登山やハイキングを始めると、膝への負担や疲労の軽減を実感できるトレッキングポールの導入を検討する方が多いでしょう。しかし、I型・T型のグリップの違いや、伸縮式・折りたたみ式などの収納方式、アルミ・カーボンといった素材選択など、初心者には分からないポイントが数多くあります。本記事では、トレッキングポールの基本知識から選び方のコツ、そして初心者におすすめの人気7選まで詳しく解説します。
トレッキングポールとは?基本知識を理解しよう
出典:YAMAP
トレッキングポールは、登山用の杖として使用される装備で、「ストック」とも呼ばれます。通常は2本1組で使用し、歩行時のバランス保持や足腰への負担軽減を目的としています。
主な効果として、まず膝への負担軽減が挙げられます。下山時には体重の約3倍の負荷が膝にかかりますが、トレッキングポールを使用することで、この負担を大幅に軽減できます。次にバランス保持効果があり、不安定な岩場や濡れた路面でも安定した歩行が可能になります。さらに推進力の向上により、登りでの歩行効率が上がり、疲労軽減につながります。
使用シーンは多岐にわたり、長時間の縦走、急な登り下りの多いコース、重いザックを背負った際、体力に不安がある場合などで特に効果を発揮します。近年では、平地でのウォーキングや軽いハイキングでも愛用者が増えています。
グリップの種類と特徴を知ろう
出典:YAMA HACK
トレッキングポールのグリップは大きく分けてI型(アイ型)とT型(ティー型)の2種類があります。
I型グリップは、縦に真っ直ぐな形状で、手のひら全体で握るように設計されています。登山やトレッキング向けで、基本的に2本セットで使用します。推進力を得やすく、登りでの歩行効率が高いのが特徴です。長時間の使用でも疲れにくく、本格的な登山を目指す方に適しています。ストラップが付属しており、手首に巻くことで落下防止と握力の軽減効果があります。
T型グリップは、杖の先端が横に広がった形状で、手のひらを上から乗せるように使用します。主にハイキングや散策向けで、1本での使用が基本です。バランス保持がメインの用途となり、平坦な道や軽いアップダウンの散策路で威力を発揮します。ウォーキング感覚で使用でき、杖としての安定感が高いため、体力に不安がある方や高齢者にも人気です。
選択の目安として、本格的な登山にはI型、軽いハイキングや散策にはT型がおすすめです。
収納方式の違いを理解しよう
トレッキングポールの収納方式には、伸縮式と折りたたみ式の2つのタイプがあります。
伸縮式(テレスコープ式)は、釣り竿のように段階的に長さを調整できる構造です。通常は3段階での調整が可能で、使用者の身長や使用シーンに合わせて細かく長さを変更できます。初心者には扱いやすく、操作が簡単なのがメリットです。収納時のサイズは比較的長めになりますが、強度が高く、長期間の使用に耐える耐久性があります。価格も手頃なモデルが多く、エントリーユーザーに適しています。
折りたたみ式は、テントポールのように複数のセクションに分かれ、コードでつながった構造です。素早い組み立てが可能で、収納時は非常にコンパクトになります。ザックの横に取り付けやすく、携帯性に優れるのが最大の特徴です。一方で、組み立て時にコードが絡まる可能性があり、慣れが必要な場合があります。軽量で高性能なモデルが多く、本格派登山者に人気です。
選択の基準として、初心者や手軽さを重視する方には伸縮式、携帯性や上級者向けの機能を求める方には折りたたみ式がおすすめです。
素材選びのポイント
トレッキングポールの素材は主にアルミ製とカーボン製の2種類があります。
アルミ製は、耐久性と価格のバランスに優れた素材です。7075アルミ合金(ジュラルミン)が一般的で、曲がりにくく、万が一変形しても修正しやすい特徴があります。コストパフォーマンスが高く、初心者から上級者まで幅広く愛用されています。重量はカーボンより重めですが、実用上は十分軽量で、長期間の使用に耐える信頼性があります。
カーボン製は、軽量性と衝撃吸収性に優れた高性能素材です。アルミより約30-40%軽量で、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴です。振動吸収性が高く、手首への負担を軽減します。ただし、価格はアルミより高めで、局所的な強い衝撃に弱い面があります。岩に挟むなどの使い方では破損のリスクがあるため、取り扱いに注意が必要です。
選択の目安として、初心者や耐久性重視の方にはアルミ製、軽量性や快適性を求める方にはカーボン製がおすすめです。
初心者におすすめのトレッキングポール7選
DABADA 軽量アルミ製トレッキングポール
出典:Amazon
DABADA 軽量アルミ製トレッキングポールの価格を比較する
DABADA軽量アルミ製トレッキングポールは、約3,000-5,000円(※2025年11月時点)という圧倒的なコストパフォーマンスで初心者に人気のモデルです。7075アルミ合金を使用し、1本あたり220gの軽量設計を実現しています。
SG承認品として安全性が保証されており、アンチショック機能も搭載。56.5cmまでコンパクトに収納でき、Amazon限定キットには追加のアタッチメントも付属します。Amazonでのレビュー数2,400件以上という実績からも、その人気の高さがうかがえます。
モンベル アルパイン カーボンポール
出典:モンベル公式サイト
モンベル アルパイン カーボンポールの価格を比較する
モンベル アルパイン カーボンポールは、約10,120円(※2025年11月時点)で購入できるカーボン製モデルです。1本あたり202gという軽量性と、国内ブランドならではの信頼性が魅力です。
シンプルな伸縮式構造で操作が簡単、初心者でも扱いやすい設計です。国内でのサポート体制も充実しており、初めてのカーボンポールとして安心して選べるモデルです。
シナノ ロングトレイル125
出典:シナノ公式サイト
シナノ ロングトレイル125の価格を比較する
シナノ ロングトレイル125は、約11,880円(※2025年11月時点)で、創業100年の技術力を持つ国産メーカー・シナノの人気モデルです。超軽量アルミを採用し、初心者向けの機能を充実させています。
航空機にも使用される高強度アルミを使用し、傷に強く長期間の使用に耐えます。国内生産による品質の高さと、手頃な価格設定で多くのハイカーに支持されています。
LEKI マカルーライト AS
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LEKI マカルーライト AS 1300483の価格を比較する
LEKI マカルーライト ASは、約15,250-19,250円(※2025年11月時点)で、世界的なポール専門メーカー・LEKIの定番モデルです。ペアで約462gと軽量ながら、アンチショック機能を搭載しています。
ドイツ製の高い品質と、長年にわたって培われた技術力により、多くの登山者に愛用されています。SpeedLock2システムにより、素早い長さ調整が可能で、本格的な登山でも安心して使用できます。
Black Diamond トレイルプロショック
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Black Diamond トレイルプロショックの価格を比較する
Black Diamond トレイルプロショックは、約17,000-25,000円(※2025年11月時点)で、アメリカの老舗クライミングメーカーの定番モデルです。7075アルミ製でFlickLock Proシステムを採用し、確実な長さ固定が可能です。
エラストマーダンピングシステムによる優れた衝撃吸収性で、長時間の使用でも手首への負担を軽減。2年間の保証付きで、品質への自信がうかがえます。
Black Diamond ディスタンスカーボンFLZ
出典:カモシカスポーツ
Black Diamond ディスタンスカーボンFLZの価格を比較する
Black Diamond ディスタンスカーボンFLZは、約18,800-37,750円(※2025年11月時点)の高性能モデルです。カーボン製で4つ折り式の収納が可能、携帯性に優れています。
トレイルランニングにも対応する軽量性と、素早い展開・収納システムが特徴。本格的な登山から軽快なハイキングまで、幅広い用途に対応する上級者向けモデルです。
LEKI クレシダ FX カーボン AS
出典:Amazon
LEKI クレシダ FX カーボン ASの価格を比較する
LEKI クレシダ FX カーボン ASは、約20,000-25,000円(※2025年11月時点)で、女性向けに設計されたカーボン製モデルです。折りたたみ式で収納時は40cmとコンパクトになります。
女性の手の大きさに合わせたグリップ設計と、軽量なカーボン素材により、快適な使用感を実現。アンチショック機能も搭載し、長時間の登山でも疲れにくい設計です。
トレッキングポールの選び方
トレッキングポール選びで最も重要なのは、身長に合わせた長さ調整です。基本的な目安として、身長×0.63で算出される長さが適切です。例えば身長170cmの場合、約107cmが目安となります。肘を90度に曲げた状態で、グリップを握った時に自然な姿勢になる長さが理想的です。
登山スタイルに合わせた選択も重要なポイントです。日帰り登山や軽いハイキングなら、扱いやすい伸縮式のアルミモデルがおすすめ。本格的な縦走や長期山行を予定している場合は、軽量なカーボン製や折りたたみ式を検討しましょう。また、雪山登山では、バスケット(スノーバスケット)の交換が可能なモデルを選ぶことが大切です。
予算と性能のバランスを考慮することも必要です。初心者なら3,000-10,000円程度のエントリーモデルで十分機能を果たします。使用頻度が高くなり、より快適性を求めるようになったら、15,000円以上の中級モデルへの買い替えを検討しましょう。最初から高額なモデルを購入するより、実際の使用感を確かめてからステップアップする方が失敗が少ないでしょう。
よくある質問(FAQ)
トレッキングポールは1本でも大丈夫?
基本的には2本使用がおすすめです。2本使用することで左右のバランスが取れ、より効果的に負担を軽減できます。ただし、T型グリップのモデルや軽いハイキングでは1本での使用も可能です。
アンチショック機能は必要?
アンチショック機能は手首への衝撃を軽減する便利な機能ですが、必須ではありません。長時間の使用や手首に不安がある方には有効ですが、軽量性を重視する場合は省略されることもあります。
長さの目安はどのくらい?
身長×0.63が基本的な目安です。ただし、登りでは少し短めに、下りでは少し長めに調整すると より効果的です。平地で肘が90度になる長さから始めて、実際の使用で微調整しましょう。
まとめ
トレッキングポールは登山の安全性と快適性を大幅に向上させる重要な装備です。初心者はまずエントリーモデルから始めて、実際の使用感を確かめることをおすすめします。
選択の際は、自分の登山スタイルや体力、使用頻度を考慮し、I型・T型のグリップ選択、伸縮式・折りたたみ式の収納方式、アルミ・カーボンの素材選択を行いましょう。
可能であれば購入前に実店舗で実際に手に取って重量感やグリップの握り心地を確認することが大切です。適切なトレッキングポールを選択することで、より安全で快適な山歩きを楽しむことができるでしょう。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。※価格は変動する可能性があります。購入前に公式サイトでご確認ください。※掲載情報は2025年11月時点のものです。