Home サイクリング サイクリングアイテム 夏のサイクリングにアウターは必要? 必須3シーンとおすすめウェア5選(ウィンドシェル・レインウェア)

夏のサイクリングにアウターは必要? 必須3シーンとおすすめウェア5選(ウィンドシェル・レインウェア)

夏のサイクリングにアウターは必要? 必須3シーンとおすすめウェア5選(ウィンドシェル・レインウェア)
夏のサイクリングでもアウターは必須?早朝・峠・雨天の3シーンでの必要性と、おすすめのウィンドシェル・レインウェア5選を徹底解説。
目次

「夏にアウター?」サイクリングでこそ必要な3つの理由

夏のサイクリングにアウターが必要と聞くと、多くの方が疑問に思われるかもしれません。しかし、サイクリングという運動の特性を考えると、夏場でもアウターは重要な装備となります。

まず、風によるウィンドチル効果があります。時速30〜40kmで走行する際の風圧は、体感温度を大幅に下げる効果があり、汗で濡れた肌に風が当たると急激な体温低下を招きます。また、標高による気温差も見逃せません。標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がるため、峠道では平地との温度差が10℃以上になることも珍しくありません。

さらに、天候の急変への対応も重要です。夏の山間部では午後に突然の雷雨が発生しやすく、適切なアウターがなければ体温低下や風邪のリスクが高まります。これらの理由から、夏場のサイクリングでもアウターは必携装備と言えるでしょう。

夏のサイクリングでアウターが必須となる3つのシーン

シーン1:早朝・夜間のライド(体温低下の防止)

早朝4〜6時のスタートや夜間ライドでは、日中の気温が30℃を超える夏場でも、気温が20℃前後まで下がることがあります。特に河川敷や海岸沿いなどの水辺では、放射冷却効果により更に体感温度が下がります。

走行開始時は体が温まっていないため、薄着のままだと体温低下を招き、パフォーマンスの低下や体調不良の原因となります。軽量のウィンドシェルを着用することで、体温の保持と走行開始後の快適性を確保できます。日の出とともに気温が上がれば、コンパクトに収納して携帯することも可能です。

シーン2:峠・山岳地帯のダウンヒル(汗冷え対策)

山岳ライドでの登坂時とダウンヒル時の体感温度差は、夏場でも15〜20℃に達することがあります。登りで大量の汗をかいた状態でダウンヒルに入ると、時速50km超の高速で風が体に当たり、急激な体温低下を引き起こします。

この「汗冷え現象」は、単に寒いだけでなく、筋肉の硬直や反射神経の鈍化を招き、安全な走行に支障をきたします。特に標高1,000m以上の峠では、平地との気温差が6℃以上になるため、ダウンヒル前のアウター着用は安全面でも必須です。

シーン3:突然の雨や天候急変(防水・撥水)

夏の山間部や沿岸部では、局地的な積乱雲の発達により、晴天から豪雨まで30分程度で天候が急変することがあります。特に午後2〜4時頃は雷雨の発生頻度が高く、予報で晴れとなっていても油断は禁物です。

雨に濡れた状態での走行は、体温低下だけでなく、視界不良やスリップのリスクも高まります。また、レインウェアがないために雨宿りを余儀なくされ、予定が大幅に遅れることもあります。軽量でコンパクトな防水ジャケットを常備することで、天候急変時も安全に走行を継続できます。

夏用アウターの選び方:2つの主要タイプ

タイプ1:ウィンドシェル(防風・撥水・軽量性重視)

ウィンドシェルは、主に風を防ぐことを目的とした軽量なジャケットです。重量は100〜200g程度で、手のひらサイズまでコンパクトに収納できるものが多く、サイクルジャージのバックポケットに常備できます。

素材には薄手のナイロンやポリエステルが使用され、防風性と透湿性のバランスが取れています。小雨程度であれば撥水加工により水を弾きますが、本格的な雨には対応できません。価格は8,000〜15,000円程度で、日常的な携帯用として最適です。

タイプ2:レインウェア(防水・透湿性重視)

レインウェアは、完全防水を目的とした雨天専用のジャケットです。耐水圧は10,000〜20,000mm以上を確保し、本格的な雨でも内部への水の侵入を防ぎます。重量はウィンドシェルより重い200〜400g程度です。

透湿性能も重要で、10,000〜15,000g/㎡/24hr以上の透湿度があれば、激しい運動時の汗による蒸れを軽減できます。価格は10,000〜25,000円程度と幅があり、素材や機能により大きく異なります。梅雨時や山岳地帯での本格的な雨対策には必須のアイテムです。

【軽量・防風】おすすめウィンドシェル2選

1. パールイズミ ストレッチ ウィンドシェル (2300)

パールイズミ2300の着用イメージ
パールイズミ2300は薄手軽量ながらストレッチ性に優れ、バックポケット付きで機能性も高い
出典:パールイズミ公式サイト

パールイズミ ストレッチ ウィンドシェル 2300の価格を比較する

価格:約12,870円(税込)※2025年10月時点

国内サイクルウェアブランドの老舗、パールイズミが展開するベストセラーモデルです。素材には100%ポリエステルの「ウィンドシェル」を採用し、薄手軽量ながら優れた防風性を発揮します。

最大の特徴はストレッチ性の高さで、スリムフィットながら窮屈感がなく、サイクリング時の腕の動きを妨げません。背面にはメッシュパネルを配置し通気性を確保、さらに3つのバックポケットを装備しているため、補給食やスマートフォンの収納も可能です。

ポケッタブル仕様により、W125×H170mmのコンパクトサイズまで収納できます。撥水加工により小雨程度なら対応可能で、上下開閉ファスナーにより温度調節も簡単です。日本人の体型に合わせた設計で、初心者から上級者まで幅広く愛用されています。

2. カペルミュール ストレッチ ウインドブレーカー (LIWB024)

カペルミュールLIWB024のブルー
カペルミュールLIWB024は側面と内袖にメッシュを配置し、通気性と防風性を両立
出典:カペルミュール公式サイト

カペルミュール ストレッチ ウインドブレーカー (LIWB024)の価格を比較する

価格:13,750円(税込)※2025年10月時点

ベルギーの石畳レースにちなんだブランド名を持つカペルミュールの機能性重視モデルです。本体には撥水性の高いナイロン100%素材を採用し、雨や露から身体を守ります。

独自の設計として、側面と内袖部分にメッシュ素材(ポリエステル81%、ポリウレタン19%)を配置し、防風性を保ちながら優れた通気性を実現しています。これにより、1年を通して快適に使用できる汎用性を持っています。

袖口にはナイロン74%、ポリウレタン26%のストレッチ素材を使用し、フィット感と動きやすさを両立。逆開ファスナーにより温度調節も容易で、ポケッタブル仕様でコンパクトに収納できます。欧州ブランドらしい洗練されたデザインも魅力です。

【防水・透湿】おすすめレインウェア3選

3. パールイズミ レーシング レインジャケット (2355)

パールイズミ2355半透明レインウェア
パールイズミ2355は半透明素材で下のジャージが透けて見える画期的なレインウェア
出典:パールイズミ公式サイト

パールイズミ レーシング レインジャケット (2355)の価格を比較する

価格:約11,880円(税込)※2025年10月時点

パールイズミが開発したレース対応レインウェアで、独自の半透明素材を採用した画期的なモデルです。従来のレインウェアでは隠れてしまうサイクルジャージのデザインが透けて見えるため、チームジャージのスポンサーロゴも視認できます。

素材には柔軟性の高い防水素材を使用し、動きやすさを重視した設計となっています。自転車レースでの使用を想定しているため、激しい動きにも対応できる伸縮性とフィット感を実現しています。

コンパクトに折りたためるポケッタブル仕様で、バックパックやサドルバッグに常備可能です。透明性と実用性を両立した唯一無二の存在で、レースイベント参加者には特におすすめです。

4. モンベル U.L.サイクルレインジャケット

モンベルU.L.サイクルレインジャケット
モンベルU.L.サイクルレインジャケットはスーパードライテック採用の超軽量モデル
出典:モンベル公式サイト

モンベル U.L.サイクルレインジャケットの価格を比較する

価格:約23,100円(税込)※2025年10月時点

アウトドアブランドのモンベルが開発したサイクリング専用レインジャケットで、独自の防水透湿素材「スーパードライテック」を採用しています。高い透湿性により、激しい運動時の汗による蒸れを効率よく外部に排出します。

驚異の軽量・コンパクト性を実現し、サイクルジャージの背面ポケットに入るサイズまで収納可能です。突然の雨に備えて常時携帯するのに最適で、重量やかさばりを気にせず持ち運べます。

自転車走行時の前傾姿勢を考慮した専用パターン設計により、背中部分の丈を長めに設定。袖周りも動きやすさを重視した設計で、快適な着心地を保ちます。モンベルの豊富な登山ウェア開発経験が活かされた、信頼性の高い一着です。

5. ワークマン イナレムプレミアムエアーレインジャケット

ワークマンイナレムエアー着用写真
ワークマンイナレムプレミアムエアーは3,900円で透湿度40,000g/㎡/24hを実現
出典:ワークマン公式サイト

ワークマン イナレムプレミアムエアーレインジャケットの価格を比較する

価格:3,900円(税込)※2025年10月時点

作業服専門店ワークマンが開発した驚異のコストパフォーマンスモデルです。耐水圧10,000mm、透湿度40,000g/㎡/24hという本格アウトドアブランドに匹敵するスペックを、わずか3,900円で実現しています。

透湿度40,000g/㎡/24hという数値は、激しい運動時の大量の汗も効率的に外部へ放出できることを意味します。サイクリングのような高負荷運動でも蒸れを最小限に抑え、快適性を保ちます。

重量は約215g(3Lサイズ実測値)と軽量で、コンパクトに収納可能です。サイズ展開はS〜3Lと幅広く、カラーもブラック、ブルー、イエロー、レッド、ベージュ、セージグリーンの6色から選べます。初めてのレインウェアとして、また予備用としても最適な選択肢です。

夏用アウターの賢い使い方と携帯方法

夏用アウターを効果的に活用するには、適切な携帯方法と着脱タイミングを理解することが重要です。

携帯方法では、サイクルジャージの背面ポケット(センターポケット推奨)に収納するのが基本です。重量配分を考慮し、左右のポケットには補給食やツールを入れてバランスを取りましょう。サドルバッグやフレームバッグを使用する場合は、取り出しやすい位置に配置することが大切です。

着用タイミングは、早朝スタート時、ダウンヒル前、雨雲接近時が主なケースです。体が温まった登坂中は脱いで収納し、峠の頂上付近で再び着用する習慣をつけましょう。「暑くなってから脱ぐ」より「涼しくなる前に着る」ことで、体温低下を予防できます。

メンテナンスでは、使用後は汗や汚れを落とし、完全に乾燥させてから収納します。撥水加工は洗濯により徐々に劣化するため、年1〜2回の撥水スプレー処理で機能を維持しましょう。

よくある質問(FAQ)

ウィンドシェルとレインウェアは両方必要ですか?

使用頻度や走行エリアによって判断しましょう。年間通してサイクリングを楽しむ方や山岳地帯を走ることが多い方は、両方揃えることをおすすめします。

初心者の方や平地メインの方は、まず軽量なウィンドシェルから導入し、経験を積んでからレインウェアを追加するのが現実的です。ウィンドシェルでも小雨程度なら対応できるため、最初の1着として優先度が高いアイテムです。

真夏の日中でも着ることはありますか?

気温30℃超の真夏日中では基本的に着用しませんが、以下の状況では必要になる場合があります。

エアコンの効いた屋内から屋外への移動時、強い日差しから腕を保護したい場合、標高の高い山岳地帯(標高差による気温低下)などです。また、UVカット機能付きモデルなら日焼け対策としても活用できます。

半袖ジャージの上に直接着ても大丈夫ですか?

基本的には問題ありません。むしろ、半袖ジャージとの組み合わせが最も一般的な使用方法です。

ただし、肌とアウターが直接触れる腕部分では、汗による不快感や摩擦が発生する場合があります。長時間着用する際は、アームウォーマーやアームカバーを併用すると快適性が向上します。冬用の厚手インナーとは異なり、夏用アウターは薄手設計のため重ね着による動きにくさは最小限です。

まとめ:夏こそアウターを携帯して快適なライドを

夏のサイクリングにおけるアウターの重要性について、具体的なシーンと推奨製品をご紹介しました。「夏だからアウターは不要」という先入観を捨て、適切なアウターを携帯することで、より安全で快適なサイクリングが楽しめます。

初心者の方には、まず軽量なウィンドシェルから導入することをおすすめします。パールイズミの2300やカペルミュールのLIWB024など、1万円台で購入できる高機能モデルが揃っており、コストパフォーマンスも優秀です。

より本格的にサイクリングを楽しみたい方は、レインウェアも併せて準備しましょう。天候急変時の安心感は、ライドの楽しさを大きく向上させます。

重要なのは、アウターを購入するだけでなく、実際に携帯する習慣を身につけることです。「今日は晴れているから大丈夫」という油断が、思わぬトラブルを招くことがあります。軽量コンパクトな現代のアウターなら、携帯による負担は最小限です。

※製品仕様は予告なく変更される場合があります。価格は変動する可能性があります。購入前に公式サイトでご確認ください。※掲載情報は2025年10月時点のものです。