ビワイチとは滋賀県の琵琶湖を自転車で一周するサイクリングのことで、その距離はなんと約193kmにもなります。ピンとこない方は、193km=東京~静岡間くらいと想像してみてください。もちろんベテラン勢の中には1日で完走してしまう猛者もいますが、初心者は無理せず2~3日かけてゆっくり景色と旅情を楽しむのがおすすめです。コースは湖沿いにほぼ平坦に整備されており、高低差は約70m程度とわずか。つまり「脚に優しいけどお尻に厳しい(長時間サドルに座るので…)」のがビワイチの特徴です。
湖岸沿いのサイクリングでは、終始美しい琵琶湖の景色を相棒に走れます。初心者でも景色に癒やされながらマイペースで進みましょう。コース上には青いラインの路面表示や道標が整備され、ところどころに道の駅や公衆トイレ、コンビニなどの休憩スポットも充実しています。そのため土地勘がなくても道に迷いにくく、適度に休憩を挟みながら走れるのでサイクリング初心者にも安心です。宿泊施設も湖周辺の主要な町に点在しており、行程に合わせて無理なく宿が取れるのも嬉しいポイントです。要するにビワイチは、「日本一大きな湖を自転車で一周」というロマンあふれる挑戦でありながら、初心者ウェルカムな受け入れ態勢が整ったサイクリングコースなのです。
次に、肝心のスタート地点までのアクセスについてです。琵琶湖は滋賀県にありますが、東京から向かう場合は主に以下の方法があります。
新幹線+在来線(マイバイク持参の場合):自転車を分解して専用の袋(輪行袋)に入れ、新幹線で移動する方法です。東京駅から琵琶湖東岸に位置する米原駅までは新幹線で約2時間強(片道約12,000~13,000円)です。米原駅は琵琶湖の北東端にあり、着いたそのままビワイチを開始するのに便利な拠点です。京都経由で南側の大津駅付近まで行くこともできますが、乗り換えの少ない米原アクセスが楽でしょう。輪行の場合、電車内では自転車を袋に入れるルールなので事前に練習しておくと安心です(初めてだと袋詰めに悪戦苦闘して汗だく…なんて声もありますがご愛嬌!)。ちなみに自転車を持ち込んでも追加料金はかかりませんし、琵琶湖大橋などサイクリングルート上の橋も自転車は無料で通行できます。
現地でレンタサイクル:自前の自転車や輪行袋がなくても大丈夫。琵琶湖周辺にはレンタサイクル店が充実しており、初心者向けに整備されたスポーツバイクを借りることができます。たとえば米原駅には「ビワイチサイクルステーション」のようなレンタル専門店があり、ヘルメットや工具もセットで貸し出してくれるので手ぶらでOKです。レンタル料金は種類にもよりますが1日あたり5,000~7,000円前後で、2~3日借りると割安になるプランが一般的です(例:クロスバイク2日で約8,000円程度)。初心者サイクリストの多くは2~3日間のレンタルで琵琶湖一周に挑戦するケースが多いようです。レンタサイクルならサドル高さ調整やパンク対策もお店がサポートしてくれるため、機材トラブルの心配が少ないのも嬉しい点です。
高速バス+レンタサイクル:予算を抑えたい場合は夜行バスなどで滋賀入りして現地で自転車を借りる方法もあります。東京から大津・彦根行きの高速バスが出ており、所要約7~8時間(片道5,000円前後~)で早朝に到着できます。ただし長時間バス移動のあとのサイクリングは体力的にハードですので、時間に余裕がある場合のみ検討しましょう(夜行バス後に「まず宿で仮眠」なんて裏技もアリかも?)。
いずれの方法でも、スタート地点としては琵琶湖東岸の米原・彦根エリアか南端の大津エリアが便利です。東側なら東京から米原直行、新幹線を降りて即スタート可能。南側なら京都観光ついでに大津から出発なんてプランもいいですね。JR京都駅から琵琶湖畔の主要駅である守山駅までは在来線で約25分とアクセス良好です。自分の旅程に合わせて無理のない方法を選びましょう。
「初めてだけど琵琶湖を一周してみたい!」という方向けに、初心者でも安心して走れるおすすめルートをご紹介します。結論から言うと、ビワイチにはフルコース(約200km)と、琵琶湖大橋を渡って南湖部分をカットするショートカットコース(約150km)があります。初挑戦であれば迷わず150kmのコースを選びましょう。距離が短くなるだけでなく、交通量の多い南側市街地を避けられるため安全面でもメリットが大きいです。以下に、初心者向け**北湖ショートカットコース(約150km)**をモデルプランとして示します。
走行方向:基本は**反時計回り(左回り)**を推奨します。こう走ることで常に湖が左手に位置し、道路の左端(湖側)を走れば車道を横切る回数も減り安全です。景色も湖越しに山々が見えて最高!ビワイチ公式の青いラインも左回り前提で引かれているので迷いにくいです。
日程:余裕をもって2泊3日。平均的な人は観光を交えて3日かけて完走するのが一般的です。体力に自信があれば1泊2日(1日75km程度)でも可能ですが、「急がば回れ」の精神でゆったり行きましょう。下記は2泊3日の例です。
日程 | 区間(移動拠点) | 走行距離の目安 | ハイライト |
---|---|---|---|
1日目 | 米原駅 → 高島市(マキノ周辺で宿泊) 琵琶湖北東部~北西部を走行 |
約60km | 彦根城(寄り道OK)、奥琵琶湖の雄大な景色、 余裕があれば高島市マキノのメタセコイア並木も(少し寄り道) |
2日目 | 高島市 → 守山市(琵琶湖大橋付近で宿泊) 北西部~湖西沿い→琵琶湖大橋渡橋 |
約50km | 白鬚神社の湖中大鳥居、琵琶湖大橋からの絶景、 道の駅米プラザ(休憩に◎) |
3日目 | 守山市 → 米原駅(スタート地点にゴール!) 琵琶湖大橋東詰~北東部 |
約40km | 近江八幡の古い町並み(水郷巡りも有名)、 長浜・彦根エリアでご当地グルメ堪能(近江牛など) |
※上記は一例です。宿泊場所や距離配分は自分の体力・観光プランに合わせて調整しましょう。「もう脚が限界!」となれば途中で電車に乗ってワープするのもアリです(JR線が湖の東岸を通っているので無理せずリタイアできます)。無事故完走が何より大事ですからね。
ビワイチの醍醐味は、何と言っても道中に点在する観光スポット巡りです。「せっかく琵琶湖まで来たのだから観光も満喫しなきゃ損!」ということで、途中ぜひ立ち寄ってほしい見どころをいくつかご紹介します。
彦根城(ひこねじょう) – 琵琶湖東岸の名城。国宝に指定された天守は必見で、運が良ければ人気マスコット「ひこにゃん」に会えるかも?序盤で立ち寄れば脚も元気なうちに石段もへっちゃら…のはず。
白鬚神社(しらひげじんじゃ) – 湖西側にある古社で、琵琶湖に浮かぶ大鳥居がフォトジェニックなスポット。まるで宮島の厳島神社(のミニ版?)と話題です。湖上の鳥居をバックに記念撮影すれば「ビワイチやったぜ!」感が倍増すること間違いなし。
近江八幡の古い町並み(水郷巡り) – 湖東エリアから少し入った所にある近江商人のふるさと。白壁の町並みと運河(八幡堀)の風景はタイムスリップ気分です。脚に余裕があれば舟で水郷巡り体験も。歴史好きなら安土城跡も近くにあります。
長浜・黒壁スクエア – 北東部、長浜市はレトロな街並みとガラス工芸で有名。黒壁スクエア周辺でご当地スイーツを楽しんだり、長浜城(復元天守)から琵琶湖を一望するのもおすすめ。2日目以降に余裕があれば北岸エリア探索も良い思い出になります。
この他にも湖岸沿いには魅力的なスポットが満載です。走りながら「お、気になる看板が!」と思ったら、ぜひ無理のない範囲でハンドルを切ってみてください。ビワイチは競技会ではないので、寄り道大歓迎。むしろ**「あれもこれも寄り道しちゃって全然進まない~!」**という贅沢な悲鳴もビワイチならではの楽しみ方です。
楽しい旅になりそうだけど、気になるのは費用ですよね。ビワイチにかかる主な費用項目と、その目安をまとめました。旅行プランや贅沢度によって変動しますが、ざっくり予算組みの参考にしてください。
費用項目 | 内容・条件 | 金額の目安 (円) |
---|---|---|
交通費(往復) | 東京~滋賀間の移動費。 新幹線利用(東京-米原往復)または高速バス利用など。 |
新幹線:約25,000円(指定席往復) バス:約10,000円(往復) |
レンタサイクル代 | スポーツバイクレンタル料。 ヘルメット等含むプランが一般的。 |
1日あたり5,000~7,000円前後 (2~3日で8,000~12,000円程度) |
宿泊費 | ビジネスホテル~旅館までピンキリ。 季節や週末料金によって変動。 |
1泊あたり5,000~10,000円程度 (宿タイプによる) |
飲食費 | 食事代・補給用のドリンクやおやつ代。 ご当地グルメをどれだけ堪能するかで上下。 |
日額2,000~4,000円程度 (例:朝コンビニ+昼軽食+夜郷土料理) |
観光費 | 入場料やお土産代。 例:彦根城入場料、湖上タクシーなどオプション。 |
数百円~数千円+お土産次第 |
例えば、レンタサイクル2日間+1泊2日でサクッと走る節約旅なら合計約4~5万円、2泊3日で観光とグルメも満喫するなら7~8万円といったイメージです。「安くあげたい!」という方は高速バス+格安宿+コンビニ飯で攻めれば更に抑えられますし、「どうせ行くなら豪華に!」派はいい自転車を借りて近江牛ステーキに舌鼓…なんて贅沢も。自分のお財布事情と相談しつつ計画しましょう。
最後に、初心者がビワイチに挑戦する際に押さえておきたいポイントや便利アイテムをまとめます。安全第一で楽しむために、出発前にチェックしてくださいね。
無理な計画はNG:距離が長い分、「まだいける!」と思っても疲れは徐々に溜まります。平均的には観光込みで3日かけて回るのが標準です。欲張り過ぎず、自分の体力に合った日程を組みましょう。走行中もこまめに休憩を取り、水分・塩分補給を忘れずに。特に夏場は湖畔とはいえ日差しが強いので熱中症対策必須です。
季節と天候に注意:ビワイチは一年中挑戦可能ですが、初心者には春~秋が快適でしょう。特に夏~秋は湖風が心地よく、景色も新緑や紅葉が楽しめて最高のシーズンです。逆に真冬は北湖で雪が降ることもあり過酷なので避けた方が無難。出発前には天気予報をチェックし、雨具を用意するなど備えましょう。
装備と便利アイテム:ヘルメットやグローブ、サイクルジャージ(または動きやすい服装)、雨具はマストアイテム。夏は日焼け止めとサングラスも必携です。「お尻対策」にサイクルパンツ(尻パッド付き)を履いておくと長距離でもだいぶ楽になりますよ(翌日に悲鳴をあげないための秘策です…)。また、携帯ポンプや簡単な工具、替えチューブなどパンク修理セットも持っていると安心ですが、レンタサイクルの場合は貸出店が用意してくれることもあります。スマホ用の自転車ホルダーがあると地図アプリを確認しながら走れて便利です。
こまめな補給:長時間のライドではエネルギー切れが大敵です。湖周辺にはコンビニや道の駅が点在し、飲み物や軽食を調達できます。こまめに立ち寄って水分とカロリーをチャージしましょう。ご当地グルメも補給の一部!近江牛コロッケや鮒寿司(好き嫌いは分かれますが…)など珍味に挑戦するのも旅の醍醐味です。
安全運転とマナー:サイクリング中は交通ルールを遵守し、安全運転に徹しましょう。特に車道を走る区間では左端を走り、後方確認や手信号で意思表示を忘れずに。ヘッドライトとテールライトを点灯し、夕方以降は早めに宿に入るのが賢明です。地元の歩行者や車への配慮もお忘れなく。「借景(しゃっけい)ならぬ借道路」という意識で、感謝の気持ちを持って走りたいですね。
さあ、これで準備万端です!ビワイチは単なる長距離サイクリングではなく、絶景ありグルメあり歴史ありの欲張り旅。彦根城や白鬚神社など見どころも豊富なので、ぜひ笑顔と余裕をもって湖岸の旅を満喫してください。初めてのビワイチ完走後は、きっとあなたも自転車旅の虜になっていることでしょう。「次はどの“一周”に挑戦しようかな?」なんて考えている自分に出会えるかもしれません。それでは、安全第一で行ってらっしゃい!