サイクリングの補給食、ジェルだけじゃ足りない?
ロードバイクやクロスバイクで50km以上の距離を走ると、体内のエネルギーが枯渇してしまい、急激に力が出なくなる「ハンガーノック」と呼ばれる状態に陥ることがあります。多くのサイクリストがエナジージェルを補給食として活用していますが、液体状のジェルだけでは満足感が得られず、すぐにお腹が空いてしまうという声もよく聞かれます。
特に100km以上のロングライドでは、ジェルだけの補給では物足りなさを感じ、途中でコンビニに立ち寄って食べ物を購入するサイクリストも少なくありません。そこで注目されているのが、エナジーバーや羊羹などの固形補給食です。これらの固形補給食は腹持ちが良く、ライド中の満足感を高めてくれるため、ハンガーノック対策として非常に有効です。
固形補給食が選ばれる3つの理由
①腹持ちが良く、空腹感を抑えられる
固形補給食の最大のメリットは、ジェルタイプよりも腹持ちが良いことです。固形物は胃の中で消化に時間がかかるため、満腹感が長続きします。特に50km以上のロングライドでは、この腹持ちの良さが重要な要素となります。ジェルは即効性がある一方で、摂取後30分程度で再び空腹感を覚えることが多いのに対し、固形補給食は1〜2時間程度は満足感を維持できます。
②噛むことで満足感が得られる
固形補給食は咀嚼が必要なため、脳の満腹中枢が刺激され、少量でも満足感を得やすくなります。また、噛むという行為自体がストレス解消効果をもたらし、長時間のライド中のリフレッシュにも役立ちます。ジェルのように一気に摂取するのではなく、ゆっくりと味わいながら食べることで、ライド中の楽しみの一つにもなります。
③持ち運びやすく、ライド中に食べやすい
現在市販されている固形補給食の多くは、サイクリング中の摂取を想定して設計されています。片手で開封できるパッケージや、ポケットに入れても崩れにくい包装など、ライド中の利便性が考慮されています。また、常温保存が可能で、夏場でも溶けにくい製品が多いため、長時間のライドでも安心して携帯できます。
サイクリング用固形補給食の選び方|4つのポイント
①カロリー・糖質量で選ぶ
サイクリング中の補給食として最も重要なのは、十分なエネルギー量を確保できることです。一般的に、1時間あたり200〜250kcal程度の補給が推奨されています。固形補給食は1本あたり100〜300kcal程度の製品が多く、自分のライド強度や時間に応じて選択しましょう。また、即効性を求める場合は糖質含有量の多い製品、持続性を重視する場合は複合糖質を含む製品がおすすめです。
②携帯性・包装の開けやすさで選ぶ
ライド中に片手で開封できる包装デザインは非常に重要です。切れ込みが入っていて簡単に開けられるものや、スティック状で食べやすい形状の製品を選びましょう。また、ジャージのバックポケットに入れた際に変形しにくく、包装が破れにくいものを選ぶことも大切です。特に夏場は汗による湿気で包装が劣化しやすいため、防湿性の高いパッケージの製品がおすすめです。
③味・食感の好みで選ぶ
長時間のライドでは、味の好みが継続的な摂取に大きく影響します。チョコレート系、フルーツ系、和菓子系など、様々な味の製品が販売されているため、自分の好みに合うものを見つけることが重要です。また、甘すぎない製品や、塩分が適度に含まれている製品は、長時間の運動中でも飽きずに摂取できます。食感についても、しっとり系やクランチー系など好みが分かれるため、事前に試食することをおすすめします。
④価格・コスパで選ぶ
固形補給食は1本あたり150円〜400円程度と価格帯に幅があります。頻繁にロングライドを行う場合は、コストパフォーマンスも重要な選択基準となります。まとめ買いによる割引や、Amazon・楽天などでの定期購入割引を活用することで、1本あたりの単価を抑えることができます。ただし、価格だけでなく、栄養成分や味、携帯性とのバランスを考慮して選択しましょう。
サイクリング用【固形補給食】おすすめ5選|エナジーバー・羊羹を徹底比較
①井村屋 スポーツようかん あずき|定番の和菓子系補給食
井村屋 スポーツようかん あずき 40gの価格を比較する
井村屋 スポーツようかん あずきは、日本の伝統的な和菓子である羊羹をスポーツ向けにアレンジした補給食です。1本40g、116kcalのコンパクトサイズでありながら、即効性糖質と持続性糖質であるパラチノース®を配合し、エネルギーの持続性を高めています。
特徴的なのは塩分0.14gが含まれている点で、発汗による塩分補給も同時に行えます。片手で簡単に開封でき、ペースト状のなめらかな食感でライド中でも食べやすい設計となっています。Amazon価格は10本入りで約1,100円(2025年11月時点)と、1本あたり約110円という手頃な価格設定も魅力です。
②POW BAR(パウバー)|自然素材100%のエナジーバー
POW BAR パウバー エナジーバーの価格を比較する
POW BAR(パウバー)は、北海道ニセコで製造される100%自然素材のエナジーバーです。添加物・人工甘味料・保存料不使用で、ビーガン対応という健康志向の高いサイクリストに人気の製品です。1本45gで170〜200kcal(フレーバーにより異なる)のエネルギーを摂取できます。
フルーツ&ナッツ、カカオ&ココナッツ、セサミ&デーツなど6種類のフレーバーが用意されており、飽きずに継続摂取できます。価格は1本380円とやや高めですが、12本入りでは4,560円となり、1本あたり380円で購入可能です。自然な甘さと食べ応えのある食感で、長時間のライドでも満足感を得られます。
③森永製菓 inバープロテイン ベイクドチョコ|タンパク質15g配合
森永製菓 inバー プロテイン ベイクドチョコの価格を比較する
森永製菓 inバープロテイン ベイクドチョコは、エネルギー補給だけでなくタンパク質15gも同時に摂取できるプロテイン配合の補給食です。1本43g、209kcalで、しっとりとした焼きチョコタイプの食感が特徴です。
手で溶けにくい特殊な製法を採用しているため、夏場のライドでも安心して携帯できます。また、プロテインの働きを強めるEルチンやビタミンB群7種も配合されており、運動後の筋肉回復をサポートします。Amazon価格は15本入りで約2,200円と、1本あたり約147円という優れたコストパフォーマンスを実現しています。
④アサヒ 1本満足バー プロテインチョコ|コスパ重視派に
アサヒ 1本満足バー プロテインチョコの価格を比較する
アサヒ 1本満足バー プロテインチョコは、コストパフォーマンスを重視するサイクリストに人気の補給食です。1本39g、183kcalで、タンパク質は15g配合されています。5種のビタミン(B1、B2、B6、B12、E)と9種の必須アミノ酸も含まれており、栄養バランスに優れています。
最大の魅力は入手のしやすさで、全国のコンビニエンスストアでも購入可能です。Amazon・楽天では9本入りで約1,250円と、1本あたり約139円という手頃な価格設定となっています。ライド当日に補給食を買い忘れた場合でも、途中のコンビニで補充できる利便性は大きなメリットです。
⑤CLIF BAR(クリフバー)|海外定番のエナジーバー
CLIF BAR クリフバー エナジーバーの価格を比較する
CLIF BAR(クリフバー)は、アメリカでNo.1シェアを誇るエナジーバーの定番商品です。1本68gという大容量で、250〜270kcal(フレーバーにより異なる)のエネルギーを摂取できるため、長時間のライドでも満足感を得られます。
オーガニック原料を使用し、タンパク質も10g前後含まれているため、エネルギー補給と筋肉回復の両方をサポートします。チョコレートブラウニー、クランチーピーナッツバター、クールミントチョコレートなど豊富なフレーバーが用意されています。価格は12本入りで約4,000円と1本あたり約333円で、海外ブランドとしては比較的リーズナブルです。
【比較表】5つの固形補給食を一覧で比較
| 商品名 | 内容量 | カロリー | タンパク質 | 価格(1本あたり) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 井村屋 スポーツようかん あずき | 40g | 116kcal | - | 約110円 | 即効性+持続性糖質、塩分補給 |
| POW BAR(パウバー) | 45g | 170-200kcal | - | 約380円 | 100%自然素材、添加物不使用 |
| inバープロテイン ベイクドチョコ | 43g | 209kcal | 15g | 約147円 | 手で溶けにくい、Eルチン配合 |
| 1本満足バー プロテインチョコ | 39g | 183kcal | 15g | 約139円 | コンビニで購入可、9種アミノ酸 |
| CLIF BAR(クリフバー) | 68g | 250-270kcal | 約10g | 約333円 | 大容量、オーガニック原料使用 |
補給食の摂取タイミングと量|ハンガーノックを防ぐコツ
固形補給食を効果的に活用するためには、適切なタイミングでの摂取が重要です。基本的には、ライド開始から1時間後を目安に最初の補給を行い、その後は1〜1.5時間ごとに継続的に摂取することが推奨されています。
摂取量の目安は、1時間あたり200〜250kcal程度です。例えば、井村屋のスポーツようかんなら2本程度、CLIF BARなら1本で必要なエネルギーを補給できます。ただし、個人の体重や運動強度によって必要量は変わるため、複数回のライドで自分に適した量を見つけることが大切です。
また、空腹感を感じる前に補給することがハンガーノック予防の鍵となります。一度エネルギー切れを起こしてしまうと、回復に時間がかかるため、予防的な補給を心がけましょう。水分補給と併せて行うことで、消化吸収効率も向上します。
よくある質問(FAQ)
サイクリング中、どのくらいの頻度で補給すればいい?
一般的には1〜1.5時間ごとの補給が推奨されています。ただし、運動強度や個人の体質によって異なるため、最初は1時間ごとに少量ずつ補給し、自分に適したペースを見つけることが大切です。空腹感を感じる前に補給するのがコツです。
ジェルと固形補給食、どっちを選ぶべき?
用途によって使い分けることをおすすめします。即効性を求める場合はジェル、腹持ちと満足感を重視する場合は固形を選びましょう。理想的には両方を携帯し、ライド前半は固形、疲労がたまる後半はジェルという使い分けも効果的です。
固形補給食は腹持ちが良すぎて胃もたれしない?
適量であれば胃もたれの心配はありません。一度に大量に摂取せず、少量ずつ分けて食べることが重要です。また、十分な水分と一緒に摂取することで消化を促進できます。胃が弱い方は、最初は半分ずつ食べて様子を見ることをおすすめします。
夏場でも溶けにくい固形補給食はどれ?
森永製菓のinバープロテインは「手で溶けにくい」特殊製法を採用しており、夏場でも比較的安定しています。また、井村屋のスポーツようかんも密閉パッケージで変形しにくく、高温に強い構造となっています。一方、チョコレート系の製品は溶けやすいため、保冷対策が必要です。
まとめ|自分のライドスタイルに合った固形補給食を選ぼう
サイクリング用の固形補給食は、ジェルでは得られない満足感と腹持ちの良さが最大の魅力です。今回紹介した5つの製品は、それぞれ異なる特徴を持っているため、自分のライドスタイルや好みに応じて選択することが重要です。
コストパフォーマンス重視なら森永製菓のinバーや1本満足バー、自然素材にこだわるならPOW BAR、伝統的な和菓子の味を楽しみたいなら井村屋のスポーツようかん、海外ブランドの本格的な味を求めるならCLIF BARがおすすめです。
まずは少量ずつ異なる製品を試食し、自分の口に合うものを見つけることから始めましょう。適切な補給食選びにより、より快適で楽しいサイクリングライフを送ることができるはずです。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。購入前に公式サイトでご確認ください。
※価格は2025年11月時点のものです。