チバイチ(千葉一周)ルート概要
チバイチとは、自転車で千葉県を一周する人気の長距離サイクリングチャレンジです。千葉県は本州では珍しく、県境のほとんどが海と利根川で囲まれているため、地図を見なくても県境沿いを一本の線でつなぐように走ることができます。距離は約500〜530kmに及び、東京〜大阪間とほぼ同じ距離を誇る本格的なロングライドです。
獲得標高は約1400mと距離の割には少なく、全体的に平坦基調のコースとなっています。そのため「距離は長いが登りが少ない」という独特の難易度が特徴で、体力よりも持久力と補給計画が重要になります。多くのサイクリストは2泊3日のスケジュールで完走を目指します。
| 距離 | 約500〜530km(ルート取りによる) | 
| 獲得標高 | 約1400m | 
| 所要時間 | 2泊3日(1日170km前後) | 
| 路面状況 | 全線アスファルト舗装(一般道・国道中心) | 
| 難易度 | 上級者向け(距離は長いが平坦基調) | 
| 推奨季節 | 春・秋(3-5月、10-11月) | 
| 補給ポイント | コンビニ多数、道の駅約10箇所 | 
| スタート/ゴール | JR千葉駅(任意の地点も可) | 
| おすすめルート方向 | 反時計回り(この記事で紹介) | 
          ※所要時間は休憩を含みません。初心者の方は余裕を持って3泊4日の計画をおすすめします。
          ※掲載情報は2025年10月時点のものです。天候や道路状況により変更される場合がありますので、出発前に最新情報をご確認ください。
        
          出典:スペシャライズドストア幕張
📍 主要スポット
主要スポットをご紹介。(反時計回りルートの場合)
🚴 スタート地点:JR千葉駅
          出典:JR東日本建築設計
駅周辺にコンビニ・自転車ショップが充実しており、最終的な準備を整えてから出発できます。
🏫 立ち寄りスポット1:道の駅保田小学校(鋸南町)
          出典:ちば観光ナビ
廃校をリノベーションしたユニークな道の駅。教室を活用した直売所やレストランがあり、話題のスポットです。
🌊 立ち寄りスポット2:道の駅とみうら枇杷倶楽部(南房総市)
          出典:南房総いいとこどり
トイレ・休憩・補給に最適なスポットです。内房ルートの重要な休憩ポイントとして多くのサイクリストが立ち寄ります。
☕ 立ち寄りスポット3:道の駅ちくら潮風王国(南房総市)
          出典:道の駅ちくら潮風王国
太平洋を一望できる絶景道の駅。新鮮な海産物と地元グルメが楽しめます。外房ルートの重要な補給ポイントとして多くのサイクリストが立ち寄ります。
🐠 立ち寄りスポット4:鴨川シーワールド(鴨川市)
          出典:鴨川シーワールド
シャチのパフォーマンスで有名な水族館。外房ルートの人気観光スポットで、休憩を兼ねた立ち寄りにおすすめ。
🌊 立ち寄りスポット5:九十九里浜(九十九里町)
          出典:FUNQ Bicycle Club
日本有数の長大な砂浜。約60kmの直線区間を走る爽快感は格別。太平洋の絶景と潮風を楽しめます。
🗼 立ち寄りスポット6:犬吠埼灯台(銚子市)
          出典:千葉県公式観光サイト
関東最東端のシンボル。白亜の灯台と太平洋の絶景が広がる記念撮影スポット。周辺に飲食店・コンビニあり。
🏛️ 立ち寄りスポット7:佐原の町並み(香取市)
          出典:北総四都市江戸紀行
「小江戸」として知られる歴史的な街並み。利根川沿いに江戸情緒あふれる建物が並び、最終日の観光に最適です。
🏁 ゴール地点:JR千葉駅
          出典:JR東日本建築設計
スタート地点に戻り、千葉県一周を達成。駅前には温浴施設もあり、ゴール後のリフレッシュに最適です。
チバイチの難易度と所要時間
          出典:ことりっぷ
体力難易度:距離は長いが平坦基調
チバイチの最大の特徴は、「距離は長いが登りが少ない」という点です。獲得標高約1400mは、500kmという距離に対して非常に少なく、激しいヒルクライムはほとんどありません。房総半島の最高地点でも標高300m程度のため、峠越えのような急坂に悩まされることは少ないでしょう。
ただし、平坦だからといって簡単ではありません。連続して長距離を走る持久力、適切な補給タイミング、風向きへの対応力が求められます。特に海岸線では風速7〜10mに達する日もあり、向かい風区間では想像以上に体力を消耗します。
          体力難易度:⭐⭐⭐⭐☆(上級者向け)
          技術難易度:⭐⭐⭐☆☆(中級者向け)
        
推奨スケジュール:2泊3日が安心
【2泊3日モデルプラン(反時計回りルート)】
- 1日目:千葉駅→館山(約170km)
 - 2日目:館山→銚子(約180km)
 - 3日目:銚子→千葉駅(約170km)
 
各日とも早朝6時頃にスタートすれば、休憩を含めて夕方17時頃にゴールできます。日没時間に注意し、特に冬季(11月〜2月)は日が短いため、余裕を持った計画を立てましょう。
実走モデルコース(反時計回り推奨)
          出典:エンジョイ房総
チバイチは時計回り・反時計回りどちらでも走行可能です。この記事では反時計回り(千葉駅→内房→館山→外房→九十九里→銚子→北総→千葉駅)のルートで統一して紹介します。
1日目:千葉駅→館山(内房ルート)
          走行距離:約170km
          主要経由地:市原→木更津→富津→館山
        
千葉駅を出発し、国道16号・国道127号を南下します。市原市から木更津市にかけては交通量がやや多めですが、路肩が広く走りやすい区間です。木更津を過ぎると東京湾の海岸線に沿った景色が広がります。
2日目:館山→銚子(外房・九十九里ルート)
          走行距離:約180km
          主要経由地:白浜→千倉→鴨川→勝浦→九十九里→銚子
        
2日目はチバイチ最大のハイライト区間です。館山から南下し、房総半島最南端の野島崎を経由して外房エリアへ。道の駅ちくら潮風王国では太平洋の絶景と海鮮グルメを堪能できます。
3日目:銚子→千葉駅(北総ルート)
          走行距離:約170km
          主要経由地:旭→佐原→成田→四街道→千葉
        
最終日は内陸ルートです。銚子から利根川沿いに西進し、佐原の古い町並みを経由します。佐原は「小江戸」として知られる歴史的な街並みが残り、短時間の観光にも最適です。
ベストシーズンと気候
          出典:ちりりん - サイクルベースあさひ
ベストシーズンは春と秋(個人的には秋)
チバイチのベストシーズンは春(3月〜5月)と秋(10月〜11月)です。この時期は気温が穏やかで、長時間のライドでも快適に走れます。
          秋(10月〜11月):個人的に最もおすすめ
          平均気温15〜20℃で晴天が続きやすく、涼しい気候で長時間のライドも快適です。台風シーズン(9月)を避ければ、1年で最も走りやすい季節と言えます。紅葉も楽しめ、房総半島の秋の風景は格別です。
        
          春(3月〜5月)
          平均気温15〜20℃で、晴天日が多い時期です。菜の花や桜が咲き、房総半島の自然美を楽しめます。ただし、花粉症の方は対策が必須です。マスクや薬を準備して走りましょう。
        
          冬(12月〜2月)
          気温が低く(平均5〜10℃)、防寒対策が必須です。日没が早いため、早朝スタートが必要です。走行時間が限られるため、計画に余裕を持ちましょう。
        
          夏(6月〜8月)
          猛暑・熱中症リスクが高く、長距離ライドには不向きです。早朝スタート・こまめな水分補給が必須。梅雨時期(6月)は雨天リスクも高まります。
        
補給ポイントと休憩スポット
チバイチは約500kmの長距離ライドのため、計画的な補給が成功の鍵です。ルート上には道の駅とコンビニが充実しており、適切なタイミングで休憩・補給を行えば、体力を維持しながら完走できます。
道の駅
チバイチのルート上には約10箇所の道の駅があり、トイレ休憩・補給・観光を兼ねた立ち寄りスポットとして最適です。地元グルメや特産品も楽しめます。
主要な道の駅(反時計回りルート順):
- 道の駅保田小学校(鋸南町):廃校をリノベーション。教室を活用した直売所・レストラン
 - 道の駅とみうら枇杷倶楽部(南房総市):全国道の駅グランプリ最優秀賞。名物「びわソフト」が人気
 - 道の駅ちくら潮風王国(南房総市):太平洋を一望できる絶景スポット。海鮮グルメが充実
 - 道の駅鴨川オーシャンパーク(鴨川市):鴨川シーワールド近く。海鮮丼や房総の地魚が楽しめる
 - 道の駅オライはすぬま(山武市):九十九里浜の中間地点。海産物の直売所あり
 - 道の駅水の郷さわら(香取市):佐原の古い町並み近く。利根川沿いの静かなスポット
 
※道の駅は営業時間が限られている場合があります(多くは9:00〜17:00)。早朝・夜間は利用できないため、コンビニとの併用が重要です。
コンビニ
チバイチのルート上にはコンビニが多数あり、24時間補給が可能です。30〜40kmごとに立ち寄り、こまめな水分・エネルギー補給を心がけましょう。
コンビニが充実しているエリア:
- 千葉市〜木更津市:市街地のため、1〜2kmごとにコンビニあり。セブンイレブン・ファミリーマート・ローソンが充実
 - 館山市・鴨川市・勝浦市:市街地中心に多数のコンビニあり。観光地のため比較的密集
 - 銚子市:犬吠埼周辺にもコンビニあり。最東端でも補給可能
 
注意が必要なエリア:
- 房総半島南端(館山〜鴨川):海岸線沿いは10〜15km間隔でコンビニが点在。こまめな補給を
 - 九十九里浜(一部区間):直線的な海岸線のため、コンビニの間隔が広い区間あり
 - 北総エリア(佐原〜成田):内陸部のため、市街地以外はコンビニが少ない場合あり
 
※早朝スタートの場合、最初の1〜2時間はコンビニが少ない区間を走ることもあります。出発前に十分な補給食・水分を準備しておきましょう。
宿泊と輪行の計画
宿泊候補地
チバイチの宿泊候補地として、以下のエリアがおすすめです。
          1日目宿泊:館山市・南房総市
          館山駅周辺にはビジネスホテル・温泉宿が多数あります。温泉付きホテルで疲れを癒すのがおすすめ。事前予約が必須です。
        
          2日目宿泊:銚子市・旭市
          銚子市内には海鮮料理が自慢のホテル・民宿が多数あります。犬吠埼周辺の温泉宿もおすすめ。
        
輪行活用のコツ
チバイチは長距離のため、輪行(自転車を電車に持ち込む)を活用すると計画の自由度が高まります。
輪行のメリット:
- 体調不良・天候悪化時に途中リタイアできる
 - 日帰りで一部区間だけを走ることも可能
 - 帰路の時間を節約できる
 
装備と持ち物チェックリスト
チバイチのような長距離ライドでは、装備と持ち物の準備が成功の鍵です。以下のチェックリストを参考に、忘れ物がないように準備しましょう。
🚴 自転車・装備チェック
✅ 必須装備(安全・法令関連)
- ロードバイク・クロスバイク:事前に整備済みであること(ブレーキ、ギア、タイヤの状態確認)
 - ヘルメット:努力義務(2023年4月施行)。長距離ライドでは必須
 - ライト前後:夜間走行に備えて必須。フロント200ルーメン以上、リアは点滅式推奨
 - パンク修理キット:予備チューブ2本以上、タイヤレバー、携帯ポンプ or CO2ボンベ
 - 携帯工具:六角レンチセット(2/2.5/3/4/5/6/8mm)
 
💡 あると便利な装備
- サイクルコンピューター:距離・速度・時間の把握に便利。スマホGPSアプリでも代用可
 - 輪行袋:トラブル時の緊急撤退用。持っているだけで安心感が違う
 - サングラス:長時間の日光対策と虫・飛び石対策
 - グローブ:手のひらの疲労軽減。転倒時の保護にも
 - サドルバッグ:パンク修理キットや小物の収納に便利
 
👕 ウェア・身につけるもの
          サイクルウェア:速乾性のあるサイクルジャージ(長時間の汗対策)
          サイクルパンツ:パッド付き(お尻の痛み軽減に必須)
          アームカバー・レッグカバー:気温調整用。脱ぎ着が簡単で便利
          レインウェア:上下セパレートタイプ推奨。急な雨天に備えて
        
🍫 補給・水分
          エネルギー補給食:エナジーバー5〜8本、ジェル3〜5個
          水分:ボトル2本以上(1.5〜2L)
          非常食:カロリーメイトやおにぎり(ハンガーノック対策)
          塩分補給:タブレットや電解質サプリメント
        
📱 ナビゲーション・連絡手段
          スマートフォン:GPSアプリ(Strava、Ride with GPS等)でナビゲーション
          スマホホルダー:ハンドル装着式が便利
          モバイルバッテリー:大容量タイプ(10,000mAh以上推奨)
          現金・カード:道の駅、自販機、コンビニ購入用
          緊急連絡先:家族・友人への連絡手段確保
        
🏥 安全・応急処置
          保険証コピー:万が一の医療機関受診に備えて
          救急セット:絆創膏、消毒液、痛み止め
          日焼け止め:長時間の屋外活動には必須(SPF50推奨)
          着替え:汗冷え防止用の予備シャツ
        
📅 事前準備
          天気予報チェック:3日前から毎日確認。雨天・強風予報なら日程変更を検討
          自転車の整備:ショップでの点検推奨。タイヤ空気圧・ブレーキ・ギアの調整
          ルート下見:Googleストリートビューでの事前確認
          体調管理:前日は十分な睡眠と栄養補給。アルコールは控えめに
        
よくある質問(FAQ)
初心者でもチバイチは走れますか?
チバイチは上級者向けの長距離ライドです。距離約500kmは東京〜大阪間に匹敵し、2〜3日連続で長時間走り続ける体力と経験が必要です。日常的に100km以上のロングライドをこなしている方であれば挑戦できますが、初心者の方はまず50〜100km程度の日帰りライドで経験を積むことをおすすめします。
所要時間はどのくらいですか?
一般的には2泊3日で完走するサイクリストが多いです。1日あたり170km前後を走る計算になります。初めての挑戦や体力に不安がある方は、余裕を持って3泊4日のスケジュールを組むと安心です。
レンタサイクルはありますか?
千葉県内にはレンタサイクルがありますが、チバイチ全行程をレンタルで走るのは困難です。レンタサイクルは基本的に日帰り利用が前提で、乗り捨て(他の場所で返却)に対応していないケースがほとんどです。
補給ポイントはありますか?
ルート上にはコンビニが多数あり、補給には困りません。市街地エリアでは、1〜2kmごとにコンビニがあります。また、道の駅(約10箇所)でトイレ休憩・軽食・地元グルメを楽しめます。
輪行は必要ですか?
必須ではありませんが、輪行袋を持参することを強く推奨します。長距離ライドでは体調不良・天候悪化・パンク連続などのトラブルが起こる可能性があります。輪行袋があれば、途中の駅から電車で帰ることができ、安心感が大きく向上します。
ベストシーズンはいつですか?
秋(10月〜11月)と春(3月〜5月)がベストシーズンです。気温が穏やかで、長時間のライドでも快適に走れます。個人的には、涼しくて走りやすい秋(10月〜11月)が最もおすすめです。夏(6月〜8月)は猛暑・熱中症リスクが高く、早朝スタートが必須です。
雨の日は走れますか?
小雨程度であれば走行可能ですが、本格的な雨天時は中止を推奨します。長距離ライドで雨に濡れ続けると、体温低下・視界不良・スリップリスクが高まります。
おすすめの立ち寄りスポットは?
以下のスポットがおすすめです。
- 道の駅保田小学校:廃校をリノベーションしたユニークな道の駅
 - 道の駅とみうら枇杷倶楽部:びわソフトが絶品
 - 道の駅ちくら潮風王国:太平洋の絶景と海鮮グルメ
 - 犬吠埼灯台:関東最東端の記念撮影スポット
 - 佐原の町並み:「小江戸」として知られる歴史的な街並み
 
まとめ:チバイチは体力より計画と補給が鍵
千葉一周「チバイチ」は、約500kmの長距離を2〜3日かけて走破する上級者向けチャレンジです。獲得標高は少なく平坦基調ですが、連続して長時間走る持久力、適切な補給計画、風向きへの対応力が求められます。
成功のポイントは以下の3つです。
- 適切な季節を選ぶ:春・秋の気候が穏やかな時期がおすすめ
 - 補給を怠らない:30〜40kmごとに軽食・水分を補給
 - 余裕あるスケジュール:2泊3日、できれば3泊4日で計画
 
ぜひ、しっかりと計画を立てて、千葉県一周の大冒険に挑戦してみてください!
※本記事の情報は2025年10月時点のものです。天候・道路状況・施設の営業時間などは変更される場合があります。出発前に最新情報をご確認ください。