グレゴリーとは?バックパック界の「ロールス・ロイス」
グレゴリー(GREGORY)は、1977年にアメリカ・サンディエゴで創業された、世界最高峰のバックパックメーカーです。創業者のウェイン・グレゴリーが掲げた「フィット感を最重視する」という哲学は、40年以上経った現在でも同ブランドの核となっています。
グレゴリーが「バックパック界のロールス・ロイス」と呼ばれる理由は、その妥協のない品質へのこだわりにあります。一つ一つのザックは厳格な品質管理のもとで製造され、永久保証サービス(製造上の欠陥に対して)によって生涯にわたってサポートされます。登山家やバックパッカーから絶大な信頼を得ているのは、この圧倒的な耐久性と信頼性があるからです。
同社の最大の特徴は、背負い心地へのこだわりです。人間工学に基づいた設計により、長時間の使用でも疲労を軽減する背面システムを開発。特に「フリーフロートサスペンション」や「バーサフィット」といった独自技術により、まるで着ているかのような快適な背負い心地を実現しています。
グレゴリーザックの選び方
用途別の容量選び
グレゴリーのザック選びで最も重要なのが用途に応じた容量選択です。日常使いなら16~26L、日帰りハイキングなら18~35L、山小屋1泊なら35~40L、テント泊や縦走なら65L以上が目安となります。
容量選びのコツは、実際に必要な荷物量より少し余裕を持たせること。ただし、大きすぎると重心が不安定になり、小さすぎると荷物が入りきらないため、用途を明確にして適切なサイズを選ぶことが大切です。
背面システムの違い
グレゴリーの背面システムは大きく3つに分類されます。「フリーフロートサスペンション」は通気性を重視した設計で、背中とザックの間に空間を作り蒸れを軽減。「フリーフロート・ハイブリッド」は軽量性と快適性を両立し、中型ザックに採用されています。
「バイオシンク・サスペンション」は体の動きに合わせて伸縮する接続部を持つシステムで、激しい動きでもザックが背中に吸い付くようにフィットします。スピードハイクやアクティブな用途に最適です。用途と体型に合わせて、最適な背面システムを選択することで、長時間の使用でも疲れにくい快適な背負い心地を得ることができます。
サイズ調整機能
グレゴリーザックの大きな特徴が背面長調整機能です。多くのモデルで「S/M」「M/L」の2サイズが用意され、さらに背面パネルを上下に調整することで個人の体型に完璧にフィットさせることが可能です。
正しい背面長は、第7頸椎(首の下の出っ張った骨)から腰骨の最上部までの距離で測定します。この調整により、荷重が肩だけでなく腰にも分散され、疲労軽減効果が大幅に向上します。購入前には必ず専門店でフィッティングを行うことをおすすめします。
【街使い・通勤通学】普段使いにおすすめのグレゴリーザック3選
デイパック 26L - 40年続く定番モデル(品番:65169)

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デイパック 26Lは、1977年の創業時から続くグレゴリーの象徴的なモデルです。420Dパッククロスナイロンを使用した本体は、軽量性と耐久性を両立。上位モデルには1680Dバリスティックナイロン(防弾チョッキにも使われる素材)を採用したバージョンもあります。
容量は26Lで、A4ファイルや15インチのノートPCも収納可能。重量は約645g(標準モデル)と軽量で、通勤・通学から1泊旅行まで幅広く対応します。価格は定価約28,600円(実勢価格は20,000円台〜、2025年11月時点)で、この品質と耐久性を考えれば非常にコストパフォーマンスに優れています。
シンプルな構造ながら、フロントポケット、サイドポケット、内部オーガナイザーなど、使い勝手を考えた設計。カラーバリエーションも豊富で、ビジネスシーンからカジュアルまで対応する万能性が魅力です。
イージーピージーデイ - 小柄な方に最適(品番:103868)

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イージーピージーデイは、小柄な女性の背中にもよくフィットするよう設計された18Lのコンパクトザックです。デイパックよりも一回り小さく、重量は約550gと軽量。価格は約24,200円(2025年11月時点)です。
本体素材には420Dナイロンを採用し、軽量性と耐久性を両立。フロントジッパーポケット、トップポケット、両サイドのボトルポケットなど、多彩な収納オプションを備えています。特に内部のオーガナイザーポケットが充実しており、小物の整理に便利です。
カラーバリエーションは20色以上と非常に豊富で、ファッション性も重視したい方におすすめ。通勤・通学はもちろん、軽ハイキングや街歩きにも最適なサイズ感です。
ナノ18 - 軽量シンプル設計(品番:153057)

グレゴリー ナノ18 153057 の価格を比較する
ナノ18は、容量18Lで重量わずか454gという軽量性が魅力のモデル。価格は約12,100円(2025年11月時点)と、グレゴリーの中では比較的手頃な価格設定です。
リップストップナイロンを使用した本体は、軽量でありながら引き裂き強度に優れています。シンプルな構造で、メインコンパートメントとフロントジッパーポケットのみの構成。無駄を省いたミニマルデザインが特徴です。
サイズは縦50cm×横23cm×奥行15cmで、日帰りハイキングから通学まで幅広く使用可能。特にアウトドア初心者や、軽装での移動が多い方におすすめです。パッカブル仕様で小さく折りたたむことも可能で、サブバッグとしても重宝します。
【日帰り〜山小屋1泊】ライトハイキング向けザック2選
ズール35 - フリーフロート背面で通気性抜群(品番:1466710662)

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ズール35は、グレゴリー独自のフリーフロートサスペンションを搭載した35Lの登山用ザックです。このサスペンションにより、背中とザックの間に空間を作り、優れた通気性を実現しています。
重量は約1.5kg、最大積載重量は18.1kg。サイズはMD/LGで背面長45.7-55.9cmに対応します。価格は約33,000円(2025年11月時点)。日帰りから山小屋1泊の登山に最適な容量です。
主な特徴は、U字型ジッパーでの荷室アクセス、フロントパネルローディング、ハイドレーションシステム対応など。レインカバーも標準装備され、悪天候時も安心です。特に暑い季節の登山では、その通気性の良さが大きなメリットとなります。
スタウト35 - 軽量でファストパッキングにも(品番:149374)

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スタウト35は、軽量性を重視したライトウェイトモデルです。重量はわずか1.27kgと、同クラスの中でも特に軽量。価格は約27,500円(2025年11月時点)で、ズールより手頃な価格設定です。
背面システムはバーサフィット・サスペンションを採用し、軽量性と快適性を両立。背面長調整機能により背面長40.6-55.9cmをカバーし、幅広い体型に正確にフィットします。最大積載重量は15.9kgです。
軽量化のために機能を最小限に絞り込んでおり、ファストパッキングや日帰り登山に特化した設計。荷物を軽くしてスピーディーな山行を楽しみたい方におすすめです。シンプルな構造ながら、必要な機能はしっかりと備えています。
【1〜2泊登山】中型登山用ザック
パラゴン38 - フリーフロート・ハイブリッド搭載(品番:143363)

グレゴリー パラゴン38 143363 の価格を比較する
パラゴン38は、1〜2泊のテント泊登山に対応する38Lの中型ザックです。フリーフロート・ハイブリッド・サスペンションを搭載し、軽量性と快適性を高次元でバランスしています。
重量は約1.36kg(SM/MDサイズ)、サイズはMD/LGで背面長45.7-50.8cmに対応。価格は約34,100円〜38,000円(2025年11月時点)。より本格的な登山装備が必要な山行に最適な容量設定です。
主な機能として、3Dコンフォート・クレイドル・ヒップベルトによる優れた荷重分散、フレックスパネルによる体の動きへの追従性、大型ヒップベルトポケットによる行動食や小物の収納などが挙げられます。レインカバーも標準装備で、オールシーズン対応です。
特にテント泊装備を詰め込む際のパッキングしやすさと、長時間歩行時の疲労軽減効果が高く評価されています。中級者から上級者まで幅広く愛用されているモデルです。
【縦走・長期登山】大型登山用ザック
バルトロ65 - フルスペックの本格縦走モデル(品番:142440)

グレゴリー バルトロ65 142440 の価格を比較する
バルトロ65は、グレゴリーのフラッグシップモデルとして長年愛され続ける大型ザックです。容量65Lで数日間の縦走登山に対応し、重量は約2.5kg(Mサイズ)。価格は約58,300円(2025年11月時点)です。
フロートA3サスペンションにより、重い荷物でも安定した背負い心地を実現。最大積載重量22.7kgまで対応し、長期山行での大量装備も安心して運ぶことができます。背面長はMEDサイズで45.7-50.8cmに対応します。
豊富な機能が特徴で、トップローディング&フロントパネルローディング、大型ヒップベルトポケット、サイドコンプレッションストラップ、アタッチメントポイントなど、縦走に必要な機能を網羅。レインカバーも標準装備です。
特に荷重分散能力の高さと耐久性が評価されており、世界中の登山家から信頼を得ています。本格的な縦走登山を始めたい方には、まず検討していただきたいモデルです。
グレゴリーザックの比較表
| モデル名 | 容量 | 重量 | 価格(税込) | 用途 | 背面システム | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| デイパック 26L | 26L | 約645g | 定価約28,600円 (実勢20,000円台〜) |
街使い・通勤通学 | クラシック | 男女兼用 | 40年続く定番 |
| イージーピージーデイ | 18L | 約550g | 約24,200円 | 街使い・軽ハイキング | クラシック | 小柄な方向け | 豊富なカラー |
| ナノ18 | 18L | 約454g | 約12,100円 | 日帰りハイキング | シンプル | 男女兼用 | 軽量・パッカブル |
| ズール35 | 35L | 約1.5kg | 約33,000円 | 日帰り〜山小屋泊 | フリーフロート | 男性向け | 優れた通気性 |
| スタウト35 | 35L | 約1.27kg | 約27,500円 | ファストパッキング | バーサフィット | 男女兼用 | 軽量性重視 |
| パラゴン38 | 38L | 約1.36kg | 約34,100円 | 1〜2泊登山 | フリーフロート・HB | 男性向け | 軽量と快適性両立 |
| バルトロ65 | 65L | 約2.5kg | 約58,300円 | 縦走・長期登山 | フロートA3 | 男性向け | フルスペック |
※価格は2025年11月時点の参考価格です。実際の販売価格は販売店により異なる場合があります。購入前に各販売店でご確認ください。
よくある質問(FAQ)
グレゴリーザックのサイズ選びで注意すべき点は?
最も重要なのは背面長の測定です。第7頸椎から腰骨上端までの距離を正確に測り、対応するサイズを選択してください。また、容量は実際の用途より少し余裕を持たせることをおすすめします。可能であれば、購入前に専門店でフィッティングを受けることが最良です。
永久保証とは具体的にどのようなサービスですか?
グレゴリーの永久保証は、製造上の欠陥による故障を生涯にわたって無償修理するサービスです。ただし、通常の使用による摩耗や経年劣化、誤った使用による破損は対象外となります。修理が不可能な場合は、同等品との交換も可能です。詳細は公式サイトまたは正規販売店でご確認ください。
女性向けのモデルはありますか?
グレゴリーには女性の体型に特化したモデルがあります。登山用では「ジェイド」「メイブン」「アンバー」シリーズ、街使い用では「イージーピージーデイ」が代表的です。これらはショルダーハーネスの曲線やヒップベルトの角度が女性の骨格に合わせて設計されており、より快適な背負い心地を提供します。
レインカバーは別売りですか?
登山用モデル(ズール、スタウト、パラゴン、バルトロなど)にはレインカバーが標準付属しています。街使い用モデル(デイパック、イージーピージーデイ、ナノなど)には付属しませんが、別売りのレインカバーを購入することができます。
お手入れ方法を教えてください
日常的なお手入れは乾いた布での拭き取りが基本です。汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めた水で軽く洗い、風通しの良い場所で陰干ししてください。洗濯機や乾燥機の使用は避け、直射日光も色褪せの原因となるため避けてください。
まとめ:用途に合わせてベストなグレゴリーを選ぼう
グレゴリーのザック選びで最も重要なのは、自分の用途と体型に合ったモデルを選ぶことです。街使いや通勤通学なら「デイパック 26L」や「イージーピージーデイ」、日帰りハイキングなら「ナノ18」、本格的な登山なら「ズール35」「パラゴン38」「バルトロ65」がおすすめです。
どのモデルもグレゴリーの高い品質基準をクリアしており、永久保証によるサポートも受けられます。価格は決して安くありませんが、長期間愛用できる耐久性と他に類を見ない背負い心地を考えれば、十分に価値のある投資といえるでしょう。
購入を検討される際は、ぜひ専門店で実際に背負ってフィット感を確認することをおすすめします。適切に選ばれたグレゴリーのザックは、あなたのアウトドアライフをより快適で充実したものにしてくれることでしょう。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。※価格は変動する可能性があります。購入前に公式サイトでご確認ください。※掲載情報は2025年11月時点のものです。