自転車旅行ってどんな感じ?初心者でもできる?
自転車旅行というと、何日もかけて日本全国を走り回るようなイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実はもっと気軽に始められる旅のスタイルです。たとえば1泊2日でちょっと遠くの温泉地に行ったり、輪行(自転車を電車に積んで移動すること)を活用して、普段は行けないエリアを走るのも立派な自転車旅行。「サイクリングはしているけど、宿泊を伴う旅は初めて」という人にこそ、ぜひ挑戦してほしい楽しみ方です。
自転車旅行の魅力は、何といっても「自由度の高さ」。時間やルートを自分で決められるので、思いがけない景色に出会ったり、地元グルメを満喫できるのが醍醐味です。また、車やバイクの旅行と違って、移動そのものがしっかり「体験」として記憶に残るのもポイント。特に最近は、ソロキャンプブームと重なって「ひとり旅」としての自転車旅行も注目されています。
初心者のうちは「本当にできるのかな?」と不安もあると思いますが、コツを押さえれば意外とハードルは低いです。最初は距離を控えめに設定し、坂道の少ないコースを選ぶのがコツ。また、荷物が増えると走りにくくなるので、最初は必要最低限の荷物で始めるのがおすすめです。
そして何より大事なのが、自転車選び。自転車旅行に適したモデルは、普段の街乗り用とは異なる特徴があり、長距離走行や荷物の積載を考慮して設計されています。次のセクションでは、そんな「旅向け自転車」の基本について詳しく見ていきましょう。

ツーリングバイクの定番はランドナーからグラベルバイクへ
自転車旅行に適したバイクといえば、かつては「ランドナー」が定番でした。ランドナーはフランス発祥のツーリング専用車で、細めのタイヤに泥除けやキャリア(荷台)が標準装備され、長距離を快適に走れるように設計されています。かつての日本でも、ツーリング=ランドナーという時代があり、クラシックな見た目も相まって今も根強い人気があります。
一方で、最近は「グラベルバイク」が新たな選択肢として注目を集めています。見た目はロードバイクに近いですが、太めのタイヤと頑丈なフレームで、舗装路だけでなく砂利道(グラベル)も安心して走れる仕様が特徴。ディスクブレーキ標準装備やパッキングの自由度が高く、初心者にも扱いやすいことから、特にここ数年で人気が急上昇しています。
ランドナーとは?
ランドナーはその名の通り「旅行者」という意味を持ち、ツーリング用に最適化されたバイクです。鉄フレームとクラシックなデザインが特徴で、キャリアを使ったパニアバッグスタイルで荷物をしっかり積めるのが魅力。荷物満載での安定感はランドナーならではで、「本格派ツーリング」を目指す人に選ばれています。
グラベルバイクとは?
グラベルバイクは、ロードバイクとマウンテンバイクの良いとこ取りをしたような自転車です。オンロードもオフロードも走れる万能型で、舗装路・砂利道の両方に対応。さらに最近は「バイクパッキング」という、バッグをフレームやシートに直接固定して旅をするスタイルが浸透し、キャリアなしで気軽に荷物を積めるのも人気の理由です。※ただし、荷物が多い旅ではキャリア併用が便利です。
ちなみに、実際の自転車旅行シーンでは、ランドナーやグラベルバイク以外にも、クロスバイクやマウンテンバイクで楽しむ人も大勢います。特に日帰り旅や短距離ツーリングならクロスバイクでも十分。ですが、長距離や荷物を積む前提の旅では、やはりランドナーやグラベルバイクのほうが快適ではあります。ただ車体購入のコストもあるので、まずは持っている自転車から…というのも全然アリかと思います。私は初めての自転車旅行はママチャリでした。

初心者が選ぶべき自転車旅行用モデルのポイント
自転車旅行に挑戦したいと思ったとき、最初に悩むのが「どんな自転車を選べばいいの?」という点ですよね。サイクリング経験はあっても、荷物を積んでの長距離走行は少し勝手が違います。ここでは、初心者が押さえておきたい自転車旅行用モデル選びのポイントを紹介します。
荷物を積むことを想定する
自転車旅行では、荷物の積載が必須です。キャンプをする場合はもちろん、宿泊メインの旅行でも着替えや補給食、工具類などそれなりの荷物が必要になります。グラベルバイクやランドナーはキャリアやバイクパッキングに対応しやすい設計がされているので、最初から「荷物が積めるか」を基準に選びましょう。クロスバイクなどを使う場合も、キャリアダボ穴(キャリアを固定するための取り付け穴)があるかどうか確認するのが大事です。
長距離を快適に走れる設計
旅行では1日に何十kmも走ることになります。そのため、安定感・乗り心地が良いバイクが向いています。タイヤが細すぎると衝撃がダイレクトに伝わって疲れやすくなるので、35mm以上のやや太めのタイヤを装着できるモデルが◎。また、フレーム素材は衝撃吸収性のあるクロモリ(鉄)や、柔らかめのアルミフレームが人気です。
メンテナンス性の良さ
旅行先でトラブルが起きることも想定し、メンテナンスがしやすい構造のバイクがおすすめです。たとえば、ディスクブレーキは制動力が高い反面、慣れないとメンテが難しいこともあるので、最初の1台は機械式ディスクブレーキやVブレーキなど、比較的シンプルなものを選ぶのも手です。
価格は無理のない範囲で
自転車旅行用のバイクは、安くても10万円前後からが目安になります。初心者の場合はいきなり高級車を買わず、10〜20万円程度のエントリーモデルから始めるのがおすすめです。旅のスタイルが固まってきたら、必要に応じてグレードアップするのも楽しいですよ。
見た目の好みも大事
最後に忘れがちですが、「自分が乗りたいと思える見た目」も大切なポイント。旅は長時間バイクと過ごすので、見た目が気に入っていると愛着が湧き、旅がもっと楽しくなります。

初心者向けおすすめ自転車旅行モデル5選
ここからは、初心者におすすめの「自転車旅行向けモデル」を5つご紹介します。今回はランドナーとグラベルバイクを中心にセレクトしました。いずれも国内で購入可能な現行モデルなので、これから始める方にぴったりです!
自転車旅行デビューに向けて準備すること
自転車旅行用のバイクを手に入れたら、次はいよいよ旅の準備です。初めての自転車旅行はワクワクする反面、何を用意すればいいのか迷うことも多いですよね。ここでは、初心者がまず準備すべき基本アイテムと、安心して旅を楽しむためのコツを紹介します。
必要な装備をそろえる
まず揃えたいのが、荷物を運ぶためのバッグ類です。キャリアを取り付ける場合はパニアバッグ、バイクパッキングスタイルならサドルバッグやフレームバッグなどを用意しましょう。さらに以下の装備は必須です。
ヘルメット(安全の基本!)
フロント&リアライト(夜間走行やトンネル対策)
工具セット(タイヤレバー、携帯ポンプ、パンク修理キットなど)
ボトル&ボトルケージ(こまめな水分補給が重要)
予備チューブ(パンク時の交換用)
ウエアと防寒・雨対策
走行中は汗をかきやすいため、吸汗速乾性の高いサイクルウエアが便利です。さらに、旅先の天候は変わりやすいので、レインウェアや防寒用のウインドブレーカーも忘れずに。特に山間部は朝晩冷えることが多いので要注意です。
体力とプランを整える
初心者のうちは、無理のない距離設定が大切。1日30〜50km程度の行程から始め、坂道が少なめのコースを選ぶのがおすすめです。事前に地図アプリなどで高低差を確認しておくと安心。また、旅程には余裕を持たせることも重要で、疲れたら途中で輪行(電車などを使って戻る)という選択肢も視野に入れましょう。
メンテナンスの基礎を覚える
旅先でのトラブルに備えて、パンク修理や簡単なチェーン調整の方法は最低限覚えておくと安心です。事前に近所を走りながら、荷物を積んだ状態での感覚を確かめたり、簡単なトラブルシューティングを練習しておくとさらに心強いですよ。

初めての自転車旅行Q&A|初心者の不安をサクッと解決!
Q. 自転車旅行って1泊2日でも楽しめますか?
はい、むしろ初心者には1泊2日がおすすめです。 短めの距離設定であれば無理なく楽しめますし、近場の温泉地や観光地に向かうプランも人気です。初めは「家から自走できる範囲」または「輪行でスタート地点まで行ける範囲」を設定するのがコツです。
Q. クロスバイクでも自転車旅行はできますか?
もちろん可能です! 短距離・日帰り〜1泊程度ならクロスバイクでも十分楽しめます。何ならママチャリでも可能です。ただし、荷物が多くなるとキャリア取り付けの有無が重要になるので、キャリアダボ穴があるモデルだと便利です。長距離や荷物多めの旅なら、よりツーリング向けのバイクがおすすめです。
Q. グラベルバイクとロードバイクの違いは何ですか?
大きな違いは「対応できる路面の幅広さ」です。 グラベルバイクは太めのタイヤで砂利道などの未舗装路も安心して走れる一方、ロードバイクは舗装路専用でスピード重視。自転車旅行では、路面状況に対応できるグラベルバイクが安心感があります。
Q. 初めての自転車旅行、必要な持ち物は?
最低限必要なのは、ライト・ヘルメット・工具セット・予備チューブ・レインウェアです。 加えて、スマホホルダーやモバイルバッテリーもあると便利。泊まりの旅なら着替えや洗面用品も忘れずに準備しましょう。
Q. 自転車旅行で気をつけるべきポイントは?
事前のルート確認と体調管理が大事です。 特に初心者は、無理のない距離設定と余裕あるスケジュールを組みましょう。また、こまめな水分・エネルギー補給も忘れずに。万が一に備えて、輪行バッグを持っていくと安心です。