冬季の車中泊やキャンピングカーでの快適性を左右する重要アイテムが FFヒーター(パーキングヒーター)です。エンジン停止中でも車内を暖められ、 低燃費・静音・安全な暖房手段として広く採用されています。本記事では、世界的に信頼される Webasto、 Eberspächer、そして Maxpeedingrodsの3ブランドを比較し、特徴と選び方を整理します。
冬の車中泊を快適にするヒーター選びのポイント

出典:HiIO(ヒオ)
選定時の主な評価軸:
- 安全性:燃焼室と車内空気が分離し、排気は車外へ。配管・断熱・固定の施工品質が重要。
- 静音性:燃焼音・送風音・燃料ポンプ音。就寝時の快適性に直結。
- 燃費効率:1時間あたりの燃料消費量。長時間運転のコストに影響。
- 電力消費:サブバッテリー容量と充電手段に合わせて選択。
- 取付体制:DIYか認定取付か。保証条件にも影響。
安全メモ:COリスクは適切施工で低いものの ゼロではありません。一酸化炭素警報器の併用を推奨します。
Webasto(ウェバスト):世界標準の信頼性と安全設計

出典:Amazon(公式製品ページと併せて仕様確認推奨)
Webastoはドイツ本社の車載ヒーターメーカー。自動車メーカーの純正採用実績が多く、 信頼性・安全性・サービス網が強みです。キャンピングカーや商用車など幅広い用途に対応。
Air Top 2000 STC(代表モデル)
2kWクラスの小型エアヒーター。主要仕様:
項目 | 仕様 |
---|---|
燃料 | ディーゼル/ガソリン |
暖房出力 | 0.9〜2.0kW(約3,100〜7,000 BTU/h) |
燃料消費量 | 約0.12〜0.24L/h |
消費電力 | 約14〜29W(運転時) |
定格電圧 | 12V または 24V |
風量 | 約93m³/h |
重量 | 約2.6kg |
使用高度 | 標準:約1,500m/ 高度対応版:最大約2,200m (MultiControl等、対応コントローラー使用時) |
特徴:低燃費・静音・コンパクト。 SmarTemp 3.0 Bluetoothコントローラーに対応(対応配線・機種要件あり)。販売元資料では 約3.8Lの燃料で最大22時間の連続運転例が示されています(条件により変動)。
Eberspächer(エバス):欧州車採用率の高い高品質モデル

出典:Amazon(技術資料で仕様確認推奨)
Eberspächerはドイツの老舗。欧州メーカー純正採用やアフターサービス網が強み。高効率燃焼と静粛性に定評があります。
Airtronic D2(代表モデル)
小型キャンパーやバンライフ用途に適したコンパクトモデル。主要仕様:
項目 | 仕様 |
---|---|
燃料 | ディーゼル |
暖房出力 | 約0.85〜2.2kW |
燃料消費量 | 約0.10〜0.28L/h |
消費電力 | 運転時:約8〜34W/起動時:最大約100W |
定格電圧 | 12V または 24V |
重量 | 約2.7kg |
動作温度範囲 | 約-40℃〜+50℃ |
特徴: 低燃料・低消費電力で長時間運用に好適。寒冷地での始動性や温度維持が安定しています。
Maxpeedingrods(マックススピーディングロッズ):コスパ重視のDIY向けモデル

出典:Manuals.plus(仕様は公式商品ページで要確認)
Maxpeedingrodsは 価格重視の選択肢。DIY前提の構成が多く、付属品が充実。 保証・耐久・静音面は個体差があり、正規ブランドと比較して要留意。
5kWクラス(代表構成)
可変出力(約2〜5kW)をうたう汎用モデルの例。主要仕様(販売ページ記載ベース):
項目 | 仕様 |
---|---|
燃料 | ディーゼル |
暖房出力 | 約2〜5kW(可変) |
燃料消費量 | 約0.14〜0.48L/h |
定格電圧 | 12V(24V仕様あり) |
付属品 | LCDコントローラー、リモコン、サイレンサー等 |
消費電力 | 例:運転時 約12W〜36W (1-3A@12V)/ 起動時 約108W〜132W (9-11A@12V) ※モデルにより異なる |
ブランド比較表まとめ
主要仕様の比較(代表モデルベース/公式値優先/条件により変動):
項目 | Webasto Air Top 2000 STC | Eberspächer Airtronic D2 | Maxpeedingrods 5kW |
---|---|---|---|
メーカー国 | ドイツ | ドイツ | 中国 |
暖房出力 | 0.9〜2.0kW | 0.85〜2.2kW | 約2〜5kW |
燃料消費量 | 0.12〜0.24L/h | 0.10〜0.28L/h | 0.14〜0.48L/h |
消費電力 | 約14〜29W | 約8〜34W(起動最大約100W) | 例:約12〜36W (運転時) |
価格帯 | 高価格帯 | 高価格帯 | 低価格帯 |
取付体制 | 認定取付推奨 | 認定取付推奨 | DIY想定 |
保証・サポート | 正規網あり | 正規網あり | 限定的(販売店依存) |
使用高度 | 標準約1,500m/最大約2,200m (対応版) | — | 自動高度補正対応モデル多数 (例: 最大約4,800m対応) |
まとめ|用途別に見るおすすめ選び方
Webasto:世界標準の実績と静粛性。 長期運用・正規取付・保証重視なら最有力。
Eberspächer:欧州車での採用多数。 寒冷地や長時間運転に強い。
Maxpeedingrods: 初期費用重視・DIY前提なら有力。個体差や静音性は要確認。
よくある質問(FAQ)
FFヒーターで一酸化炭素中毒の心配は?
燃焼は密閉室内で行われ、排気は車外に出す設計のため リスクは低いですが ゼロではありません。吸排気の閉塞・漏れ・配管の緩みは事故要因です。 一酸化炭素警報器の併用と定期点検を推奨します。
一晩中つけっぱなしにして問題ない?
正規品は連続運転設計です。サブバッテリー容量・燃料残量・換気・吸排気の確保を事前に確認してください。低出力連続運転の方が効率的な場合があります。
DIYと認定取付の違いは?
DIYは費用を抑えられますが、 保証・安全性・法規適合の面で不利な場合があります。Webasto・Eberspächerは 認定取付で保証条件が明確になります。燃料取り出しや排気貫通は専門知識が必要です。
ガソリン車とディーゼル車でモデルは分かれる?
はい。車両燃料に合わせたモデル選定が必要です。別タンク運用でも、燃料種に適合したモデルを選びます。ガソリン対応は型番に注意してください。