Home サイクリング サイクリングコース 奥日光一周サイクリング完全ガイド|いろは坂・山王峠・霧降高原をめぐる約98kmの山岳ループ【2026年版】

奥日光一周サイクリング完全ガイド|いろは坂・山王峠・霧降高原をめぐる約98kmの山岳ループ【2026年版】

紅葉最盛期のいろは坂のヘアピンカーブ空撮
奥日光一周サイクリング(約98km・獲得標高2,318m)の上級者向け完全ガイド。いろは坂・中禅寺湖・戦場ヶ原・山王峠・川俣温泉・瀬戸合峡・大笹牧場・霧降高原をめぐる時計回りルートを、番号付き地図・高低図・山王林道の通行規制・補給・アクセス情報とあわせて実走目線で解説します。
体力難易度:★★★★★
技術難易度:★★★★☆
距離の目安:約98km
目次

奥日光一周サイクリングとは?|約98km・獲得標高2,318mの本格山岳ループ

「いろは坂を登ったその先に、こんな世界があったなんて――」。奥日光の名所をぐるっと一周する、距離約98km・獲得標高約2,318mの本格ロングライドです。東武日光駅を発着に、いろは坂・中禅寺湖・戦場ヶ原・山王峠・川俣温泉・瀬戸合峡・大笹牧場・霧降高原と、標高1,000mを超える景勝地を時計回りにめぐります。最高地点は山王峠(約1,730m)。登りと下りが交互に現れる、走りごたえ抜群の上級者向けコースです。脚力に不安があれば、e-bike(電動アシスト)を使えばぐっと挑戦しやすくなります。

こんな人におすすめ

  • ヒルクライムも絶景も味わう「旅系ロングライド」に挑戦したい方
  • 中禅寺湖には一周路がないので、代わりに楽しめる周回コースを探している方
  • 都内から輪行・車載で行ける高原サイクリングスポットを探している方
  • 自然も文化も温泉もまるごと味わう「非日常」を感じたい方

⚠️ 【走る前に必ず確認】この上級ルートは安全管理がすべてです。
山王林道(光徳〜川俣):冬期閉鎖(例年12月〜4月下旬)に加え、夜間通行禁止(17:00〜翌8:00)。日没前に必ず抜ける行程を。
いろは坂:第二いろは坂(上り専用)・第一いろは坂(下り専用)の一方通行。紅葉期は大渋滞。
補給希薄:川俣温泉〜大笹牧場の約20kmは自販機も少なく、エスケープも困難。
・走行できるのは実質4月下旬〜11月下旬。出発前に栃木県日光土木事務所・日光市の道路情報で当日の通行規制を必ず確認してください。

距離 約98km(周回)
獲得標高 約2,318m
最高地点 山王峠 約1,730m(六方沢橋 約1,434m)
難易度 上級者向け(e-bike推奨・1泊2日も可)
走行可能期 約4月下旬〜11月下旬(山王林道の冬期閉鎖が律速)
ベストシーズン 新緑(5〜6月)・紅葉(10月中旬)
スタート/ゴール 東武日光駅/JR日光駅

※掲載情報は2026年7月時点のものです。通行規制・営業時間・料金は変わる場合があるため、出発前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

まずは全体像を地図で確認しましょう。番号①〜⑧が主要スポット、矢印が進行方向(時計回り)です。東武日光駅を発着に、いろは坂で一気に高原へ登り、戦場ヶ原・山王峠・川俣温泉・瀬戸合峡・大笹牧場・霧降高原と巡って日光へ戻ります。

奥日光一周 約98kmのルート地図と主要スポット(時計回り)

コースの高低差|山王峠と六方沢、2つの1,400m超え

0m900m1800m0km98.0km12345678
奥日光一周の高低断面(時計回り)。日光(約540m)からいろは坂で一気に登り、最高点の山王峠(約1,730m)へ。川俣へ下ってから大笹牧場・六方沢橋(約1,434m)へ登り返す、2つの大きな山場が待っています。

主要スポット紹介|番号順に見どころを解説

1東武日光駅・神橋(発着/標高約540m)

東武日光駅の山小屋風駅舎
旅の起点・東武日光駅。三角屋根の山小屋風駅舎が目印で、輪行で訪れるサイクリストの玄関口です。
大谷川に架かる朱塗りの神橋
大谷川に架かる朱塗りの神橋。日光の社寺の入口を飾る名橋で、新緑や紅葉の渓谷美とともに旅の始まりを彩ります。

スタートは東武日光駅(またはJR日光駅)。駅前にはコンビニ・レンタサイクルがそろい、補給の最終拠点になります。走り出してすぐ、大谷川に架かる朱塗りの神橋が見えてくると、「いよいよ旅が始まるな」という気分に。この先、いろは坂を越えると補給ポイントが一気に減るので、水・補給食はここでしっかり積み込んでおきましょう。

2いろは坂・明智平(標高約1,270m)

明智平展望台から望む華厳ノ滝と中禅寺湖
明智平展望台から望む華厳ノ滝と中禅寺湖。いろは坂を登りきった先に広がる、奥日光を代表するパノラマです(展望台へはロープウェイでアクセス)。

最初の関門が第二いろは坂(上り専用の一方通行)全48カーブのヘアピンが続き、平均5〜6%・最大10%前後の勾配で標高を一気に約700m稼ぎます。上りは2車線あり車列と同方向なので思ったより走りやすいですが、キツければ押して歩けばOK。登りきった明智平からは、男体山・中禅寺湖・華厳ノ滝が一望できるご褒美の絶景が待っています。※週末や紅葉期(10月中〜下旬)は観光渋滞が激しいので早朝スタートが吉。

3中禅寺湖・華厳ノ滝(標高約1,270m)

紅葉に染まる中禅寺湖の湖畔
紅葉に染まる中禅寺湖の湖畔。男体山の噴火でできた堰止湖で、透明度の高い水と山肌の色づきが美しいスポットです。

いろは坂を越えると、中禅寺湖の湖畔道へ。右手にきらめく湖面、左手に森と男体山。がんばって登ったご褒美のような爽快区間です。華厳ノ滝(エレベーターで観瀑台へ/大人570円)は日本三名瀑のひとつ。湖畔にはカフェや二荒山神社中宮祠もあり、コーヒー休憩にも最適です。

4竜頭ノ滝・戦場ヶ原(標高約1,400m)

新緑の竜頭ノ滝
新緑の竜頭ノ滝。岩肌を滑るように流れ落ちる渓流瀑で、戦場ヶ原へと続く遊歩道沿いから眺められます。

湖畔から北上すると竜頭ノ滝。滝のそばの「龍頭之茶屋」では、ゆば丼や名物スイーツで小休止できます。さらに進むと戦場ヶ原。視界がぐっと開けて、高層湿原の真ん中を一直線に伸びる道は、まるで北海道のような開放感。三本松に売店・駐車場があります。

5山王峠を越えて川俣温泉へ(最高点 約1,730m→約1,000m)

山あいの露天風呂(イメージ)
山あいの露天風呂(イメージ)。川俣温泉は鬼怒川最上流の静かな秘湯で、間欠泉でも知られる山王峠越えのゴールです。

戦場ヶ原・光徳から「山王林道(山王峠越え)」へ。山王峠(約1,730m)がこのルートの最高地点にして最大の核心部です。越えると川俣側へ一気に長い下り。人里離れた静かな森の道が続き、やがて間欠泉で知られる川俣温泉(ルートのほぼ中間点)に到着します。【最重要】山王林道は冬期閉鎖(例年12月〜4月下旬)に加え、夜間通行禁止(17:00〜翌8:00)。必ず明るいうちに抜ける行程を。

6瀬戸合峡・川俣ダム(標高約900m)

瀬戸合峡に架かる渡らっしゃい吊橋
瀬戸合峡に架かる「渡らっしゃい吊橋」。川俣ダム湖畔の峡谷を見渡せる、歩行者専用の吊橋です。

川俣温泉から緩やかに登ると瀬戸合峡。深さ約100mの断崖が約2kmにわたって切れ込むV字峡谷で、「渡らっしゃい吊橋」(高さ106m)から迫力の景観を望めます(吊橋は例年4月中旬〜11月下旬の開放・9:00〜16:00)。ここまで来ないと見られない、奥日光屈指の秘境スポットです。

7大笹牧場(標高約1,030〜1,320m)

大笹牧場の石碑と放牧された牛
標高1,000m超の高原に広がる大笹牧場。放牧された牛がのんびり草をはみ、ソフトクリームやジンギスカンが名物です。

瀬戸合峡から大笹牧場へ登り返します。標高1,000m超の高原牧場で、レストハウスにはトイレ・売店・レストランがそろう貴重な補給拠点。名物のブラウンスイス牛乳のソフトクリームは、疲れた身体に染みるごほうびです。「川俣温泉〜大笹牧場」の約20kmは自販機すら少ない無補給区間なので、手前でしっかり補給を。

8霧降高原(キスゲ平・六方沢橋 約1,434m)→日光へ

霧降高原道路の六方沢橋
霧降高原道路のハイライト・六方沢橋。深い谷に架かる真っ白なアーチ橋で、橋上からは大パノラマが広がります。
霧降高原キスゲ平のニッコウキスゲ
霧降高原キスゲ平園地。初夏にはニッコウキスゲが斜面を黄色に染め、天空回廊の階段から関東平野を一望できます。

最後の登りは、大笹牧場から六方沢橋(標高1,434m・霧降高原道路の最高点)への登り返し。長さ320mの逆ローゼアーチ橋からの眺めは圧巻です。キスゲ平園地(ニッコウキスゲの見頃は6月中旬〜7月中旬・天空回廊1,445段)を過ぎれば、あとは霧降の滝を横目に日光市街まで長い下り。標高が高く気温が一気に下がるので、下りは防風・防寒を万全に。ゴール後は駅近くの日帰り温泉「やしおの湯」で汗を流すのもおすすめです。

モデルコース|日帰り or 1泊2日で走る奥日光一周

約98km・獲得標高2,318mは、中級以上の脚力があれば日帰りでも走破可能ですが、山王林道の夜間通行禁止(17時〜)を考えると早朝スタート必須です。じっくり旅を味わうなら、ちょうど中間点の川俣温泉で1泊する2日プランもおすすめ。温泉につかって美味しいごはんを食べ、翌朝リフレッシュした脚で霧降高原の登り返しに挑む——そんな贅沢も、このコースならではです。

日帰り(健脚・約98km) 日光 早朝発 → いろは坂 → 中禅寺湖・戦場ヶ原 → 山王峠 → 川俣温泉(昼)→ 瀬戸合峡 → 大笹牧場 → 霧降高原 → 日光(夕方前に下山)
1泊2日(ゆったり) DAY1:日光 → いろは坂 → 中禅寺湖・戦場ヶ原 → 山王峠 → 川俣温泉 泊/DAY2:瀬戸合峡 → 大笹牧場 → 霧降高原 → 日光

実走の注意点|山岳ロングライドならではのポイント

🌡️ 気温差・防寒:標高1,000〜1,730mを走るため、夏でも朝晩や長い下り(いろは坂・山王峠→川俣・六方沢→日光)は冷えます。ウィンドベスト(ジレ)やウィンドブレーカーは必携。軽量コンパクトなモデルを1枚忍ばせておきましょう。

🚴 いろは坂はマイペースで:第二いろは坂は上り専用の一方通行なので車に追われるストレスは少なめ。それでもキツければ押して歩けばOK。週末・紅葉期は観光バスが増えるので早朝スタートを。トンネルもあるので前後ライトを。

🥗 補給は「積んで走る」:川俣温泉〜大笹牧場の約20kmは自販機も少ない無補給ゾーン。水・補給食は日光市街や中禅寺湖・戦場ヶ原で満載に。サドルバッグがあると補給食やウィンドブレーカーの携行に便利です。川俣温泉以降は電波が入りにくい区間もあるため、ルート/GPXの事前ダウンロードとモバイルバッテリーは必須

アクセス&エスケープ

東京からのアクセスは、東武特急スペーシアX/けごん(浅草〜東武日光 約2時間)、またはJR特急スペーシア日光(新宿・池袋から乗換なし約2時間)が便利。どちらも東武日光駅・JR日光駅が起点になります(自転車の輪行・積載ルールは事前に各社で確認を)。エスケープ(リタイア)は、中禅寺湖まで戻ればバス・タクシーが利用できますが、山王峠〜川俣温泉〜大笹牧場の山間部は交通手段が乏しく「引き返せない」区間です。この区間に入る前に、体力・時間・天候をよく見極めましょう。

ベストシーズン|新緑と紅葉、そして夏の涼

走行できるのは山王林道の冬期閉鎖が明ける4月下旬〜11月下旬。特におすすめは新緑の5〜6月紅葉の10月中旬(ただし奥日光の紅葉期、いろは坂は激しい渋滞に)。標高が高いため真夏でも比較的涼しく走れますが、午後の雷雨に注意。冬〜早春は積雪・路面凍結・通行止めのため避けましょう。いずれの季節も朝晩と長い下りの冷え込み対策を忘れずに。

よくある質問(FAQ)

どれくらいの体力が必要ですか?

約98km・獲得標高2,318mの本格派で、ヒルクライムも多いため日帰りなら中級以上の体力が目安です。ロードバイクや軽量クロス、またはe-bikeが向いています。不安があれば川俣温泉で1泊する2日プランを。

いつ走れますか?ベストシーズンは?

山王林道の冬期閉鎖(例年12月〜4月下旬)が明ける4月下旬〜11月下旬が走行可能期。新緑の5〜6月、紅葉の10月中旬が特におすすめです(紅葉期のいろは坂は大渋滞)。

いちばん注意すべき区間は?

山王林道(光徳〜川俣・山王峠越え)です。ルート最高点であるうえ、夜間通行禁止(17:00〜翌8:00)・補給とエスケープが乏しい山間部。必ず明るいうちに抜ける行程を組みましょう。いろは坂の観光渋滞にも注意です。

補給ポイントはありますか?

日光市街、中禅寺湖畔、竜頭ノ滝、戦場ヶ原(三本松)、大笹牧場、キスゲ平などにあります。ただし川俣温泉〜大笹牧場の約20kmは無補給ゾーン。手前で水・補給食を満載しておきましょう。

輪行で行くなら、どの駅が便利?

東武日光駅またはJR日光駅が起点。どちらも都心から特急で約2時間、駅前にコンビニ・レンタサイクルもそろっています。ゴール後は駅近くの日帰り温泉「やしおの湯」で汗を流すのもおすすめです。

まとめ|いろは坂を越えて、奥日光を一周する冒険へ

いろは坂を登り切った先に広がるのは、湖や滝、湿原、高原、そして静かな温泉街。奥日光の名所をひと筆書きでめぐるこの一周は、約98km・獲得標高2,318mという数字だけ見ると身構えてしまうかもしれません。でも、焦らずマイペースで、そして山王林道の時間規制と補給・防寒だけはしっかり押さえて進めば、きっとたどり着ける道です。体力に不安があればe-bikeや1泊2日プランも。まずは、いろは坂の少し手前——紅葉の中禅寺湖サイクリング(約21.5km・e-bike)のような、もう少し手軽な奥日光ライドから始めてみるのもおすすめです。そのほかの関東のサイクリングコースもあわせてどうぞ。走り終えたとき、きっと「また来よう」と思える旅になるはずです。

🚲️サイクリング装備

「自転車本体」「自転車旅行装備」「トレッキング装備」「キャンプ装備」は後日公開。