登山靴用インソールが重要な理由
登山では1日に数万歩を歩くことも珍しくなく、足裏への負担は日常生活とは比較になりません。純正インソールのままでは、長時間の歩行で足裏の痛みや膝への負担が蓄積され、登山の楽しさを損なってしまう可能性があります。
登山用インソールは、足のアーチを正しく支えることで衝撃を分散し、足の疲労を大幅に軽減します。また、膝や腰への負担軽減にも効果的で、下山時の膝痛を防ぐ重要な役割も果たします。特に初心者の方は、足の筋力がまだ十分でないため、インソールによるサポートが快適な登山には欠かせません。
さらに、正しい足の姿勢を保つことで、登山靴内でのズレや靴擦れを防止し、安全な歩行をサポートします。標高差のある山道では、足の安定性が転倒防止にも直結するため、インソール選びは単なる快適性の問題ではなく、安全面でも重要な要素といえるでしょう。
登山用インソールの選び方
アーチサポートのタイプで選ぶ
足のアーチは内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチの3つがあり、これらを適切にサポートすることが疲労軽減の基本です。ハイアーチの方は土踏まずが高いため、硬めのサポートが効果的。一方、偏平足気味の方は、しなやかにサポートするタイプが適しています。
多くのメーカーでは、ハイ・ミドル・ローの3段階でアーチタイプを分けているため、自分の足型に合わせて選択できます。アーチサポートが強すぎると違和感や痛みの原因になるため、初めて使用する場合はミドルアーチから始めることをおすすめします。
クッション性と衝撃吸収性で選ぶ
登山では岩場や木の根など硬い地面を歩くことが多く、衝撃吸収性は快適性に直結します。EVA素材やジェル素材を使用したインソールは、着地時の衝撃を効果的に吸収し、足裏の疲労を軽減します。特にかかと部分のクッションが厚めのものは、下山時の衝撃を和らげるのに効果的です。
ただし、クッション性が高すぎると足元が不安定になる場合もあります。岩場での安定性を重視する方は、適度な硬さを保ったタイプを選ぶと良いでしょう。長時間歩行時の疲労軽減を優先するか、足元の安定感を重視するか、自分の登山スタイルに合わせて選択することが重要です。
通気性と防臭性で選ぶ
登山では長時間にわたって靴を履き続けるため、通気性は重要な要素です。メッシュ構造や通気孔を設けたインソールは、足裏の蒸れを軽減し、不快感を防ぎます。また、抗菌・防臭加工が施されたインソールは、汗によるニオイの発生を抑制し、快適な状態を保ちます。
山小屋泊や連泊登山では、靴を脱ぐ機会が限られるため、通気性の良いインソールの効果はより顕著に現れます。速乾性に優れた素材を使用したものなら、汗をかいてもすぐに乾燥し、足裏環境を清潔に保てます。ただし、登山靴内の環境は過酷なため、行動後にインソールを取り出して乾燥させることが最も効果的な防臭対策となります。
サイズ調整のしやすさで選ぶ
登山靴は一般的な靴よりも0.5〜1cm大きめを選ぶことが多いため、インソールでのサイズ調整が重要になります。トリムライン(カットライン)が明確に示されているインソールは、自分でサイズ調整しやすく便利です。
また、インソール自体の厚みも考慮する必要があります。厚すぎると靴がきつくなり、薄すぎると効果が期待できません。既存のインソールと交換することを前提に、適切な厚みのものを選びましょう。購入前に靴の内部寸法を確認することをおすすめします。
登山靴用インソールおすすめ7選
シダス アウトドア3D V2:クッション性と通気性を両立

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シダス アウトドア3D V2は、登山・トレッキング用に特化して開発されたインソールです。2層構造のEVAを採用し、全体的なクッション性を向上させながら、かかと部分にはソフトEVAパッドを配置して衝撃吸収性をさらに高めています。
最大の特徴は前足部の細かい通気孔で、長時間の歩行でも蒸れを効果的に防ぎます。ニューアナトミカルEVAシェルが足型にフィットし、土踏まずを適切にサポート。つま先の厚み4.0mmと適度な薄さで、登山靴のフィット感を損ないません。
10年以上愛用している登山者も多く、「滑らない感覚」と安定性の高さが評価されています。価格は約5,720円(※2025年12月時点)と、性能を考えれば妥当な価格設定です。
スーパーフィート グリーン:安定性重視のロングセラー

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スーパーフィート グリーンは、硬質スタビライザーと高密度フォームを組み合わせた特許取得デザインのインソールです。足の不要なねじれを補正し、安定した足の機能を導き出すことで、疲労軽減と安全性向上を実現します。
アメリカ発祥のブランドらしく、しっかりとしたアーチサポートが特徴です。初めは硬く感じ、突き上げ感を覚えることもありますが、使い続けることで足が正しい位置に導かれ、長距離歩行での疲労が大幅に軽減されます。特に足、足首、膝周りのストレス軽減に効果的です。
価格は約7,370円(※2025年12月時点)と高めですが、耐久性が高く、長期間使用できるためコストパフォーマンスは良好です。アーチサポートをしっかり感じたい方におすすめです。
BMZ アシトレトレッキング:立方骨サポートで疲労軽減

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BMZ アシトレトレッキングは、日本のインソール専門メーカーBMZが開発した登山用インソールです。最大の特徴は立方骨サポートで、足の外側アーチを支えることで、足本来の機能を引き出します。ブースター採用により、かかと周りをしっかりホールドします。
日帰り〜小屋泊の登山に最適な設計で、ソフトな履き心地ながら効果的な負担軽減を実現。足指力UP効果により、踏ん張りやすくなり、岩場での安定性も向上します。現役自衛官にも愛用されているという実績も安心材料の一つです。
価格は約3,300円(※2025年12月時点)と非常にリーズナブル。初めて登山用インソールを試したい方や、コストを抑えたい方におすすめの製品です。楽天ランキング1位の実績もあります。
ソルボ トレッキングエア:衝撃吸収性に優れた日本製

ソルボ トレッキングエアは、人工筋肉とも呼ばれるソルボセイン素材を使用した日本製インソールです。軽量で通気性に優れ、かかと接地時の衝撃をやわらげます。3つのアーチサポートにより、運動能力を高め、長時間のトレッキングも疲れにくい設計です。
SSFC(ソルボスタビリティ フット カウンター)機能搭載により、足のブレを低減させて安定性を高めます。かかと部分の衝撃エネルギー吸収効果は特に優れており、硬い地面での歩行時に威力を発揮します。
価格は約3,850円(※2025年12月時点)と手頃で、日本製の品質を考えれば非常にコストパフォーマンスに優れています。アキレス株式会社が開発し、医療現場でも使用される衝撃吸収素材を採用した信頼性の高いインソールです。
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ザムスト Footcraft CUSHION+:アーチタイプが選べる高機能モデル

ザムスト Footcraft CUSHION+は、医療器具メーカーが開発した高機能インソールです。硬さと面積の異なる3層のパーツを組み合わせた特許構造により、高い安定性としなやかなサポートの両立を実現しています。
最大の特徴は3つのアーチタイプ(LOW・MIDDLE・HIGH)から自身の足に最適なタイプが選べる点です。1層目の硬い素材「コアスタビライザー」は機能的なサポートを提供し、2・3層目でクッション性を高めています。オーダーメイドのような効果的なサポートを実現します。
価格は約5,610円(※2025年12月時点)。医療器具メーカーの技術を活用した科学的アプローチにより、足の悩みを解決したい方に特におすすめです。30日間の返品・返金保証があるのも安心です。
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BMZ カルパワースマート:CCLP理論で骨格からサポート

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BMZ カルパワースマートは、BMZ独自のCCLP理論(キュボイド・コントロール・ラテラル・プッシュ)を採用したインソールです。立方骨を支えることで外側アーチを強力にサポートし、骨格レベルから足の機能を改善します。
従来の筋肉サポートではなく、「骨を支える」アプローチが特徴的です。これにより、足本来の機能が引き出され、疲労軽減だけでなくパフォーマンス向上も期待できます。プロアスリートからも支持される技術です。
価格は約4,400円(※2025年12月時点)。初めて使用する場合は筋肉痛になることがありますが、これは普段使わない筋肉が動く自然な反応です。1日30分程度から慣らしながら使用することをおすすめします。
シダス 3feet アクション ロー:偏平足向けスポーツモデル

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シダス 3feet アクション ローは、偏平足気味の方に適したスポーツ向けインソールです。土踏まずの動きに合わせてしなってサポートする樹脂素材を使用し、アーチの低い方を適度にサポートします。
3タイプのアーチ(ハイ・ミドル・ロー)から選択でき、成形不要ながら高いフィット感を実現。かかと部分のジェルクッションが高い衝撃吸収性を発揮し、長時間の歩行での疲労を軽減します。
価格は約5,170円(※2025年12月時点)。土踏まずが低めの方や、しなやかなサポートを求める方におすすめです。スポーツ用として開発されているため、アクティブな登山にも適しています。
登山用インソール比較表
| 商品名 | 価格 | 重量目安 | アーチタイプ | 主な特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|---|---|
| シダス アウトドア3D V2 | 約5,720円 | 軽量 | ミドル | 2層構造EVA、通気性良好 | バランス重視の方 |
| スーパーフィート グリーン | 約7,370円 | やや重 | ミドル〜ハイ | 硬質スタビライザー、高安定性 | しっかりサポート派 |
| BMZ アシトレトレッキング | 約3,300円 | 軽量 | ミドル | 立方骨サポート、コスパ良 | 初心者、予算重視 |
| ソルボ トレッキングエア | 約3,850円 | 超軽量 | ミドル | ソルボセイン、衝撃吸収 | 軽量性重視の方 |
| ザムスト Footcraft CUSHION+ | 約5,610円 | 標準 | 選択可能 | 3層構造、アーチ選択可 | カスタマイズ重視 |
| BMZ カルパワースマート | 約4,400円 | 標準 | ミドル | CCLP理論、骨格サポート | 本格派の方 |
| シダス 3feet アクション ロー | 約5,170円 | 軽量 | ロー | 偏平足向け、ジェルクッション | 偏平足の方 |
※価格は2025年12月時点の目安です。販売サイトにより変動する場合があります。
よくある質問(FAQ)
インソールの交換時期はどれくらいですか?
使用頻度にもよりますが、一般的に4ヶ月〜1年程度が交換の目安です。BMZのベーシックタイプは4〜6ヶ月、カーボンタイプは6ヶ月〜1年程度とされています。クッション性の低下や変形が見られた場合は早めの交換をおすすめします。
登山靴にインソールを入れるとサイズがきつくなりませんか?
純正インソールと交換して使用するため、基本的にサイズ感は変わりません。ただし、インソールの厚みによっては若干タイトになる場合があります。購入前に靴の内部寸法を確認し、適切な厚みのインソールを選ぶことが重要です。
インソールは洗えますか?
多くのインソールは手洗い可能です。中性洗剤とぬるま湯で歯ブラシを使って洗い、よくすすいだ後は陰干しで乾燥させてください。洗濯機や乾燥機の使用は避け、直射日光も変形の原因となるため避けましょう。
初めてのインソールは何を選べばいいですか?
初心者の方にはミドルアーチタイプで、クッション性とサポート性のバランスが良いものをおすすめします。価格面ではBMZ アシトレトレッキングやソルボ トレッキングエアが手頃で効果も実感しやすいでしょう。
インソールを入れたら慣らし期間は必要ですか?
はい、慣らし期間は重要です。特にアーチサポートが強いタイプでは、最初は1日30分程度から始めて、徐々に使用時間を延ばしていきましょう。急に長時間使用すると筋肉痛や違和感の原因となる場合があります。
まとめ
登山靴用インソールは、快適で安全な登山を実現するための重要なアイテムです。足の疲労軽減から膝痛防止まで、その効果は多岐にわたります。今回ご紹介した7つの製品は、それぞれ異なる特徴を持っているため、自分の足の状態や登山スタイルに合わせて選択することが大切です。
初心者の方にはコストパフォーマンスに優れたBMZアシトレトレッキングやソルボトレッキングエア、しっかりとしたサポートを求める方にはスーパーフィートグリーンやザムストFootcraft CUSHION+をおすすめします。偏平足の方には、シダス3feetアクションローが最適でしょう。
インソール選びでは、アーチタイプ・クッション性・通気性・サイズ調整の4つのポイントを重視して検討してください。また、購入後は適切な慣らし期間を設けることで、より効果的にインソールの恩恵を受けることができます。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。購入前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。※掲載情報は2025年12月時点のものです。価格は変動する可能性があります。