この記事でわかること|東伊豆“だけ”をゆったり楽しむ旅サイクリング
「いつかイズイチ(伊豆一周)をやってみたい」
そう思いながらも、200km超・獲得標高3,000m級のロングライドには、なかなか踏み出せない——
そんな方にぴったりなのが、東伊豆の海沿いを気軽に走る“片道ライド”です。
このルートでは、伊豆急行に沿って富戸駅から伊豆急下田駅までを南下。
断崖の吊り橋や白砂のビーチ、情緒ある温泉街をつなぐ約40kmのコースで、旅気分のサイクリングが楽しめます。
アップダウンはあるものの、距離は短め。観光や食事を挟みながら、1日をのんびり過ごせるのが魅力です。
「伊豆の絶景海岸を自転車で走ってみたい」
「輪行を活用して、ちょっとした非日常を味わいたい」
「いつかイズイチを走る前に、伊豆の魅力に触れておきたい」
そんな人に向けて、“走る”と“旅する”がちょうどよく混ざったサイクリングコースを紹介します。
モデルルート紹介|富戸〜下田をつなぐ海岸線40kmの旅
記号 | 地点名 | 主な特徴・補足内容 |
---|---|---|
A | 富戸駅 | 静かな駅スタート。裏ルート感が魅力。 |
B | 城ヶ崎海岸(門脇吊橋) | 絶壁と吊り橋の絶景。最初のハイライトに最適。 |
C | 伊豆高原駅 | 観光案内所・カフェ・補給に便利。レンタサイクル拠点としても機能。 |
D | 熱川温泉街 | 海沿いの温泉宿が並ぶ情緒ある温泉街。グルメや足湯での休憩に最適。 |
E | 稲取温泉街 | 金目鯛グルメの町。ランチや温泉立ち寄りにおすすめ。 |
F | 今井浜海岸 | 波が穏やかで気持ちの良い砂浜。穴場感あり。 |
G | 白浜大浜海岸 | 伊豆随一の美しいビーチ。白砂とエメラルドグリーンの海が圧巻。 |
H | 外浦海岸 | 静かでのんびりとした入り江のビーチ。ビーチピクニックにも◎ |
I | 爪木崎 | 灯台と断崖、冬の水仙で有名な岬。下田駅へ向かうラストの立ち寄りにぴったり。 |
J | 伊豆急下田駅 | ゴール地点。観光・グルメ・温泉・輪行と旅の締めくくりに最適。 |
ざっくり見どころ
道中に立ち寄れる見どころスポットを、写真でざっくりご紹介します。






コース概要
距離の目安: 約35〜40km(富戸駅〜伊豆急下田駅)
→ 東伊豆の景観を堪能できる中距離ルート。観光・休憩を挟みながら半日〜1日で楽しめる構成。
獲得標高: 400〜500m前後(細かなアップダウン多数)
→ 各ビーチや港町の間に短い登り下りが連続。見た目以上に脚を使う場面もある。
所要時間: 3〜5時間(観光・グルメ・写真休憩込み)
→ 城ヶ崎や白浜などの絶景スポットに立ち寄りながら、ゆったりと進む旅ライドに最適。
スタート地点: 富戸駅(伊豆急行線)
→ 静かな住宅街にある無人駅。事前の補給は伊豆高原駅周辺で済ませておくのが安心。
ゴール地点: 伊豆急下田駅
→ 温泉・グルメ・観光名所が揃う充実の終着点。輪行にも便利な設備とアクセス。
主な見どころスポット:
→ 城ヶ崎海岸(吊橋)、稲取温泉街、白浜大浜海岸、外浦海岸、爪木崎灯台など、景観と文化が交差するポイントが連続。
補給ポイント:
→ 伊豆高原駅、熱川、稲取、下田市街地にコンビニ・飲食店あり。稲取〜下田の区間は補給が少ないため注意。
路面状況:
→ 全線舗装済。海沿いの生活道では道幅が狭い場所もあり、スピードの出しすぎに注意。
推奨バイクタイプ:
→ クロスバイク・ロードバイクが基本。軽快な走行性能と輪行のしやすさが両立できる。
ベストシーズン:
→ 春・秋が快適。真夏は日差しが強く、アップダウンで体力を消耗しやすいため早朝スタート推奨。
注意点:
→ 観光地周辺では交通量・歩行者が多くなるため、安全第一で。下田手前の爪木崎エリアは風が強くなることもある。
見どころガイド|断崖・ビーチ・温泉街をつなぐ名所たち
城ヶ崎海岸(門脇吊橋)|伊豆の旅がはじまる“絶景の吊橋”
ルートの前半、富戸駅を出てまもなく現れるのが、溶岩の断崖がむき出しになった城ヶ崎海岸。
そのなかでも「門脇吊橋」は特に有名で、長さ48m・高さ23mのスリル満点な吊橋からは、波が砕けるダイナミックな海岸線が一望できます。
自転車を停めて、少し歩くことでたどり着けるスポットですが、“伊豆を走る旅”の幕開けにふさわしい景色が広がっています。
海風に吹かれながら吊橋を渡れば、自然との距離が一気に縮まる感覚に。
稲取温泉街|金目鯛の香り漂う、海辺の港町
伊豆らしさを味わうなら、稲取温泉街は外せないポイント。
山が迫る小さな湾に、旅館や食堂がぎゅっと詰まった町並みは、観光地というより“生活のにおいが残る漁師町”といった雰囲気です。
なかでも名物は、言わずと知れた「キンメダイ」。
駅周辺の食堂や定食屋では、煮付け・炙り丼・刺身などがリーズナブルに楽しめます。
サイクリング途中のランチタイムに、温泉と魚の町でゆっくり一息。そんな贅沢な時間が過ごせます。
白浜大浜海岸|エメラルドブルーの伊豆リゾート

伊豆随一の人気ビーチ、白浜大浜海岸。
特に晴れた日には、白砂のビーチとエメラルドグリーンの海のコントラストが圧巻で、ここだけ南国のような空気が流れています。
夏場は海水浴客で賑わいますが、それ以外の季節には静けさが戻り、まるでプライベートビーチのような雰囲気に。
波打ち際でのんびり過ごすのもよし、ベンチで海を眺めながら休憩するのもよし。旅の中盤、ペダルを止めて深呼吸したくなる場所です。
爪木崎|伊豆の端にある“旅の締めくくり”スポット

伊豆急下田駅の手前にある岬「爪木崎」は、旅の終盤を彩る静かな絶景。
白亜の灯台が建つ岬からは、太平洋を望む断崖が続き、晴れていれば伊豆七島が見えることも。
冬はスイセンの名所としても有名で、12月〜2月にかけては、岬一帯が甘い香りと白い花で包まれます。
最後にひと登りあるぶん、灯台に立った瞬間の達成感は格別。
“この旅を走ってよかった”と感じさせてくれる、静かで力強い風景が待っています。
快適に走るためのヒント|アップダウン・補給・輪行のコツ
アップダウンに備えて、ペースは控えめに
このコースは“ゆる旅”とはいえ、意外と脚を使うアップダウンの連続。
特にビーチや港町の間には、細かな坂が何度も現れます。
勾配はきつくないものの、後半に疲れを残さないためにも、最初からマイペースを意識して走るのがポイント。
「登りの先に絶景がある」と思えば、気持ちも前向きになれます。
補給は「伊豆高原・熱川・稲取・下田」でしっかりと
途中の休憩ポイントやコンビニは限られます。
特に稲取〜下田の間は補給できる場所が少ないので、飲み物・軽食は早めに確保を。
おすすめ補給ポイント:
伊豆高原駅周辺(カフェ・パン屋・コンビニ)
熱川温泉(食堂・売店)
稲取温泉(食堂・魚屋)
下田駅前(飲食・お土産店多数)
夏は早朝出発が吉、春と秋がベストシーズン
ベストシーズンは、気温が安定している春(4〜6月)と秋(10〜11月)。
真夏は暑さと照り返しで体力を消耗しやすくなるため、早朝〜午前中の出発を強くおすすめします。
また冬季は爪木崎のスイセンが見頃ですが、風が強くなる日もあるため、防寒と防風対策を忘れずに。
私はいつも↓を忍ばせています。
- フューチャーライトトレイルピークジャケット
道幅狭め&生活道路に注意
全線舗装路ではあるものの、一部区間では道幅が狭く、対向車や歩行者とのすれ違いに注意が必要です。
特に観光地周辺では観光バスや車も増えるため、無理な追い越しやスピードの出しすぎには注意しましょう。
また、ビーチ周辺では歩行者優先の意識を忘れずに。
輪行は伊豆急が便利!駅の設備もチェックを
伊豆急行線はほぼ全駅で輪行が可能&バイク持ち込みにも比較的フレンドリーな路線。
主要駅(伊豆高原・伊豆熱川・伊豆稲取・伊豆急下田)には改札が広く、エレベーターや待合室もあるため安心です。
帰路は下田駅から輪行すれば、ゆったりと旅の余韻に浸れます。
よくある質問|東伊豆サイクリングの気になる疑問に答えます
Q. 片道40kmは初心者でも走りきれますか?
個人差はありますが、休憩を挟みながら1日かけて走る前提なら十分に完走可能です。
アップダウンがあるため多少の体力は必要ですが、ペースを調整しながら進めば大丈夫。
心配な方は、伊豆高原〜稲取の短縮コース(約20km)からスタートするのもおすすめです。
Q. レンタサイクルでこのルートを走れますか?
はい、伊豆高原駅周辺にスポーツバイク対応のレンタサイクルがあります。
事前予約が必要な場合もあるため、出発前に確認を。
レンタルの場合、ゴール後は下田駅から電車で返却拠点へ戻る輪行スタイルが基本になります。
レンタルする自転車を輪行で戻してよいかは事前に必ず確認しましょう。
Q. 電車での輪行はどうすればいいですか?
伊豆急行線では、輪行袋に自転車を収納すれば問題なく持ち込み可能です。
駅にはエレベーターや広めの改札もあり、初めての輪行でも安心して利用できます。
混雑を避けるなら、午前〜夕方前の時間帯が快適です。
Q. どの季節がおすすめですか?
春(4〜6月)と秋(10〜11月)がベストシーズンです。
真夏は暑さと日差し、冬は風の強さに注意が必要ですが、12月〜2月は爪木崎のスイセンが見頃となり、季節の魅力も感じられます。
まとめ|イズイチより、もう少し旅気分で楽しみたいなら
「伊豆を走ってみたい」
でも、いきなり200km級のロングライドはハードルが高い——
そんな人にぴったりなのが、今回ご紹介した東伊豆の片道ライドルートです。
距離は約40km、けれど絶景・ビーチ・温泉街と見どころはぎっしり
輪行でアクセス・帰宅もスムーズ。1日で完結する“旅サイクリング”
小さな登りを越えるたびに、新しい風景と出会えるコース設計
海沿いの生活道を、地元の空気を感じながら走っていく感覚は、まさに“なぞるように旅する”伊豆の魅力そのもの。
いつか“イズイチ”に挑戦したい人も、その最初の一歩として。
観光とサイクリングを両立したい人にも、きっと忘れられない1日になるはずです。