日中のサイクリング中、「アスファルトの照り返しが眩しくて前が見えにくい」と感じたり、帰宅後に「目が真っ赤に充血している」ことはありませんか?
実はその疲れ、単なる日差しのせいではなく、路面や建物から乱反射する「雑光(ざっこう)」が原因かもしれません。ただ色がついただけのサングラスでは、この雑光を防ぐことはできず、瞳孔が開いた状態で有害な光を取り込んでしまい、かえって目に負担をかけてしまうこともあります。
そこで必須となるのが「偏光サングラス」です。ブラインドカーテンのように雑光だけをカットし、必要な光だけを通すことで、驚くほどクリアで快適な視界を確保できます。
本記事では、数あるアイウェアの中から、「本物の偏光レンズ」を搭載したおすすめモデル7選を厳選しました。市販の人気モデルの中には「実は偏光ではない」ものも多いため、今回はサイクリングに確実に効果を発揮するモデルだけを紹介します。
偏光サングラスとは?サイクリングで必要な理由
偏光レンズとは、レンズの間に「偏光膜」という特殊なフィルムを挟み込んだレンズのことです。このフィルムがブラインドカーテンのような役割を果たし、特定の方向(主に路面や水面などの水平方向)からの乱反射光をカットします。
サイクリングにおいて、偏光サングラスは以下のメリットをもたらします:
- 路面の照り返しをカット:アスファルトの白っぽい反射が消え、路面の凹凸やマンホール、砂利などがくっきりと見えます。
- 対向車の反射を軽減:フロントガラスの反射を防ぎ、ドライバーの視線を確認しやすくなります。
- 目の疲労軽減:余計な雑光をカットするため、長時間のライドでも目の奥の疲れや頭痛が軽減されます。
一般的なサングラス(減光のみ)や調光レンズ(紫外線で色が濃くなるだけ)とは異なり、「見やすさの質」を根本から変えるのが偏光レンズの特徴です。ただし、スマホやサイクルコンピュータ(サイコン)の液晶画面が、角度によっては黒く見えにくくなる場合がある点には注意が必要です。

サイコンが見えにくくなる件ですが、正直これは偏光レンズの宿命ですね。ただ、最近のGarminやWahooは対策されているものが多くて、角度を変えれば読めることがほとんど。むしろ液晶が黒くなるかどうかで「これ本物の偏光だ」って判定できるので、僕は購入前のチェック項目にしています。
サイクリング用偏光サングラスの選び方
可視光線透過率で選ぶ
レンズがどれくらい光を通すかを示す数値です。サイクリングでは以下の基準が目安です。
- 晴天・真夏:10〜15%(しっかりと眩しさを抑える)
- 曇天・夕方:30〜50%(暗くなりすぎず、地形が見やすい)
初めての一本なら、透過率20〜30%程度のものが、晴れから曇りまで幅広く対応できておすすめです。
フィット感と重量で選ぶ
ロードバイクは前傾姿勢になるため、上目遣いでも視界が切れない設計が重要です。また、長時間着用しても耳や鼻が痛くならないよう、重量は30g以下、できれば20g台のものを選びましょう。日本ブランド(SWANSなど)や「アジアンフィット」モデルは、日本人の平たい顔立ちでもズレにくく作られています。
調光機能の有無
「調光レンズ」は紫外線量に応じて色が変化するレンズですが、通常は偏光機能を持っていません。しかし最近では、「調光+偏光」の両方の機能を持つハイブリッドなモデルも登場しています。通勤で夜間も走る場合は、このタイプを選ぶとレンズ交換の手間が省けます。

個人的には「透過率20〜30%」を最初の一本に選んで正解でした。真夏はちょっと明るく感じるんですが、春秋は完璧で、梅雨時の曇天でも暗すぎない。サイクリング仲間に聞いてみたら、透過率10%台の濃いレンズを買って「曇りの日に使えない」って後悔してる人が結構いるんですよ。最初は欲張らず中間を狙うのがベターかなと。
【入門・コスパ最強】まずはここから始めたい初心者向け2選
FERRY 偏光レンズ スポーツサングラス フルセット
FERRY 偏光レンズ スポーツサングラス フルセットの価格を比較する
価格:約2,680円
「まずは偏光サングラスの効果を試してみたい」という方に最適なエントリーモデルです。特筆すべきは付属品の多さで、偏光スモークレンズを含む計5枚の交換レンズに加え、専用ケース、ストラップ、予備フレームまで付属します。
品質は価格なりですが、万が一落として壊しても精神的なダメージが少ないため、ラフに扱える練習用として人気があります。
- メリット:圧倒的な安さ、付属品が充実、偏光レンズを試すのに最適
- デメリット:レンズの歪みやフレームの質感は大手に劣る
- こんな人におすすめ:予算を抑えたい初心者、通勤・通学で手軽に使いたい人
ROCKBROS 調光 / 偏光サングラス(選択式)
ROCKBROS 調光偏光サングラス 14110030 の価格を比較する
価格:約2,980円〜4,500円
ROCKBROSの最大の特徴は、「偏光レンズ」と「調光レンズ」の2枚が付属し、目的に合わせて付け替えられることです。Amazonで販売されている主力モデル(B0B4G3KFG5)は、日差しの強い日中用のTAC偏光レンズ×1枚と、室内~屋外で色が変わるPC調光レンズ×1枚の計2枚が付属します。重量わずか29gと超軽量で、インナーフレーム(度付き対応)も付属する至れり尽くせりのセット内容です。
【購入時の注意】
Amazonでは「偏光レンズ+調光レンズ」の2枚セットが主流です(両機能を併せ持つ1枚のレンズではありません)。一方、楽天では購入時に「偏光」か「調光」かを選択する形式で販売されています(レンズは1枚のみ付属)。レンズ2枚で幅広く使いたい方はAmazonがおすすめです。
安価ながら重量は約30gと軽量で、ロングライドや自転車通勤の強い味方になります。
- メリット:Amazonなら偏光+調光の2枚セットで迷わず買える、コスパ最強、インナーフレーム(度付き対応)付き
- デメリット:大手ブランドほどの知名度はない、楽天では偏光か調光のどちらか1枚しか選べない
- こんな人におすすめ:レンズ2枚で幅広く使いたい人(Amazon購入者)、昼夜兼用したい通勤ライダー
【日本製の安心感】日本人の顔にフィットするSWANS 2選
SWANS E-NOX EIGHT8 偏光レンズモデル(EN8-0051)
SWANS E-NOX EIGHT8 EN8-0051 偏光 の価格を比較する
価格:約16,500〜18,700円
日本の老舗山本光学が、長時間のスポーツ向けに開発したモデルです。最大の特徴は重量わずか19gという圧倒的な軽さで、今回紹介する7選の中で最軽量。独自の「ツイストテンプル」が頭を優しく包み込み、締め付けによる頭痛や耳の痛みを防ぎます。
日本人の頭部形状を知り尽くした設計で、海外ブランドで「頬にレンズが当たる」「鼻が浮く」と悩んでいた方にとっては救世主となる一本です。
- メリット:着けているのを忘れる軽さ、日本人に完璧にフィット、ズレない
- デメリット:レンズ交換はできない構造
- こんな人におすすめ:長時間走るロードバイクユーザー、首や耳の疲れを軽減したい人
SWANS LION SIN 偏光スモーク(LI SIN-0151 MGMR)
スワンズ LION SIN LI SIN-0151 MGMR 偏光 の価格を比較する
価格:約15,000〜22,000円
「E-NOX」が軽さを追求したモデルなら、「LION SIN」は剛性とホールド感を追求したタフなモデルです。ガッチリとしたフレームが頭部をホールドし、マウンテンバイクやグラベルロードのような激しい動きでもズレません。
レンズ交換が可能な設計なので、傷ついた場合や、別の機能レンズ(雨天用など)に交換して長く使い続けることができます。
- メリット:激しい動きに強いホールド感、レンズ交換可能、頑丈
- デメリット:重量感がある、締め付け感が苦手な人には不向き
- こんな人におすすめ:MTBやグラベル、道具をタフに使いたい人
【世界最高峰】視界の質にこだわるハイエンド2選
Zeque(ゼクー)STELTH(ステルス)TALEX偏光レンズ
Zeque ゼクー STELTH TALEX 偏光 の価格を比較する
価格:約28,000〜35,000円
元々は釣り用として開発されましたが、その圧倒的な視界の良さからサイクリストの間で口コミで広がった「知る人ぞ知る名品」です。搭載されている「TALEX(タレックス)」レンズは、偏光業界の世界最高峰と言われ、路面のわずかなギャップや砂利まで手に取るように見えます。
「目が全く疲れない」「景色が綺麗に見える」という体験は、一度使うと他のサングラスに戻れないほど。安全への投資として間違いのない選択です。
- メリット:最高レベルの雑光カット率、歪みのないクリアな視界、目が疲れない
- デメリット:価格が高い、自転車専門店では扱いが少ない
- こんな人におすすめ:視界の質にこだわりたい人、目の疲労を極限まで減らしたい人
Oakley Flak 2.0 XL Prizm Black Polarized(OO9188)
オークリー Flak 2.0 XL OO9188 Prizm Black Polarized の価格を比較する
価格:約28,000〜43,000円(並行輸入〜国内定価)
「オークリーが欲しいけれど、確実に偏光機能があるものがいい」という方にはこれ一択です。人気モデルJawbreakerの多くは非偏光ですが、このFlak 2.0 XLの「Prizm Black Polarized」モデルは、確実な偏光機能を備えています。
搭載される「Prizm Black Polarized」レンズは可視光線透過率11%と色が濃いため、真夏や日差しの強い日中に最適です(曇天や夕方には暗すぎる場合があります)。
特許素材のイヤーソックは、汗をかくほどグリップ力が増すため、夏場のライドでもズレる心配がありません。所有欲を満たしてくれるデザインと機能性のバランスが完璧です。
- メリット:確実な偏光機能、汗に強いグリップ力、豊富な交換パーツ
- デメリット:大型の一枚レンズではない(視界の広さはJawbreakerに劣る)
- こんな人におすすめ:オークリーブランドが好き、失敗のない定番を選びたい人
【街乗り・お洒落】ガチすぎない!カフェライド向け1選
goodr(グダー)OGs / Circle G 偏光サングラス
goodr グダー 偏光サングラス OGs Circle G の価格を比較する
価格:約3,000〜4,000円
「ガチなスポーツサングラスは気恥ずかしい」「ジャージではなく私服で走りたい」という方に大流行中のブランドです。見た目はカジュアルなウェリントン型ですが、しっかりと偏光レンズを搭載しており、特殊なコーティングで滑りにくくなっています。
クロスバイクやミニベロでのポタリング、カフェに入る際も外す必要がないデザイン性が魅力です。
- メリット:お洒落で安い、普段使いできる、滑りにくい
- デメリット:前傾姿勢の深いロードバイクには視界が狭い
- こんな人におすすめ:街乗り、クロスバイク、お洒落に走りたい人
【一覧比較】サイクリング用偏光サングラス7選
| 製品名 | 特徴・評価 | 価格 | 重量 | 偏光機能 | レンズ交換 | 対象ユーザー |
|---|---|---|---|---|---|---|
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FERRY
偏光レンズ スポーツサングラス フルセット
| 圧倒的コスパで始める偏光デビュー ★★★☆☆ | 約2,680円 | – | ○ 偏光スモーク含む5枚 | ○ 5枚交換可 | 初心者 / 予算重視 |
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ROCKBROS 調光 / 偏光サングラス
| 偏光+調光の2枚で昼夜完全対応 ★★★★☆ | 約2,980〜4,500円 | 約29g | ○ 偏光×1 / 調光×1 | ○ 2枚セット | 通勤 / 昼夜兼用 |
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SWANS E-NOX EIGHT8 EN8-0051
| 着けてることを忘れる19gの軽さ ★★★★★ | 約16,500〜18,700円 | 19g | ○ 偏光スモーク | × 一体型 | ロングライド / 軽量重視 |
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SWANS LION SIN LI SIN-0151 MGMR
| 激しい動きに強いタフモデル ★★★★☆ | 約15,000〜22,000円 | – | ○ 偏光スモーク | ○ レンズ交換可 | MTB / グラベル / タフ派 |
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Zeque STELTH TALEX 偏光
| 世界最高峰TALEXレンズ搭載 ★★★★★ | 約28,000〜35,000円 | – | ○ TALEX偏光 | ○ レンズ交換可 | 視界重視 / ハイエンド |
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Oakley Flak
2.0 XL Prizm Black Polarized
| 世界的定番ブランドの安心感 ★★★★☆ | 約28,000〜43,000円 | – | ○ Prizm偏光 | ○ 交換パーツ豊富 | ブランド好き / 定番 |
|
goodr
OGs / Circle G 偏光
| カジュアルで普段使いできる ★★★☆☆ | 約3,000〜4,000円 | – | ○ 偏光レンズ | × 一体型 | 街乗り / カフェライド |
よくある質問(FAQ)
偏光サングラスは夜間でも使えますか?
使えません。JIS規格では可視光線透過率8%未満のレンズを夜間に使用することは禁止されており、違反すると道路交通法違反(視野妨害)に問われる可能性があります。偏光レンズは多くの場合、透過率が低いため、夕暮れ以降は必ず外すか、透過率75%以上の「クリアレンズ(偏光なし)」または「調光レンズ」に交換してください。
レンズの色は何色がおすすめですか?
サイクリングではグレー(スモーク)系が最も汎用性が高く、色の歪みが少なく自然な見え方をします。次いでブラウン系は路面のコントラストが強調され、凹凸が見やすくなるためオフロード向きです。グリーン系は目が疲れにくい特性があります。初心者にはまず「グレー系偏光レンズ」をおすすめします。
偏光サングラスと調光サングラスの違いは何ですか?
偏光サングラスは、レンズ内部の偏光膜が路面や水面からの乱反射光(雑光)をカットし、視界をクリアにします。一方、調光サングラスは紫外線量に応じてレンズの色が自動的に変化しますが、雑光をカットする機能は基本的にありません。
最近では「偏光+調光」の両機能を持つハイブリッドモデルも登場していますが、価格は高めです。本記事で紹介したROCKBROSのように、偏光レンズと調光レンズの2枚セットを選ぶと、用途に応じて使い分けができて便利です。
度付きの偏光サングラスは作れますか?
はい、作れます。主に以下の3つの方法があります:
- インナーフレーム対応モデル:ROCKBROSなど、サングラス内側に度付きレンズを装着できるフレームが付属するモデルがあります。
- オーバーグラス型:普段のメガネの上から装着できる大きめのサングラス。視野が狭くなる場合があります。
- オーダーメイド:SWANSやOakleyなど、一部ブランドでは度付き偏光レンズをオーダーできます(価格は3〜5万円程度)。
コスト重視ならインナーフレーム対応モデル、視界重視ならオーダーメイドがおすすめです。
偏光サングラスでスマホやサイコンが見えなくなるって本当ですか?
はい、角度によっては液晶画面が黒く見えにくくなることがあります。これは偏光レンズの特性上、液晶画面から出る特定方向の光(偏光)をカットしてしまうためです。
ただし、最近のサイクルコンピュータ(GarminやWahoo)は偏光レンズ対策がされているものが多く、角度を変えれば読めることがほとんどです。スマホも画面を縦横に傾けると見やすくなります。
むしろ、「液晶が黒くなるかどうか」で本物の偏光レンズかを判定できるため、購入前のチェック項目として活用できます。
安い偏光サングラスと高級品の違いは何ですか?
主な違いは以下の3点です:
- 偏光膜の品質:高級品(TALEXやPrizmなど)は偏光膜の層が均一で、雑光カット率が高く、色の歪みが少ないです。安価品はムラがあり、見え方に差が出ます。
- レンズの歪み:高級品は光学グレードの素材を使用し、視界に歪みがありません。安価品は端がゆがんで見えることがあります。
- 耐久性とフィット感:高級品はフレーム素材や設計が精密で、長時間でも疲れにくく、壊れにくいです。
初めて偏光サングラスを試すなら安価品(FERRYやROCKBROS)で十分ですが、長時間ライドや視界の質を重視するなら、SWANSやZequeなどの中〜高級品への投資をおすすめします。
まとめ
サイクリング用の偏光サングラスは、ただ「眩しさを防ぐ」だけでなく、路面の凹凸を鮮明に見せ、目の疲労を大幅に軽減してくれる必需品です。
本記事で紹介した7選の中から、特におすすめのモデルをまとめます:
- 【コスパ重視・初心者】:ROCKBROS(偏光+調光の2枚セット、昼夜兼用可能、レンズ選びで失敗したくない方向け)
- 【快適性・軽量重視】:SWANS E-NOX EIGHT8(19gの軽さと日本人特化フィット、長時間ライドに最適)
- 【視界の質重視】:Zeque(ゼクー)STELTH(世界最高峰TALEXレンズ、安全と快適への本気の投資)

最初は「3万円って高すぎでは…」と正直思ってたんですが、実際にゼクーのTALEXレンズを使い始めてから、もう安物には戻れません。富士山登山の帰りに使って、下山中の砂利道がくっきり見えたのには感動しました。落としたら泣くので、ちゃんとアイストラップつけてメンテも怠らず大切に使ってます。視界への投資は、安全への投資だと痛感してます。
どれを選んでも「ただのサングラス」とは一線を画す快適さが得られますが、ご自身の予算とライドスタイルに合わせて選んでみてください。
※価格はAmazon・楽天市場における2025年12月時点の参考価格です。時期や販売店により変動する場合があります。
※本記事にはアフィリエイト広告を利用しています。商品の評価には一切関係なく、著者自身の判断で選定しています。







正直言って、初めて偏光サングラスを使ったとき「世界が変わった」と思いました。それまで安物のサングラスで我慢していたんですが、九州一周ライド中に強風で吹き飛ばして紛失したんですね。で、現地のスポーツ用品店で買った偏光レンズのサングラスを試したら、路面の白線や砂利の境界がくっきり見えて驚きました。今はゼクーのSTELTHを愛用中です。デザインに一目惚れして清水の舞台から飛び降りる覚悟で買いましたが、視界の良さに毎回感動してます。落とすのが怖くてアイストラップ必須ですけどね。今回は失敗しない選び方をまとめています。