はじめに:手ぶらキャンプが初心者におすすめな理由
出典:日本気象協会 tenki.jp
「キャンプに興味はあるけれど、テントもシュラフも持っていない」「設営方法がわからず不安」──そんな声をよく耳にします。実際、キャンプ用品を一式揃えるには数万円から十数万円の初期投資が必要になるため、最初の一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
そこで注目したいのが、手ぶらでも楽しめるコテージ泊や高規格キャンプ場です。これらの施設では、テントやタープなどの基本装備はもちろん、調理器具や寝具まで一式レンタルできるため、最小限の荷物だけで本格的なアウトドア体験が可能になります。また、水回りやトイレなどの設備が充実しており、清潔感を重視する方やファミリー層にも安心して利用できる環境が整っています。
本記事では、関東近郊エリア(都心から2〜3時間圏内)で手ぶら利用が可能なコテージ・高規格キャンプ場を厳選してご紹介します。選び方のポイントから具体的な施設情報まで、初心者の方が安心して予約・利用できる情報をまとめました。
コテージ・高規格キャンプ場の選び方【3つのポイント】
出典:BE-PAL
手ぶらで利用できるキャンプ場といっても、施設によってサービス内容や設備のレベルは大きく異なります。ここでは、初心者が失敗しないための選び方のポイントを3つに絞って解説します。
① レンタル品の充実度をチェック
「手ぶらOK」と謳っていても、実際にレンタルできる品目や内容は施設によって差があります。最低限チェックしたいのは、テント・タープ・寝具(シュラフ・マット)・調理器具(バーナー・クッカー・食器類)・BBQグリルなどの基本セットが揃っているかどうかです。
また、レンタル品の状態や清潔感も重要です。事前に公式サイトや口コミで確認し、「レンタル品が古くて使いにくかった」といった声がないかチェックすると安心です。コテージ泊の場合は、エアコン・冷蔵庫・照明・コンセントなどの電気設備の有無も確認しましょう。
② 設備の清潔感と管理状態
高規格キャンプ場の魅力は、何といっても清潔で整備された水回り設備です。トイレ・炊事場・シャワー室などが定期的に清掃され、管理が行き届いているかは、快適性を大きく左右します。特にファミリーや女性グループで利用する場合、この点は妥協できないポイントといえるでしょう。
口コミサイトやSNSで「トイレがきれい」「炊事場が広くて使いやすい」といった声が多い施設は、管理体制がしっかりしている証拠です。逆に、清掃頻度が低い・設備が老朽化しているといった情報があれば、初心者には避けた方が無難かもしれません。
③ アクセスと周辺施設
関東近郊であっても、山間部の施設は最寄り駅や高速ICから距離がある場合が多く、車がないとアクセスが困難なケースもあります。公共交通機関を利用する場合は、最寄り駅からの送迎バスの有無や、駅からのタクシー所要時間を確認しておきましょう。
また、キャンプ場の近隣にスーパーやコンビニ、温泉施設があるかも重要です。食材の買い出しや忘れ物の補充、帰り道での入浴など、周辺施設が充実していると初心者でも安心して楽しめます。
【おすすめ7選】関東近郊の手ぶらOKキャンプ場
それでは、実際に手ぶらで利用できる関東近郊のコテージ・高規格キャンプ場を7施設ご紹介します。各施設の特徴や設備、アクセス情報を詳しく解説しますので、ぜひ自分に合った施設選びの参考にしてください。
1. PICAさがみ湖(神奈川県相模原市)
出典:PICAリゾート公式サイト
PICAさがみ湖は、相模湖の湖畔に位置する高規格リゾートキャンプ場です。都心から車で約1時間、中央自動車道「相模湖東IC」から約7分とアクセスが良く、週末の日帰りや1泊2日の利用にも最適です。標高約200m前後の丘陵地帯に位置し、夏場でも比較的涼しく過ごせます。
手ぶらで利用できる「トレーラーハウス」や「コテージ」があり、エアコン・冷蔵庫・調理器具・食器類が完備されています。BBQ機材のレンタルも充実しており、食材セットの事前予約も可能です。場内には温水シャワー・ランドリー・売店があり、長期滞在でも快適に過ごせます。
また、隣接する「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」では、アスレチックや遊園地施設も楽しめるため、子ども連れのファミリーにも人気です。春は桜、秋は紅葉、冬はイルミネーションと、四季折々の魅力があります。
2. 北軽井沢スウィートグラス(群馬県長野原町)
出典:北軽井沢スウィートグラス公式サイト
北軽井沢スウィートグラスは、浅間山の北麓、標高約1,100mに位置する人気のキャンプリゾートです。上信越自動車道「碓氷軽井沢IC」から約45分、または「上田菅平IC」から約50分とやや距離はありますが、その分自然環境が豊かで、静かな森の中でゆったりとした時間を過ごせます。
場内には、コテージ・キャビン・トレーラーなど多様な宿泊施設が揃っており、いずれも手ぶらで利用可能です。寝具・調理器具はもちろん、薪ストーブや暖房設備が完備されたタイプもあり、春秋の肌寒い時期や冬季キャンプにも対応しています。場内には24時間利用可能な温水シャワー棟や、清潔なトイレ・炊事場が点在し、管理体制も非常に高い評価を得ています。
敷地内には小川や遊具広場、ハンモックエリアなどがあり、子どもたちが自然の中で自由に遊べる環境が整っています。また、オーナー自らが企画する季節ごとのイベントやワークショップも人気で、リピーターが多いのも特徴です。軽井沢の観光スポットや温泉施設へのアクセスも良好で、キャンプと観光を組み合わせた滞在が楽しめます。
3. 成田ゆめ牧場ファミリーオートキャンプ場(千葉県成田市)
出典:成田ゆめ牧場公式サイト
成田ゆめ牧場ファミリーオートキャンプ場は、成田市郊外の丘陵地帯に位置し、東関東自動車道「成田IC」から約20分とアクセスが良好です。標高は約30〜50mと低く、平坦な地形で初心者でも設営がしやすい環境です。ただし、コテージやグランピングテントなど、設営不要の宿泊施設も充実しているため、手ぶらでも十分に楽しめます。
コテージには冷暖房・ベッド・キッチン・トイレが完備されており、ホテル感覚で利用できます。BBQ機材や調理器具のレンタルも可能で、隣接する牧場で購入できる新鮮な乳製品や地元食材を使った料理も楽しめます。場内のトイレ・シャワー室は清潔で、ファミリー層にも評判が良いです。
最大の魅力は、隣接する成田ゆめ牧場での動物ふれあい体験です。乳搾りやバター作り、ヤギやウサギとのふれあいなど、子どもが喜ぶアクティビティが豊富で、キャンプと牧場体験を一度に楽しめます。春は菜の花、夏はひまわり畑と、季節ごとの花景色も見どころです。
4. 長瀞オートキャンプ場(埼玉県長瀞町)
出典:長瀞オートキャンプ場公式サイト
長瀞オートキャンプ場は、埼玉県秩父郡長瀞町を流れる荒川沿いに位置し、標高約100〜150mの河岸段丘上に広がるキャンプ場です。関越自動車道「花園IC」から約30分、都心からも2時間程度でアクセスでき、週末のショートトリップに最適です。
場内にはAC電源付きのオートサイトや、屋根付きのバンガロー・コテージがあり、手ぶらプランも用意されています。テント・タープ・寝具・BBQセットなどが一式レンタルでき、初心者でも安心して利用できます。炊事場・トイレ・シャワー室は定期清掃が行き届いており、清潔感があります。
長瀞といえばライン下りで有名な観光地ですが、夏場はキャンプ場前の川で水遊びやSUP体験も楽しめます。また、周辺には「長瀞岩畳」などの景勝地や、日帰り温泉施設「満願の湯」もあり、アウトドアと観光を組み合わせた充実した滞在が可能です。秋には紅葉、春には桜の名所としても知られています。
5. ウェルキャンプ西丹沢(神奈川県山北町)
出典:ウェルキャンプ西丹沢公式サイト
ウェルキャンプ西丹沢は、神奈川県西部の丹沢山地の麓、標高約500〜600mに位置する大型キャンプリゾートです。東名高速道路「大井松田IC」から約40分とやや山間部に入りますが、その分自然環境が豊かで、満天の星空や清流のせせらぎを満喫できます。
場内にはログキャビン・コテージ・バンガローなど多彩な宿泊施設があり、いずれも手ぶらで利用可能です。エアコン・寝具・調理器具が揃っており、BBQ機材や食材セットも事前予約できます。温水シャワー・コインランドリー・売店・自動販売機など、長期滞在にも対応した設備が充実しています。
場内を流れる清流では、夏場に川遊びや釣りが楽しめるほか、遊具広場やドッグラン、釣り堀なども併設されており、ファミリーやペット連れにも人気です。周辺には「中川温泉」などの日帰り温泉施設もあり、帰路で立ち寄るのもおすすめです。春の新緑、夏の避暑、秋の紅葉と、四季それぞれの魅力があります。
6. キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原(栃木県那須町)
出典:キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原公式サイト
キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原は、栃木県那須町の標高約600〜700mに位置する、子ども向けアクティビティが充実した高規格キャンプ場です。東北自動車道「那須IC」から約20分、都心から2〜3時間程度でアクセスできます。
場内には豪華なキャビンやコテージが多数あり、エアコン・冷蔵庫・寝具・調理器具が完備されています。特に人気なのが、テント型の宿泊施設「グランピングキャビン」で、アウトドア感を味わいながら快適に過ごせます。レンタル品も充実しており、BBQ機材や焚き火台、キャンプチェアなどが借りられます。
最大の特徴は、子ども向けのイベントやアクティビティが豊富な点です。宝探しゲーム・クラフト体験・季節のお祭りなど、週末には様々なプログラムが開催されます。場内には遊具広場や水遊び場、ジャグジーもあり、子どもが飽きずに楽しめる工夫が満載です。周辺には「那須どうぶつ王国」や「那須ハイランドパーク」などの観光施設も多く、連泊して観光と組み合わせるのもおすすめです。
7. 清水公園キャンプ場(千葉県野田市)
出典:清水公園公式サイト
清水公園キャンプ場は、千葉県野田市の清水公園内に併設されたキャンプ場です。標高は約10〜20mと低く、平坦な地形で初心者でも利用しやすい環境です。東武野田線「清水公園駅」から徒歩約10分、常磐自動車道「流山IC」から約15分と、公共交通機関でもアクセス可能な数少ない施設です。
キャンプ場には、手ぶらで利用できるバンガローやオートサイトがあり、レンタル品も充実しています。テント・タープ・寝具・BBQセットなどが一式借りられ、初めてのキャンプでも安心です。炊事場・トイレ・シャワー室は清潔に管理されており、ファミリー層にも好評です。
清水公園内には、日本最大級のフィールドアスレチックがあり、子どもから大人まで体を動かして楽しめます。春には約2,000本の桜が咲き誇り、お花見キャンプも人気です。また、園内にはバーベキュー広場やポニー牧場、釣り堀などもあり、キャンプと公園遊びを一度に満喫できます。都心からのアクセスが良く、気軽に訪れやすいのも魅力です。
手ぶらキャンプを楽しむための事前準備
出典:三菱電機
手ぶらで利用できるとはいえ、事前の準備や確認は必要です。ここでは、初めての手ぶらキャンプを成功させるためのチェックポイントをまとめます。
【事前予約は必須】
手ぶらプランやコテージ泊は人気が高く、特に週末や連休は早めに予約が埋まります。利用日の1〜2ヶ月前には予約を済ませておくと安心です。また、レンタル品の内容や食材セットの有無も、予約時に確認しましょう。
【最低限の持ち物リスト】
- 着替え・防寒着(山間部は夜冷えます)
- タオル・洗面用具
- 常備薬・虫除けスプレー
- ヘッドライトまたは懐中電灯
- ゴミ袋・ウェットティッシュ
- スマートフォン充電器・モバイルバッテリー
レンタル品に含まれない消耗品や個人的な持ち物は、事前にリストアップしておくと忘れ物防止になります。
また、現地での買い出しが必要な場合は、キャンプ場近くのスーパーやコンビニの場所を事前に確認しておきましょう。山間部の施設では、最寄りの買い物施設まで車で30分以上かかる場合もあります。食材や飲み物、氷などは事前に準備しておくとスムーズです。
天候のチェックも忘れずに。キャンプ当日の天気予報だけでなく、前日の降水状況も確認しておくと、地面のコンディションが予測できます。雨の後は足元がぬかるむこともあるため、汚れてもいい靴やレインウェアがあると安心です。
よくある質問(FAQ)
手ぶらプランで本当に何も持っていかなくて大丈夫ですか?
基本的なキャンプ道具はレンタルできますが、個人的な持ち物(着替え・洗面用具・常備薬など)や消耗品(虫除け・日焼け止めなど)は各自で用意する必要があります。また、食材や飲み物が含まれないプランもあるため、事前に確認しましょう。
初心者でも安全にキャンプできますか?
高規格キャンプ場やコテージ泊であれば、管理スタッフが常駐しており、困ったときにすぐ相談できる環境が整っています。また、設備が充実しているため、テント設営や火起こしに不慣れな方でも安心して利用できます。
子ども連れでも楽しめますか?
今回ご紹介した施設は、いずれもファミリー向けの設備やアクティビティが充実しています。遊具広場や川遊びスポット、動物ふれあい体験など、子どもが楽しめる要素が多く、安心して家族でキャンプを楽しめます。
車がなくても利用できる施設はありますか?
清水公園キャンプ場は、東武野田線「清水公園駅」から徒歩約10分とアクセスが良く、公共交通機関でも訪れやすい施設です。その他の施設でも、最寄り駅からの送迎バスがある場合があるため、公式サイトで確認してみてください。
冬でも利用できますか?
多くの施設は通年営業していますが、標高が高い施設では冬季閉鎖する場合もあります。また、冬キャンプは防寒対策が必須です。暖房付きのコテージや薪ストーブ完備の施設を選ぶと、快適に過ごせます。
まとめ:まずは手ぶらで、キャンプの楽しさを体験しよう
キャンプに興味はあっても、「道具を揃えるのが大変」「設営が不安」といった理由で躊躇していた方も多いのではないでしょうか。しかし、今回ご紹介したような手ぶらで利用できるコテージ・高規格キャンプ場を活用すれば、初期投資を抑えつつ、快適なアウトドア体験が可能です。
まずは気軽に1泊2日の週末キャンプからスタートし、自然の中で過ごす時間の心地よさを実感してみてください。キャンプの楽しさを知った後で、少しずつ自分の道具を揃えていくのも一つの方法です。大切なのは、完璧を目指さず、「まず体験してみる」こと。
関東近郊には、初心者でも安心して利用できる施設がたくさんあります。この記事が、あなたのキャンプデビューの後押しになれば幸いです。ぜひ、お気に入りの施設を見つけて、思い出に残るアウトドア体験を楽しんでください。
さっそく予約して、週末キャンプを計画してみませんか?
気になる施設の公式サイトをチェックして、空き状況や手ぶらプランの詳細を確認してみましょう。自然の中で過ごす特別な時間が、あなたを待っています。