冬のトレッキングやハイキングで重要なのがパンツ選び。適切なパンツを選ばないと寒さや汗冷えに悩まされ、せっかくの山行が台無しになってしまいます。この記事では、冬の低山〜無雪期の中級山岳(気温0〜10℃)を想定し、初心者でも迷わず選べるよう7つの人気モデルを紹介します。
トレッキング冬パンツ選びで失敗しない3つのポイント
【重要】用途で決める「保温レベル」
冬用トレッキングパンツは、使用する環境と気温に合わせて保温レベルを選ぶことが最も重要です。大きく分けて3つのタイプがあります。
- 裏起毛タイプ:冬の低山〜中級山岳向け(0〜10℃)。最も汎用性が高く、初心者におすすめ
- 中綿入りタイプ:極寒地・テント泊用(-10℃以下)。休憩時や停滞時の防寒着として最適
- 3シーズンタイプ:秋〜初冬、タイツ併用で冬も対応。運動量が多い人向け
雪や風から守る「防風性・防水性」
冬山では風による体温低下が大きなリスクとなります。撥水加工は小雨や雪から身を守り、ソフトシェル素材は防風性と透湿性のバランスが優秀です。また、ベンチレーション機能があると、行動中の蒸れを効果的に逃すことができます。
なお、本格的な雪山や暴風時には、トレッキングパンツの上からレインウェアのパンツ(ハードシェルパンツ)を重ね着することで、さらに高い防風・防水性能を確保できます。
快適な行動のための「ストレッチ性・透湿性」
立体裁断による動きやすさは、長時間の山行では疲労軽減に直結します。また、汗を逃す透湿性能により蒸れを防ぎ、汗冷えによる体温低下を防止できます。特に膝周りの可動域と股下の作りは重要なチェックポイントです。
【目的別】トレッキング冬パンツおすすめ人気7選
冬用トレッキングパンツは、保温性と用途によって大きく2つに分類できます。自分の登山スタイルと気温帯に合わせて選びましょう。
【冬専用】しっかり防寒モデル 5選(裏起毛・中綿入り)
気温0〜10℃の冬山で、パンツ単体でも暖かいモデルです。初めて冬用パンツを買う人はこちらから選ぶのがおすすめです。
ノースフェイス ドーロウォームパンツ:裏起毛で冬の定番
ノースフェイス ドーロウォームパンツ NB82505の価格を比較する
型番:NB82505(2025-26年モデル)
コットンライクな天然の風合いと暖かな裏起毛が特徴の冬用トレッキングパンツ。SOLOTEX®(ソロテックス)素材により、ストレッチ性と撥水性を両立しています。
主なスペック:
- 素材:ポリエステル100%(SOLOTEX®)
- 重量:約380g(Lサイズ)
- 価格:約19,800円(2025年11月時点)
特徴:
- 裏起毛で保温性が高く、冬の低山に最適
- ストレッチ性があり動きやすい
- 撥水加工で小雨程度なら対応可能
- 静電ケア設計で快適
こんな人におすすめ:
冬のハイキングや雪の降らない低山登山で、保温性と動きやすさを求める人。「アルパインライトパンツの冬版」として人気です。
マムート ランボルドウィンターソフトシェルパンツ:冬専用設計のスタイリッシュモデル
マムート ランボルド ウィンター ソフトシェルパンツ アジアンフィット 1021-01400の価格を比較する
型番:1021-01400
名前の通りウィンター専用設計の裏起毛ソフトシェルパンツ。マムートらしい美しいシルエットと、冬山での実用性を両立した人気モデルです。
主なスペック:
- 素材:ポリエステル89%、ポリウレタン11%
- 重量:約450g
- 価格:約27,500円(2025年11月時点)
特徴:
- 裏起毛で暖かく、ストレッチ性抜群
- スリムフィットながら動きやすい立体裁断
- 防風性が高く冷たい風を遮断
- 複数のポケットで収納力も◎
こんな人におすすめ:
スタイリッシュなシルエットと機能性を両立したい、デザインにもこだわる登山者。普段着としても使いたい人にもぴったりです。
ミレー モンテローザパンツ:冬トレッキングの定番ロングセラー
ミレー モンテローザ MIV01810の価格を比較する
型番:MIV01810
登山における快適性に徹底的にこだわった、冬の定番トレッキングパンツ。ストレッチ性と保温性に優れた二重織りナイロンを採用しています。
主なスペック:
- 素材:ナイロン93%、ポリウレタン7%(二重織りストレッチ)
- 重量:約590g
- 価格:約18,150円(2025年11月時点)
特徴:
- 運動性を重視した立体裁断
- ストレッチ性と保温性に優れた二重織り素材
- 股下はワンパネル構造で足上げがスムーズ
- サイドポケット、カーゴポケット、バックポケット完備
- 撥水加工済み
こんな人におすすめ:
厚手で防風性の高いパンツを探している人。ミレーの細身シルエットが体型に合う人には特におすすめです。
コロンビア マウンテンズアーコーリングウォームパンツ:コスパ重視の初心者向け
コロンビア マウンテンズアーコーリング PM0475の価格を比較する
型番:PM0475
無雪期の日本アルプス登山を想定した秋冬向けのトレッキングパンツ。コロンビア独自のオムニシールド撥水機能とサンプロテクション機能を備えています。
主なスペック:
- 素材:ポリエステル100%
- 価格:約18,700円(2025年11月時点)
特徴:
- 起毛のかかった素材で暖かい
- オムニシールド撥水機能で雨にも対応
- UVカット機能(UPF50)
- 価格が手頃で初心者にも優しい
こんな人におすすめ:
初めて冬用パンツを購入する人や、コストパフォーマンスを重視する人。コロンビアの上位ラインで、品質と価格のバランスが良いモデルです。
【3シーズン+冬対応】タイツ併用で使える薄手モデル 2選
⚠️ 注意:以下の2商品は本来3シーズン(春夏秋)用です。冬に使う場合は必ず厚手のタイツとの併用が必要です。運動量が多く汗をかきやすい人、オールシーズン使えるパンツを求める人向けです。
ノースフェイス アルパインライトパンツ:3シーズン+冬も使える万能型
ノースフェイス アルパインライトパンツ NB32301の価格を比較する
型番:NB32301(2025年現行モデル)
言わずと知れた登山パンツの最強定番モデル。本来は3シーズン(春夏秋)用ですが、タイツと併用すれば冬の低山でも活躍します。
主なスペック:
- 素材:ナイロン90%、ポリウレタン10%
- 重量:約300g(Lサイズ)
- 価格:約17,600円(2025年11月時点)
特徴:
- 高いストレッチ性で動きやすさNo.1
- 立体裁断でスムーズな足上げ
- 撥水加工と静電ケア設計
- フロントファスナーはハーネス対応のダブルスライダー
⚠️ 冬使用時の注意点:
- 【重要】裏起毛ではないため、冬は厚手のタイツとの併用が必須
- 単体では気温5℃以下で寒さを感じる
- 運動量が多く汗をかきやすい人向け
- 「冬メインで使いたい」なら裏起毛モデルを選ぶべき
こんな人におすすめ:
オールシーズン使える万能パンツが欲しい人。冬は厚手のタイツと組み合わせて使いましょう。耐用年数は3〜5年程度です。
マムート トレッカーズ3.0ソフトシェルパンツ:秋〜初冬の行動派向け
マムート トレッカーズ3.0 1021-00800の価格を比較する
型番:1021-00800
マムートの王道パンツ「トレッカーズ3.0」。美しいシルエットとストレッチ素材で、山でも街でも使える汎用性の高さが人気の秘密です。
主なスペック:
- 素材:ナイロン88%、ポリウレタン12%
- 重量:約350g
- 価格:約19,800円(2025年11月時点)
特徴:
- スリムでスタイリッシュなシルエット
- ストレッチ性が高く動きやすい
- 防風性と耐摩耗性を備える
- 街着としても違和感なし
⚠️ 冬使用時の注意点:
- 【重要】真冬用としては薄手すぎる(生地厚約0.3mm)
- 冬に使う場合はタイツ併用が必須
- 推奨シーズンは秋〜初冬(10〜15℃)
- 本格的な冬山には不向き
こんな人におすすめ:
秋から使えて初冬まで対応できる薄手のパンツが欲しい人。タウンユースも兼ねたい人にぴったりです。
モンベル O.D.パンツ インシュレーテッド:中綿入りで極寒対応
型番:1105730
保温材入りで暖かい厚手パンツ。優れた保温力と伸縮性を発揮するストレッチエクセロフト®を封入しています。
主なスペック:
- 素材:ナイロン100%(中綿:ストレッチエクセロフト®)
- 重量:約554g
- 価格:約13,750円(2025年11月時点)
特徴:
- 中綿入りで極寒地対応
- 暖かな起毛の裏地付き
- ストレッチ性があり動きやすい
- モンベルらしいコストパフォーマンス
注意点:
- 行動着というより、休憩時・テント泊時の防寒着として最適
- 歩き続けると暑くなる可能性あり
こんな人におすすめ:
テント泊や休憩時の防寒着として、または極寒地での行動着を探している人。行動量が少ない冬のキャンプにも使えます。
比較表でスペックをチェック
【冬専用モデル】裏起毛・中綿入り(5商品)
| 商品名 | 価格(税込) | 重量 | 保温性 | おすすめ気温帯 |
|---|---|---|---|---|
| ノースフェイス ドーロウォームパンツ | 約19,800円 | 約380g | 裏起毛◎ | 0〜10℃ |
| マムート ランボルドウィンター | 約27,500円 | 約450g | 裏起毛◎ | -5〜5℃ |
| ミレー モンテローザ | 約18,150円 | 約590g | 二重織り◎ | 0〜10℃ |
| コロンビア マウンテンズアーコーリング | 約18,700円 | 非公開 | 起毛○ | 5〜15℃ |
| モンベル O.D.インシュレーテッド | 約13,750円 | 約554g | 中綿◎◎ | -10〜0℃ |
【3シーズン+冬対応モデル】薄手(2商品)※タイツ併用必須
| 商品名 | 価格(税込) | 重量 | 保温性 | おすすめ気温帯 |
|---|---|---|---|---|
| ノースフェイス アルパインライト | 約17,600円 | 約300g | 薄手△ | 5〜20℃(冬はタイツ必須) |
| マムート トレッカーズ3.0 | 約19,800円 | 約350g | 薄手△ | 10〜20℃(秋〜初冬) |
※価格は2025年11月時点の参考価格です。変動する可能性があります。
※紹介している型番は全てメンズモデルです。レディースモデルも各ブランドで展開されています。
※「3シーズン+冬対応モデル」を冬に使用する場合は、必ず厚手のタイツ(メリノウールやフリース素材)との併用が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q: 冬用パンツは裏起毛が必須ですか?
A: 必須ではありませんが、気温5℃以下の低山ハイキングでは裏起毛タイプがおすすめです。裏起毛なしの場合は、厚手のタイツ(メリノウールやフリース素材)との併用で保温性を確保しましょう。行動量が多く汗をかきやすい人は、薄手のパンツ+タイツの組み合わせの方が蒸れにくく快適です。
Q: アルパインライトパンツは冬に使えますか?
A: タイツと併用すれば冬の低山でも使用可能です。ただし、本来は3シーズン用のため、気温0℃以下や風の強い場所では寒さを感じることがあります。裏起毛の冬専用パンツと比べると保温性は劣るため、「冬メインで使う」なら裏起毛モデルを選ぶことをおすすめします。
Q: サイズ選びのポイントは?
A: トレッキングパンツは、普段のサイズかワンサイズ大きめが基本です。理由は、冬場はタイツを履く前提のため、ゆとりが必要だからです。試着時は必ずしゃがんだり膝を上げたりして、動きやすさを確認しましょう。ウエストはベルトやアジャスターで調整できるモデルが便利です。
Q: 洗濯方法は?
A: 基本的に洗濯機で洗えますが、手洗いコースやデリケートコースを選び、必ず洗濯ネットに入れましょう。撥水機能を保つため、柔軟剤は使用せず、洗濯後は撥水スプレーでメンテナンスすることをおすすめします。乾燥機は生地を傷める可能性があるため避けましょう。
Q: モンベルのパンツはAmazon/楽天で買えますか?
A: モンベル製品はAmazonや楽天でも販売されていますが、公式価格より高い場合や在庫が少ない場合があります。確実に購入したい場合は、モンベル公式オンラインストアや直営店での購入がおすすめです。
まとめ
冬のトレッキングパンツ選びで最も重要なのは、「冬専用モデル」か「3シーズンモデル」かを正しく理解することです。
【初めて冬用パンツを買う人へ】冬専用モデルを選ぼう
本格的に冬の低山〜中級山岳で使うなら、裏起毛または中綿入りの冬専用モデルがおすすめです:
- 総合バランス重視:ノースフェイス ドーロウォームパンツ(約16,500円)
- スタイル重視:マムート ランボルドウィンター(約27,500円)
- 防風性重視:ミレー モンテローザ(約18,150円)
- コスパ重視:コロンビア マウンテンズアーコーリング(約18,700円)
- 極寒対応:モンベル O.D.インシュレーテッド(約13,750円)
【オールシーズン使いたい人へ】3シーズンモデル+タイツ併用
春夏秋メインで、冬はタイツと組み合わせて使う前提なら:
- 万能型:ノースフェイス アルパインライトパンツ(約17,600円)※冬はタイツ必須
- スタイリッシュ:マムート トレッカーズ3.0(約19,800円)※秋〜初冬向け
⚠️ 注意:3シーズンモデルは本来春夏秋用です。冬に単体で使うと寒さを感じます。必ず厚手のタイツとの併用が必要です。
迷ったら、まずは裏起毛の冬専用モデルから始めましょう。パンツ単体で暖かく、タイツとの組み合わせも不要なため、初心者でも失敗しません。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。購入前に公式サイトでご確認ください。