はじめに|夏は輪行で“涼しい高原”を走ろう
夏でも快適!関東発・高原サイクリング5選【比較表】
コース名 | 体力 | 技術 | 走行距離(目安) |
---|---|---|---|
清里・八ヶ岳高原ライン | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | 約40〜60km |
那須高原・板室温泉ルート | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | 約30〜45km |
奥日光・戦場ヶ原ルート | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 約20〜35km |
軽井沢・白糸ハイランドウェイ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | 約30〜50km |
霧ヶ峰・ビーナスライン | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | 約40〜60km |
暑さからの逃避行には「標高」がカギ
夏のサイクリングでは、平地の酷暑に悩まされがちです。ですが、標高が上がるにつれて気温はグッと下がり、1,000mを超えると真夏でも20℃前後の爽やかな気候になります。
高原エリアはまさに“天然の冷房”とも言える存在。風が心地よく、絶景の中でリフレッシュできるのが魅力です。
輪行なら、手軽に避暑地サイクリングへ
夏のサイクリングでは、平地の酷暑に悩まされがちです。ですが、標高が上がるにつれて気温はグッと下がり、1,000mを超えると真夏でも20℃前後の爽やかな気候になります。
高原エリアはまさに“天然の冷房”とも言える存在。風が心地よく、絶景の中でリフレッシュできるのが魅力です。
今回ご紹介する5コースは、すべて電車輪行でアクセス可能。
首都圏から数時間で到着でき、レンタサイクルを利用すれば現地走行もスムーズです。車がなくても楽しめるため、初心者の夏旅デビューにも最適です。
コースの選定基準は以下の通りです:
電車で輪行しやすく、駅近から走れるルート
標高1,000m前後で夏でも涼しい
景観・グルメ・温泉など観光要素もあり
アップダウンや距離に配慮し、無理なく楽しめるコース構成
それでは、次のセクションからは各スポットの特徴やアクセス情報を、難易度(体力・技術・距離)とともに詳しく解説していきます。
清里・八ヶ岳高原ライン(山梨)|高原列車と森の道を走る
中央線の小淵沢駅から小海線で約40分、標高1,200mの「清里駅」に降り立てば、そこはもう別世界。八ヶ岳南麓の涼しい高原エリアで、木漏れ日の中を走る心地よいサイクリングが楽しめます。
清泉寮や八ヶ岳牧場、吐竜の滝など見どころが点在し、道沿いにはおしゃれなカフェやソフトクリーム店も多数。観光とサイクリングを組み合わせて、1日中遊べるルートです。
アクセス:JR中央本線「小淵沢駅」→ 小海線「清里駅」(輪行可)
体力:★★★☆☆
技術:★★☆☆☆
走行距離(目安):約40〜60km(観光含む周回ルート)
清里駅からスタート、森と牧場のミックスルート

駅からスタートしてすぐに始まる緩やかな上り。国道141号線を避けて裏道を選べば、交通量も少なくのんびりと高原風景を楽しめます。定番の清泉寮まで行けば、有名なジャージーソフトクリームが味わえ、絶景の牧場風景が広がります。さらに足を伸ばせば、美し森展望台や東沢大橋の赤いアーチも必見です。
アップダウンはあるものの激坂は少なく、途中で休憩を挟めば初心者でも十分に楽しめるルートです。体力に余裕があれば、野辺山方面まで脚を延ばすとさらに爽快感アップ。
観光×グルメ×涼風の三拍子

このエリアは観光地としても人気が高く、おしゃれなランチスポットや地元野菜の直売所、八ヶ岳ブルーベリー農園などの立ち寄りポイントが豊富。清里テラスや八ヶ岳アウトレットなどをプランに組み込めば、サイクル+観光の満足度も高まります。
また、標高が高いため真夏でも気温は20℃前後。日差しが強い日でも、風が涼しく感じられるのが最大の魅力。朝のスタートを早めれば、さらに快適なライドが可能です。
現地レンタルでさらに気軽に

清里駅周辺にはスポーツタイプのレンタサイクルを扱う施設もあります。輪行に不安がある方は、身軽な旅で現地レンタルを活用するのもおすすめです。駅前には無料の駐輪スペースも整備されており、観光との相性も抜群です。
https://kiyosato.gr.jp/easy-cycle/
那須高原・板室温泉ルート(栃木)|牧場と温泉を目指す涼風ライド
緑豊かな那須高原は、標高1,000m前後に広がる避暑地。那須塩原駅からバスでアクセスでき、サイクリング初心者でも走りやすいエリアとして人気です。
アップダウンの少ないコースが多く、那須岳を望みながらのびやかな牧草地を走る気持ちよさは格別。さらに、疲れたら板室温泉でひと休みできるのもこのエリアならではの魅力です。
アクセス:JR「那須塩原駅」→ 東野バスまたは自走で那須湯本方面へ
体力:★★☆☆☆
技術:★☆☆☆☆
走行距離(目安):約30〜45km(観光含む周遊)
湯本〜那須高原牧場〜板室温泉をめぐるルート

コースは那須湯本温泉からスタートし、那須高原ビジターセンター〜南ヶ丘牧場〜板室温泉を巡る周遊型ルートが人気です。
広々とした牧草地の中を走る道は見通しもよく、交通量も少なめ。那須岳の稜線を眺めながらのんびり進めば、風の涼しさと緑の美しさが心と体を癒してくれます。
サイクルラックのあるカフェや休憩所も増えており、初心者でも安心して楽しめるのが那須の魅力です。
ご当地グルメ&立ち寄りスポットも充実

那須高原はグルメスポットの宝庫。南ヶ丘牧場の濃厚ミルクソフトや、道の駅「那須高原友愛の森」の地元野菜直売、さらにチーズガーデン本店の名物御用邸チーズケーキなど、立ち寄りポイントが豊富です。
また、ライドの締めには板室温泉の公衆浴場で汗を流すのもおすすめ。古くから湯治場として知られ、日帰り利用もしやすい温泉が点在しています。
初心者でも安心のアクセスとコース設定

那須塩原駅からはバスで「那須湯本」まで行くことができ、現地でのレンタサイクルも充実。観光案内所やホテルでの貸出サービスがあり、輪行に慣れていない人でも高原サイクリングを楽しめます。
コース全体として傾斜は緩やかで、勾配があっても距離は短め。暑さが苦手な方やサイクリングビギナーにとっては、まさに理想的な避暑地ライドといえるでしょう。
奥日光・戦場ヶ原ルート(栃木)|標高1,400mの別世界を走る
日光といえば世界遺産・東照宮が有名ですが、夏のサイクリングにおすすめしたいのは奥日光エリア。
標高1,400m前後の戦場ヶ原〜湯ノ湖周辺は、真夏でもひんやりとした空気に包まれ、豊かな自然が広がるサイクリング天国です。
木漏れ日の森と静かな湿原、そして涼やかな湖畔。歩くようなスピードで景色を楽しめる贅沢なライドが、ここにはあります。
アクセス:東武「東武日光駅」→ 路線バスで赤沼車庫または湯元温泉へ(自転車積載可)
体力:★★☆☆☆
技術:★★☆☆☆
走行距離(目安):約20〜35km(起伏はあるが短距離)
湿原の風と湖のきらめきに癒されるルート

もっとも人気の高いのは、赤沼〜戦場ヶ原〜湯ノ湖〜中禅寺湖を巡るコース。全体に緩やかなアップダウンはありますが、距離が短いため初中級者でも無理なく走れます。
戦場ヶ原の湿原風景や、木道エリアの涼やかな景色はまさに別世界。車道と歩道が分かれている区間もあり、走行時の安心感も高めです。
早朝にスタートすれば、朝霧に包まれた幻想的な風景と鳥のさえずりの中をライドする、贅沢な体験もできます。
絶景×涼感×文化をまとめて楽しむ

サイクリングの途中には、湯滝や竜頭ノ滝などの名瀑巡り、中禅寺湖畔のイタリア大使館別荘記念公園など、文化的な立ち寄りスポットも点在。
また、中禅寺湖の湖畔道路は木陰が多く、風が心地よいので真夏でも比較的快適に走れます。
補給ポイントとしては、赤沼駐車場の売店や湯ノ湖周辺のカフェ、温泉旅館の立ち寄り湯などが利用できます。
輪行&バス輪行のダブル活用がカギ

このエリアでは、鉄道+バス輪行の組み合わせが有効です。
東武日光駅から赤沼・湯元方面行きのバスに乗れば、登りをスキップして涼しい高原地帯だけを楽しむルート設定が可能。バスには輪行袋に入れた自転車の積載が認められています(混雑時注意)。
また、現地でのEバイクレンタルやサイクリングツアーも実施されており、脚力に自信がない方でも安心して挑戦できます。
軽井沢・白糸ハイランドウェイ(長野)|避暑地の王道コース
古くから日本を代表する避暑地として知られる軽井沢。
その中心部から白糸の滝へと続く「白糸ハイランドウェイ」は、木陰の続く森の中を抜ける快適な高原ルートで、夏でも涼しく走れる絶好のサイクリングコースです。
歴史的な街並みと自然、そしてグルメが融合するこのエリアは、走るだけでなく立ち寄りも楽しい“贅沢な避暑ライド”を提供してくれます。
アクセス:JR北陸新幹線「軽井沢駅」からスタート可
体力:★★★☆☆
技術:★★☆☆☆
走行距離(目安):約30〜50km(一部勾配あり)
軽井沢旧道から始まる高原の風景旅

サイクリングは軽井沢駅からスタート。まずは旧軽銀座や聖パウロ教会など、レトロな街並みを抜けて白糸ハイランドウェイへと向かいます。
この有料道路(自転車無料)は、白糸の滝をはじめとする自然スポットが点在し、木々に囲まれたワインディングロードは涼やかな空気が流れる癒しの道。
途中、やや勾配のある上り区間もありますが、距離が短く舗装も良好なため、休憩を挟めば十分走りきれるコース設計です。
観光地ならではの“走る以外の楽しみ”も満載

軽井沢の魅力は、走るだけではありません。コース周辺には旧三笠ホテルや軽井沢タリアセンなどの文化施設、さらにベーカリーやカフェ、ジェラート専門店など、休憩を楽しめるスポットが盛りだくさん。
夏でも人気の高いエリアですが、朝の早い時間や平日なら空いていて快適。軽井沢駅前や中軽井沢周辺ではレンタサイクル(スポーツタイプ)の貸出もあり、観光ベースのカジュアルライドにも最適です。
アクセス抜群&夏にうれしい気温20℃前後

軽井沢は都心からのアクセスも抜群。新幹線なら東京駅からわずか1時間強で到着します。
標高は約1,000〜1,200m。夏場でも最高気温が25℃前後の日が多く、サイクリングに最適な気候が期待できます。
なお、午前中は日差しが斜めに差し込み涼しく、午後は標高の恩恵で快適。避暑地としての魅力を存分に味わえる、初心者にも中級者にもおすすめの一日旅です。
霧ヶ峰・ビーナスライン(長野)|標高1,800mのスカイラインを走る
「天空の道」とも称されるビーナスラインは、夏の高原サイクリングを代表する絶景ルートです。
なかでも霧ヶ峰〜美ヶ原高原エリアは標高1,600〜1,800mに位置し、真夏でも平均気温は20℃以下。目の前に広がる雄大な草原と空の景色は、まさに“涼×絶景”の象徴といえるでしょう。
アクセス:JR中央本線「茅野駅」→ アルピコ交通バスで霧ヶ峰方面へ(輪行+バス活用)
体力:★★★★☆
技術:★★★☆☆
走行距離(目安):約40〜60km(アップダウン多数)
ビーナスラインの魅力は“空の近さ”

標高1,800mを超えるエリアでは、空が圧倒的に近く感じられます。ビーナスラインは広い車道と滑らかな舗装が特徴で、爽快なダウンヒルと程よいアップダウンが交互に続きます。
定番ルートは霧ヶ峰高原から美ヶ原方面を目指す約40〜50kmのコース。特に八島ヶ原湿原や車山肩からの眺めは壮観で、足を止めて深呼吸したくなるような絶景が続きます。
自然と文化、静けさに包まれる時間

このエリアは観光客も比較的少なく、高原の静けさと風の音に包まれながら走る特別な時間を味わえます。
途中には小さな売店やビジターセンターが点在し、ソフトクリームや高原野菜の軽食なども楽しめます。
また、美ヶ原の終点付近には美ヶ原高原美術館もあり、文化的な体験と景観の融合を堪能できるのもこのルートの魅力です。
初心者は“部分輪行”で無理なく挑戦

標高が高くアップダウンも多いため、完全自走ルートは中〜上級者向け。
ただし、初心者には輪行+現地レンタルを組み合わせた「部分走行」もおすすめ。
たとえば、茅野駅からバスで霧ヶ峰まで輪行し、そこから霧ヶ峰周辺の平坦なエリアだけを走るプランなら、絶景と涼しさを安全に楽しめます。
また、現地でEバイクのレンタルができるスポットもあり、坂道に自信がない人でも安心です。
輪行×避暑ライドのよくある質問に答えます
Q. 輪行初心者でもスムーズに移動できますか?
はい、事前に輪行袋の使い方や前後輪の外し方を練習しておけば問題ありません。最近はYouTubeなどで手順動画も多く、駅でもスムーズに作業できるようになります。
また、軽井沢や那須高原のようにレンタサイクルが充実しているエリアなら、輪行せずに身軽な旅を楽しむ選択肢もあります。
Q. 高原って本当に涼しいんですか?
はい。標高1,000mを超えるエリアでは、都心より5〜10℃気温が低く、朝晩は上着が欲しくなることもあるほどです。
特に早朝のライドでは風もひんやりとしていて、日中の暑さを避けながら快適に走れます。
Q. 電車やバスに自転車を持ち込める条件はありますか?
自転車は輪行袋に収納すればJRや私鉄の多くで持ち込み可能です。
バスの場合は各路線によりますが、奥日光エリアなど一部の観光バスでは輪行袋入りの自転車を積載OKと明記されています。事前に公式サイトで確認しましょう。
Q. 高原サイクリングの服装や持ち物で気をつけることは?
夏とはいえ高原では気温が下がりやすいため、ウインドブレーカーなど軽い羽織りものがあると便利です。
また、日差しは強いのでUV対策や冷感ウェアも有効。標高が高い分、紫外線も強くなるのでアームカバーや日焼け止めも忘れずに。
Q. 初心者が選ぶならどのコースが一番おすすめ?
もっとも気軽に楽しめるのは那須高原ルート。アクセスもよく、走行距離が短めでアップダウンも少ないため、初めての高原ライドにぴったりです。
より観光を兼ねたい方は軽井沢コースもおすすめです。
まとめ|電車×高原で“涼と絶景”を楽しむ夏サイクリング
暑さが厳しい夏だからこそ、標高の高い高原エリアでのサイクリングは特別な魅力を持っています。
今回ご紹介した5つのコースは、どれも関東から電車でアクセスでき、初心者から中級者まで無理なく楽しめるルートばかり。高原の涼風と絶景、地元グルメや温泉など、走るだけでなく「旅の楽しみ」もしっかり味わえる構成になっています。
とくにおすすめのポイントは次の通りです:
輪行で気軽にアクセスできる(清里、軽井沢、那須、日光、霧ヶ峰)
涼しさと爽快感が両立した避暑地コース
観光・温泉・ご当地グルメも豊富で満足度◎
距離・体力に応じてルート選択が可能(レンタサイクルも活用OK)
都市部のヒートアイランドを抜け出して、自然の中で心と体をリセットしませんか?
夏のサイクリングをもっと快適に、もっと楽しく。あなたにぴったりの“涼×絶景”コースが、きっと見つかります。
まずは行ってみたいエリアを1つ選び、早朝スタート+輪行プランで計画してみてください。旅先で味わう冷たいソフトクリームと、標高1,000mの涼しい風が、きっと忘れられない夏の思い出になります。