はじめに|トレッキングポールって本当に必要?
登山やトレッキングに出かけると、両手にポールを持って歩く人を見かけたことがある方も多いはず。でも「なんとなく上級者向けっぽい」「なくても歩けるし…」と感じている人もいるのではないでしょうか。
実は、初心者こそトレッキングポールの恩恵を受けやすいんです。
ポールを使う最大のメリットは、膝や足腰への負担軽減。特に下り坂では、膝関節に体重の3〜4倍の負荷がかかるといわれていますが、ポールを使えばその一部を腕で分散できるため、疲労感が大きく違います。また、登りでは推進力をサポートしてくれたり、重い荷物を背負っているときにバランスを崩しにくくなるのも安心ポイント。
さらに、滑りやすい岩場やぬかるみでも安定感アップ。転倒リスクを下げられるのは、日帰り登山でも本格縦走でも共通の利点です。
ポールは1本でも使えますが、基本的には2本使いがおすすめ。特に初心者や体力に不安のある人、膝に不安を抱えている人は、ぜひ両手装備を試してみてください。
■選び方の全体像はこの4つ!
トレッキングポールを選ぶうえで押さえておきたいポイントは、大きく分けて以下の4点です。
シャフト素材:アルミかカーボンか。軽さと耐久性のバランス
収納方式:伸縮式か折りたたみ式か。携行性の違い
長さ調整方法:レバー式・スクリュー式などの使いやすさ
重さと全体のバランス:片手で振りやすい重さが快適のカギ
この記事では、初心者にも扱いやすく、価格・性能のバランスがとれたモデルを7本厳選。後半では、選び方のポイントや使い方のコツ、よくある疑問にもお答えします。
「買って後悔したくない」「どれを選べばいいかわからない」という方でも、この記事を読めば自分にぴったりの1本が見えてくるはず。ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
トレッキングポールおすすめ7選【軽量&使いやすさ重視】
FAST-125A/S
こんな人におすすめ!
・長時間の登山で手首や腕への負担を軽減したい人
・サイズ調整を素早く簡単に行いたい人
・コンパクト収納と軽さを重視する人
グリップ内蔵のアンチショック機構で振動を吸収し、操作性を損なわず快適に歩ける1本。日本人の手に合わせたグリップ設計や、素早い長さ調整ができるレバーロック式で、アップダウンの多い山行にもぴったりです。
ロングトレイル125
こんな人におすすめ!
・はじめての登山ポール選びに迷っている人
・コスパ重視で機能性も妥協したくない人
・軽さと収納サイズを大切にしたい人
超軽量アルミ×レバーロック式で、取り扱いやすさも抜群。ビギナーでも安心の快適設計で、長時間の山歩きにもぴったり。節ごとの交換も可能で、長く付き合えるトレッキングポールです。
トレイル
こんな人におすすめ!
・安心感のあるブランドと機能性を重視する人
・季節問わず長く使えるモデルを探している人
・素早く長さ調節できるポールが欲しい人
手にフィットするEVAグリップと起毛ストラップで快適。フリックロック2で素早く長さ調整でき、パウダーバスケットも付属。オールシーズン対応の定番モデルは、登山から雪山ハイクまで頼れる相棒です。
パーシュートFLZ
こんな人におすすめ!
・軽量・コンパクトで収納性も重視したい人
・長距離縦走や旅に使うトレッキングポールを探している人
・手に優しいグリップやストラップの快適性を求める人
航空機グレードのアルミ採用で強度と軽さを両立。コルクグリップやBloom製エクステンションで長時間の使用も快適。収納わずか約37cmで持ち運びもラク。4シーズン対応の本格派モデルです。
ジャーニーライト
こんな人におすすめ!
・初めての登山用ポールに迷っている人
・頑丈でシンプルなポールが欲しい人
・コスパ重視で信頼性のあるブランドを選びたい人
エボコングリップの握りやすさと、スピードロックプラスによる素早い長さ調節が魅力。アンチショックを省いて軽量・コストバランスも良好。トレッキングの入門用としても安心の一本です。
アルミ製トレッキングポール 2本セット
こんな人におすすめ!
・はじめてのトレッキングポールに手頃な価格で挑戦したい人
・軽量でコンパクトな2本セットを探している人
・SGマーク付きの安心設計を重視する人
最小56.5cm・1本約220gの軽量モデルで、収納袋・ラバーキャップ付き。バランス補助から膝の負担軽減までサポートし、登山デビューや日帰りハイクにも最適なエントリー向けポールです。
カーボン製トレッキングポール 2本セット
こんな人におすすめ!
・ウルトラライト志向でとにかく軽さを重視したい人
・衝撃吸収機能付きで手首や肘にやさしいポールを探している人
・収納性と価格のバランスを求める登山初心者〜中級者
1本約175gの超軽量カーボン製。アンチショック機能ON/OFF切替対応で、衝撃も緩和。最短61cmまで収納できるので携行性も抜群。UL装備のスタートにもおすすめな、コスパ◎な2本セットです。
自分に合ったトレッキングポールの選び方

「トレッキングポールって、何を基準に選べばいいの?」
初めての購入では、似たような見た目のポールが多く、どれが自分に合っているのか悩みがちです。ここでは、初心者でも分かりやすいように選び方のポイントを解説します。
素材|アルミかカーボンかで迷ったら
まず注目すべきはポールの素材。一般的に使われるのは「アルミニウム合金」と「カーボンファイバー」の2種類です。
アルミ製は耐久性に優れ、価格も手頃。少し重さはありますが、多少ラフに扱っても安心感があり、登山初心者のスタートにはぴったりです。
カーボン製は圧倒的な軽さが魅力。荷物を少しでも軽くしたい軽量志向派におすすめ。ただし、横からの衝撃にはやや弱いため、使い方には注意が必要です。
軽さを重視するならカーボン、安心感とコスパで選ぶならアルミがベターです。個人的には、初めの1本はアルミが良いと思います。扱いに慣れてきて、アップデートしたいとなったらカーボンを選択肢に入れる感じです。
収納方式|伸縮式 or 折りたたみ式(Z型)
収納性と携行性を左右するのが、ポールの構造です。
伸縮式(3段式など)は長さの微調整がしやすく、安定感もあります。使わないときはザックに括り付けられるサイズまで短縮でき、登山のスタンダードと言えるタイプです。
一方で折りたたみ式(Z型)は、使用時に固定長になる分、コンパクト収納に特化。トレイルランナーや荷物の制限がある縦走登山者に人気があります。
「ザックの隙間に収納したい」「とにかく軽量・コンパクトがいい」という方にはZ型がおすすめですが、初めのうちはシーン(上り下りとか)によって臨機応変に対応できる伸縮式がおすすめです。
グリップ素材|握りやすさと汗への対応
意外と見落とされがちなのがグリップの素材と形状。握り心地や滑りにくさに直結する大切なポイントです。
EVAフォームはクッション性が高く、長時間使っても疲れにくい素材。手に馴染みやすく、標準装備として広く使われています。
コルクグリップは自然な風合いと吸汗性が魅力。夏場や汗をかきやすい人に向いており、手が滑りにくいという利点も。
ラバー(ゴム系)は耐久性に優れ、水にも強いのが特徴。ただし、汗ばむと滑りやすさを感じる人もいます。
手のサイズや汗のかきやすさに応じて、素材の相性を確かめましょう。出来れば実際に店舗などで握ってみるとベターです。一度好みがわかれば以後はネットで買ってもよいので。
ロック方式|使いやすさで選ぶポイント
長さの調整方式にもいくつか種類があり、登山中の快適さに影響します。
レバーロック(フリックロック)は外側のレバーを開閉する方式で、片手でも素早く調整可能。寒い時期でも操作しやすく、信頼性の高さから中上級者にも人気です。
スクリューロック(回転式)は内部で締めるタイプ。コストが抑えられますが、締めすぎや緩みやすさに注意が必要です。
プッシュボタン式は折りたたみ式に多く、使用時のセットアップが直感的で簡単。ロック不要のものもあります。
操作性の良さを重視するなら、断然レバーロックがおすすめです。
長さ調整の目安|90度ルールを基準に
ポールの長さは、「腕を下げてポールを持ったとき、肘が約90度になる高さ」が目安です。
登り:やや短めに調整(手を下げて使う)
下り:やや長めに調整(前に突き出して使う)
伸縮式ポールなら、地形に合わせてこまめに長さを変えられるので、さまざまな場面で活躍してくれます。
トレッキングポールを使うときのポイント

トレッキングポールを手に入れたら、次は正しい使い方を知ることが大切です。使いこなせば負担軽減や安定性アップにつながりますが、間違った使い方ではかえって疲れたり、バランスを崩すことも。ここでは基本的な使い方のコツをまとめました。
基本姿勢|ポールの角度は「まっすぐ前に」
歩行時は、ポールを体の少し前方に突くように意識します。地面と垂直になる角度を保つことで、スムーズに重心移動ができ、無理な力がかかりにくくなります。
また、ポールのストラップ(ループ)には手を下から通して握るのが正解。これにより、手のひら全体で力を受け止められ、疲れにくくなります。
上り・下りでの使い分け
【登り坂の場合】
ポールは短めに調整し、斜面に対して腕をしっかり伸ばして突くとスムーズに登れます。膝の負担が軽減され、足腰への負担を分散できます。
【下り坂の場合】
逆に長めに調整することで、先にポールを地面に置いてから足を運ぶスタイルが安定します。ブレーキの役割を担うことで、転倒リスクも軽減。
1本 vs 2本|どう使い分ける?
初心者のうちは、基本的に2本使いがおすすめです。バランスが取りやすく、左右の体重移動がスムーズになることで膝や腰への負担も軽減できます。
ただし、簡単なハイキングやちょっとした里山歩きでは、1本だけ持って補助的に使うスタイルも◎。特に片手を空けておきたいときに便利です。
NG使用法に注意しよう
トレッキングポールは便利な道具ですが、使い方を誤ると逆効果になることもあります。よくあるNG例をチェックしておきましょう。
強く突きすぎる・体重をかけすぎる → 腕がすぐ疲れる原因に
斜めに突くクセがある → バランスを崩しやすく、転倒のもと
平地でも常に使いっぱなし → 無駄に体力を消耗する
道の状態や自分の疲労度を見ながら、「使う・使わない」を柔軟に切り替える意識が大切です。
アクセサリを活用しよう
トレッキングポールには、先端に付けるバスケット(雪や泥の沈み防止)やキャップ(舗装路での滑り止め)など、状況に応じたアクセサリがあります。
泥や雪の多い場所 → バスケットを装着
アスファルト歩行が多い → ラバーチップ装着
収納時に便利なポールホルダー付きザックも◎
地形や用途に応じてアクセサリを使い分けると、より快適な山歩きが可能になります。
トレッキングポールのFAQ
Q. 初心者でも2本使った方がいいの?
はい、基本的には2本使うのがおすすめです。両手でバランスを取りながら歩けるため、足腰への負担を軽減でき、特に下り坂や不整地では安定感が大きく変わります。最初は慣れが必要ですが、歩行リズムが整うと疲れにくくなったと感じる人が多いです。
Q. 軽さと丈夫さ、どちらを優先すべき?
用途によりますが、日帰り登山や軽装ハイクなら軽さ重視、縦走や重い荷物を背負う場面では耐久性重視が基本です。カーボン素材は軽くて快適ですが、横方向の衝撃に弱い一面もあるため、歩くルートや地形も考慮して選ぶとよいでしょう。
Q. 折りたたみタイプと伸縮タイプ、どっちがいい?
収納性を重視する人や移動の多い人には折りたたみ式(Z型)、調整のしやすさや汎用性を重視する人には伸縮式がおすすめです。特に初心者や汎用性を求める方は、まずは伸縮式から始めると使いやすいでしょう。
Q. カーボンって折れやすいって本当?
確かに昔は「軽いけど折れやすい」と言われていましたが、最近のカーボンモデルは構造が強化されており、通常使用では問題ありません。ただし、石に挟まった状態で強く体重をかけたり、横からの衝撃には注意が必要です。取り扱いに慣れていれば、軽さの恩恵のほうが大きいと感じる人も多いです。
Q. ポールって2本セットで売ってるの?
はい、基本的には2本セットで販売されているものが主流です。特に初心者や山歩き用には、左右両手で使う前提で設計されています。ただし、トレイルランナー向けや軽量モデルでは、1本単位で販売されている場合もあるので、購入時には「セット内容」に注意して確認しましょう。
Q. 身長が180cm超えなんだけど、ポールの長さ大丈夫?
多くのトレッキングポールは調整可能な長さの上限が125〜135cm程度に設定されています。身長180cm以上の方でも、130cm前後まで対応するモデルであれば問題なく使えます。購入前に「最長長さ」のスペックをチェックするのがおすすめです。特に登り坂でポールを短めに使うことも多いため、余裕を持った調整幅があれば安心です。
まとめ|あなたに合った一本を見つけよう
トレッキングポールは、単なる登山道具ではありません。足腰の負担を軽減し、転倒リスクを減らし、長時間の行動を快適にしてくれる心強い相棒です。特に初心者ほど、その効果を体感しやすいアイテムといえます。
この記事では、初心者から中級者におすすめできるバランスの良い7本を紹介しました。選ぶ際には、以下のポイントを意識すると、自分に合った1本が見えてきます。
選び方のポイントおさらい
素材:頑丈さ重視ならアルミ、軽さ重視ならカーボン
収納方式:コンパクトに持ち運びたいならZ型、扱いやすさなら伸縮式
ロック方式:レバー式は素早く調整しやすく初心者にも安心
グリップ素材:長時間の使用ならEVAやコルクがおすすめ
調整幅:身長や地形に応じた長さ調整ができるモデルを選ぶと◎
迷ったらこれ!目的別おすすめモデル
とにかく軽くて扱いやすいモデルが欲しい
→ SINANO FAST-125A/S、ブラックダイヤモンド パーシュートFLZコスパと信頼性のバランスを重視したい
→ ブラックダイヤモンド トレイル、キャラバン ジャーニーライトまずは手頃な価格で2本セットを試したい
→ DABADA アルミ製 or カーボン製トレッキングポール
どのモデルもAmazon・楽天・Yahoo!で購入可能なアイテムばかりなので、「失敗したくない初心者」にとっても安心です。