ミドルレイヤーを探していると、フリースからダウンまで全部が同じ棚に並んでいて、何を選べばいいのか分からなくなります。
整理の仕方はひとつです。歩きながら着るものと、止まってから着るものは、まったく別の服だと考えてください。ここを分けると一気に絞れます。
春や秋に要るのは、前者のほうなんですよね。厚手のフリースやダウンを買うと、歩き出して5分で脱ぐことになります。
それと、値段の話をひとつ。モンベルのフリースは公式が最安です。Amazonだと1.1倍から1.5倍くらいになっていました。ここも後で書きます。
歩きながら着る服と、止まってから着る服
まずここです。同じ「中間着」でも、役割が2つに分かれるんですよね。
| 歩きながら着る | 止まってから着る | |
|---|---|---|
| もの | 薄手フリース・グリッドフリース | ダウン・厚手の化繊綿 |
| ねらい | 汗を外に逃がす | 熱を閉じ込める |
| 着る場面 | 登っているあいだ | 山頂・休憩・下山後 |
| 春秋に要るか | 要ります | あると安心、程度 |
| 厚さ | 薄いほうがいいです | 厚いほうがいいです |
厚いフリースを買うと、たいてい失敗する
これはよくある話なんですよね。「ミドルレイヤーが要るらしい」と思って厚手のフリースを買う。登り始めて5分で暑くなって脱ぐ。ザックの中でかさばる。
登っているときの体は、思っているよりずっと熱を出しています。だから行動中に着る1枚は、驚くほど薄くていいんです。
目安としては、着たまま歩いて汗ばまない厚さ。それより厚いものは、休憩用として別に持つほうがうまくいくかなと思います。
グリッドフリースという選択肢
行動中に着る前提で作られているのがグリッドフリースです。裏側がワッフルのような格子になっていて、肌に触れない部分が空気の通り道になります。
ふつうのフリースより汗が抜けやすく、乾くのも速いのが持ち味ですね。ミレーのドライグリッドやファイントラックのドラウトセンサーがこの系統です。
ただ、値段が上がります。1万7千円台からなので、最初の1枚としては重いかなと思います。
「アクティブインサレーション」も同じ考え方
最近よく見るこの言葉も、行動中に着られる中綿という意味です。中綿なのに通気するように作ってあります。
寒い時期の行動着としては良いのですが、春秋の低山だとほとんどの場面で暑すぎます。ここは無理に手を出さなくていいところかなと。

春秋の低山なら、2千円台でも足りる
正直なところを書きます。秋の低山を日帰りで歩くくらいなら、登山用の高いフリースは要りません。
今回いちばん安かったのは、作業服系のドライスウェットで2千円台でした。ポリエステル80%・綿20%ですね。これで足りる場面は、けっこうあるんですよね。
安いものと高いものの、実際の差
| 2千円台のスウェット | 1万7千円台のグリッド | |
|---|---|---|
| 暖かさ | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
| 汗が抜けるか | 綿が入るぶん残ります | 抜けます |
| 乾く速さ | 遅いです | 速いです |
| かさばり | 大きいです | 小さいです |
| 裾・袖の作り | ずり上がります | 上がりません |
見てのとおり、暖かさで差が出るわけではありません。差が出るのは汗の処理と、ザックに入れたときのかさばりですよね。
どこから買い替えるか
私が思う切り替えどきは、この3つのどれかが起きたときです。
- 汗をかいて、休憩中に冷えた…綿が入っているものは、ここでつらくなります
- ザックに入らなくなった…厚いフリースは想像以上に場所を取ります
- 泊まりに行くようになった…乾かない服は2日目に響きます
逆に、この3つが起きていないなら手持ちのままで大丈夫かなと思います。
綿の混ざったものだけは避けたい
あと、ひとつだけ気をつけたいのが綿の割合です。綿は水を抱えたまま離さないので、汗をかいたあとに冷えるんですよね。
安いもので選ぶなら、ポリエステルの割合が高いものを。今回の2千円台のものも、ポリエステル80%だから候補に入れています。
モンベルなら、公式が最安
「モンベル ミドルレイヤー」で探している方が多いので、ここは分けて書きます。
定番はクリマプラス100 ジャケットです。公式で8,400円(税込)、平均重量333g、カラーは6色。行動中に着られる薄さで、この値段はかなり強いと思います。
Amazonより公式のほうが安い
調べていて分かったのが、通販だと高くなることでした。
- モンベル公式…8,400円
- Amazonのモンベル関連…9,405円〜13,200円
1.1倍から1.5倍くらいですね。モンベルは自社の直営店とオンラインストアが中心なので、こうなるのかなと思います。
この記事では他の商品に通販のリンクを置いていますが、モンベルだけは公式のリンクにしています。そのほうが読んでいる方が得をするので。
クリマプラスの「100」は厚さの番号
モンベルのフリースには100・200といった数字が付きます。数字が大きいほど厚いという意味です。
- クリマプラス100…薄手。春秋の行動中はこちら
- クリマプラス200…厚手。冬や、止まってから着る用
迷ったら100です。春秋に200を買うと、たいてい暑すぎるんですよね。
オクタを使ったモデルもある
「クリマエアライト」など、オクタ(OCTA)という中空の糸を使ったモデルもあります。軽くて空気を含むので、薄いのに暖かいのが持ち味です。
ただ薄すぎて風に弱いので、上に風を止める1枚が要ります。使い方が少し上級者向けかなと。最初の1枚ならクリマプラス100のほうが素直だと思います。


街でも着られるかどうか
「ミドルレイヤー おしゃれ」で探している方もいるので、ここも書いておきます。
登山用のミドルレイヤーは、街で浮くものと、浮かないものがはっきり分かれるんですよね。
| 街でも着やすい | 山っぽく見える |
|---|---|
| 色が黒・グレー・ネイビー | 蛍光色・切り替えが多い |
| ロゴが小さい | ロゴが大きい |
| フードなし | フードあり |
| 表面が毛羽立っていない | もこもこしている |
両方で使うなら、フードなしの無地
山と街の両方で着たいなら、フードなし・無地・ロゴ小さめを選ぶと失敗しません。
ノースフェイスのマウンテンバーサマイクロあたりが、ちょうどこの位置にいます。山でも街でも成立するので、1枚目としては使いやすいかなと思います。
逆に、山でしか着ないと決めているならフードありのほうが便利です。ちなみに風が出たときは、それだけで体感がだいぶ変わりますよ。
通販で買える5着
安い順に並べています。スペック欄の「着るタイミング」を見てください。歩きながら着るものか、止まってから着るものかが分かります。
価格は2026年9月時点の実売です。モンベルは公式が最安なので、この一覧には入れていません。上の章のリンクからどうぞ。
| 製品名 | こんな人向け | 価格 | タイプ | 着るタイミング | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|---|
|
グリマー ドライスウェット ジップジャケット 00344-ASJ
|
最安 ★★★★☆ |
約2,200円〜 | 裏起毛スウェット | 歩きながら | まず手持ちの次に試す1枚 |
|
コロンビア スティーンズマウンテン フルジップ 2.0
|
厚手 ★★★☆☆ |
約5,300円〜 | 厚手フリース | 止まってから | 休憩用に厚手が欲しい人 |
|
ノースフェイス マウンテンバーサマイクロジャケット
|
定番 ★★★★★ |
約13,700円〜 | マイクロフリース | 歩きながら | 街でも着たい人 |
|
ミレー ドライグリッド フーディ
|
グリッド ★★★★☆ |
約17,600円〜 | グリッドフリース | 歩きながら | 汗をかきやすい人 |
|
ファイントラック ドラウトセンサージャケット
|
国産 ★★★★☆ |
約18,700円〜 | 汗処理フリース | 歩きながら | 国産で長く使いたい人 |
1. グリマー ドライスウェット ジップジャケット 00344-ASJ|まずこれで足りるか試す

グリマー ドライスウェット ジップジャケット 00344-ASJの価格を比較する
- タイプ
- 裏起毛スウェット
- 重さ
- —
- フード
- なし
- 着るタイミング
- 歩きながら
- 価格帯
- 約2,200円〜
2千円台で買える裏起毛のスウェットです。作業服系のブランドで、登山用ではありません。
それでもポリエステル80%なので、秋の低山を日帰りで歩くくらいなら十分に使えます。まずこれで登ってみて、足りないところが分かってから買い替えるのがいいかなと思います。
弱点は綿が20%入っていることです。汗をかくと少し残るので、休憩で冷えることがあります。
こんな人に:秋の低山を日帰りで歩く人
気になる点:綿が20%入るので汗は残ります
2. コロンビア スティーンズマウンテン フルジップ 2.0|休憩用の厚手なら

コロンビア スティーンズマウンテン フルジップ 2.0の価格を比較する
- タイプ
- 厚手フリース
- 重さ
- —
- フード
- なし
- 着るタイミング
- 止まってから
- 参考価格
- ¥6,490
- 価格帯
- 約5,300円〜
厚手のフリースの定番です。参考価格6,490円が5千円台まで下がっています。
これは止まってから着る用ですね。山頂での休憩や、下山後の車の中で活躍します。
行動中に着ると、まず暑いです。登りながら着る1枚を探しているなら、これではありません。そこだけ間違えないように。
こんな人に:山頂で寒いのが嫌な人
気になる点:厚いので行動中には暑すぎます
3. ノースフェイス マウンテンバーサマイクロジャケット|山でも街でも着られる

ノースフェイス マウンテンバーサマイクロジャケットの価格を比較する
- タイプ
- マイクロフリース
- 重さ
- 約275g
- フード
- なし
- 着るタイミング
- 歩きながら
- 価格帯
- 約13,700円〜
山でも街でも成立する1枚です。約275gと軽く、無地でロゴも小さいので、山っぽく見えません。
薄手のマイクロフリースなので行動中に着られます。1枚で兼用したいなら、これがいちばん扱いやすいかなと思います。
フードがないので、風が出た日は上に1枚要ります。ウインドシェルと組み合わせるのが前提ですね。
こんな人に:1枚で兼用したい人
気になる点:フードがないので風の日は別に要ります
4. ミレー ドライグリッド フーディ|汗が抜けるグリッド

ミレー ドライグリッド フーディの価格を比較する
- タイプ
- グリッドフリース
- 重さ
- 294g
- フード
- あり
- 着るタイミング
- 歩きながら
- 価格帯
- 約17,600円〜
裏がワッフル状のグリッドフリースです。294g。肌に触れない部分が空気の通り道になるので、汗が抜けやすくなっています。
汗をかきやすい方はここから上を検討する価値があります。乾くのも速いので、泊まりにも向きますね。
ただし値段が一気に上がります。最初の1枚としては重いので、2枚目以降で。
こんな人に:汗をかきやすい人
気になる点:値段が一気に上がります
5. ファイントラック ドラウトセンサージャケット|日本製の汗処理フリース

ファイントラック ドラウトセンサージャケットの価格を比較する
- タイプ
- 汗処理フリース
- 重さ
- 310g
- フード
- なし
- 着るタイミング
- 歩きながら
- 価格帯
- 約18,700円〜
日本のブランドが作る、汗処理に振った1枚です。310gで日本製。
「シャツのように羽織れる春〜秋用の行動保温着」という位置づけで、まさに歩きながら着る服ですね。作りがしっかりしているので、長く使うつもりならこれかなと。
この記事でいちばん高い1着です。1万8千円台なので、用途がはっきりしてから買うのがいいと思います。
こんな人に:長く使うつもりの人
気になる点:この記事でいちばん高いです
冬は「止まってから着る1枚」も持っていく
ここまでは春秋の話でした。冬になって変わるのは、ほぼ1点だけです。止まってから着る1枚が「あると安心」から「要る」に変わります。
歩いているあいだに着る1枚は、冬の低山でも薄手〜中厚手で足ります(クリマプラスなら100か200)。登りで体が熱を出すのは季節に関係ないので、ここを厚くすると春秋と同じく汗だくになるんですよね。
止まってから着るのは、ダウンか化繊綿
山頂や休憩で冷えるのを止めるのは、中綿の入ったジャケットです。厚手のフリースでも代わりにはなりますが、風を通すので上にシェルを重ねる前提になります。軽さと小ささでは、中綿のほうが有利かなと思います。
| ダウン | 化繊綿 | |
|---|---|---|
| 同じ暖かさなら | 軽くて小さい | ひとまわり大きく、重い |
| 濡れたとき | しぼんで暖かさが落ちる | 暖かさが残りやすい |
| 向いている日 | 晴れて乾いた日 | 雪や雨の日/汗をかきやすい人 |
迷ったら、汗をかきやすい人や雪の日に歩く人は化繊綿、晴れた日の低山が中心ならダウン。この分け方でいいと思います。
アクティブインサレーションは、冬なら出番がある
上で「春秋の低山だとほとんどの場面で暑すぎる」と書いたアクティブインサレーション(通気する中綿)は、冬なら行動着として出番があります。冷たい風の吹く稜線で、フリースの代わりに着る1枚ですね。
ただ値段が上がるので、まず手持ちのフリースに薄いウインドシェルを重ねて歩いてみて、それでも寒いと感じてからでいいかなと思います。
冬は、下に着るベースレイヤーも、上に着るシェルも、脚まわりも春秋と変わります。それぞれ別の記事にまとめています。
よくある質問
春秋のミドルレイヤーは何を買えばいいですか?
行動中に着られる薄手のフリースです。厚手のフリースやダウンを買うと、登り始めて5分で脱ぐことになります。
値段でいうと、モンベルのクリマプラス100 ジャケットが公式8,400円でいちばん素直かなと思います。平均重量333gで、行動中に着られる薄さです。
もっと安く済ませたいなら、ポリエステル多めの2千円台のスウェットでも秋の低山なら足ります。
モンベルのミドルレイヤーはどこで買うのが安いですか?
公式のオンラインストアです。クリマプラス100 ジャケットは公式で8,400円(税込)ですが、Amazonのモンベル関連は9,405円から13,200円くらいでした。1.1倍から1.5倍ですね。
モンベルは直営店と自社オンラインストアが販売の中心なので、こうなります。モンベルに関しては、公式で買うのが素直です。
クリマプラスの100と200は何が違いますか?
数字は厚さです。大きいほど厚くなります。
100は薄手で、春秋に歩きながら着るならこちら。200は厚手で、冬や、山頂で止まってから着る用ですね。
迷ったら100です。春秋に200を買うと、たいてい暑すぎます。
安いフリースと高いフリースで、暖かさは違いますか?
暖かさはほとんど変わりません。差が出るのは別のところです。
汗が抜けるかどうか(綿が入っていると残ります)、乾く速さ、ザックに入れたときのかさばり、裾や袖がずり上がらないか。この4つですね。
秋の低山を日帰りで歩くくらいなら、ポリエステル多めの安いものでも足ります。
グリッドフリースって何ですか?
裏側がワッフルのような格子になっているフリースです。肌に触れない部分が空気の通り道になるので、汗が抜けやすく、乾くのも速いですね。
行動中に着る前提で作られているタイプです。ミレーのドライグリッドやファイントラックのドラウトセンサーがこの系統になります。
ただ1万7千円台からなので、最初の1枚としては重いかなと思います。
アクティブインサレーションは春秋に必要ですか?
ほとんどの場面で暑すぎます。行動中に着られる中綿という意味ですが、想定は寒い時期です。
春秋の低山なら、薄手のフリースのほうが素直かなと思います。ここは無理に手を出さなくていいところですね。
オクタ(OCTA)のモデルはどうですか?
中空の糸で、薄いのに空気を含むので暖かいのが持ち味です。モンベルだとクリマエアライトなどに使われています。
ただ薄すぎて風に弱いので、上に風を止める1枚が要ります。使い方が少し上級者向けですね。
最初の1枚ならクリマプラス100のほうが素直だと思います。
街でも着られるものはありますか?
フードなし・無地・ロゴ小さめを選ぶと、山でも街でも成立します。
逆に山っぽく見えるのは、蛍光色や切り替えの多いもの、大きいロゴ、もこもこした表面ですね。
ノースフェイスのマウンテンバーサマイクロあたりが、ちょうど両方で使える位置にいます。
まとめ
- 歩きながら着る服と、止まってから着る服は別物。春秋に要るのは前者です
- 行動中の1枚は驚くほど薄くていいです。厚手を買うと5分で脱ぎます
- 秋の低山なら2千円台のスウェットでも足ります。ただし綿の割合は低いものを
- 高いものとの差は暖かさではなく、汗の抜け・乾く速さ・かさばり
- モンベルは公式が最安。クリマプラス100 ジャケットが8,400円、Amazonは1.1〜1.5倍でした
- クリマプラスの数字は厚さ。春秋は100、冬は200
- オクタは薄くて暖かいですが風に弱いので、最初の1枚には向きません
- 街でも着たいならフードなし・無地・ロゴ小さめ
まとめると、まず手持ちの薄いフリースで登ってみて、汗で冷えたときに買い替える。この順番でいいかなと思います。最初から1万7千円のものを買う必要はありません。買うにしても、モンベルの8,400円から始めれば十分です。









春秋の山って、気候のいい日はミドルレイヤーだけで歩く時間がけっこう長いんですよね。私が愛用しているのは、ミレーの「アルファライト」とノースフェイスの「マウンテンバーサマイクロ」の2着です。
バーサマイクロは約275gと軽くて、ハイキングに行くときは「とりあえずこれ持ってくか」になりやすい1着。普段着としても全然使えます。普通の登山のときはアルファライトを選ぶことが多いです。私は結構汗かきなので、汗を逃がしてくれる服には大助かりなんですよね。
軽さのバーサマイクロ、汗処理のアルファライト、と使い分けています。予算があれば、用途で2着持つのもアリかなと思います。