ルート概要
千葉県の内房線・五井駅から外房線・大原駅まで、小湊鉄道・いすみ鉄道の2つのローカル線に沿って房総半島を横断する約72kmのサイクリングルートです。のどかな田園風景、湖畔の絶景、紅葉の名所・養老渓谷、城下町・大多喜など、変化に富んだ景色を楽しめます。春には一面の菜の花畑、秋には紅葉が鉄道と調和する、撮影スポットとしても人気のコースです。
| 距離 | 約72.1km(片道) |
| 獲得標高 | 約400〜500m |
| 所要時間 | 5〜7時間(観光・休憩含む) |
| 路面状況 | アスファルト舗装(国道297号は交通量やや多め) |
| 難易度 | 初心者〜中級者向け |
| 推奨季節 | 春(3-4月の菜の花シーズン)、秋(10-11月の紅葉シーズン) |
| スタート/ゴール | JR五井駅〜JR大原駅 |
※初心者の方は余裕を持って計画してください。
※掲載情報は2025年11月時点のものです。天候や道路状況により変更される場合がありますので、出発前に最新情報をご確認ください。
出典: ZEKKEI Japan
📍 ルートマップ
ルート上のポイント一覧
| 記号 | ポイント名 | 解説 |
|---|---|---|
| A | JR五井駅 | 小湊鉄道の起点駅。輪行でアクセス良好。駅前から県道経由でスタート。 |
| B | 道の駅あずの里いちはら | スタートから約6.6km地点。地元野菜や特産品が充実。最初の補給ポイント。 |
| C | 高滝湖周辺 | 約22.9km地点。小湊鉄道沿線の美しい湖。桜や紅葉の名所。 |
| D | 養老渓谷駅周辺 | 約36.7km地点。紅葉の名所・養老渓谷の玄関口。温泉、滝めぐり、カフェあり。 |
| E | 上総中野駅 | 約42.3km地点。小湊鉄道といすみ鉄道の接続駅。重要な分岐点。 |
| F | 大多喜駅 | 約49.5km地点。いすみ鉄道沿線の城下町。大多喜城や商店街散策が楽しめる。 |
| G | 国吉駅周辺 | 約59.0km地点。いすみ鉄道の主要駅。菜の花畑の撮影スポット近く。 |
| H | 大原駅 | 約72.1km地点(ゴール)。いすみ鉄道の終点駅。外房線で東京方面へ輪行可能。 |
スポット紹介
A: JR五井駅(スタート地点)
出典: 小湊鐵道公式サイト
JR五井駅は、JR内房線と小湊鉄道が接続するサイクリングのスタート地点です。東京方面からの輪行アクセスも良好で、上野駅から約1時間でアクセスできます。駅前にはコンビニがあり、最終確認や補給が可能です。
駅を出たら、県道140号線を経由して国道297号(大多喜街道)へ。最初の数キロは市街地を抜けますが、すぐに田園風景が広がり始めます。ここから道の駅あずの里まで約6.6km。小湊鉄道の線路に沿って走るのどかな区間です。
B: 道の駅あずの里いちはら(約6.6km地点)
出典: 小湊鉄道公式サイト
五井駅から約6.6km、最初の補給ポイント「道の駅あずの里いちはら」に到着です。地元市原市の新鮮野菜や特産品が充実しており、トイレ・休憩施設も完備。早めのスタートでも営業時間内(9:00-18:00、第2火曜定休)に立ち寄れます。
併設のベーカリー&カフェで軽食を取ることも可能。裏手には広い公園があり、ちょっとした休憩にも最適です。ここから高滝湖まで約16.3kmと距離が開くため、水分補給を忘れずに。
C: 高滝湖周辺(約22.9km地点)
出典: 高滝湖公式サイト
高滝湖は、小湊鉄道沿線の美しい人造湖です。桜や紅葉の名所としても知られ、春は桜、秋は紅葉が湖面に映り込む絶景が楽しめます。湖畔には市原湖畔美術館もあり、アートと自然を同時に楽しめるスポットです。
高滝駅周辺は多くの野良猫が住み着く「猫写真の撮影名所」としても有名。サイクリストだけでなく、鉄道写真愛好家にも人気のエリアです。駅周辺にはコンビニもあり、補給が可能です。ここから養老渓谷まで約13.8km。徐々に標高が上がり、房総丘陵の中心部へ向かいます。
D: 養老渓谷駅周辺(約36.7km地点)
出典: ホテルグリーンプラザ
前半のハイライト、養老渓谷駅周辺に到着です(スタートから約36.7km)。養老渓谷は「房総の奥座敷」として親しまれる紅葉の名所で、粟又の滝や滝めぐり遊歩道など自然散策が楽しめます。温泉宿も多く、日帰り入浴が可能な施設もあります。
駅周辺にはカフェや食堂があり、ランチ休憩に最適なタイミング。体力に自信のない方は、ここから小湊鉄道で五井駅に戻る選択肢もあります。ここから上総中野駅まで約5.6kmと短い区間です。
E: 上総中野駅(約42.3km地点)
出典: 小湊鐵道公式サイト
上総中野駅は、小湊鉄道の終点であり、いすみ鉄道の起点です。ログハウス風の待合室と竹の形をしたトイレが特徴的な駅舎。ここが房総半島横断ルートの中間地点となり、距離を短縮したい場合はここで引き返す選択肢もあります(五井駅まで小湊鉄道で輪行可能)。
大原駅まで行く場合は、ここからいすみ鉄道沿いのルートへ。大多喜駅まで約7.2km。次のセクションは城下町・大多喜への道のりです。
F: 大多喜駅(約49.5km地点)
出典: まるごとe! ちば
いすみ鉄道沿線のハイライト、大多喜駅に到着(スタートから約49.5km)。大多喜は本多忠勝ゆかりの城下町で、天守を再現した大多喜城(県立中央博物館大多喜城分館)が山頂に佇みます。駅から徒歩15〜20分で城下町散策が楽しめます。
商店街には古民家カフェや地元グルメの店が点在。特に豊乃鶴酒造や商い資料館など、歴史を感じるスポットが魅力です。ここから国吉駅まで約9.5km。残り20kmほどで、いよいよゴールが見えてきます。
G: 国吉駅周辺(約59.0km地点)
出典: いすみ鉄道公式Instagram
国吉駅は、いすみ鉄道の主要駅であり、車両基地もあるエリアです(スタートから約59.0km)。春には駅周辺が一面の菜の花畑となり、いすみ鉄道を代表する撮影スポットとして多くの鉄道ファンが訪れます。
駅前にはコンビニがあり、ゴール前の最終補給ポイントとして利用できます。ここから大原駅まで約13.1km。最後の区間は徐々に海が近づき、外房の海岸線を感じる風景へと変わっていきます。
H: 大原駅(約72.1km地点・ゴール)
出典: Wikipedia
ついにゴール地点・大原駅に到着です!五井駅から約72.1kmの房総半島横断、お疲れさまでした。大原駅はJR外房線といすみ鉄道が接続しており、東京方面への輪行も便利です。
大原は外房の漁港町で、海鮮グルメも充実。駅前には飲食店が点在しており、サイクリング後の食事を楽しめます。時間があれば、大原漁港やいすみ市の海岸線まで足を延ばしてみるのもおすすめです。
ベストシーズンと見どころ
春(3-4月):菜の花と桜の競演
小湊鉄道・いすみ鉄道沿線のベストシーズンは春の3月下旬〜4月上旬です。沿線約15kmにわたって菜の花が咲き誇り、運が良ければ桜との競演も楽しめます。特にいすみ鉄道の国吉駅周辺、小湊鉄道の月崎駅・飯給駅周辺が有名な撮影スポットです。
菜の花の見頃は例年3月中旬〜4月上旬、桜は3月下旬〜4月上旬。タイミングが合えば、黄色とピンクのコントラストが美しい「千葉でしか見られない春の絶景」に出会えます。
秋(10-11月):紅葉の名所・養老渓谷
秋は養老渓谷の紅葉が最大の見どころです。例年11月下旬〜12月上旬が見頃で、粟又の滝や筒森もみじ谷など、紅葉スポットが点在しています。紅葉ライトアップも開催され(11月23日〜12月10日頃)、夜の幻想的な景色も楽しめます。
気温も走りやすく、サイクリングのベストシーズンです。ただし、養老渓谷周辺は観光客で混雑するため、早めの時間帯がおすすめです。
アクセス・輪行情報
スタート地点(五井駅)へのアクセス
- 輪行(推奨):JR総武線・内房線で東京駅・上野駅から約1時間。千葉駅で内房線に乗り換え、五井駅下車。
- 車:館山自動車道・市原ICから約5km。五井駅周辺に有料駐車場あり。
ゴール地点(大原駅)からの帰路
- 輪行(推奨):JR外房線で東京駅方面へ。大原駅→千葉駅約1時間、千葉駅→東京駅約40分。
- いすみ鉄道+小湊鉄道:時間があれば、大原駅→上総中野駅→五井駅とローカル線を乗り継ぐのも一興。
輪行のポイント:五井駅・大原駅ともにJR駅なので、輪行袋があればスムーズに乗車できます。ただし、小湊鉄道・いすみ鉄道は混雑時に輪行制限がある場合があるため、事前に公式サイトで確認してください。
補給・休憩ポイント
このルートは約72kmの長距離のため、補給ポイントを事前に把握しておくことが重要です。以下、累積距離とともに主要な補給ポイントをまとめます。
| 地点 | 累積距離 | 施設 |
|---|---|---|
| 五井駅前 | 0km | コンビニ、駅構内売店 |
| 道の駅あずの里 | 約6.6km | 道の駅、ベーカリー&カフェ、トイレ |
| 高滝湖周辺 | 約22.9km | 自動販売機、市原湖畔美術館 |
| 養老渓谷駅周辺 | 約36.7km | カフェ、食堂、温泉宿、コンビニ |
| 上総中野駅 | 約42.3km | 駅待合室、自動販売機 |
| 大多喜駅周辺 | 約49.5km | 商店街、カフェ、食堂 |
| 国吉駅前 | 約59.0km | コンビニ、駅待合室 |
| 大原駅前 | 約72.1km | 飲食店、コンビニ |
⚠️ 注意:道の駅あずの里(6.6km)→高滝湖(22.9km)の区間は約16kmと長めです。夏場は特に水分補給を忘れずに。高滝湖周辺にもコンビニがありますが、道の駅あずの里でしっかり補給しておくことを推奨します。
最終補給ポイントは国吉駅前(約59.0km地点)のコンビニです。ここからゴールまで約13kmあるため、水分・補給食を確保しておきましょう。
走行時の注意事項
交通量の多い区間
- 国道297号(大多喜街道):五井駅→養老渓谷間は国道297号を走る区間があり、交通量がやや多めです。特に週末は車が増えるため、路肩を走行し、後方確認を怠らないようにしましょう。
- 養老渓谷周辺:観光シーズン(春・秋)は観光バスやマイカーが多く、道幅も狭い区間があります。無理な追い越しはせず、安全第一で走行してください。
獲得標高とヒルクライム
ルート全体の獲得標高は約400〜500mで、激しいヒルクライムはありませんが、高滝湖→養老渓谷→上総中野の区間(22.9〜42.3km)は緩やかな登りが続きます。初心者の方は、ペース配分を意識して無理をしないことが大切です。
季節ごとの注意点
- 春・秋:走りやすい気候ですが、花粉症の方は対策を。また、観光シーズンは混雑します。
- 夏:日差しが強く、熱中症のリスクが高まります。早朝スタートを推奨。
- 冬:養老渓谷周辺は冷え込みます。防寒対策と路面凍結に注意。
⚠️ 重要:天候により通行止めになる場合があります。特に台風シーズン(8-10月)や大雨の際は、事前に小湊鉄道・いすみ鉄道の公式サイトや道路情報を確認してください。
よくある質問(FAQ)
初心者でも走れますか?
はい、初心者〜中級者向けのルートです。距離は約72kmとやや長めですが、激しいヒルクライムは少なく、道路も整備されています。ただし、体力に自信のない方は上総中野駅(約42km地点)で引き返す短縮ルートをおすすめします。また、輪行袋があれば、途中でリタイアしても電車で帰ることができます。
所要時間はどのくらいですか?
5〜7時間(観光・休憩含む)が目安です。純粋な走行時間は4〜5時間程度ですが、養老渓谷や大多喜での観光、食事休憩を含めると7時間前後かかります。初心者の方や写真撮影を楽しみたい方は、余裕を持って8時間程度を見込んでください。
レンタサイクルはありますか?
五井駅周辺にはレンタサイクルは少ないため、自転車持参または輪行を推奨します。大原駅周辺にもレンタサイクルは限られているため、事前に確認が必要です。ロードバイクやクロスバイクなど、長距離に適した自転車を用意することをおすすめします。
補給ポイントは十分ありますか?
はい、主要ポイントに補給施設があります。ただし、道の駅あずの里(6.6km)→高滝湖(22.9km)の区間は約16kmと長めなので、道の駅あずの里でしっかり補給してください。また、国吉駅前(59km地点)が最終補給ポイントとなるため、ゴールまでの水分・補給食を確保しましょう。
輪行は必要ですか?
輪行袋を持参することを強く推奨します。五井駅→大原駅は片道約72kmで、体力的に不安な場合や天候が悪化した場合に、途中でリタイアして電車で帰ることができます。また、ゴール後に大原駅から東京方面へ輪行で帰るのが最も効率的です。
ベストシーズンはいつですか?
春(3-4月)の菜の花シーズンと、秋(10-11月)の紅葉シーズンがベストです。特に春は、小湊鉄道・いすみ鉄道沿線が一面の菜の花畑となり、桜との競演も楽しめます。秋は養老渓谷の紅葉が見頃を迎え、気温も走りやすいためおすすめです。
雨の日は走れますか?
小雨程度なら走行可能ですが、本降りの雨や台風時は避けてください。養老渓谷周辺は山間部で、大雨時には土砂崩れや通行止めのリスクがあります。また、国道297号は交通量が多いため、雨天時は視界が悪く危険です。天気予報を確認し、晴れた日を選んで走ることをおすすめします。
おすすめの立ち寄りスポットは?
以下のスポットがおすすめです:養老渓谷(粟又の滝、滝めぐり遊歩道、温泉)、大多喜城(城下町散策、豊乃鶴酒造)、高滝湖(市原湖畔美術館)、国吉駅周辺(春の菜の花畑)。時間があれば、小湊鉄道の月崎駅や飯給駅周辺の素掘りトンネルも見どころです。
まとめ:房総のローカル線に沿って走る、のどかなサイクリング
小湊鉄道・いすみ鉄道沿いの房総半島横断サイクリングは、約72kmの適度な距離と、変化に富んだ景色が魅力のルートです。春の菜の花、秋の紅葉、そして1年を通してのどかな田園風景が楽しめます。輪行を活用すれば、都心から日帰りで十分に楽しめるアクセスの良さも魅力です。
「体力より好奇心でなんとかするタイプ」の方でも、適度な休憩とペース配分で完走できるコースです。ぜひ、ローカル線の旅情とサイクリングの爽快感を同時に味わってみてください。きっと、房総半島の新たな魅力に出会えるはずです。