時間帯を変えるだけで快適さが激変!|朝夕ライドのすすめ

真夏に日中のサイクリングを避けるべき最大の理由は、「熱中症リスク」と「体感温度の異常な高さ」にあります。気温が高いだけでなく、アスファルトからの照り返しで路面温度は50℃以上になることも。炎天下の中では、短時間でも体に大きな負担がかかります。
そこでおすすめなのが、「早朝ライド」や「夕方ライド」という選択肢です。とくに日の出直後(朝5時〜8時)や、日が傾き始める夕方(17時〜19時)は、気温も落ち着き風も穏やかで、自転車をこぐには絶好のコンディション。夏特有の澄んだ空気や朝焼け・夕焼けを感じながら走る時間は、格別の気持ちよさがあります。
こんなスケジュールで「朝活ライド」してみよう
前日夜に準備:ボトルに氷を入れて冷蔵庫へ、ウェアを準備
朝5:30起床・6:00出発:1〜2時間だけのショートライドでもOK
朝8:00帰宅・シャワー→朝食:一日が有意義にスタート!
夕方ライド派の注意点
夕方に走る場合は、ライトの点灯準備や虫対策も忘れずに。とくに川沿いや田園エリアでは、日没に近づくにつれて虫が多くなるため、サングラスやフェイスカバーがあると安心です。
私は自転車旅行のときはよく夕方ライドをしていました。16時くらいから走り始めて、21時くらいまでですかね。お風呂があったら入って、テント張る場所探して…とっても楽しい時間でしたね。昼間と違って周りが暗いので、余計な誘惑(あそこ寄ってみたい!とか)がなく、とにかく集中して走れた気がします。
通気・冷感・遮熱!|夏専用ウェアで熱を逃がす

夏のサイクリングにおいて、ウェア選びは快適さを大きく左右する要素です。普段着やオールシーズン対応のウェアでは、汗がこもり、体温も上昇しがち。これに対して、夏用に設計されたサイクルウェアは、通気性・速乾性・遮熱性に優れており、熱を効率的に逃がすことができます。
夏専用ウェアに期待できる3つの効果
汗を素早く吸い取り、すぐに乾く
→ 汗冷えやベタつきから解放され、常にサラッとした着心地に。接触冷感素材でひんやり感を得られる
→ 肌に触れた瞬間から涼しさを感じられるため、炎天下でも不快感が激減。UVカット・遮熱機能で日焼けと暑さを軽減
→ 紫外線対策はもちろん、直射日光による疲労感も軽くなる。
実は効果的な「アームカバー」「キャップ」の使い方
一見暑そうに見える長袖やアームカバーですが、冷感素材+UVカット機能付きのものを選べば、むしろ着ていた方が涼しく感じることも。汗が蒸発する際に熱を奪う仕組みを活かせるため、直射日光で素肌が焼けるよりも快適です。
また、通気性の良いサイクルキャップやバンダナは、頭部の日除けとしても効果的。ヘルメットの内側に熱がこもるのを防ぎ、体温上昇を抑えてくれます。
お腹の冷えにも注意
スピードに乗って走ったり、峠っぽいところを下ってきたりするときは、意外とお腹が冷えるので注意が必要です。腹巻きとまではいかなくても、お腹に風が入りこまないような工夫をすると良いかもしれません。
冷やす・守る・運ぶ|夏の必携アイテムを整えよう

暑さ対策において、ウェアと並んで重要なのが「小物アイテムの工夫」です。携帯性に優れたグッズを上手に取り入れることで、ライド中の不快感や危険を大幅に減らすことができます。ここでは、夏のサイクリングに欠かせないアイテムを3つのカテゴリに分けて紹介します。
【冷やす】ボトルやグッズで“即効冷却”を
保冷ボトルに氷水を入れて出発
→ 長時間冷たさがキープでき、口当たりの良さもアップ。ネッククーラーや冷却タオル
→ 首元を冷やすだけで全身の暑さ感が軽減。走行中も違和感なく使用可。携帯用冷却スプレー(衣類・肌用)
→ 休憩時にシュッとひと吹きするだけで、リフレッシュ&冷却効果。
【守る】暑さ・紫外線・熱中症に「防御装備」
UVカットサングラス・フェイスカバー
→ 顔まわりの日差し&虫よけ対策に。日焼け止め(ウォータープルーフタイプ)
→ 汗で落ちにくいタイプを選ぶと安心。塩分補給用タブレット・経口補水パウダー
→ ボトルに混ぜて飲むタイプなら、走りながら自然に摂取可能。
【運ぶ】サドルバッグやツールケースを活用
必需品をジャージの背中ポケットだけに頼らず、サドルバッグやフレームバッグで分散
「軽量&整理しやすい」収納で、必要なときにすぐ取り出せるようにしておくと安心
補給食・予備バッテリー・汗拭きシートなど、夏は“快適グッズ”を詰め込む準備力が大事
こまめな休憩と水分補給が命を守る|補給術の基本

夏ライドで最も注意すべきは、脱水と熱中症です。暑さで大量に汗をかく一方、補給が追いつかずに体内の水分・塩分が急激に失われることも。気づいたときには頭痛・吐き気・めまいが起こり、最悪の場合は走行不能になる危険性もあります。
そうならないために、「意識的な休憩」と「計画的な補給」が不可欠です。
水分補給は「のどが渇く前」に
人間の体は、のどが渇いたと感じる時点ですでに軽度の脱水状態です。サイクリング中は15〜20分に一度、少量ずつこまめに飲むことが基本。1回にたくさん飲むより、少しずつ補う方が吸収効率も良く、体への負担も軽減されます。
特に汗を多くかく真夏は、「水+塩分」のセット補給が重要。水だけを摂っていると体液の塩分濃度が薄まり、“低ナトリウム血症”を引き起こすリスクもあるため、以下の工夫がおすすめです。
電解質入りのドリンクや経口補水液を活用
塩タブレットや塩飴をポケットに常備
ボトル2本体制で、水とスポドリを使い分ける
休憩は「疲れる前に取る」のがコツ
「あとちょっと頑張ってから…」と無理をすると、熱が体内にこもってオーバーヒート状態になってしまいます。とくに夏は、「疲れる前に木陰で5分」といった小休憩をこまめに挟むのが安全かつ快適な走りにつながります。
木陰・トンネル下・屋根のある休憩所を意識的に探す
コンビニや自販機ポイントで冷たい飲み物+冷房休憩
アイスや冷たいゼリーで、糖分とクールダウンを両立!
もし走行不能なくらい駄目になったら…
とにかく休んでください。涼しい場所で一眠りするだけでも全然違ってきます。
注意点としては、休んで少し元気になったからといって無理をしないこと。ゆっくり、休み休み帰路につきましょう。
無理せず“楽しむ気持ち”が大事|走り方とマインドの転換

真夏のサイクリングを楽しむためには、走り方の工夫以上に「考え方の切り替え」が重要です。気温が高い季節は、体にかかる負荷も大きく、普段通りのペースや距離を目指してしまうと、それだけで疲労や不快感が増してしまいます。
そこで大切なのが、「記録より記憶」を意識すること。タイムや走行距離にこだわるのではなく、“夏の風景や空気感を楽しむ”という気持ちでペダルを回すと、不思議と気分が軽くなります。
夏のライドは“がんばらない”が正解
最初から短めのコース設定にする
ゆったりペースで景色や空気を味わう
途中でアイスや冷たい飲み物を楽しむ時間もプランに入れる
このように「がんばらないこと」を前提にすると、体も心もラクになり、結果的に満足度の高いライドになります。
柔軟さも“安全装備”のひとつ
たとえば、暑さがきつければ途中で引き返す/最寄り駅から輪行で帰るという選択肢も、夏にはごく自然な判断です。あらかじめ「無理はしない」「臨機応変でいい」と自分に許しておくことで、心理的なプレッシャーも軽減されます。
「全部走りきらなくてもOK」
「休んだっていい」
「夏だからこそ楽しめる景色がある」
そんな気持ちで夏のサイクリングと向き合うことで、体にも心にもやさしい“ご褒美ライド”になるはずです。
よくある質問(FAQ)
Q. 真夏はやっぱり走らない方がいいんでしょうか?
条件次第では安全に楽しめますが、無理をする必要はありません。暑さに弱い方や夏に体調を崩しやすい方は、春や秋のツーリング計画を立てておくのも賢い選択です。夏は休息や装備チェックにあて、秋に向けての準備期間として活用するのもおすすめです。
Q. 朝や夕方に走るのがいいと聞きますが、時間的に難しいです…
無理に朝夕の時間帯に合わせる必要はありません。日中に走る場合は短距離+木陰ルートを選ぶなど、より慎重なコース設計が求められます。また、無理に夏場に走るのではなく、室内トレーニングや秋の遠出プランを立てる時間に充てるのも有意義です。
Q. 保冷ボトルって普通のボトルとどう違うの?
保冷ボトルは、内部に断熱構造があり氷水の温度を数時間キープできるのが特徴です。夏は走行中にボトルの水がすぐぬるくなるため、保冷性能のあるボトルを使うと、水分補給の快適さがまったく違ってきます。
Q. アームカバーって逆に暑くないですか?
一見暑そうですが、冷感素材+通気性+UVカット機能があるアームカバーなら、直射日光から肌を守りつつ、汗の蒸発で気化冷却を促すため、むしろ涼しく感じられることもあります。夏場は「着たほうが快適」という人も多いアイテムです。
Q. 真夏におすすめの距離や時間の目安はありますか?
初心者〜中級者の方は、1〜2時間/20〜30km以内のライドを目安にするのが安心です。暑さで思った以上に体力を消耗するため、距離よりも“安全に帰れるか”を基準にコースを選ぶことを意識しましょう。
まとめ|夏ライドは“避ける”より“楽しむ工夫”が正解!
「夏のサイクリングはキツいもの」──そんなイメージを持っていた方も、ちょっとした工夫と考え方の転換で、思った以上に快適に楽しめることを実感いただけたのではないでしょうか?
今回ご紹介した5つのポイントをおさらいすると、以下のようになります。
涼しい朝夕の時間帯を選んで走る
夏用ウェアで通気性・冷感・UVカットを強化
保冷グッズ・塩分補給アイテムなどを準備
こまめな休憩と水分補給で体を守る
無理せず「楽しむ」気持ちでマインドセットを変える
これらを取り入れれば、ただ我慢して走るだけの“地獄ライド”ではなく、爽快で心地よい夏時間へと変わっていきます。
まずはできるところから1つずつ試してみてください。快適さと安心感が増すほどに、「夏でも走りたい!」という気持ちがきっと強くなるはずです。