ルート概要
千葉一周「チバイチ」とは、自転車で千葉県を一周する人気の長距離サイクリングチャレンジです。千葉県は本州では珍しく、県境のほとんどが海と利根川で囲まれているため、地図を見なくても県境沿いを一本の線でつなぐように走ることができます。
| 距離 | 約358km(反時計回り) |
| 獲得標高 | 約1,400m |
| 所要時間 | 2泊3日〜3泊4日 |
| 路面状況 | 全線アスファルト舗装 |
| 難易度 | 上級者向け |
| 推奨季節 | 春・秋(3-5月、10-11月) |
| スタート/ゴール | JR千葉駅 |
※所要時間は休憩を含みません。初心者の方は余裕を持って計画してください。
※掲載情報は2025年11月時点のものです。天候や道路状況により変更される場合がありますので、出発前に最新情報をご確認ください。
📍 ルートマップ
ルート上のポイント一覧
| 記号 | ポイント名 | 解説 |
|---|---|---|
| A | JR千葉駅 | スタート・ゴール地点。輪行アクセス良好 |
| B | 道の駅保田小学校 | 廃校をリノベーションしたユニークな道の駅 |
| C | 館山駅 | 内房エリアの主要駅。1日目宿泊候補地 |
| D | 洲崎灯台 | 房総半島西端の灯台。東京湾を一望 |
| E | 鴨川シーワールド | シャチで有名な水族館。外房エリアの人気スポット |
| F | 御宿駅 | 外房線の主要駅。海岸沿いの景色が美しい |
| G | 犬吠埼灯台 | 関東最東端の灯台。2日目宿泊候補地 |
| H | 佐原駅 | 「小江戸」として知られる歴史的な町並み |
| I | 成田山新勝寺 | 千年以上の歴史を持つ関東屈指の古刹 |
| J | JR千葉駅 | ゴール地点。完走の達成感を味わえる |
このルートの特徴:チーバくんの輪郭を完全トレースせず、千葉県北西部(千葉市〜成田エリア)をショートカットすることで、約358kmに抑えた「なんちゃってチバイチ」ルートです。海沿いの絶景区間はしっかり走りつつ、利根川沿いの単調な内陸部をカットした「いいとこ取りルート」として、2泊3日での完走がより現実的になっています。
スポット紹介
A: JR千葉駅(スタート地点)
JR千葉駅は総武線・内房線・外房線が乗り入れるターミナル駅で、チバイチのスタート・ゴール地点として最適です。駅周辺にはコンビニや自転車ショップが充実しており、最終的な準備を整えてから出発できます。早朝6時頃のスタートを推奨します。次の目的地である道の駅保田小学校まで約72.5kmの道のりです。
B: 道の駅保田小学校(累積72.5km地点)
スタートから約72.5km地点にある道の駅保田小学校は、廃校をリノベーションしたユニークな施設として全国的に有名です。教室を活用した直売所やレストランがあり、話題のスポットとして多くの観光客が訪れます。ここでトイレ休憩と軽食補給を行い、館山駅まで約23.0kmの内房ルートを進みます。
C: 館山駅(累積95.5km地点)
館山駅は内房線の主要駅で、1日目の宿泊候補地として最適です。駅周辺にはビジネスホテルや温泉宿が多数あり、事前予約をおすすめします。ここから房総半島の西端にある洲崎灯台まで約12.5kmと近距離なので、時間に余裕があれば夕方の絶景を楽しむことができます。
D: 洲崎灯台(累積108.0km地点)
洲崎灯台は房総半島の西端に位置し、東京湾を一望できる絶景スポットです。登録有形文化財にも指定されている歴史ある灯台で、夕日の名所としても知られています。ここから房総フラワーラインを通り、野島崎灯台を経由して鴨川シーワールドまで約46.5kmの外房ルートが始まります。
E: 鴨川シーワールド(累積154.5km地点)
鴨川シーワールドは、シャチのパフォーマンスで有名な千葉県を代表する水族館です。累積154.5km地点に位置し、外房ルートの重要な観光スポットとして、休憩を兼ねた立ち寄りにおすすめです。館内にはレストランもあり、海鮮料理で体力回復ができます。ここから行川アイランド跡地、勝浦駅を経由して御宿駅まで約28.0kmです。
F: 御宿駅(累積182.5km地点)
御宿駅は外房線の主要駅で、趣のある木造駅舎が残る魅力的な駅です。累積182.5km地点に位置し、ここから九十九里浜の長大な海岸線を北上します。御宿海岸は白い砂浜が美しく、短時間の休憩にも最適です。ここからルート最長区間となる犬吠埼灯台まで約81.0kmの道のりが続きます。
G: 犬吠埼灯台(累積263.5km地点)
犬吠埼灯台は関東最東端のシンボルで、2日目の宿泊候補地として最適です。白亜の美しい灯台は世界灯台100選にも選ばれており、太平洋の絶景が広がります。周辺には海鮮料理が自慢のホテル・民宿が多数あり、銚子の新鮮な海の幸を堪能できます。ここから利根川沿いを遡上し、佐原駅まで約46.0kmの平坦なルートが続きます。
H: 佐原駅(累積309.5km地点)
佐原は「小江戸」として知られる歴史的な町並みが美しいエリアです。小野川沿いに江戸情緒あふれる建物が並び、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。累積309.5km地点で、最終日の観光スポットとして短時間の散策がおすすめです。ここから北総台地を登り、成田山新勝寺まで約16.5kmです。
I: 成田山新勝寺(累積326.0km地点)
成田山新勝寺は千年以上の歴史を持つ関東屈指の古刹で、年間約1000万人の参拝者が訪れます。累積326.0km地点に位置し、チバイチ完走前の最後の観光スポットとして、旅の安全に感謝する参拝がおすすめです。ここから国道51号を経由して、最終目標の千葉駅まで約32.0km。ゴールまでもう一息です。
J: JR千葉駅(ゴール地点・累積358.0km)
スタート地点に戻り、約358kmの千葉県一周を達成!駅前には温浴施設もあり、ゴール後のリフレッシュに最適です。輪行で帰路につくもよし、達成感に浸りながら駅周辺で打ち上げをするもよし。お疲れ様でした!
難易度と所要時間
体力難易度:⭐⭐⭐⭐☆(上級者向け)
チバイチの最大の特徴は「距離は長いが登りが少ない」という点です。獲得標高約1,400mは、358kmという距離に対して非常に少なく、激しいヒルクライムはほとんどありません。ただし、御宿〜勝浦周辺などリアス式海岸特有の細かいアップダウンが続くため、脚を削られる区間もあります。平坦だからといって簡単ではなく、連続して長距離を走る持久力、適切な補給タイミング、風向きへの対応力が求められます。
技術難易度:⭐⭐⭐☆☆(中級者向け)
全線アスファルト舗装で走りやすいものの、一部区間では交通量が多く、特に成田山〜千葉駅間の国道51号は路肩が極端に狭く、大型トラックが高速で走るため非常に危険です。可能であればGoogleマップ等で裏道(県道や農道)への迂回を強く推奨します。また、館山〜鴨川〜勝浦エリアはトンネルが多いため、リアライトの日中点灯が必須です。海岸線では風速7〜10mに達する日もあり、向かい風区間では想像以上に体力を消耗します。
推奨スケジュール:2泊3日
- 1日目:千葉駅→館山(約108km)
- 2日目:館山→銚子(約155km)
- 3日目:銚子→千葉駅(約95km)
各日とも早朝6時頃にスタートすれば、休憩を含めて夕方17時頃にゴールできます。初心者の方は3泊4日の余裕あるスケジュールをおすすめします。
ベストシーズンと気候
最適な時期:秋(10月〜11月)
秋(10月〜11月)が個人的に最もおすすめです。平均気温15〜20℃で晴天が続きやすく、涼しい気候で長時間のライドも快適です。台風シーズン(9月)を避ければ、1年で最も走りやすい季節と言えます。
春(3月〜5月)
平均気温15〜20℃で晴天日が多い時期です。菜の花や桜が咲き、房総半島の自然美を楽しめます。ただし、花粉症の方は対策が必須です。
夏(6月〜8月)
猛暑・熱中症リスクが高く、長距離ライドには不向きです。早朝スタート・こまめな水分補給が必須となります。
冬(12月〜2月)
気温が低く防寒対策が必要で、日没が早いため早朝スタートが必須です。走行時間が限られるため、計画に余裕を持ちましょう。
補給ポイントと休憩スポット
道の駅での補給
ルート上には約5箇所の道の駅があり、トイレ休憩・補給・観光を兼ねた立ち寄りスポットとして最適です。
- 道の駅保田小学校(約72km地点):廃校リノベーション施設
- 道の駅 富楽里とみやま(約82km地点):東京湾を一望、海鮮グルメが充実
- 道の駅ちくら・潮風王国(約130km地点):広大な芝生と海鮮グルメが魅力
- 道の駅オライはすぬま(約240km地点):九十九里浜エリアの補給拠点
コンビニでの補給
ルート上にはコンビニが多数あり、24時間補給が可能です。30〜40kmごとに立ち寄り、こまめな水分・エネルギー補給を心がけましょう。
コンビニが充実しているエリア:千葉市〜木更津市、館山市、鴨川市、銚子市の各市街地
注意が必要なエリア:房総半島南端(館山〜鴨川)、九十九里浜の一部区間
宿泊と輪行の計画
宿泊候補地
1日目宿泊:館山市・南房総市
館山駅周辺にはビジネスホテル・温泉宿が多数あります。温泉付きホテルで疲れを癒すのがおすすめです。
2日目宿泊:銚子市・旭市
銚子市内には海鮮料理が自慢のホテル・民宿が多数あります。犬吠埼周辺の温泉宿もおすすめです。
輪行活用のコツ
チバイチは長距離のため、輪行(自転車を電車に持ち込む)を活用すると計画の自由度が高まります。体調不良・天候悪化時に途中リタイアできるため、輪行袋の持参を強く推奨します。
装備と持ち物チェックリスト
必須装備(安全・法令関連)
- ロードバイク・クロスバイク:事前に整備済みであること
- ヘルメット:長距離ライドでは必須
- ライト前後:夜間走行に備えて必須。リアライトは日中もトンネル内で点灯すること
- パンク修理キット:予備チューブ2本以上、タイヤレバー、携帯ポンプ
- 携帯工具:六角レンチセット
補給・水分
- エネルギー補給食:エナジーバー5〜8本、ジェル3〜5個
- 水分:ボトル2本以上(1.5〜2L)
- 非常食:カロリーメイトやおにぎり
- 塩分補給:タブレットや電解質サプリメント
ナビゲーション・連絡手段
- スマートフォン:GPSアプリでナビゲーション
- モバイルバッテリー:大容量タイプ(10,000mAh以上推奨)
- 現金・カード:道の駅、コンビニ購入用
よくある質問(FAQ)
初心者でもチバイチは走れますか?
チバイチは上級者向けの長距離ライドです。距離約358kmは相当な体力と経験が必要です。日常的に100km以上のロングライドをこなしている方であれば挑戦できますが、初心者の方はまず50〜100km程度の日帰りライドで経験を積むことをおすすめします。
所要時間はどのくらいですか?
一般的には2泊3日で完走するサイクリストが多いです。1日あたり120km前後を走る計算になります。初めての挑戦や体力に不安がある方は、余裕を持って3泊4日のスケジュールを組むと安心です。
時計回りと反時計回り、どちらが良いですか?
基本的には「反時計回り」を推奨します。左側通行の日本では、反時計回りの方が海側を走ることになり、ガードレール越しではなく直接海の景色を楽しめるからです。風向きについては、その日の予報で大きく変わるため、事前に「Windy」などのアプリでチェックしましょう。春〜秋は南風が多く、冬は北風が多い傾向があります。
補給ポイントはありますか?
ルート上にはコンビニが多数あり、補給には困りません。市街地エリアでは、1〜2kmごとにコンビニがあります。また、道の駅(約5箇所)でトイレ休憩・軽食・地元グルメを楽しめます。
輪行は必要ですか?
必須ではありませんが、輪行袋を持参することを強く推奨します。長距離ライドでは体調不良・天候悪化・パンク連続などのトラブルが起こる可能性があります。輪行袋があれば、途中の駅から電車で帰ることができ、安心感が大きく向上します。
ベストシーズンはいつですか?
秋(10月〜11月)と春(3月〜5月)がベストシーズンです。気温が穏やかで、長時間のライドでも快適に走れます。個人的には、涼しくて走りやすい秋(10月〜11月)が最もおすすめです。
雨の日は走れますか?
小雨程度であれば走行可能ですが、本格的な雨天時は中止を推奨します。長距離ライドで雨に濡れ続けると、体温低下・視界不良・スリップリスクが高まります。天気予報を事前にチェックし、雨天予報の場合は日程変更を検討しましょう。
まとめ
千葉一周「チバイチ」は、約358kmの長距離を2〜3日かけて走破する上級者向けチャレンジです。獲得標高は少なく平坦基調ですが、連続して長時間走る持久力、適切な補給計画、風向きへの対応力が求められます。
成功のポイントは以下の3つです:
- 適切な季節を選ぶ:春・秋の気候が穏やかな時期がおすすめ
- 補給を怠らない:30〜40kmごとに軽食・水分を補給
- 余裕あるスケジュール:2泊3日、できれば3泊4日で計画
千葉県北西部をショートカットした358kmの「なんちゃってチバイチ」は、海沿いの絶景を楽しみつつ、より現実的な完走計画を立てることができます。ぜひ、しっかりと準備を整えて、房総半島ぐるり一周の大冒険に挑戦してみてください!
※本記事の情報は2025年11月時点のものです。天候・道路状況・施設の営業時間などは変更される場合があります。出発前に最新情報をご確認ください。