この旅モデルでわかること|南房総の魅力を自転車で味わい尽くす
週末の1泊2日で、絶景もグルメも温泉も…そんな欲張りな旅、叶うのが房総半島の南エリアです。今回紹介するモデルコースは、館山駅からスタートして白浜・千倉・鴨川を経て安房小湊まで走る“海沿い満喫ルート”。走行距離は1日あたり50〜55km程度と無理のない設計で、景観スポットやご当地グルメ、立ち寄り湯もしっかり組み込んでいます。
こんな方に特におすすめです:
「輪行デビューしたいけど、どこを走ればいいか迷っている」人
「観光もしたい派」のサイクリスト
「週末のご褒美に温泉付きサイクリング旅をしたい」人
特急利用でのアクセスも良好で、都内から館山までは約2時間。ゴールの安房小湊駅も輪行対応で帰路もスムーズです。
Googleマイマップと行程表付きで、初めての旅プランニングでも安心。
このモデルコースをベースに、宿や立ち寄り先をカスタマイズすれば、自分だけの“南房総サイクル旅”がすぐに完成します!
全体ルート概要とマップ
今回のモデルコースは、房総半島の南部を海沿いにぐるっと巡る1泊2日の周遊ルートです。アップダウンはあるものの、長くキツい坂は少なめで、景観の良さと観光要素のバランスが絶妙。各日程の走行距離は50km前後なので、観光&グルメをゆったり楽しみたいサイクリストにぴったりです。
モデルコース概要
日程 | 区間 | 距離 | 主なスポット | ポイント |
---|---|---|---|---|
1日目 | 館山駅 → 白浜 → 千倉 | 約50km | 野島崎灯台、白浜海鮮グルメ、千倉海岸 | 絶景と海鮮を楽しむ海沿いルート |
2日目 | 千倉 → 鴨川 → 安房小湊駅 | 約55km | 鴨川オーシャンパーク、魚見塚展望台、立ち寄り湯 | 展望&温泉で旅を締めくくり |
【1日目】館山〜白浜〜千倉|絶景海岸と灯台グルメ旅
旅のスタートはJR館山駅。東京からは特急「さざなみ」で約2時間とアクセスも良好です。輪行袋での移動も現実的な距離感なので、都内から気軽に“非日常”へと飛び出せます。
この日の目的地は千倉。海岸線をなぞるように走りながら、最南端の灯台や地元グルメ、開放感あふれるビーチライドを楽しむ1日です。
野島崎灯台|房総最南端の開けた絶景を体感

館山から南下すること約15km、房総半島の最南端・野島崎灯台が見えてきます。灯台周辺は公園として整備されており、海を一望できる開放感抜群のスポット。晴れていれば三浦半島や伊豆大島まで見えることも。
遊歩道が整備されており、サイクルラックもあるので休憩スポットとしても優秀です。灯台の内部(有料)に登れば、太平洋を一望できる360度のパノラマが広がります。
「房総フラワーライン」と呼ばれる海沿いの県道を走る区間では、春〜夏は道沿いに花が咲き、視界いっぱいに広がる青と緑のコントラストがサイクリストを迎えてくれます。
白浜で海鮮グルメ|漁師町の味を堪能

野島崎からほど近い根本港周辺は、地元グルメの宝庫。特におすすめは海鮮丼や地魚の定食で、観光客向けの食堂から地元密着型の食堂まで選択肢が豊富です。
私は以前「さざえ屋」さんにお邪魔しました。定食はボリュームたっぷりで2,000~3,000円くらいだったかな?食べすぎてその後のサイクリングが嫌になった記憶があります。どこの店もそうですが、数量限定とかもあるので、早めの時間に訪れるのが吉ですね。
周辺には直売所やソフトクリーム店もあり、スイーツでひと息つくのもおすすめ。補給にも便利なエリアなので、ここでしっかりエネルギーをチャージしましょう。
千倉大橋|海と空が広がるロングブリッジ

白浜から東へ進み、千倉エリアに入る手前で通過するのが千倉大橋。長く緩やかな橋の上からは、田園地帯と太平洋が同時に視界に入る爽快な景色が広がります。
この区間は夕方の時間帯に差し掛かることが多く、日が傾く中を走る海岸線ライドは格別。橋を渡ったあとは千倉の市街地に入り、そのまま千倉温泉へ向かいましょう。
千倉海岸〜千倉温泉|夕焼けを背に走るクライマックス

白浜から東へ進路を変えて走る後半は、風を感じるビーチ沿いの一本道。特に千倉海岸沿いの県道は、走りやすく景観も良好で、夕方には海に沈む夕日を背に走るという贅沢な時間が味わえます。
ゴール地点の千倉には、サイクリスト歓迎の宿が点在。千倉温泉では、ライド後の疲れを癒してくれるナトリウム塩化物泉が特徴で、民宿〜リゾート風旅館まで選択肢も豊富です。千倉館という宿泊施設では日帰り温泉(最終受付18時)もあります。ここのお風呂の名前がかっこよくて「出陣の湯」といいます。私はここの日帰り温泉に入って、お得意のテント泊で一夜を過ごしましたね。
宿泊時は自転車の保管方法(屋内保管・サイクルラックなど)を事前に確認しておくと安心。コンビニが少ない区間もあるので、日没前の到着を目指すと安全です。
【2日目】千倉〜鴨川〜安房小湊|展望と温泉で旅を締めくくる
2日目は、千倉温泉エリアを出発し、房総半島の東側へと抜ける開放的なルート。1日目の南端ライドから、旅の後半は鴨川・小湊といった観光スポットをめぐりながら、展望・癒し・食を楽しむ1日です。
千倉から鴨川までは約25km、そこから安房小湊駅まではさらに30km弱。全体で約55kmの行程で、無理なく走り切れる距離感。午後に温泉や輪行の準備時間を取るためにも、朝は早めのスタートがおすすめです。
鴨川へ向かう海沿いルート|房総らしい開放感とローカル補給

千倉の海沿いを抜けると、国道128号線をベースにした緩やかなアップダウンのルートが続きます。海と田園が交差する景観のなか、ほどよいペースで流れるように走れるのがこの区間の魅力です。
途中には、道の駅ローズマリー公園や農産物直売所、ローカルなカフェなどが点在しており、地元野菜の朝市や手作りスイーツのテイクアウトも旅の楽しみに。
車通りのある幹線道ながら、道幅が広く見通しも良いため、落ち着いて走行できます。補給やトイレ休憩のタイミングを調整しながら、午前中のうちに鴨川エリアへ入りましょう。
魚見塚展望台と鴨川オーシャンパーク|絶景と足湯でひと息

鴨川市街に入ったら、まず立ち寄りたいのが魚見塚一戦場公園の展望台。標高110mと程よい高さながら、眼下に広がる太平洋と街並みのパノラマが旅のクライマックスを演出してくれます。
展望台までの登りは少し急勾配なので、休憩を挟みながらマイペースで。展望台には「誓いの丘」やモニュメントもあり、記念写真スポットとしても人気です。
その後は坂を下って、国道沿いにある鴨川オーシャンパークへ。ドーム状のユニークな建物が目印で、足湯(無料)や海産物の直売、食堂も充実。ここで昼食や補給を済ませておくと、後半も快適です。
小湊温泉で旅の疲れを癒し、輪行で帰路へ

鴨川から東へ走り抜けて、ゴール地点となる安房小湊駅へ向かう後半は、ラストの下り基調+フラットな海沿いライド。ここまで来れば、旅の成功は目前です。
安房小湊周辺は小湊温泉郷としても知られており、日帰り入浴可能な施設も充実。特に「鴨川ヒルズリゾート」や「満ちてくる心の宿 吉夢」は、タオル付き・外来入浴OKのプランもあり、サイクリストでも気軽に立ち寄れます。
温泉で汗を流し、駅前のカフェで一息ついたら、輪行袋にバイクを収納してゆったりと帰路へ。**1泊2日の旅をしっかり“締めくくる時間”**を取れるのがこのコースの強みです。
輪行・移動手段と持ち物アドバイス
このモデルコースは、輪行でも車でもアクセスしやすく、初めての1泊2日旅にもぴったりです。移動の不安を減らすために、以下のポイントを押さえておきましょう。
アクセスと輪行のポイント

スタート地点の館山駅へは、東京駅からJR内房線の特急「さざなみ」で約2時間。快速電車でもアクセス可能ですが、本数が少ないため行きは特急利用が便利です。
ゴールの安房小湊駅からは、安房鴨川駅を経由して内房線で東京方面へ戻ることができます。輪行袋を使った移動が前提となるため、列車の混雑を避けるためにも早めの時間帯にゴールするのがおすすめです。
車移動の場合、館山駅周辺や道の駅・市営駐車場に車を置いて周回するアレンジも可能です。
宿泊時の自転車管理と選び方
南房総エリアにはサイクリスト歓迎の宿がいくつか存在し、公式に「自転車持ち込みOK」「屋内保管可」と明記されている施設もあります。
宿を選ぶ際は以下のポイントを確認しましょう:
屋内に自転車を持ち込めるか
サイクルラックが設置されているか
洗濯機や乾燥機の有無(汗をかいたウェア対策)
予約時に「自転車旅行です」と一言添えておくと、対応がスムーズになるケースが多いです。
また、気候のいい季節であれば“テント泊での自転車旅デビュー”にもぴったり。
道の駅や公園、海岸など、自分だけの小さな“野営場”を探す楽しみもあります。初めての方は、近くにトイレやコンビニがある場所を選ぶと安心です。
1泊2日の装備リスト|これだけは忘れずに
ロードバイク・クロスバイク問わず、荷物はなるべくコンパクトに。サドルバッグやフレームバッグを活用すれば、バックパックなしでも走行が快適です。
最低限必要な装備:
輪行袋(付属ストラップ・固定ベルトも忘れずに)
ライト(前後)+モバイルバッテリー
チューブ・携帯ポンプ・タイヤレバー
ウィンドブレーカー(海沿いは風が強め)
日焼け止め、アイウェア、補給食
夏場はボトル2本体制が安心です。立ち寄り先が少ない区間もあるため、こまめな水分補給とエネルギー切れ対策をお忘れなく。
Q&A|よくある質問
Q. 初心者でもこのコースを走りきれますか?
はい、大丈夫です。1日あたりの走行距離は約50〜55km程度で、急な坂道や長距離ヒルクライムはありません。道も比較的走りやすく、こまめに観光・休憩を挟めば初めての1泊2日旅にも無理のない行程です。心配な方は、輪行で途中リタイアも可能なように計画しておくと安心です。
Q. 自転車はどこに停めればいいですか?
立ち寄りスポットによって異なりますが、道の駅や観光施設にはサイクルラックがある場所も増えてきています。また、宿泊先では「自転車を屋内に保管できるか」「鍵付き倉庫があるか」などを事前に確認しておくと安心です。飲食店では駐輪できるスペースがあるか現地で判断しましょう。
Q. 2日間分の荷物をどうやって運ぶのが良いですか?
1泊2日であれば、サドルバッグやフレームバッグで十分対応可能です。衣類や充電器などの必需品はコンパクトにまとめ、着替えを最小限にするのがポイント。どうしても荷物が多い場合は、宿泊先への事前配送やバックパック併用も選択肢です。ただし背負うと疲れやすくなるため、できれば車体に装着するスタイルがおすすめです。
Q. 路面状況はどうですか?グラベル対策は必要?
基本的には舗装路中心のルートで、グラベル(未舗装路)はほとんどありません。細かい段差や路肩の荒れは一部にありますが、ロードバイク・クロスバイクどちらでも快適に走れます。ただし雨の翌日などは一部の海沿い区間で滑りやすくなる可能性があるため、タイヤの空気圧やブレーキチェックは出発前に必ず行いましょう。
Q. 食事や補給ポイントは多いですか?
はい、館山〜白浜〜千倉エリアや鴨川周辺には飲食店やコンビニが比較的多く点在しています。ただし、区間によっては10km以上コンビニがない場所もあるため、1日目の午後や2日目の後半は、早め早めの補給と休憩を意識するのがベストです。地元の直売所や観光施設で補給食を買うのも旅の楽しみのひとつです。
まとめ|週末の“ちょっと特別な旅”に南房総を
房総半島南部を巡る1泊2日のサイクリング旅は、**絶景・グルメ・温泉をバランスよく味わえる“贅沢だけど無理のない旅”**でした。
1日目は最南端・野島崎灯台や白浜の海鮮を満喫し、千倉の海辺で夕焼けに癒される。2日目はのどかな田園風景と鴨川の展望スポット、そして温泉で締めくくる。まさに週末にちょっとだけ背伸びして味わう「ご褒美サイクリング」にぴったりのルートです。
輪行にも対応しやすく、アップダウンも少なめ。初心者から中級者まで無理なく楽しめる構成なので、サイクリング旅の入門編としてもおすすめできます。
「次の週末、どこかへ走りに行きたい」と思ったら、ぜひこの南房総ルートを参考に、自分だけの旅プランを組み立ててみてください。