高尾山や大山を歩き終えると、次はどの山に行けばいいんだろう、と迷いますよね。関東の近くで、日帰りで行ける中級者向けの山を7つご紹介します。
ここで言う中級者向けは、コースタイム4時間以上・累積標高差500m以上で、岩場や急な登りが少し入ってくる山のことです(初心者向けは2〜3時間・300〜500mほど)。7つのなかには歩く時間が短めの山も入れてあるので、いまの体力に近いところから選んでみてください。
関東近郊・中級者向け日帰り登山7選|一覧比較表
7つの山を、きつさの順に並べました。上から順に登っていくと、少しずつ体が慣れていくと思います。
| 山名 | 標高 | コースタイム(往復) | 累積標高差 | 難易度 | 主な特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 大菩薩嶺 (山梨) |
2,057m | 約4時間半 | 約500m | ★★☆☆☆ | 稜線歩き・富士山展望・中級デビューに最適 | 初挑戦におすすめ |
| 金時山 (神奈川・静岡) |
1,212m | 2時間半〜3時間 | 約500m | ★★☆☆☆ | 富士山の絶景・箱根温泉・手軽さ | 週末日帰りに最適 |
| 筑波山 (茨城) |
877m | 2時間40分〜3時間半 | 約600m | ★★☆☆☆ | ふたつの峰・都心から近い・ロープウェイあり | アクセス重視派に |
| 赤城山(黒檜山) (群馬) |
1,828m | 約4時間15分(周回) | 約600m | ★★★☆☆ | 急登・大沼展望・関東平野一望 | 体力試しに |
| 鍋割山 (神奈川) |
1,272m | 6〜7時間 | 約1,000m | ★★★☆☆ | 鍋焼きうどん・丹沢の名峰・長時間歩行 | グルメ登山派に |
| 瑞牆山 (山梨) |
2,230m | 約5時間 | 約800m | ★★★★☆ | 岩場・花崗岩の奇岩・クライミング要素 | 岩場経験を積みたい人に |
| 男体山 (栃木) |
2,486m | 約7時間 | 約1,200m | ★★★★★ | 標高差最大・ガレ場・達成感抜群 | 体力に自信がついてから |
難易度の見方:★が多いほど、体力と慣れが要ります。★2つは中級の山の入口に、★4つ以上は、中級の山をいくつか歩いてからがいいかなと思います。コースタイムは休憩を入れない目安で、各地の自治体や観光協会の案内をもとにしています(2026年10月時点)。
7つの山の場所
7つの山の場所を、地図にまとめました。番号はご紹介する順番で、印を押すと、その山の項目へ移ります。
【山梨】大菩薩嶺|なだらかな稜線と富士山の眺め

中級の山の入口としておすすめしたいのが、標高2,057mの大菩薩嶺です。日本百名山のひとつで、上日川峠から歩けば累積標高差は約500m。それでいて、アルプスのような稜線歩きを味わえるんですよね。
コースタイムは約4時間半(上日川峠から、大菩薩峠と大菩薩嶺を回る場合)。山頂の手前は林の中ですが、稜線に出ると視界がぐるりと開けます。晴れた日は、正面に富士山が見えます。
アクセスは、JR中央本線「甲斐大和駅」から栄和交通のバスで約40分、終点の「上日川峠」へ。4月中旬〜12月中旬の土日祝と、一部の平日だけ走る季節運行なので、時刻は栄和交通の案内で確かめておくと安心です。ちなみに塩山駅からのバスは、ふもとの「大菩薩峠登山口」まで。そこから歩くと約8時間のコースになるので、最初の1回は甲斐大和駅からがいいかなと思います。車の場合は上日川峠の駐車場を使えます。
紅葉は10月中旬〜11月上旬が見ごろで、この時期は登山者も多くなります。塩山側のふもとには市営の日帰り温泉「大菩薩の湯」があるので、車の場合や塩山側へ下りる場合は、ここで汗を流せます。
※冬は雪や凍結があります。上日川峠へのバスも冬は走りません
【神奈川】鍋割山|名物の鍋焼きうどんと、長い登り

鍋割山(標高1,272m)は、丹沢の人気の山です。山頂の鍋割山荘の鍋焼きうどんを目当てに登る人も多いんですよね。
大倉バス停から後沢乗越を通って山頂まで、登りだけで約3時間50分。往復すると6〜7時間で、累積標高差は約1,000mあります。前半は林道、後半は急な登り。長い時間を歩くことに慣れるのに、ちょうどいい山かなと思います。
ただ、うどんが目当てなら知っておきたいことがあります。鍋割山荘は月曜と金曜が定休で、うどんは売り切れしだい終了。予約もできません。混む時期は早く終わることもあるそうなので、早めに出て昼前に着くつもりでいると安心です。山荘も、最低限の食料は自分で用意してほしいと案内しています。出かける前に鍋割山荘の公式サイトを見てみてください。
アクセスは小田急線「渋沢駅」からバスで約15分、「大倉」で下りるとすぐ登山口です。車の場合は大倉の駐車場(有料)を使えます。山頂からは丹沢の山々と相模湾が見えて、晴れていれば富士山も望めます。
下山後は、秦野市の日帰り温泉「名水はだの富士見の湯」などで汗を流すのがおすすめです。
※料金や営業日は変わることがあります。出かける前に公式サイトで確かめてみてください
【群馬】赤城山(黒檜山)|急坂の先に大沼の眺め

赤城山の最高峰黒檜山(1,828m)は、関東平野を見渡せる山です。黒檜山登山口から直登するルートは、岩の多い急坂が続いて、登りごたえがあります。
黒檜山から隣の駒ヶ岳へ回る周回コースで、約4時間15分。急坂を登りきると、眼下に大沼が広がります。距離は短めですが、登りがずっと続くので、ゆっくりめのペースで歩くのがいいかなと思います。
アクセスは、JR前橋駅から関越交通の赤城山直通バスで約1時間10分。直通バスは土日祝だけで、平日は富士見温泉で乗り換えになります。ちなみに終点のバス停は、2026年9月19日から「スノーピークランドステーション赤城」という名前に変わりました。時刻は季節で変わるので、関越交通の案内を見ておくと安心です。車の場合は、大沼のほとりの大洞駐車場やおのこ駐車場を使えます。
春はツツジ、秋は紅葉がきれいな山です。車なら、帰りに南側のふもとの赤城温泉郷に寄る、という楽しみ方もあります。
※風の強い日は、稜線で体が冷えます。天気を見て、無理のない日に登ってください
【栃木】男体山|標高差1,200mの登拝の山

男体山(2,486m)は、中禅寺湖の北にそびえる山です。二荒山神社中宮祠から山頂まで、標高差は1,200mほど。7つのなかでいちばんきつい山なので、ほかの山を歩いて体力に自信がついてからがいいと思います。
往復で約7時間(登り4時間〜、下り3時間〜)。後半はガレ場や岩場が続いて、体力も気力も要ります。そのぶん、山頂から中禅寺湖を見下ろしたときの達成感は大きいんですよね。
ここは神社の山なので、決まりがあります。登れるのは毎年4月25日〜11月11日。受付は朝6時から正午までで、正午を過ぎると入山できません。受付で登拝料(大人1,000円・2026年10月時点)を納めます。道中に水場とトイレはないので、水は多めに持っていくと安心です。
アクセスは、JR日光駅・東武日光駅から湯元温泉行きのバスで約55分、「二荒山神社中宮祠」で下りてすぐ。車の場合は中禅寺湖畔の駐車場を使います。下山後は、中禅寺温泉や日光湯元温泉で汗を流せます。
※標高差がとても大きい山です。初めての中級の山には、ほかの山をおすすめします
【神奈川・静岡】金時山|富士山を望む箱根の山

金時山(1,212m)は、箱根の外輪山でいちばん高い山です。神奈川と静岡の県境にあって、山頂から見る富士山は箱根でも指折りの眺めなんですよね。
代表的な公時神社からのコースは、登りが約80〜90分、往復で2時間半〜3時間ほど。7つのなかでは短いほうですが、後半は急な坂が続きます。「長い時間は歩けないけれど、急な登りを試してみたい」という日に、ちょうどいいかなと思います。秋から冬は空気が澄んで、富士山がよりくっきり見えます。
アクセスは、箱根湯本駅から箱根登山バスで約25分、「金時神社入口」か「仙石」で下りて登山口へ。新宿と箱根を結ぶ高速バスも「金時神社入口」「金時登山口」に停まるので、都内からなら乗り換えなしで来られます。車の場合は、公時神社のそばの駐車場などを使えます。
下山後は、仙石原や箱根湯本の日帰り温泉へ。
※冬は山頂の近くが凍ることがあります。軽アイゼンやチェーンスパイクを用意しておくと安心です
【山梨】瑞牆山|岩峰を手も使って登る

瑞牆山(2,230m)は、花崗岩の岩峰が立ち並ぶ山です。地元の北杜市は「本格登山の入門的な山」と案内していて、後半は岩の間を、手も使いながら登っていきます。
瑞牆山荘から富士見平小屋を経て山頂へ、往復で約5時間(登り約2時間50分・下り約2時間10分)。登山口と山頂の標高差は720mです。途中でいったん沢まで下ってから登り返すので、帰りにも登りがあるんですよね。体力は少し残しておくと安心です。山頂の近くの岩場は、時期によって凍って滑りやすくなります。
アクセスは、JR中央本線「韮崎駅」から山梨峡北交通のバスで約1時間10分、終点の「瑞牆山荘」へ。本数が少なく、走る期間も決まっているので、時刻と運行日は先に確かめておくと安心です。車の場合は、瑞牆山荘の北側にある無料の駐車場を使えます。
下山後は、韮崎市の「韮崎旭温泉」などで汗を流せます(韮崎駅からは少し離れています)。
※岩場が多い山です。滑りにくい登山靴で、手と足の3点で体を支えながら、ゆっくり登ってください
【茨城】筑波山|つくば駅からバスで行ける双耳峰

筑波山(877m)は、男体山と女体山のふたつの峰を持つ、関東平野のシンボルです。標高は低めですが、ふもとの筑波山神社から歩けば標高差は約610m。数字だけ見ると、大菩薩嶺より登るんですよね。
白雲橋コースは登り約110分・下り約95分、御幸ヶ原コースは登り約90分・下り約70分。白雲橋コースは、後半に大きな岩の間を抜ける道が続いて、変化があります。山頂からは関東平野を見渡せます。
アクセスは、つくばエクスプレス「つくば駅」から筑波山シャトルバスで、筑波山神社入口まで約36分、つつじヶ丘まで約50分。車の場合は筑波山神社のまわりの駐車場を使えます。あとはケーブルカーとロープウェイがあるので、下りで膝がつらくなったら乗って下りる、という逃げ道があるのもいいところです。
下山後は、筑波山温泉郷の宿の日帰り入浴で汗を流せます(受け付けていない日もあるので、行く前に確かめてみてください)。
※雨のあとは岩が滑りやすくなります。滑りにくい靴で出かけてください
中級の山へ行く前に|初心者向けの山との違い

初心者向けの山と何が違うのか
高尾山や大山、御岳山のような初心者向けの山は、コースタイム2〜3時間、累積標高差300〜500mほど。整備された道を歩くことがほとんどです。
中級者向けの山は、コースタイム4時間以上、累積標高差500〜1,200mと、歩く時間も登る高さも増えます。岩場や鎖場、ガレ場も出てくるので、体力だけでなく、足の置き場を選ぶことや、ペースの配り方も大事になってくるんですよね。
持ち物で足したいもの
初心者向けの山なら、登山靴・ザック・レインウェアがあれば歩けます。中級の山では、そこに「もしも」に備える持ち物を足しておくと安心です。
| 装備カテゴリ | 初心者レベル | 中級者レベル |
|---|---|---|
| 登山靴 | ハイキングシューズ | ミドルカット以上の登山靴(足首保護) |
| ウェア | レインウェア、防寒着 | レインウェア、防寒着、速乾インナー、予備着 |
| 安全装備 | ヘッドランプ、地図 | ヘッドランプ、地図・コンパス、ヘルメット(岩場)、軽アイゼン(冬季) |
| 行動食・水分 | 500ml〜1L、軽食 | 1.5〜2L以上、行動食、非常食 |
| 緊急装備 | 簡易救急セット | ファーストエイドキット、ツェルト、ホイッスル、予備電池 |
体力づくりは、山で少しずつ
いきなりきつい山に行くより、少しずつ歩く時間を延ばしていくほうが、楽しく続けられると思います。
- コースタイム4時間の山を、余裕を持って歩けるようになる
- 週1回の低山、行けない週は階段の上り下り
- 累積標高差600mほどの山を2〜3回歩いてから、★3つ以上の山へ
- 岩場や縦走のあるコースで、足の置き方に慣れていく
行く前に決めておくこと
歩く時間が長くなると、行く前の準備で一日の楽さがだいぶ変わってきます。次の5つは、出かける前に済ませておくと安心です。
- 登山計画を書いて、家族や友人に伝える(登山届も出す)
- 天気を見る(前の日と、当日の朝)
- 引き返す時刻と、途中で下りる道を決めておく
- コースタイムに、自分のペースで1〜2割の余裕を足す
- 山小屋・水場・帰りのバスの時刻を調べておく
中級の山に進む目安
次のうち、いくつ当てはまるか見てみてください。全部そろっていなくても、★2つの山から始めれば大丈夫だと思います。
- コースタイム4時間の山を3時間以内で歩ける
- 高尾山(1号路)を往復2時間以内で歩ける
- 基本の装備(登山靴・ザック・レインウェアと、もしものための持ち物)がそろっている
- 地図とコンパスの基本的な使い方が分かる
- 5回以上山を歩いていて、次の日に疲れが残らない
中級者の日帰り登山で頼りになる装備
標高差や岩場が増えてくると、道具の差が歩きやすさに出てきます。山のレベルを上げるタイミングで、次の5つを見直しておくと安心です。
- 中級者向け登山靴:岩場や長い下りに対応する、ソールが硬めでサポート性の高い一足を。→ 中級者向け登山靴の選び方
- レインウェア:標高が上がる山ほど天候は変わりやすく、防風・防寒着としても必携です。→ コスパの良いレインウェア上下セット
- トレッキングポール:標高差1000m級の下りで膝を守り、疲労を軽減します。→ トレッキングポールの選び方
- ベースレイヤー:稜線の風や寒暖差に備え、汗冷えを防ぐ速乾インナーを。→ 寒暖差に対応するベースレイヤー
- 日帰りザック(20〜30L):行動食・水・防寒着をまとめて背負える容量が目安です。→ 日帰り登山ザックの選び方
なかでも登山靴は、岩場や長い下りで違いが出やすい道具です。ただ、いまの靴で足が痛くならないなら、急いで買い替えなくて大丈夫だと思います。
まとめ|次の1座は、きつさの近い山から

関東の近くには、日帰りでも登りごたえのある山がたくさんあります。7つのなかでは、大菩薩嶺・金時山・筑波山が入りやすく、瑞牆山と男体山は、いくつか歩いてからの楽しみにとっておくのがいいかなと思います。
あとは帰りのバスの時刻と、登れる期間だけ、出かける前に確かめておいてください。山の上で慌てずに済むと、景色を楽しむ余裕もできるんですよね。
よくある質問(FAQ)
中級者向け登山に必要な装備は何ですか?
登山靴、レインウェア、ヘッドランプ、防寒着、地図とコンパスは、どの山でも持っていきたい基本の持ち物です。中級の山では、そこにファーストエイドキットと非常食を足しておくと安心です。冬や春先は軽アイゼン、岩場の多い山ではヘルメットもあるといいと思います。
初心者から中級者にステップアップする目安は?
コースタイム4時間ほどの山を、無理なく歩けるようになったら、中級の山に進んでいいころだと思います。高尾山を2時間以内で歩ける、大山や御岳山を歩いても次の日に疲れが残らない、基本の持ち物がそろっている、あたりが目安ですね。
悪天候時の判断基準を教えてください
雨の日は岩や木の根が滑りやすくなるので、岩場の多い山(瑞牆山や男体山)は別の日にしたほうがいいと思います。強い風、ガスで先が見えない、雷の予報がある、というときは、登らないと決めてしまってください。登り始めてからでも、「おかしいな」と思ったら引き返して大丈夫です。
単独登山と グループ登山、どちらがおすすめ?
初めての中級の山は、誰かと一緒のほうが安心だと思います。岩場や鎖場では、何かあったときに助け合えるからです。ひとりで行くなら、人の多い山と季節を選んで、登山計画を家族や友人に伝えてから出かけてください。







高尾山や大山を歩き終えると、「次はどこだろう」と迷いますよね。私は、いきなりいちばん高い山を選ばなくていいと思っています。大菩薩嶺や金時山のように、歩く時間が短めで景色のいい山からが入りやすいかなと。
それと、山そのものより先に見ておいてほしいのが帰りのバスです。私も奥多摩で、次のバスまで50分待ったことがあります。