スタッフサックとは?登山での役割とメリット
登山やキャンプの準備で「スタッフサック」という言葉を目にしたことはありませんか?スタッフサックとは、衣類やギアを小分けにして収納するための袋で、多くの登山者が愛用しているパッキングアイテムです。見た目はシンプルな袋状ですが、使いこなすとバックパックの中身が整理され、効率よく荷物を出し入れできるようになります。
※モンベルなどでは「スタッフバック」と呼ばれることもあります。
特に登山では、天候の急変や狭いスペースでの荷物整理が必要になるため、スタッフサックの使い勝手が快適さを左右します。防水タイプを選べば、雨天でも着替えや寝袋を濡らさずに持ち運べますし、軽量モデルを選べばUL(ウルトラライト)スタイルの登山でも活躍します。
サイズ展開も豊富で、数リットルの小型タイプから20Lを超える大型タイプまであり、用途に応じて複数使い分けるのが基本です。整然と収納することでザック内のスペースを有効に活用できるため、「なんとなく詰め込む」スタイルから脱却したい人には特におすすめのアイテムです。
スタッフサックの選び方|重視すべきポイントは3つ
スタッフサックを選ぶ際には、以下の3つのポイントを押さえると失敗が少なくなります。
1. 素材と防水性
ナイロンやシルナイロン、DCF(ダイニーマ・コンポジット・ファブリック)など、スタッフサックの素材にはさまざまな種類があります。防水性を求めるなら、PUコーティングやシーム処理されたものを選びましょう。シートゥサミットやモンベルには、優れた防水スタッフサックが揃っています。
2. 容量とサイズ感
収納するアイテムによって必要な容量は異なります。たとえば、レインウェアなら3〜5L、着替え一式なら7〜10L、寝袋なら13L以上が目安です。サイズごとに色分けされている製品を選ぶと、ザック内での視認性も向上します。
3. 重量とUL対応性
軽量化を重視するなら、DCF製や超軽量シルナイロン製のスタッフサックがおすすめです。中には10g以下のULスタッフサックもあり、荷物のグラム単位の削減に貢献します。ULハイカーには必須の選択肢ですね。
これらのポイントを踏まえて、自分の登山スタイルに合ったスタッフサックを選ぶことが重要です。
用途別スタッフサックの使い分け例
スタッフサックは「とりあえず荷物をまとめる袋」ではなく、用途ごとに分けて使うことで真価を発揮します。ここでは登山でよく使われるパッキング例を紹介します。
衣類用スタッフサック
着替えやインナー、ダウンなどをまとめて収納。5〜10Lの防水スタッフサックが適しています。軽量・圧縮機能があるタイプも便利です。
食料・調理器具用
クッカーやバーナー、小分けにした食料を入れる袋。耐摩耗性がある素材が安心。匂い移りしにくいよう、衣類用とは分けておくのがベストです。
寝袋・シュラフ用
寝袋は13〜20Lの大型スタッフサックに収納。防水素材&圧縮ストラップ付きが理想的です。濡れると致命的な装備なので防水性重視で選びましょう。
洗面用・濡れ物用
濡れたタオルや洗面具は、ロールトップ式の完全防水サックが安心です。Sea to SummitやEXPEDのドライサックが定番。
雑多収納・ごみ袋代用
ビニール袋の代わりにスタッフサックを使うと、環境にも優しくスマートな印象に。100均の防水ケースやジップロックも使えますが、耐久性では専用サックに軍配が上がります。
パッキングは「どこに何があるか」一目で分かるのが理想。用途別に色やサイズで区別すると、ストレスフリーな登山が実現します。
【2025年最新】おすすめスタッフサック7選
ここからは、初心者〜UL志向者まで満足できる、おすすめスタッフサック7選を厳選して紹介します。紹介商品の多くは、Amazon・楽天で購入可能、販売中のモデルとなります。
SEA TO SUMMIT|ウルトラシルナノ ドライサック 8L
スペック
容量:8L
重量:24g
素材:15D PUコーテッドシルナイロン
防水性:完全防水(耐水圧1,200mm)
特徴
SEA TO SUMMITの「ウルトラシルナノ ドライサック」は、15デニールの超軽量シルナイロン素材を使用し、同社の「ウルトラシルドライサック」よりも30%軽量化されたモデルです。全ての縫い目にシームテープ処理が施され、ロールトップクロージャーにより高い防水性を実現。楕円形の底部はパッキング時の安定性を高め、バックパック内のスペースを有効活用できます。中身が確認しやすい半透明の生地も特徴で、UL志向の登山者に最適な選択肢です。
SEA TO SUMMIT|ウルトラシル スタッフサック 13L
スペック
容量:13L
重量:30g
素材:30D シルナイロン
防水性:撥水性あり(完全防水ではない)
特徴
SEA TO SUMMITの「ウルトラシル スタッフサック 13L」は、30デニールのシルナイロン素材を使用し、軽量性と耐久性を兼ね備えたモデルです。撥水性のある素材で、軽い雨や湿気から中身を守ります。楕円形の底部はパッキング時の安定性を高め、バックパック内のスペースを有効活用できます。衣類やギアの整理に適したサイズで、UL志向の登山者におすすめです。
モンベル|アクアペルスタッフバッグ 3L
スペック
容量:3L
重量:43g
素材:70デニール・ナイロン(ハイドロプロ®コーティング)
防水性:完全防水
特徴
モンベルの「アクアペルスタッフバッグ」は、70デニールの厚手ナイロンにハイドロプロ®コーティングを施し、高い防水性と耐久性を兼ね備えています。縫い目のないウェルダー加工(熱溶着)により、雨天時でも内部をしっかりと保護。底部が四角形のデザインは、バックパック内でのデッドスペースを減らし、効率的なパッキングを可能にします。3Lサイズは小物や電子機器の収納に適しており、信頼性の高い日本製の選択肢としておすすめです。
※アクアペルスタッフバッグシリーズには、0.5L、3L、5L、10L、15Lのサイズ展開があります。
THE NORTH FACE|スーパーライトドライバッグ 8L
スペック
容量:8L
重量:約89g(実測値)
素材:40Dナイロンリップストップ(ポリウレタンコーティング/TPUラミネーション)
防水性:完全防水
特徴
THE NORTH FACEの「スーパーライトドライバッグ」は、40デニールのリップストップナイロンにポリウレタンコーティングとTPUラミネーションを施し、優れた防水性と耐久性を実現しています。縫製を排除したウェルディング仕様により、縫い目からの浸水リスクを軽減。底部には回転式のバルブが搭載されており、内部の空気を効率的に抜くことで、荷物の圧縮が容易になります。衣類や寝袋など、かさばるアイテムの収納に最適な設計です。
RawLow Mountain Works|ストレージサック S(3.5L)
スペック
容量:3.5L
重量:50g
素材:X-Pac VX21
防水性:撥水性あり(完全防水ではない)
特徴
RawLow Mountain Worksの「ストレージサック S」は、耐久性と撥水性に優れたX-Pac VX21素材を使用したスタッフサックです。ジッパー式の開口部により、素早く中身にアクセス可能。3.5Lの容量は、小物や電子機器の収納に最適です。コンパクトなデザインで、バックパック内の整理整頓に役立ちます。
キャラバン|SILICコーデュラ・ドライサック 10L
スペック
容量:10L
重量:70g
素材:30D シルコーデュラナイロン
防水性:完全防水
特徴
キャラバンの「SILICコーデュラ・ドライサック 10L」は、30デニールのシルコーデュラナイロン素材を使用し、軽量性と耐久性を兼ね備えた完全防水のスタッフサックです。ロールトップクロージャーにより、高い防水性を実現。10Lの容量は、衣類やギアの収納に適しており、登山やキャンプなどのアウトドアシーンで活躍します。
OUTDOOR RESEARCH|パックアウトウルトラライトスタッフサック 20L
スペック
容量:20L
重量:50g
素材:40D シルナイロン
防水性:撥水性あり(完全防水ではない)
特徴
OUTDOOR RESEARCHの「パックアウトウルトラライトスタッフサック 20L」は、40デニールのシルナイロン素材を使用し、軽量性と耐久性を兼ね備えたモデルです。大容量ながらもコンパクトに収納でき、衣類や寝袋などの収納に最適です。撥水性のある素材で、軽い雨や湿気から中身を守ります。
スタッフサックまとめ|登山・UL装備の整理整頓の鍵
登山やトレッキングを快適に楽しむためには、装備の軽量化やパッキング効率が重要です。その中でもスタッフサックは「小さな工夫で大きな差が出る」便利アイテム。軽量性・防水性・サイズ別の使い分けを意識するだけで、ザックの中がすっきり整理され、行動中のストレスもぐっと減ります。
特に近年は、UL系素材や防水仕様の優秀なスタッフサックが増えており、用途や荷物の量に合わせて複数を使い分けるスタイルが主流になっています。この記事で紹介したような信頼性の高いモデルを選べば、初心者から上級者まで満足できること間違いなし。
次回の山行では、ぜひお気に入りのスタッフサックを取り入れて、賢く・軽やかな登山スタイルを実現してみてください。
FAQ|スタッフサックに関するよくある質問
Q1. スタッフサックとドライサックの違いは何ですか?
スタッフサックは主に荷物を小分け整理するための収納袋、ドライサックは防水性に優れたタイプで、濡らしたくない衣類や電子機器などの収納に使います。登山では使い分けが重要です。
Q2. スタッフサックは何個くらい持っていけばいいですか?
荷物の量や行程によりますが、衣類用・食料用・濡れ物用など3〜5個ほどを使い分けると快適に整理できます。容量は3L〜13L前後が目安です。
Q3. スタッフサックは100均のビニール袋でも代用できますか?
短時間の軽ハイクなら代用も可能ですが、耐久性・防水性・形状の安定感は専用モデルの方が圧倒的に優れています。雨の日や連泊登山では専用サックを強くおすすめします。
Q4. 圧縮機能付きのスタッフサックは必要ですか?
寝袋などのかさばる荷物にはコンプレッション機能付きが有効です。衣類など頻繁に出し入れするものは通常タイプの方が使いやすいです。