットの操作が可能です。一般的に親指と人差し指の先端に導電性繊維が織り込まれており、精度の高い操作ができます。
ただし、画面保護フィルムの種類によっては反応が鈍くなる場合があるため、購入前に自分のデバイスとの相性を確認することをおすすめします。また、タッチパネル対応部分は摩耗しやすいため、耐久性も重要な選択要素です。
⑤フィット感とサイズ選び
グローブのフィット感は、操作性と快適性に直結する重要な要素です。手囲い(親指の付け根と小指の付け根を結んだ周囲)を測定し、各メーカーのサイズ表を参照してください。一般的にMサイズは20〜22cm、Lサイズは22〜24cm程度が目安となります。
サイズ選びで迷った場合は、やや小さめを選ぶことをおすすめします。大きすぎるとハンドル操作時にずれやすく、細かな操作が困難になります。ただし、血行を妨げるほどきつすぎるのは逆効果なので、適度なフィット感を心がけましょう。
春秋用サイクリンググローブおすすめ5選
①パールイズミ アーリーウィンター グローブ(8500)
出典:パールイズミ公式サイト
パールイズミ アーリーウィンター グローブの価格を比較する
パールイズミ アーリーウィンター グローブ(8500)は、秋口から春先にかけて活躍する日本ブランドの定番モデルです。15℃前後の気温に最適化されており、ストレッチ裏起毛素材が適度な保温性を提供します。短めのカフ設計により着脱がしやすく、季節の変わり目の温度変化にも柔軟に対応できます。
タッチパネル対応機能を親指と人差し指に搭載し、グローブを着けたままスマートフォンの操作が可能です。手のひらには滑り止めシリコン加工が施されており、ハンドルをしっかりとグリップできます。パッドレス設計のため、操作性を重視する方や短〜中距離ライドにおすすめです。定価5,720円(税込)、実勢価格約6,300円前後 ※2025年11月時点という価格設定も魅力的です。
②シマノ ウィンドブレーク レースグローブ
出典:Amazon
シマノ ウィンドブレーク レースグローブの価格を比較する
シマノ ウィンドブレーク レースグローブは、レースグレードの性能を持つ春秋用モデルです。5℃〜10℃の気温帯に対応し、薄手でありながら高い防風性能を実現しています。レーシング仕様のため、フィット感と操作性に妥協がなく、競技志向のサイクリストからも高い評価を得ています。
パッドレス設計により、ハンドルの感覚をダイレクトに感じられるのが特徴です。タッチパネル対応機能も搭載しており、現代のサイクリングニーズにも対応しています。約4,500〜5,500円(税込)※2025年11月時点の価格帯で、プロレベルの性能を体験できます。※注意:10℃〜15℃帯をお探しの場合は「ライトサーマルグローブ」など別モデルをご検討ください。
③Castelli Perfetto Light グローブ
出典:Amazon
Castelli Perfetto Light グローブの価格を比較する
Castelli Perfetto Light グローブは、イタリアの名門ブランドが手がける軽量防風グローブです。8℃〜14℃の気温帯に対応し、プロチーム仕様の品質と機能性を兼ね備えています。最大の特徴は、小さく折りたたんでポケットに収納できる携帯性の高さで、天候の変化が予想される日のライドに重宝します。
CDS(Castelli Damping System)パッドを搭載しており、薄手でありながら振動吸収効果があります。手のラインに沿った立体裁断により、抜群のフィット感を実現しています。約10,000〜11,000円(税込)※2025年11月時点とプレミアム価格帯ですが、プロレベルの品質と所有する満足感は価格以上の価値があります。
④カペルミュール ライトサーモグローブ
出典:自転車のきゅうべえ
カペルミュール ライトサーモグローブの価格を比較する
カペルミュール ライトサーモグローブ(CORDURAライトサーマル)は、日本のサイクルウェアブランドが開発した春秋用モデルです。Polartec素材とCORDURA補強を採用し、保温性と通気性の絶妙なバランスを実現しています。10℃〜15℃の気温帯に対応し、日本人の手の形に合わせた設計が施されているため、海外ブランドでフィット感に満足できなかった方にもおすすめです。
Made in Japan品質へのこだわりと、シンプルながら洗練されたデザインが魅力です。タッチパネル対応機能も搭載しており、現代のサイクリングニーズに応えています。約6,000円前後(税込)※2025年11月時点という価格でありながら、機能性と品質に妥協がありません。
⑤GripGrab Ride 2 Windproof グローブ
出典:Amazon
GripGrab Ride 2 Windproof グローブの価格を比較する
GripGrab Ride 2 Windproof グローブは、デンマーク発の高機能グローブです。100%防風性能を持ちながら、戦略的に配置されたベンチレーション機能により、蒸れを効果的に軽減します。8℃〜16℃の幅広い気温帯に対応し、春秋の変わりやすい天候条件下でも安定した快適性を提供します。
手のひらにはDoctorGelパッドが搭載されており、長距離ライドでの振動吸収と疲労軽減に効果的です。タッチパネル対応機能も備えており、機能性の高さが際立ちます。約5,000〜6,000円(税込)※2025年11月時点で、防風性・パッド・タッチパネル対応をすべて兼ね備えたオールラウンドなモデルとして、多くのサイクリストから支持を得ています。
5製品の比較表
出典:THE BASE
| モデル名 | 対応温度 | 価格(税込) | 防風性 | パッド | タッチパネル対応 | 重量(概算) | 
|---|---|---|---|---|---|---|
| パールイズミ アーリーウィンター  | 
                15℃前後 | 定価5,720円 | ○ | なし | ○ | 約45g | 
| シマノ ウィンドブレーク  | 
                5〜10℃ | 約4,500〜5,500円 | ◎ | なし | ○ | 約40g | 
| Castelli Perfetto Light  | 
                8〜14℃ | 約10,000〜11,000円 | ◎ | CDSパッド | - | 約35g | 
| カペルミュール ライトサーモ  | 
                10〜15℃ | 約6,000円 | ○ | なし | ○ | 約50g | 
| GripGrab Ride 2 Windproof  | 
                8〜16℃ | 約5,000〜6,000円 | ◎ | ジェルパッド | ○ | 約65g | 
※製品仕様・価格は変動する可能性があります。購入前に公式サイトでご確認ください。※掲載情報は2025年11月時点のものです。
よくある質問(FAQ)
春秋用グローブの寿命はどれくらいですか?
使用頻度にもよりますが、一般的に1〜3年程度です。手のひらのパッドが潰れたり、防風素材が劣化してきたら買い替えのサインです。週1〜2回の使用であれば2〜3年、ほぼ毎日使用する場合は1〜1.5年程度が目安となります。
夏用グローブと春秋用グローブの違いは何ですか?
夏用は薄手でメッシュ素材が多く、通気性重視です。春秋用は防風素材や裏起毛を使い、10〜20℃の気温に対応する保温性があります。また、春秋用は風の侵入を防ぐ構造になっており、夏用よりもフィット感が重視されています。
スマホ対応のグローブは全ての機種で使えますか?
ほとんどのタッチパネル式スマートフォンで使用できますが、画面保護フィルムの種類によっては反応しにくい場合があります。特に厚手の保護フィルムやプライバシーフィルムを使用している場合は、事前に動作確認することをおすすめします。
パッドありとパッドなし、どちらを選ぶべきですか?
短距離(50km以下)ならパッドなしで操作性重視、長距離(50km以上)ならパッド入りで快適性重視がおすすめです。また、ロードレースなど競技性を重視する場合はパッドなし、ツーリングやロングライドが主体の場合はパッド入りを選ぶと良いでしょう。
サイズ選びのコツはありますか?
手囲い(親指の付け根と小指の付け根を結んだ周囲)を測定し、メーカーのサイズ表を参照してください。迷ったら小さめを選ぶと良いフィット感が得られます。ただし、血行を妨げるほどきつくならないよう注意が必要です。
まとめ
春秋用サイクリンググローブは、気温10℃〜20℃の快適なライドを実現する重要なアイテムです。今回ご紹介した5モデルは、それぞれ異なる特徴と魅力を持っており、あなたのライドスタイルや予算に応じて選択することができます。
操作性重視ならパールイズミやシマノのパッドレスモデル、長距離ライド重視ならGripGrabのパッド入りモデル、プレミアム品質重視ならCastelliのCDS搭載モデル、国産品質とコスパ重視ならカペルミュールがおすすめです。
適切なグローブを選ぶことで、春秋シーズンのサイクリングがより快適で安全なものになります。対応温度、防風性、パッド、タッチパネル対応など、重要なポイントを考慮して、あなたに最適な一品を見つけてください。素晴らしい春秋サイクリングをお楽しみください。