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ワンランク上の秋キャンプ飯:中級者向け贅沢レシピ集

秋キャンプを格上げする中級者向け贅沢レシピ3選。旬食材×ダッチオーブン&スキレットで“映え”と満足を両立。盛り付け術と安全対策も解説します。
目次

澄んだ空気と美しい紅葉が魅力の秋。過ごしやすい気候は、キャンプのベストシーズンです。いつものバーベキューも楽しいけれど、「もう少し料理にこだわって、記憶に残るような食事を楽しみたい」と感じている中級キャンパーの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなあなたのために、秋の味覚を存分に活かした「ワンランク上のキャンプ飯」を提案します。味はもちろん、思わずSNSに投稿したくなるような見た目の美しさにもこだわったレシピとテクニックを紹介。この秋は、贅沢なキャンプ飯で、特別な思い出を作ってみませんか?

紅葉の森に設営されたキャンプテント
色鮮やかな紅葉に囲まれたキャンプサイト。秋は、自然の美しさを感じながら料理を楽しむのに最適な季節です。

脱・初心者!中級キャンパーがこだわるべき「秋キャンプ飯」3つのポイント

「いつものキャンプ飯」から一歩踏み出すために、中級キャンパーが意識したいのは「食材」「調理器具」「見た目」の3つの要素。これらを少し工夫するだけで、キャンプ料理は格段にレベルアップします。

ポイント1:旬の恵みを活かす食材選び

秋は「食欲の秋」と言われる通り、美味しい食材の宝庫です。キャンプ飯を贅沢にする第一歩は、旬の食材を主役にすること。自然の恵みをそのまま味わうことで、季節感を満喫できます。

  • きのこ類:しめじ、舞茸、エリンギ、椎茸など。豊かな香りと食感が、料理に深みを与えます。
  • 根菜類:さつまいも、里芋、じゃがいも、人参など。焚き火でじっくり火を通すと、甘みが増して絶品です。
  • 秋の魚介:秋鮭、さんまなど。脂がのって旨味が凝縮された旬の魚は、キャンプ飯の主役にぴったりです。
  • 果物:りんご、栗、ぶどうなど。デザートはもちろん、料理のアクセントとしても活躍します。

これらの食材を現地の直売所などで調達するのも、キャンプの楽しみの一つと言えるでしょう。

ポイント2:料理の幅を広げる「調理器具」の選択

初心者向けの基本的なクッカーセットから卒業し、自分の作りたい料理に合わせた調理器具を導入することが、中級者へのステップアップの鍵です。特に、以下の2つは「キャンプ料理の三種の神器」とも言えるアイテムで、料理の幅を大きく広げてくれます。

ダッチオーブンで調理されたローストチキン
ダッチオーブンを使えば、煮込み料理やローストなど、本格的な調理が可能に。蓋の上にも炭を置けるのが特徴です。

ダッチオーブン:「焼く・煮る・蒸す・揚げる・燻す」といった多彩な調理が可能な万能鍋。特に、蓋の上に炭を置いて上下から加熱することで、オーブンのように使え、ローストチキンやパン作りにも挑戦できます。素材は主に鋳鉄製とステンレス製があります。

スキレット:厚手の鋳鉄製フライパン。蓄熱性が非常に高く、食材に均一に火を通すことができます。ステーキを美味しく焼いたり、アヒージョを作ったりするのに最適。調理してそのままテーブルに出せるおしゃれな見た目も魅力です。

調理器具の素材 メリット デメリット 向いている料理
鋳鉄製
(ダッチオーブン/スキレット)
・蓄熱性が高く、料理が冷めにくい
・均一に熱が伝わり、ムラなく仕上がる
・焚き火などの直火に強い
・重い
・シーズニング(油ならし)が必要
・錆びやすく、手入れに手間がかかる
ステーキ、煮込み料理、ロースト、アヒージョ
ステンレス製
(ダッチオーブン)
・錆びにくく、手入れが簡単
・衝撃に強く、頑丈
・シーズニング不要ですぐに使える
・鋳鉄製より蓄熱性は劣る
・焦げ付きやすい場合がある
・価格が比較的高め
スープ、パスタ、炊き込みご飯

自分のキャンプスタイルや、手入れにかけられる時間を考慮して、最適な素材を選ぶことが大切です。キャンプらしさを重視するなら鋳鉄製、手軽さを求めるならステンレス製がおすすめです。

ポイント3:「映え」を意識した盛り付けと演出

せっかく美味しい料理を作ったなら、見た目にもこだわりたいもの。SNSで「いいね!」がもらえるような美しい盛り付けは、食事の時間をより豊かにしてくれます。難しいテクニックは不要。「彩り」や「高さ」を少し意識するだけで、料理は見違えるほど華やかになります。

秋の味覚を堪能!中級者向け「贅沢キャンプ飯」レシピ3選

それでは、前述した3つのポイントを踏まえ、中級キャンパーにおすすめの具体的なレシピを3つご紹介します。どれも秋の食材を使い、少し特別な調理器具を活かした、味も見た目も満足できる一品です。

① ダッチオーブンで煮込む「ごろっと秋野菜と牛肉の赤ワイン煮込み」

肌寒くなる秋の夜に、体の芯から温まるビーフシチューは格別です。ダッチオーブンの高い蓄熱性を活かしてじっくり煮込むことで、牛肉は驚くほど柔らかく、野菜の甘みが溶け込んだ深い味わいになります。

日が暮れてくると肌寒い秋のキャンプ場。そんなときに食べるあったかゴロゴロビーフシチューは身に沁みます…。ダッチオーブンがあれば、意外と手間がかかりません。

【材料(3〜4人分)】

  • 牛すね肉またはバラ肉(シチュー用):400g
  • じゃがいも:2個
  • 人参:1本
  • 玉ねぎ:1個
  • しめじ、舞茸などお好みのきのこ:1パック
  • にんにく:1片(みじん切り)
  • 赤ワイン:200ml
  • カットトマト缶:1缶(400g)
  • 水:200ml
  • 固形コンソメ:2個
  • デミグラスソース缶:1缶(約290g)
  • 塩、黒こしょう:少々
  • オリーブオイル:大さじ2
  • (お好みで)ローリエ:1枚

【作り方】

  1. 牛肉は大きめの一口大に切り、塩こしょうを振る。じゃがいも、人参、玉ねぎは皮をむいて大きめにカットする。
  2. ダッチオーブンを火にかけ、オリーブオイルとにんにくを入れて熱し、香りが出たら牛肉の表面に焼き色をつける。
  3. 玉ねぎを加えてしんなりするまで炒め、赤ワインを注いでアルコールを飛ばす。
  4. トマト缶、水、コンソメ、ローリエを加え、沸騰したらアクを取り、蓋をする。
  5. 弱火(焚き火の場合は熾火)で1時間ほど煮込む。蓋の上にも炭を置くと、均一に火が通ります。
  6. じゃがいも、人参、きのこを加え、さらに30分〜1時間、野菜が柔らかくなるまで煮込む。
  7. デミグラスソースを加えて混ぜ、塩こしょうで味を調える。5分ほど煮込んだら完成。

SNS映えのコツ:フランスパンを添えて、木のプレートやカッティングボードの上でサーブすると、一気におしゃれなカフェ風になります。

② スキレットで作る「秋鮭と色々きのこのアヒージョ」

スキレットの得意料理といえばアヒージョ。にんにくの香りが食欲をそそるオイル煮は、お酒のおつまみに最高です。旬の秋鮭ときのこをたっぷり使って、秋らしい一品に仕上げましょう。

スキレットで調理されたアヒージョ
熱々のスキレットで提供されるアヒージョ。オイルが沸き立つ様子と香りが、食欲をそそります。

【材料(2〜3人分)】

  • 生鮭:2切れ
  • お好みのきのこ(マッシュルーム、エリンギ、しめじ等):合計150g
  • ミニトマト:5〜6個
  • にんにく:2片(スライス)
  • 鷹の爪:1本
  • オリーブオイル:150ml
  • 塩:小さじ1/2
  • 黒こしょう:少々
  • (お好みで)ローズマリーやパセリ:適量

【作り方】

  1. 鮭は骨と皮を取り除き、一口大に切る。きのこは石づきを取り、食べやすく切るか手でほぐす。
  2. スキレットにオリーブオイル、にんにくスライス、鷹の爪を入れて弱火にかける。
  3. にんにくの香りが出てきたら、鮭ときのこ、ミニトマトを加える。
  4. 塩を振り、具材に火が通るまで5〜7分ほど弱火で煮る。
  5. 火から下ろし、黒こしょうを振り、お好みでハーブを散らして完成。

SNS映えのコツ:スキレットごとテーブルへ。ぐつぐつとオイルが煮えている瞬間が絶好のシャッターチャンス。バゲットを添えて、オイルに浸して食べるのが定番です。

③ メスティンで炊き上げる「さんま缶と生姜の絶品炊き込みご飯」

キャンプ飯の定番、炊き込みご飯。生のさんまは下処理が大変ですが、蒲焼の缶詰を使えば驚くほど手軽に本格的な味が楽しめます。生姜の爽やかな香りが、さんまのコクを引き立てます。

メスティンで炊いたさんまの炊き込みご飯
缶詰とは思えない本格的な味わいの炊き込みご飯。箸で持ち上げた瞬間は、最高のフォトジェニックタイムです。

【材料(1.5〜2人分)】

  • 米:1合
  • さんま蒲焼缶詰:1個
  • 生姜:1片(千切り)
  • 水:180ml(缶詰のタレの分量を考慮して調整)
  • 醤油:小さじ1
  • 酒:小さじ1
  • (トッピング)刻みネギ、すだち:適量

【作り方】

  1. 米を研ぎ、メスティンに入れて30分以上吸水させる。
  2. 吸水後、醤油、酒を加えて軽く混ぜる。
  3. さんまの蒲焼をタレごと加え、身を軽くほぐす。千切りにした生姜を散らす。
  4. 蓋をして弱火にかける。沸騰して湯気が出てきたら、さらに10〜15分加熱する。
  5. 火から下ろし、タオルなどで包んで15分ほど蒸らす。
  6. 蒸らし終わったら全体をさっくりと混ぜ、刻みネギを散らし、すだちを添えて完成。

SNS映えのコツ:蓋を開けた瞬間の湯気と、彩り豊かなトッピングがポイント。すだちの緑が加わるだけで、見た目がぐっと引き締まります。

キャンプ飯をアートに変える!SNSで差がつく盛り付けテクニック

料理が完成したら、最後の仕上げ「盛り付け」です。少しの工夫で、キャンプ飯はただの食事から「作品」へと昇華します。ここでは、誰でも簡単に真似できるテクニックを紹介します。

食器選びで雰囲気を作る

料理を乗せる食器は、写真の印象を大きく左右します。自然に馴染む素材や、料理の色を引き立てる色を選ぶのがポイントです。

  • 木製のプレート・カッティングボード:どんな料理もおしゃれに見せてくれる魔法のアイテム。グリルした肉や野菜、パンをラフに並べるだけで、温かみのあるナチュラルな雰囲気に。
  • 黒や濃い色のプレート:食材の色が際立ち、シックで大人っぽい印象になります。カラフルな野菜を使った料理や、肉料理におすすめです。
  • ホーローや陶器のマグ:スープやシチューをマグカップに注ぐと、可愛らしく、ほっこりとした印象になります。

盛り付けの基本「彩り・高さ・余白」

プロの料理人が使う盛り付けの基本は、キャンプでも応用できます。

  • 彩り:赤(トマト、パプリカ)、緑(ハーブ、ブロッコリー)、黄(レモン、チーズ)など、3色以上を意識すると、食卓が華やかになります。
  • 高さ:料理を平らに盛るのではなく、中央に山のように高く盛ることで、立体感と躍動感が生まれます。サラダの葉を下に敷いたり、パスタをくるっと巻いて高さを出すのが簡単です。
  • 余白:お皿いっぱいに盛り付けるのではなく、あえて余白を残すことで、料理が引き立ち、洗練された印象を与えます。
ガラスジャーに入った彩り豊かなサラダ
ガラスジャーに彩り豊かな野菜を層にして詰めるだけで、おしゃれな一品に。持ち運びにも便利です。

小物を添えて世界観を演出する

料理そのものだけでなく、周りの小物使いも重要です。

  • ハーブやスパイスを散らす:仕上げにパセリやローズマリーを添えたり、黒こしょうを挽くだけで、料理がぐっと本格的に見えます。
  • 自然の素材を飾る:テーブルに松ぼっくりや綺麗な色の落ち葉をさりげなく置くと、季節感あふれるテーブルコーディネートが完成します。
  • 光源を活かす:ランタンの暖かい光や、焚き火の揺れる炎を背景に入れると、雰囲気のある写真が撮れます。料理に光が当たるように配置するのがコツです。

安全に楽しむための注意点

楽しいキャンプ料理も、安全への配慮が欠かせません。特に火の取り扱いには十分注意しましょう。

安全な焚き火台で燃えるキャンプファイヤー
焚き火はキャンプの醍醐味ですが、ルールを守り安全に楽しむことが最も重要です。必ず焚き火台を使用しましょう。
  • 焚き火・炭火の管理:必ずキャンプ場のルールに従い、指定された場所で焚き火台を使用します。風が強い日は特に注意し、火の粉が飛ばないように気をつけましょう。消火用の水も必ず用意しておきます。
  • 調理器具の取り扱い:熱したダッチオーブンやスキレットは非常に高温になります。必ず耐熱グローブを使用し、火傷に注意してください。
  • 食材の管理:気温が低い秋でも、肉や魚などの生鮮食品はクーラーボックスで適切に保管し、食中毒を防ぎましょう。

まとめ:秋のキャンプで、記憶に残る一皿を

秋のキャンプ飯をワンランクアップさせるには、旬の食材を選び、ダッチオーブンやスキレットといった調理器具を使いこなし、そして最後に美しい盛り付けで仕上げることがポイントです。

手間をかけた料理が完成し、美しい自然の中でそれを味わう瞬間は、何物にも代えがたい喜びがあります。この記事で紹介したレシピやテクニックを参考に、あなただけの「贅沢な一皿」作りに挑戦してみてください。きっと、その味と風景が、忘れられない秋の思い出になるはずです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 中級者向けの調理器具、何から揃えるのがおすすめですか?

A1. まずはスキレットから始めるのがおすすめです。比較的手頃な価格で手に入り、アヒージョや肉料理など、普段のフライパンとは一味違う調理が楽しめます。手入れに慣れてきたら、より本格的な煮込み料理やオーブン料理に挑戦できるダッチオーブンを検討すると良いでしょう。

Q2. 盛り付けが苦手です。簡単なコツはありますか?

A2. 最も簡単なのは、木製のカッティングボードを使うことです。買ってきたパンやチーズ、焼いた肉や野菜を並べるだけで、自然とおしゃれな雰囲気になります。さらに、仕上げにローズマリーのようなハーブを一本添えるだけで、彩りと香りが加わり、一気に本格的に見えます。

Q3. 雨の日でもこれらのレシピは作れますか?

A3. はい、作れます。焚き火が使えない場合は、タープの下でツーバーナーコンロなどを使用すれば調理可能です。ただし、密閉された空間での火器の使用は一酸化炭素中毒のリスクがあるため、必ず十分な換気を行ってください。ダッチオーブンもコンロの上で安定して使えるモデルを選びましょう。